JPH0340441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はリード線のガイド切断装置に係り、詳
しくは電子部品の自動挿入機でリード線をプリン
ト基板に挿入するのに先立ち、リード線の挿入を
容易に行えるようリード線の突端側を尖らせて切
断成形するのに用いられるリード線の切断装置に
関するものである。

従来の技術 コンデンサ、抵抗等のラジアル電子部品をプリ
ント基板に自動挿入するにあたつては、第４図で
示す如く複数個の電子部品Ｅ，Ｅ…を帯状のキヤ
リアテープＴで所定間隔毎に保持した状態でピツ
チ送りし、この電子部品連から第５図で示すよう
にキヤリアテープＴの切断で部品単位に切り離し
た後、第６図で示す如くキヤリアテープＴの保持
部分を含むリード線r₁，r₂の余剰部分を切り取り
除去し、その後に第７図で示すように所定長さの
リード線r₁，r₂をプリント基板Ｐの挿入孔に差込
み、最後に第８図で示す如くリード線r₁，r₂の突
端を若干切り取つて直角に曲げ込むことによりプ
リント基板Ｐに取付けることが行われている。こ
の取付け作業は、例えば第９図で示す自動挿入機
を適用して行うことができる。その自動挿入機で
は電子部品連の供給機構部１から部品単位に切断
して送り出される電子部品を移送機構部のチヤツ
ク２，２…で受取り挾持し、この移送機構部が略
45°傾いた中心軸で間歇回動するに伴つて上位の
部品受取り位置から下方の部品挿入位置までチヤ
ツク２，２…で挾持した電子部品Ｅを移送し、そ
の途上に第１０図で示すような切断装置３で電子
部品Ｅの余剰部分を切り取り除去し、しかる後に
チヤツク２，２…から挿入ヘツド４に電子部品Ｅ
を転送してXYテーブル５上に載置したプリント
基板に電子部品を挿入し、最終工程で特に図示し
ないクリンチ機構でリード線の突端側を切断して
折曲げるようにすることができる。

従来、この種の自動挿入機でリード線の切断装
置３としては、第１０図で示した如く相対向する
一対の平刃３ａ，３ｂを備え，その各刃３ａ，３
ｂを相互に一軸枢支したホルダー６ａ，６ｂで支
持すると共に、リンク機構７を介して駆動シリン
ダ８と連結することにより各刃先を突合せ乃至離
反動するよう構成したものが組込まれている。

考案が解決しようとする問題点 然し、この平刃３ａ，３ｂで各刃先を互いに突
合せることによりリード線の切断を行うときには
リード線の切断端が潰れて切断個所にバリが生ず
るところから、リード線の先端が軸径よりも広幅
になつてしまう。そのため、プリント基板の挿入
孔にリード線を差込む際にリード線の先端が挿入
孔の孔縁に引掛かり、或いはリード線の挿入後に
突端側をクリンチ機構で切断折曲するときにガイ
ドに突掛つてしまう等のトラブルを生ずることに
より、円滑な挿入を妨げる原因となつている。茲
において、本考案は電子部品のリード線を円滑に
挿入できるよう電子部品のリード線を鋭角に尖ら
せて切断可能なリード線の切断装置を提供するこ
とを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案に係るリード線の切断装置においては、
相対向する刃先面を突合わせ乃至は離反動する一
対の切断刃を備え、これら各切断刃の刃先面には
略逆半錐形を呈するリード線の切断端成形溝と、
その切断端成形溝の溝縁に位置する切刃と、この
切刃を介して切断端成形溝の側部に位置する切り
屑排出用の面取り凹部とを設け、更に、片方の切
断刃の本体下面から直線状の刃先を他方の切断刃
に向け且つ所定長さ突出する刃本体を他方の切断
刃の本体下面とすれ違い摺接可能に位置させてリ
ード線の軸端寄り余剰長さの軸線部分を切除する
切断刃を片方の切断刃の本体下部に取付けること
により構成されている。

作 用 このリード線の切断装置では一対の切断刃を近
接動すると、まず、直線状の刃先を持つた切断刃
がリード線の軸線部分にくい込んでリード線の軸
端寄り余剰長さの軸線部分を直線状の刃先で切り
込み開始する。その状態から一対の切断刃を更に
近接動すると、各切断刃の切刃がリード線の側面
に斜めにくい込み、且つ、このリード線の余剰な
側面部分を面取り凹部にはみ出させつつ各切刃の
刃先を突き合せる。そのときには直線状の刃先を
持つた切断刃がリード線の余剰長さの軸線部分を
切断するからリード線の切断成形される突端より
バリ状の余剰部分が残存することがなく、また、
一対の切断刃の各切刃がリード線の余剰な側面部
分を切断すると共に切断を切断端成形溝の内面に
押付けて押し潰すからリード線の突端側を鋭角に
尖らせて略逆錐形に切断することができる。それ
と同時に、リード線の余剰な側面部分は小さな切
り屑として切断できるから、各切刃から側方の面
取り凹部にはみ出させて円滑に排出できるように
なる。

実施例 以下、第１〜３図を参照して説明すれば、次の
通りである。

このリード線の切断装置は電子部品の自動挿入
機に備付けられるものであり、その自動挿入機に
おいては電子部品連から個々に切り離した電子部
品を移送機構部のチヤツクで挟持してプリント基
板に対する挿入位置に移送する途上、キヤリアテ
ープによる保持部分を含むリード線の余剰部分を
切断除去する装置として配設されている。このリ
ード線の切断装置は各刃先を互いに突合せて、リ
ード線を切断する一対の切断刃１０，１０′を備
えている。その各切断刃１０，１０′は相対向す
る刃先面を突合せ乃至は離反動するよう備付けら
れ、各刃先面はリード線の突端側を鋭角に尖らせ
て切断するよう所定の刃先形状を持つて成形され
ている。

この切断刃としては第１図で示す刃先形状のも
のを用いることができ、それは電子部品から３本
突出する各リード線を同時に切断する左右一対の
切断刃で、片側のみが示されている。この切断刃
１０は逆半錐形を呈するリード線の切断端成形溝
１０ａと、その成形溝１０ａの縁部に沿つてＶ字
状に突出する切刃１０ｂ，１０ｃとを持つて形成
されている。切刃１０ｂ，１０ｃの左右側部には
リード線の切り屑を排出する半錐形の面取り凹部
１０ｄ，１０ｅが設けられており、この面取り凹
部１０ｄ，１０ｅで切刃１０ｂ，１０ｃが鋭くな
るよう形成されている。その少なくとも片側の切
断刃１０には、直線状の刃先１１ａを他方の切断
刃１０′に向けて刃本体を切断刃１０の本体下面
からリード線の軸径に応ずる所定長さ前方に突出
することにより切断刃１１が切断刃１０の下部側
に取付けられている。この切断刃１１はリード線
の軸端寄り余剰長さの軸線部分を切除するもので
あり、その所定長さ前方に突出する刃本体は他方
の切断刃１０′の本体下面とすれ違い摺接するこ
とによりリード線の軸線部分を剪断できるよう装
備されている。また、この切断刃には刃身の上部
側から前方に突出させてガイドプレート１２が取
付けられている。このガイドプレート１２は板面
を略Ｕ字状に切り取り成形した切欠１２ａを持
ち、その切欠１２ａ内にリード線の軸線中心を切
刃１０ｂ，１０ｃの交差点と一致させて受入れ得
るように装着されている。

このように構成するリード線の切断装置では第
２図で示すように左右一対の切断刃１０，１０′
の対向間隔内にリード線Ｒを挿入して各切断刃１
０，１０′を近接動させると、リード線Ｒを片方
の切断刃１０に備えたガイドプレート１２の切欠
１２ａ内に受入れて位置決めしつつ、まず、切断
刃１０の下部に取付けられた切断刃１１の刃先１
１ａがリード線Ｒの軸線部分にくい込んで切込み
を開始する。その状態から更に一対の切断刃１
０，１０′が近接動すると、直線状の刃先１１ａ
を持つ切断刃１１が他方の切断刃１０′の本体下
面とすれ違い摺接しつつ切断刃１０，１０′の各
刃先が突合うことにより切断刃１１がリード線Ｒ
の軸線寄り余剰長さの軸線部分を切除し、また、
一対の切断刃１０，１０′が切刃１０ｂ，１０ｃ
でリード線Ｒの余剰な側面部分を押し切る。この
切刃１０ｂ，１０ｃによる押し切りと共に、切断
端成形溝１０ａがリード線Ｒの切断面を押し潰す
ことにより略逆錐形の尖つた軸端形状に形成でき
る。また、その切り刃１０ｂ、１０ｃで切断され
たリード線Ｒの余剰な側面部分は軸端寄り余剰長
さの軸線部分が切除されているため、小さな切り
屑として面取り凹部１０ｄ，１０ｅにはみ出すこ
とにより面取り凹部１０ｄ，１０ｅから外方に円
滑に排出される。なお、切断刃１１で切除したリ
ード線Ｒの軸線部分は自重で下方に落下すること
により除去するようにできる。

考案の効果 以上の如く、本考案に係るリード線の切断装置
に依れば、リード線の軸端側を鋭角に尖らせて確
実に切断成形できることにより、リード線をプリ
ント基板の挿入孔やクリンチ機構のガイド等に円
滑に差込むことを可能にするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るリード線の切断装置の切
断刃個所を示す部分斜視図、第２及び３図は同切
断装置の動作説明図、第４図は複数個の電子部品
をテーピング保持した電子部品連を示す説明図、
第５〜８図は同部品の取付けを挿入工程順に示す
説明図、第９図は一般例に係る電子部品の自動挿
入機を示す説明図、第１０図は同挿入機に備える
リード線の切断装置を示す説明図である。 Ｒ：リード線、１０，１０′：一対の切断刃、
１０ａ：切断端成形溝、１０ｂ，１０ｃ：切刃、
１０ｄ，１０ｅ：面取り凹部、１１：切断刃。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 相対向する刃先面を突合せ乃至は離反動する一
   対の切断刃を備え、 上記各切断刃の刃先面には略逆半錐形を呈する
   リード線の切断端成形溝と、その切断端成形溝の
   溝縁に位置する切刃と、この切刃を介して切断端
   成形溝の側部に位置する切り屑排出用の面取り凹
   部とを設け、 更に、上記片方の切断刃の本体下面から直線状
   の刃先を他方の切断刃に向け且つ所定長さ突出す
   る刃本体を他方の切断刃の本体下面とすれ違い摺
   接可能に位置させて、リード線の軸端寄り余剰長
   さの軸線部分を切除する切断刃を片方の切断刃の
   本体下部に取付けたことを特徴とするリード線の
   切断装置。