JPH0337038Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は鼓属に属する楽器であるドラム、殊
に、低音を発するバスドラムに関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来のドラムは、胴の両側に１枚の獣皮または
プラスチツク製（現在では殆どが後者）のヘツド
（膜）を張つて成る。

〔考案が解決しようとする課題〕

この従来のドラムにあつては、両側のヘツドは
それぞれ１枚であつて、振動するヘツドを制動す
るための工夫がなされていない。そのため、殊に
バスドラムの場合、一度の打叩に対してヘツドの
振動が停止するまで時間がかかり、その結果音の
歯切れが悪く、不快な余韻を残して音楽性を損
ね、また、十分な音量の低音を発することができ
ないという問題がある。

本考案はかかる問題を解決せんとしてなされた
もので、打叩後短時間の内にヘツドの振動を停止
させることができ、最低共振周波数（f₀）を低く
し、以て明解で、従来のドラムでは出せなかつた
低音域を打叩音が得られ、音楽性豊かな演奏を楽
しむことができるドラムを提供することを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、胴の両側に張設されるヘツドの内側
に、適宜間隔を置いて制動膜を張る、という手段
によつて上記課題を解決した。

〔作用〕

ヘツドを打叩すると、ヘツドは振動して音を発
するが、その際、狭い空気層を介して内側の制動
膜も共に振動するので、ヘツドの振動が抑えら
れ、最低共振周波数が低くなる。かくして、従来
のドラムでは得られない低音域の音を出すことが
でき、しかも、耳障りな余韻のない、ダンピング
の効いた歯切れのよい音が得られる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面に依拠して説明するに、
図中１は胴、２はその両側に張つたヘツドであ
る。ヘツド２は、通例プラスチツク製のものを用
いる。３は制動膜で、ヘツド２の内側に適宜間
隔、例えば、３mm前後の間隔を置いて張設する。
制動膜３は、通常ヘツド２と同一資材製とする。
４はウレタン、硬質ゴム等の比重の大きな資材製
スペーサーで、ヘツド２と制動膜３の間（周縁）
に配装する。

〔考案の効果〕

本考案は上述した通りであつて、内側に張設し
た制動膜により、ヘツドの振動が短時間の内に制
動されるので、最低共振周波数を低くでき、十分
な音量で不必要は余韻が残らない歯切れのよい音
が得られ、より豊かな音楽性を発現する演奏が可
能な効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例の縦断面図である。 符号の説明、１……胴、２……ヘツド、３……
制動膜、４……スペーサー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 胴１の両側に張設されるヘツド２の内側に、数
   mmの間隔を置いて制動膜３を張つたことを特徴と
   するドラム。