JPH0339164Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はフードプロセツサ等の調理装置に関す
る。

〔従来の技術〕

フードプロセツサあるいはミキサーは、上端開
口の調理容器内のカツターを、調理容器を支持す
る本体ケースに内蔵されたモータによつて回転駆
動して、調理容器内に投入された食品材料を加工
するようになつている。

この種調理装置における調理容器の開口を開閉
する容器蓋には、マヨネーズを作る際において調
理容器内にサラダ油等の添加液体を供給する供給
凹部を設けたものがある。そして、この供給凹部
は比較的浅い球面状や逆円錐状をなし、その底に
供給孔を設けて形成されていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、容器蓋を調理容器から取外す場合
に、容器蓋を閉蓋状態の略水平な姿勢を保持した
まま平行に上方に移動させることは難しく、ほと
んどの場合斜めに傾けられながら取外される傾向
がある。特に、ミキサーに使用されている容器蓋
の場合には、この蓋に取付けられたゴムパツキン
が調理容器の開口縁に密着しているため、必ず傾
いて取外される。

このため、上記供給凹部内に残留しているサラ
ダ油等の添加液体が、容器蓋の傾斜に伴つて供給
凹部から容器蓋の上面に容易に流れ出て、容器蓋
の上面やその周囲等を汚してしまうとしう問題が
あつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記の問題を解決するものであつて、
上端開口に容器蓋が着脱自在に取付けられた調理
容器内のカツターを、上記調理容器を支持する本
体ケースに内蔵されたモータによつて回動駆動し
て、上記調理容器内に投入された食品材料を加工
するとともに、上記容器蓋が添加液体の供給凹部
を有した調理装置に適用される。そして、本考案
は、上記調理容器の開口縁部に係合突部を突設す
るとともに、この係合突部に係脱自在な引掛け部
を上記容器蓋に突設する。さらに、上記供給凹部
における上記引掛け部側を水平面に対して略直角
または鋭角な塞き止め壁で形成し、この塞き止め
壁の下端に連なつて上記供給凹部の底に供給孔を
設けたことを特徴とする。

〔作用〕 本考案の調理装置における容器蓋は、その引掛
け部を調理容器の開口縁部に設けた突部に引掛け
てから、これら突部と引掛け部との係合箇所を支
点として下方に回動させることにより、調理容器
に蓋施する。また、調理容器への材料投入時や調
理後において容器蓋は、上記突部と引掛け部との
係合箇所を支点として上方に回動するように上記
引掛け部と反対側の縁部を押し上げてから、突部
と引掛け部との係合を外すことにより、調理容器
から取外す。そして、容器蓋の取外しにおける回
動支点の位置は不動であるとともに、供給凹部の
塞き止め壁は供給凹部における上記引掛け部側に
設けられて水平面に対して略直角または鋭角であ
るから、容器蓋の傾きに拘らず、供給凹部内に残
留したサラダ油等の添加液体の流動を上記塞き止
め壁で塞き止めることができる。また、供給孔は
これを通して塞き止められた添加液体を調理容器
内に導く。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図から第３図を
参照して説明する。

図中１はモータ２を内蔵した本体ケースで、こ
のケース１には透明ガラス製の調理容器３が着脱
自在に装着されている。この容器３内に例えば着
脱自在に設けられるカツター４は、モータ２に連
結されたベルト伝導機構等の伝導手段５を介して
回転駆動されるようになつている。なお、第３図
中３ａは調理容器３のハンドルである。

調理容器３の上端開口は、これに着脱自在な合
成樹脂製の容器蓋６で閉塞されている。容器蓋６
は調理容器３の開口端に当接される環状鍔７を有
している。しかも、容器蓋６における環状鍔７よ
りも下側は、調理容器３の上部に嵌入する嵌入部
８となつていて、その外周にはゴムパツキン９が
取付けられている。なお、ゴムパツキン９は、本
実施例の調理装置がミキサーとしても使用できる
仕様に構成したフードプロセツサであることから
設けたものであるが、ミキサー機能を持たないフ
ードプロセツサにあつては省略できる。

そして、容器蓋６の周縁には、引掛け部１０が
一体に突設されているとともに、この引掛け部１
０と径方向に対向して突片１１が一体に突設され
ている。上記引掛け部１０は調理容器３の開口縁
部の外面に一体に突設された係合突部１２に係脱
自在に引掛けられるようになつている。

さらに、容器蓋６の上面には供給凹部１３が設
けられている。供給凹部１３はマヨネーズを作る
際等においてサラダ油等の添加液体を、施蓋状態
の容器蓋６から調理容器３内に供給させるために
設けられている。この供給凹部１３における上記
引掛け部１０側は、水平面に対して略直角（な
お、本実施例の場合には容器蓋６の上面が水平で
あるから、この上面に対して略垂直）な下向きの
塞き止め壁１４で形成されている。そして、供給
凹部１３の最低位部には塞き止め壁１４の下端に
連なつて円形の小孔よりなる供給孔１５とから形
成されている。また本実施例では、供給部１３を
上記突片１１側に寄せて設けるとともに、この供
給凹部１３の底を突片１１に向うにつれて徐徐に
浅くなるように傾けて形成した場合を示してい
る。

なお、図中１７はモータ２の回転速度を選択す
る操作ボタン、１８は上記本体ケース１に立設さ
れて、内部に図示しない常開の始動スイツチを動
作させるアクチエータを収めたアクチエータ収納
筒である。また、１９は容器蓋６から一体に突設
された操作突起で、これは上記収納筒１８に設け
た切欠１８ａに挿脱自在であつて、その切欠１８
ａへの挿入により上記図示しないアクチエータを
押して始動スイツチを閉じさせて、モータ２を上
記操作ボタン１７で選択した速度で回転させるよ
うになつている。なお、切欠１８ａに対する操作
突起１９の挿脱は、調理容器３とともにこれに被
せた容器蓋６を回動させることで行なうようにな
つている。

このように構成した本装置において調理容器３
に対する容器蓋６の着脱は次のようにして行われ
る。

まず、容器蓋６を取付けるには、この容器蓋６
を第１図中二点鎖線で示すように斜めにして、そ
の引掛け部１０を調理容器３の開口縁部に設けた
係合突部１２に引掛ける。次に、これら係合突部
１２と引掛け部１０との係合箇所を支点として容
器蓋６を下方に回動させる。それにより、容器蓋
６の嵌入部８が調理容器３の上部に嵌入するとと
もに、環状鍔７が調理容器３の開口端に当接し
て、第１図中実線に示すように調理容器３に蓋施
される。

なお、本装置は、食品材料の投入後において以
上の手順で施蓋してから、調理容器３を本体ケー
ス１にセツトしてカツターを回転駆動させ、それ
によつて食品材料を加工するものであり、その加
工でマヨネーズを得る場合には、容器蓋６が有す
る供給凹部１３にサラダ油等の添加液体を注い
で、これを供給孔１５を通して調理容器３内に供
給させる。

また、調理容器３への材料投入時や調理後にお
いて容器蓋６を外すには、第１図中実線で示す状
態から二点鎖線に示す斜めの状態になるように、
上記係合突部１２と引掛け部１０との係合箇所を
支点として引掛け部１０と反対側の縁部を押し上
げる。この作業は突片１１に指を掛けて容易に行
なうことができる。次に、係合突部１２と引掛け
部１０との係合を外す。以上の手順により、調理
蓋６を調理容器３から取外すことができる。

以上の作業手順から明らかなように、引掛け部
１０と係合突部１２とが形成する容器蓋６の回動
支点の位置は不動であるから、容器蓋６は必ず引
掛け部１０を下側にした状態で傾けられる。これ
とともに、このような条件下において、、容器蓋
６に設けた供給凹部１３を、水平面に対して略直
角な塞き止め壁１４を引掛け部１０側に有する構
成としたから、容器蓋６の取外し時において塞き
止め壁１４は、、供給凹部１３の下部に位置され
る。

このため、容器蓋６の傾きに伴つて係合凹部１
３に残留したサラダ油等の添加液体の流動は、塞
き止め壁１４で塞き止められる。そして、このよ
うにして供給凹部１３から容器蓋６の上面への流
出を防止された添加液体は、塞き止め壁１４の下
端に連なつて設けられた供給孔１５を通して、調
理容器３内に導かれる。

したがつて、容器蓋６の取外し時において容器
蓋６の上面および周囲が供給部１３内に残留した
添加液体を汚されることを防止でき、使い勝手を
向上できる。

また、上記一実施例の以上のように構成した
が、本考案において使用する容器蓋６は、第４図
に示すように容器蓋６を設けた供給凹部１３の塞
き止め壁１４を、これと水平面とがなす角度θを
鋭角にして形成したものであつてもよい。このよ
うな容器蓋６を使用する場合には、添加液体の塞
き止め作用により向上させることができる。

さらに、本考案において使用する容器蓋６は、
第５図に示すように供給孔１５が塞き止め壁１４
の長さ方向に沿うスリツト孔からなるものであつ
てもよい。このような容器蓋６を使用する場合に
は、塞き止められた添加液体をより速やかに調理
容器に導くことができる。

その他、本考案の実施に当つては、考案の要旨
に反しない限り、本体ケース、モータ、調理容
器、カツター、容器蓋、引掛け部、係合突部、供
給凹部、塞き止め壁、供給孔等の具体的な構造、
形状、位置等は、上記一実施例に制約されること
なく、種々の態様に構成して実施できることは勿
論である。

〔考案の効果〕

上記実用新案登録請求の範囲に記載の構成を要
旨とする本考案によれば、供給凹部から添加液体
を供給して食品の加工を行なつた後において、調
理容器から容器蓋を取外す際に、この容器蓋が傾
けられるにも拘らず、供給凹部内に残留している
添加液体が容器蓋の上面に流出することを防止で
きるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図は本考案の一実施例を示し、
第１図は一部を断面して示す要部の側面図、第２
図は全体の背面図、第３図は全体の平面図であ
る。第４図は容器蓋の他の実施態様を示す縦断面
図、第５図は容器蓋の更に他の実施態様を示す平
面図である。 １…本体ケース、２…モータ、３…調理容器、
４…カツター、６…容器蓋、１０…引掛け部、１
２…係合突部、１３…供給凹部、１４…塞き止め
壁、１５…供給孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上端開口に容器蓋が着脱自在に取付けられた
   調理容器内のカツターを、上記調理容器を支持
   する本体ケースに内蔵されたモータによつて回
   転駆動して、上記調理容器内に投入された食品
   材料を加工するとともに、上記容器蓋が添加液
   体の供給凹部を有した調理装置において、 上記調理容器の開口縁部に係合突部を突設
   し、かつ、この係合突部に係脱自在な引掛け部
   を上記容器蓋に突設するとともに、上記供給凹
   部における上記引掛け部側を水平面に対して略
   直角または鋭角な塞き止め壁で形成し、この塞
   き止め壁の下端に連なつて上記供給凹部の底に
   供給孔を設けたことを特徴とする調理装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第(1)項の記載におい
   て、供給孔が塞き止め壁の長さ方向に沿うスリ
   ツト孔からなることを特徴とする調理装置。