JPH0337260Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、無線通信機等のユニツトに用いるカ
バーの構造に係り、特に電磁的にシールドを必要
とするマイクロ波帯、ミリ波帯の通信機ユニツト
のカバーの構造に関する。

近年、無線通信は驚異的な発展に伴なつて、使
用される周波数もマイクロ波帯、ミリ波帯が多用
されるようになり、しかもこれらの周波数帯を用
いる車載無線機器は、他の電子機器その他を隣接
に配置して使用されている。したがつて他の機器
からの妨害を請け易い環境であるので、これらの
妨害に影響されないためには、ユニツトを完全に
近いシールド構造にする事が必要である。ところ
が完全に近いシールド構造でも車載無線等にあつ
て過激な振動、衝撃をうけると、接触部分が経年
変化して他の機器からの妨害により特性が著しく
低下するので、経年変化によりシールド効果が低
下し難いユニツトの改善が強く要望されている。

〔従来の技術〕

第２図は、従来のカバーの構造を説明するため
のａはケースの斜視図、ｂはカバーの斜視図、ｃ
はユニツトの要部断面図である。

無線通信機等に用いられるユニツト１は、鉄等
にニツケルメツキを施したケース２と、鉄等にニ
ツケルメツキを施したカバー５及び裏面カバー６
で構成され、ケース２には所定の回路が形成され
た印刷配線基板３が実装されており、隣接ユニツ
トとの接続はコネクタ４により行なわれる。とこ
ろでこれらユニツト１は隣接機器からリークする
電磁的雑音により妨害される恐れがあるので、ユ
ニツト１のシールドを完全に行なうために、ケー
ス２のカバー嵌め込み部にカバー５の一端に複数
のスリツト５２を形成し、そのスリツト５２の部
分の断面をＶ字状に折り曲げて、ケース２のカバ
ー嵌め込み部２２に嵌め込んだのち、カバー５の
他の端部に形成した止め孔５１をケース２のねじ
孔２１に合致せしめて螺着すれば、ケース２のＶ
字状に折り曲げた先端部がケース２のカバー嵌め
込み部２２の内面を押圧する如く線接触してシー
ルドする構造となつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来のカバーの構造にあつては、カバー５
のＶ字状に折り曲げた先端部が、ケース２の折り
曲げ部の内面に線接触した構造であるが、カバー
の材質が比較的弾性がないので、振動、衝撃等に
より経年変化してシールド効果が低下するという
問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記従来の問題点を解決してシール
ド効果の向上を図つたカバーの構造を提供するも
ので、その手段は、ケースと該ケースに一端を嵌
め込むカバーとで構成されるユニツトの、前記カ
バーの構造を、該カバーの嵌め込み側端部に段付
部を形成し、該段付部を含む端部に複数の長方形
孔を並列に形成するとともに、それぞれ長方形孔
部に対応するカバーの裏面に端部の断面がへの字
状を形成した弾性を有する接触片を付設したこと
によつて達成される。

〔作 用〕

上記カバーの構造は、カバーの一端に長方形孔
を複数並列に形成して段付き部を形成し、この長
方形孔に対応する幅の弾性を有する接触片を、そ
の先端をへの字状に折り曲げてカバーの内面に固
着して、ケースの折り曲げ端部に弾性を利用して
圧接する構造としたものである。

〔実施例〕

以下図面を参照しながら本考案に係るカバーの
構造の実施例について詳細に説明する。

第１図は、本考案に係るカバーの構造の一実施
例を説明するためのａはカバーの斜視図、ｂはユ
ニツトの要部断面図である。第１図において、こ
の考案のカバーの構造は、第２図と同様、ユニツ
ト、ケース、印刷配線基板、裏面カバーならびに
カバー等をそなえているが、該カバーを改良した
点に特徴を有する。したがつてカバー７以外の部
分には第２図と同じ符号を付しており、ここでは
これらの部分の説明は省略するものとする。

本考案を特徴づけるカバー７はケース２に嵌め
込む端部に長方形孔７２を並列に複数形成し、こ
の長方形孔７２を含む端部に傾斜した段付き部を
折り曲げ形成するとともに、他の端部にケース２
の取付用ねじ孔２１に螺着する取付孔７１を穿設
する。そして、長方形７２に対応する幅の導電性
を有する弾性体部材例えば燐青銅等からなり、一
端をへの字状に折り曲げた接触片８の他の端部を
カバー７の裏面に溶接等により固着した構成であ
る。

このように構成したカバー７を、ケース２のカ
バー嵌め込み部２２に嵌め込んで螺着すると、カ
バー７の裏面に固着した弾性を有する接触片８の
への字状に折り曲げた部分が、ケース２のカバー
嵌め込み部２２の端面に弾性に抗して接触する構
造になつている。

なお、本実施例では接触片８を燐青銅について
説明したが、燐青銅に限らず導電性を有する他の
弾性体金属であつても構わない。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案に係る
カバーの構造によればケースとの接触を弾性体部
材の弾性を利用した構造であるので、経年変化が
少なくシールド効果が良好となり、特性の劣化を
防止する利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るカバーの構造の一実施
例を説明するためのａはカバーの斜視図、ｂはユ
ニツトの要部断面図、第２図は従来のカバーの構
造を説明するためのａはケースの斜視図、ｂはカ
バーの斜視図、ｃはユニツトの要部断面図であ
る。 図中、１はユニツト、２はケース、３は印刷配
線基板、４はコネクタ、５，７はカバー、８は接
触片、２１はカバー取付用ねじ孔、２２はカバー
嵌め込み部、５１，７１は取付孔、５２はスリツ
ト、７２は長方形孔、をそれぞれ示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケースと該ケースに一端を嵌め込むカバーとで
   構成されるユニツトの、前記カバーの構造を、該
   カバーの嵌め込み側端部に段付部を形成し、該段
   付部を含む端部に複数の長方形孔を並列に形成す
   るとともに、それぞれ長方形孔部に対応するカバ
   ーの裏面に端部の断面がへの字状を形成した弾性
   を有する接触片を付設したことを特徴とするカバ
   ーの構造。