JPH03378Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、印字ベルト型捺印器であつて、互い
に平行に配置されているエンドレスな印字ベルト
を有しており、該印字ベルトがそれらの外面に印
字を有しかつそれぞれ１つの調節車と軸を中心と
して回動可能な１つの星形送り車とに引掛けられ
て案内されており、この星形送り車の自由な回動
を防止するための係止装置が設けられており、こ
の係止装置が星形送り車に対して摩擦接続により
保持されていてかつ該星形送り車を所定の係止位
置に係止する形式のものに関する。

そのような印字ベルト型捺印器は既に公知であ
る。この印字ベルト型捺印器では個々の印字ベル
トがそれぞれ配属させられた調節車の回転によつ
て、印字ベルト外面の所期の印字が所定の印字位
置に達するように調節されることが可能である。
調節車を回すと印字ベルトが該調節車により連行
され、かつまた所属の星形送り車がその軸を中心
として回転させられる。その場合には印字ベルト
の印字の１つが調節車とは反対側で星形送り車周
面上に位置していると、該印字は印字位置にあ
る。複数桁の符号を印字するためには、互いに並
べて配置されている複数の印字ベルトの印字が印
字位置へ動かされねばならない。印字ベルトの所
期の調節が得られるように調節車を回す場合に
は、押印しようとする印字の印字位置ができるだ
け正確に得られるように配慮されねばならない。
押印しようとする印字の調節位置が僅かに異なつ
ただけでも印字は、すべての符号が同じ高さの行
上には位置していない押印を生ぜしめるようにな
る。印字位置に印字を正確に調節することが使用
者にとつて容易になるようにするためには、星形
送り車が自由に回転することを防止する係止装置
が使用される。この係止装置は、該係止装置が各
星形送り車を所定の位置に固定し、しかも或る程
度の力を克服した後でしか該星形送り車の回動を
許さないように構成されている。使用されている
星形送り車が四角形である場合には、印字位置に
ある印字が位置している星形送り車周面部分に向
かい合つている星形送り車周面部分に係止装が摩
擦接続により作用する。調節車を回すことによつ
て使用者は印字ベルトひいては星形送り車をも、
係止装置により及ぼされている力に抗して動かす
ことができるのではあるが、星形送り車をそれぞ
れ90゜だけ回す前に或る程度の力を克服しなけれ
ばならないことを使用者ははつきり感じることが
できる。このように使用者が調節車を回す際に感
じることができる力のピークは、そのつど押印し
ようとする印字の正しい位置決めを容易にする。

前記の公知の捺印器では各星形送り車のための
係止装置として突き棒が設けられており、該突き
棒は所属の星形送り車の周面部分に接した状態に
ばねにより保持されている。星形送り車を回すと
該星形送り車の角は突き棒をばね力に抗して押し
戻す。この結果、星形送り車を回動させるために
必要な力をはつきりと感じられるように拡大させ
る。この場合には既に述べた力のピークは、突き
棒が星形送り車の角によりばね力に抗して押し戻
されるとそのつど生じる。ばね力を得るために
は、個々の星形送り車のために設けられた突き棒
の下にゴム条材が取り付けられている。該ゴム条
材は突き棒が星形送り車の角により押し戻される
と撓むことが可能である。この公知の印字ベルト
型捺印器の係止装置は、狭い許容誤差内で製造さ
れねばならない多数の構成部材から成つている。
これらの多数の構成部材は製造において高価であ
るだけではなく、印字ベルト型捺印器内へ組み込
むためにも比較的大きい所要時間を必要とする。

本考案の課題は、簡単でコスト的に有利な手段
によつて、押印しようとする印字の正確な位置決
めが達成されるように、冒頭で述べた形式の印字
ベルト型捺印器を達成することである。

この課題は本考案によれば、冒頭に述べた形式
の印字ベルト型捺印器において、各送り車のため
の係止装置がばね舌状片を有しており、該ばね舌
状片が互いに間隔をおいて位置している少なくと
も２つの点で、星形送り車の隣接した２つの角の
間を延びている星形送り車周面部分に接触してい
て、しかも該ばね舌状片の平面が星形送り車がそ
の軸７を中心として回転する平面に対して鋭角を
成していることによつて解決された。

本考案の印字のベルト型捺印器においては各星
形送り車のために使用されているばね舌状片は、
星形送り車を所望の位置に固定する作用の他に使
用者が印字ベルトを調節する際に感じることので
きる力のピークを生ぜしめる作用をもたらす。従
つて本考案では前記の２つの作用を得るために
種々異つた構成部材を使用する必要はなくなる。

次に図面につき本考案の実施例を説明する。

第１図で示した印字ベルト型捺印器は４つの印
字ベルト１，２，３，４を有しており、これらの
印字ベルト１，２，３，４はそれらの外面に印字
５を備えている。第２図の断面図からわかるよう
に、該印字ベルトは調節車６と軸７を中心として
回動可能な星形送り車８とに引掛けられたエンド
レスなベルトである。

各印字ベルトはその外面に12の印字５を保持し
ている。図示の実施例ではこれらの印字で０から
９までの数字と点とハイフンを印字することがで
きる。印字するために所定の印字５を使用できる
ようにするためには、該印字５は第１図および第
２図によればそれぞれ所属の星形送り車８の下側
に位置している印字位置９を占めなければならな
い。この印字位置９に印字を動かすために印字ベ
ルトがその長手方向で特別な調節機構により移動
させられる。この調節機構は回動不能に中空軸１
１の上に取付けられている回転ノブ１０を有して
いる。この中空軸１１はその縦方向で摺動可能に
当該印字ベルト型捺印器の側壁１２に回動可能に
支承されている。この中空軸１１の向かい側では
軸１４が他方の側壁１３と堅く結合されており、
該軸１４は中空軸１１の内部へ突入しており、し
かも、該中空軸１１がその縦方向でずらされる時
に該中空軸を案内する。

中空軸１１の、前記の両方の側壁１２と１３と
の間に位置している端部は第２図に見られるピニ
オン１５を保持している。中空軸１１を軸方向で
ずらすことによつてそれぞれ１つの調節車６とピ
ニオン１５を同一平面にもたらすことができる。
第２図からわかるように、調節車６はリングであ
り、該リングの内面は溝１６を備えており、該溝
１６内にはピニオン１５の歯１７が係合する。こ
の調節車６は側壁１２，１３と堅く結合されてい
る支持体１８上に固定点なしに支承されている。

前記中空軸１１が完全に押し込まれて、第１図
で最も左方の位置を占めていると、ピニオン１５
は印字ベルト１に配属させられた調節車６に対し
て位置決めされている。それに対して中空軸１１
が完全に引き出されていると、ピニオン１５は印
字ベルト４の調節車６に対して位置決めされてい
る。第１図では中空軸１１は、ピニオン１５が印
字ベルト３の調節車６と同一平面上に位置してい
る中間位置に配置されている。従つてノブ１０を
回動させることによつてこの調節車６ひいては該
調節車により駆動される印字ベルト３をずらすこ
とができる。このことは表示装置１９によつても
表示される。該表示装置１９は中空軸１１と堅く
結合されていてかつピニオン１５と同一平面上に
位置している指針２０を有している。この指針２
０は回転ノブ１０を回すことによつて動かすこと
ができる印字ベルト上にちようど位置するように
なる。この表示装置１９には窓２１が設けられて
おり、この窓２１を通してちようど調整可能な印
字ベルトを見ることができる。どの印字が印字位
置９にあるのかが正確にわかるようにするために
は、印字ベルトの外面に既に述べた１２の印字だ
けではなく、それぞれの印字に相応した符号が印
刷されている相応した数の区域２１′が設けられ
ており、このような印刷は、印字位置９にある印
字で捺印される符号を表示装置１９の窓２１を通
してちようど見ることができるような順序で行な
われている。

前記の印字ベルト１，２，３，４と調節車６と
の間の良好な駆動接続を得るためには、各印字ベ
ルトの内面に突起２２が取り付けられており、該
突起２２は各調節車６の外周面の相応した溝２３
内に係合させられている。また星形送り車８もそ
の４つのまつすぐな各周面部分に相応した溝２４
を有しており、該溝２４内へ前記の印字ベルトの
突起２２が係合可能である。

ところで印字しようとする所定の数字に合わせ
るために、中空軸１１が第１図に示した位置にあ
る状態で回転ノブ１０が回動させられると、ピニ
オン１５が調節車６を駆動し、該調節車６が所属
の印字ベルト３を連行する。星形送り車８の溝２
４と印字ベルト３の突起２２との間の係合に基い
て星形送り車８も軸７を中心として回動する。回
転ノブ１０をひき続き回すと、印字５は順次、所
期の押印を得るために該印字５が占めなければな
らない印字位置９に達する。第１図の調節位置で
は、例えば数字６のための印字が印字位置９にあ
り、従つて印字ベルト３に印字インキを付けた後
で数字６が印字される。この場合には印字ベルト
４によつては第１図の調節位置で数字８が印字さ
れる。図面を簡素化するために、印字ベルト１お
よび２の印字されるべき印字は図示されていな
い。

前記印字ベルト１，２，３，４により印字しよ
うとする数字又は符号がちようど一行内に位置す
るようにするためには、印字位置９にある印字５
は回転ノブ１０による調節過程を行なつた後です
べての印字ベルトにおいて正確に同じ位置を占め
かつ第２図においてちようど水平方向に位置しな
ければならない。この位置は調節過程が終つた後
で星形送り車８が第２図に図示した位置を占める
と得られる。この位置では星形送り車の、調節車
６とは反対側の周面部分は第２図で水平に位置し
ている。

前記の調節過程を行なう使用者が印字位置９に
ある印字５をそのつど監視する必要がないように
するためには係止装置２５が設けられている。該
係止装置２５は一方では軸７を中心として星形送
り車８が自由に回動することを防止し、他方では
星形送り車８を90゜だけ回転させられた後でその
つど係止位置に固定することに役立つ。このよう
な目的のためには係止装置２５が各星形送り車８
のためにばね舌状片２６を有している。該ばね舌
状片２６は該星形送り車８の２つの角の間に位置
している調節車６に向けられた周面部分に接して
摩擦接続により保持されている。このばね舌状片
２６は、支持体１８の溝２８内にはまつているベ
ース部材２７と一体に結合されている。

第３図からわかるように、各ばね舌状片２６の
平面は、星形送り車８が軸７を中心として回転可
能である平面に対して鋭角αで、有利には13゜な
いし15゜で傾斜させられている。星形送り車８の
隣接した周面部分に弾性的に接しているばね舌状
片２６は該星形送り車を第２図の位置で固定する
のではあるが、該ばね舌状片２６はそのばね特性
に基いて、駆動されている印字ベルトの作用を受
けて星形送り車８が回動できるように撓むことが
可能である。第３図では、所属の星形送り車８が
印字ベルトにより回動させられるとどのようにば
ね舌状片２６ａがいくらか強く曲げられるのかが
図示されている。従つてばね舌状片２６は、該ば
ね舌状片が星形送り車の周面部分に接しているの
かあるいは該ばね舌状片が星形送り車の角により
著しく曲げられているのかに応じて種々異なつた
力で星形送り車８の回動を妨げる。回転ノブ１０
を回すことによつて印字ベルトの調節を行なう使
用者は、星形送り車の角がばね舌状片２６に作用
する際に発生する力のピークをはつきりと感じる
ことができ、従つて使用者は力のピークを克服す
るたびごとに、ちようど動かした星形送り車が規
定された位置を占めていることがわかる。この位
置では印字５はちようど印字位置９にある。この
場合ばね舌状片２６により星形送り車８に及ぼさ
れる力は、星形送り車８がこの位置に達する前に
使用者が回転ノブ１０を回すことをやめた場合に
この星形送り車８をちようど第２図に図示した位
置へ回転させるために十分な強さを有している。

前記のばね舌状片２６の、星形送り車と接触し
ている縁は、円弧形の切欠き２９を備えており、
この切欠き２９は星形送り車８の角がその回転運
動の際に描く円弧に対して平行に延びている。こ
のようにして、星形送り車８の回転の際にばね舌
状片２６が過度に強く曲げられることが避けられ
るようになつている。

前記ばね舌状片２６はベース部材２７といつし
よに熱可塑性のプラスチツクから成る唯一の構成
部材として射出成形法を用いて製造可能である。
また前記の支持体１８内に係止装置２５を挿入す
ることは、全体の当該印字ベルト型捺印器の組立
時間に有利な作用を及ぼす唯一の手作業しか必要
としない。

記述した当該印字ベルト型捺印器によつては、
個々の符号桁が正確に同じ高さの行上に位置して
いる複数桁の符号を印字することができる。この
ような効果を得るために使用した係止装置２５は
その記述した構造に基いてコスト的に有利に製造
して印字ベルト型捺印器内に組み込むことができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による印字ベルト型捺印器の一実
施例を示したものであつて、第１図は４桁の符号
を印字するための印字ベルト型捺印器の部分的略
示図、第２図は第１図の−線に沿つた断面
図、第３図は第２図で示した係止装置の拡大図、
第４図は第３図の矢印方向から見た側面図であ
る。 １，２，３，４……印字ベルト、５……印字、
６……調節車、７……軸、８……星形送り車、９
……印字位置、１０……回転ノブ、１１……中空
軸、１２，１３……側壁、１４……軸、１５……
ピニオン、１６……溝、１７……歯、１８……支
持体、１９……表示装置、２０……指針、２１…
…窓、２１′……区域、２２……突起、２３，２
４……溝、２５……係止装置、２６，２６ａ……
ばね舌状片、２７……ベース部材、２８……溝、
２９……切欠き。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 印字ベルト型捺印器であつて、互いに平行に
   配置されているエンドレスな印字ベルトを有し
   ており、該印字ベルトがそれらの外面に印字を
   有しかつそれぞれ１つの調節車と軸を中心とし
   て回動可能な１つの星形送り車とに引掛けられ
   て案内されており、この星形送り車の自由な回
   動を防止するための係止装置が設けられてお
   り、この係止装置が星形送り車に対して摩擦接
   続により保持されていてかつ該星形送り車を所
   定の係止位置に係止する形式のものにおいて、
   各星形送り車８のための係止装置２５がばね舌
   状片２６を有しており、該ばね舌状片が互いに
   間隔をおいて位置している少なくとも２つの点
   で、星形送り車８の隣接した２つの角の間を延
   びている星形送り車周面部分に接触していて、
   しかも該ばね舌状片２６の平面が、星形送り車
   ８がその軸７を中心として回転する平面に対し
   て鋭角を成していることを特徴とする印字ベル
   ト型捺印器。 ２ 前記のばね舌状片２６が星形送り車８と同じ
   間隔をおいて共通のベース部材２７に一体成形
   されている、実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の印字ベルト型捺印器。 ３ 前記のばね舌状片２６およびベース部材２７
   が熱可塑性のプラスチツクから成つている、実
   用新案登録請求の範囲第２項記載の印字ベルト
   型捺印器。 ４ 前記のばね舌状片２６の、星形送り車８に接
   触している縁が、円弧状の切欠き２９を有して
   おり、星形送り車８の角が該星形送り車の軸７
   を中心として回動する際に描く円弧に対して平
   行に上記切欠きが延びている、実用新案登録請
   求の範囲第１項から第３項までのいずれか１つ
   の項に記載の印字ベルト型捺印器。 ５ 星形送り車８に接している各ばね舌状片２６
   の平面と該星形送り車８の回動平面との間の角
   度がほぼ13゜ないし15゜である実用新案登録請求
   の範囲第１項から第４項までのいずれか１つの
   項に記載の印字ベルト型捺印器。