JPH0340126Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は天蓋を開閉自在に移動可能な複数のパ
ネルで構成された温室に係り、確実かつ円滑にパ
ネルに開閉を行い、しかも開蓋したパネルを温室
の下部に収納するようにした温室に関する。

［従来の技術］ 第５図に示すように本出願人は先に実願昭59−
90170号として天蓋開閉温室を出願した。この出
願は固定枠Ａに囲繞された複数の移動パネルＢが
ガイドレールＣに沿つて自在に走行するもので、
特にハウスの固定フレームＤに蝶着されたガイド
レールＣ自体を開閉する手段として、パネルＢを
勾配方向にワイヤなどで昇降する手段とは別途に
カムＥを用いた押し上げ手段を上部パネルＢの下
端付近に有している。そして、密閉状態から天蓋
を開放する場合にはこのカムＥを操作してまず、
上部に位置するパネルＢの下側をガイドレールＣ
と共に押し上げて下部のパネル（図示省略）の上
側に重ね、その後、パネルＢと下部のパネルは自
重によつて逐次降下するものである。その際に、
下部のパネルは上部のパネルＢの下端に取付けら
れたクリツプ状の保持部材Ｆによつて係合されて
下降するという構成であつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 前述のように従来の開閉機構ではワイヤーなど
でパネルを昇降する通常の動作と併せて、パネル
を開閉するためにはパネル毎に昇降用のカムとそ
の昇降手段をそれぞれ用意する必要があり、その
ため勾配方向に複数個のパネルを配置してきめの
細かい温度調節をするということは困難であつ
た。加えて下部のパネルは上部のパネルの保持部
材によつてのみ係合されて下降するので信頼性に
欠ける点もあつた。また、移動パネルは上方のパ
ネルを外側にして固定パネルの表面側に順次露出
された状態でハウス外に放置されるため、破損事
故が起き易くまた、汚れに対し無防備であつた。

［問題点を解決するための手段］ そこで、本願考案は第１図に示すように、フレ
ーム１の近傍に配置された左右のガイドレール
２，３及びガイドレール２，３に当接して走行す
るキヤスター４と、上記ガイドレール２，３の中
央に配置された中間ガイドレール５に案内されて
走行するコロ６が固定された移動パネル７が索条
８でそれぞれ連結され、別途用意された昇降用の
シヤフトにその両端が固定され、そしてこのシヤ
フトの回動によつて、索条８を引張つてパネル７
を昇降する手段に加えて、上記移動パネルを支持
するガイドレール自体を昇降させる次の手段を具
えた温室を提供するものである。

即ち、複数の移動パネルを支持するガイドレー
ル２，３の上下端部にはハウス内の上部及び下部
に横架したシヤフト９，１０に施されたウオーム
ホイール１２と螺合するウオームギヤ１３を具備
したガイドレールスピンドルが固着される。そし
て、ウオームギヤ１３のボス内には雌ネジが穿設
され、一方ガイドレールスピンドル１４の外周に
雄ネジが施されている。

さらに、パネルが開状態の時、最下段の固定パ
ネルと中間ガイドレールのカム部分と、その下側
に連成された垂直支持部とで区画された空〓をパ
ネルの収納部として、パネルを収容するものであ
る。

［作用］ まず、パネルを閉状態から開状態へ移行する時
には、最下段の固定パネル７′の上部端面と接し
ている移動パネル全体をガイドレールごと室内側
にパネルの板厚分以上を下降させてから、次にパ
ネル昇降用のシヤフトを操作してパネルを順次勾
配方向に降下させる。即ち、前記シヤフト９，１
０を回転することによつて、ウオームギヤ１３の
雌ネジが回動され、それと螺合しているガイドレ
ールスピンドル１４の雄ネジがこの雌ネジに案内
されて軸方向に移動してスピンドルを下降し、ガ
イドレール２，３を降下させるものである。その
後パネル昇降用のシヤフトを操作して順次移動パ
ネルを勾配方向に降下させる。なお、パネルを閉
状態にするにはまず、移動パネル昇降用のシヤフ
トを前記とは逆の方向に駆動してパネルを順次引
上げ、天蓋を覆つた後、前記駆動シヤフト９，１
０を開状態とは逆方向に駆動し、スピンドル１４
を上昇させてガイドレール２，３を屋外側に上昇
させ、固定パネルと移動パネルとが一連に連設さ
れるレベルまで上昇させた後停止して気密を保つ
ようにする。

［実施例］ 第１図は本願温室の片側の一部を破断して示す
斜視図である。前述のようにハウスＨのメインフ
レーム１の近傍にガイドレール２が配され、ガイ
ドレール２の上下四隅にはハウスＨ内を横架する
シヤフト９，１０に穿設されたウオームホイール
１２と螺合するウオームギヤー１３を具備したガ
イドレールリフトスピンドル１４が固定され、こ
れによつてフレーム２及びパネル７を支持してい
る。そして、複数の移動パネル７と固定パネル
７′から成るパネル部Ｐを単位とする天蓋が形成
され、それらを並設してハウスＨ全体の天蓋を形
成している。パネル７はハニカムコアまたはガラ
スなどの透明体が枠７ａで保持され、この枠７ａ
の左右隅角部近傍にはキヤスター４が具えられる
と共に、メインフレーム１に固定されている中央
ガイドレール５と相対する位置にコロ６が取付け
られている。固定パネル７′の内側部分の中央ガ
イドレール５は円弧状のカム５ａが形成され、さ
らに当該部分から垂直に立設された支持片５ｂが
連設され、その結果、この中央ガイドレール５と
固定パネル７′によつて区画された空〓が形成さ
れ、複数のパネル７を収容する収納部１１が形成
される。

第２図は本考案の可動機構の一部を示す平面図
であり、移動パネル７はその上部中央位置にチヤ
ンネル材で形成され、さらにメインフレーム１に
固定された中央ガイドレール５内を走行するコロ
６が取りつけられる。このコロ６に別途昇降シヤ
フト（図示省略）に一端が締結された索条８の他
端を固定する。さらに、次段の移動パネル７のコ
ロ６に索条８の一端を固定し、順次上記と同様に
各パネル７をそれぞれ索条８で連絡する。なお、
前述の通りガイドレールリフトスピンドル１４に
固定されたＬ型ガイドレール２に当接して走行す
るキヤスター４が移動パネル７の枠７ａの隅角部
に取付けられる。

第３図は昇降状態を示す説明図である。なお第
１〜２図と併せて動作状態を説明する。各パネル
７及び固定パネル７′は第３図ａのように密閉状
態から第３図ｂに示すような昇降過程を経て第３
図ｃに示すように固定パネル７′の内側に収納さ
れる。そのためには、まず移動パネル群を固定パ
ネル７′のレベルよりもその板厚分以上は下げる
必要があり、適宜の手段で前述の第１〜２図に示
す駆動シヤフト９，１０を操作して同軸のウオー
ムホイール１２を回動し、次にそれと螺合してい
るウオームギヤー１３に動力を伝達し、このウオ
ームギヤ１３のボスの内面に穿設された雌ネジ１
３ａの回動によつて、ガイドレールリフトスピン
ドル１４の外周に施された雄ネジ１４ａが案内さ
れて軸方向に移動してガイドレールリフトスピン
ドル１４を下側に移動させる。それによつて、こ
のガイドリフトスピンドル１４が固定されている
ガイドレール２，３を下降し、ガイドレール２，
３に載置されている移動パネル群を下げる。な
お、中央ガイドレール５はメインフレーム１に固
定されているが、第４図に示すようにコロ６の台
車６ａと、コロ６をパネル７に固定する支持板６
ｂの一端が遊嵌されて軸着しているため、軸を中
心として開閉自在であつて、従つてガイドレール
２，３の昇降に際しても逃げ代は充分であり、パ
ネル７またはコロ６を破損するということはな
い。前記シヤフト９，１０を例えば反時計方向に
回動して、ガイドレール２，３を下げ、固定パネ
ル７′と接している移動パネルをそのレベルから
下げ、それによつて移動パネル７の端面が固定パ
ネル７′の端面よりも下側に移動した後、別途パ
ネルを勾配方向に移動する昇降シヤフトを操作す
るとパネル７のコロ６に固定された索条８が上記
シヤフトに巻き取られて下降を開始する。そし
て、弧状に曲成された中央ガイドレール５のカム
５ａ部分に至ると自重によりガイドレール５に案
内されて順次下方の収納部１１に図示のように収
容される。

また、上方にパネルを移動する場合は前記と逆
に収納部１１に収容された上側の移動パネル７か
ら順次上方に引上げ、パネル７群が連設された後
にガイドレール２，３を上昇して固定パネル７′
のレベルと合致させ、気密性を保つようにする。

［効果］ 本願考案は前述のように、ガイドレール上に多
数枚の移動パネルを載置することが可能になり、
全開・全閉の他にそのうち数枚のパネルだけを開
けることも可能であつて、きめの細かい換気をす
ることが出来るようになつた。そのため従来パネ
ルに付着し易かつた水滴の除去、室温の管理等に
多大の効果を発揮するものである。また、移動パ
ネルを索条で相互に連絡し、かつ左右のガイドレ
ールの中間に設けた中央ガイドレール上を移動パ
ネルに固定されたコロが滑動することにより、パ
ネルは円滑かつ確実に走行することが出来るよう
になつた。さらに、本願考案はハウスの屋内に各
移動パネルを収納するようにしたから、パネルの
汚れや破損を防止する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の一部を破断した状態
を示す斜視図、第２図は移動パネルの昇降状態を
示す説明図、第３図は移動パネルとガイドレール
の可動機構を示す平面図、第４図はコロを示す斜
視図、第５図は従来例を示す側面図である。 １……フレーム、２，３……ガイドレール、４
……キヤスター、５……中間ガイドレール、６…
…コロ、７……移動パネル、７′……固定パネル、
７ａ……枠、Ｈ……ハウス、１２……ウオームホ
イール、１３……ウオームギヤー、１４……ガイ
ドレールリフトスピンドル、１３ａ……雌ネジ、
１４ａ……雄ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天蓋パネル部をその勾配方向に２以上の移動パ
   ネルに分割し、この分割した当該パネルはパネル
   部毎に配設された左右のガイドレールに沿つて勾
   配方向に移動する温室において、固定フレームの
   近傍に配設されたガイドレールの上下四隅に、ハ
   ウス内の上部および下部に横架された駆動シヤフ
   トのウオームホイールと螺合するウオームギヤー
   を具えたガイドレールスピンドルが固定され、こ
   のガイドレール上には中間ガイドレール内を走行
   するコロが取付けられると共にその隅角部にキヤ
   スターが突設された複数の移動パネルが載置さ
   れ、また、各移動パネルのコロはパネル昇降シヤ
   フトに捲回された索条で連結されており、さら
   に、ハウスの下部周縁は固定パネルで構成され、
   その屋内側に上記中央ガイドレールを弧状に曲成
   したカムとそれに連なる垂直支持片が立設され、
   このガイドレールと固定パネルとの空〓に上記移
   動パネルの収納部が形成されたことを特徴とする
   天蓋開閉温室。