JPH0336317Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、洗顔、乳児の沐浴等に使用する、吸
水性、柔軟性に富んだ肌ざわりの良い人工海綿に
関するものである。

従来、入浴時の体の洗浄の際、タオル、ナイロ
ンタオル、発泡ウレタン、ボデイーブラシ等を使
用しているが、何れも表面が堅く、顔や乳児の肌
等の柔かい皮膚の洗浄には不向きであつた。又、
吸水性、柔軟性に優れた素材に天然海綿があるが
高価であり、又耐久性に欠けるという問題点があ
つた。

本考案はかかる問題点に鑑み、海綿にソフト感
を付与するため、２デニール以下の吸水性短繊維
を主体として形成した嵩高交絡マツトの繊維間相
互の結合部分を可能な限り少なくし、しかも強度
を付与するため、低融点合成繊維を混入して融着
により繊維間相互を結合した嵩高繊維マツトを吸
水性ネツトで被覆することにより柔軟性、吸水性
に富む肌ざわりの良い人工海綿を提供するもので
ある。

上記人工海綿の吸水性能に関しては吸水性ポリ
エステル、ポリアミド、アクリル等の吸水性繊維
にデンプングラフト系高分子、橋かけポリエチレ
ンオキサイド等の高吸水性高分子をスプレー加工
或は浸漬加工により付与し高吸水性能を付与させ
ている。高吸水性高分子は自重の数百倍の吸水機
能を有し、又それに伴う体積膨脹があり、一度吸
水限界まで到達すると多少の圧力では離水しない
特徴を有するため嵩高交絡繊維マツトを吸水機能
を有するネツトにより包み込み、体積膨脹を一定
容積に留め、加圧、乾燥後、再使用を可能とした
ものである。又、該ネツトにより不織布マツトの
型崩れを防止する効果も付与したものである。

以下本考案の１実施例を図面に基づいて説明す
る。

中空断面微細孔を有する吸水性ポリエステル繊
維1.5de×51mm、70％、低融点ポリエステル（融
点120〜130℃）1.5de×51mm、30％との混合繊維
をランドウエツパー、カード機等のウエブ形成機
により綿重量300ｇ／m²のウエブを形成し、乾燥
機により150℃で熱処理を行い、第１図に示す厚
さ20mmの嵩高交絡結合繊維マツトを形成する。該
結合繊維マツトは次に吸水性高分子の橋かけポリ
エチレンオキサイドを可溶性溶媒により溶解し、
繊維マツトに対し固形分付着量が25％となるよう
に付着させる。第２図はこのようにして構成した
吸水性結合繊維マツトの部分拡大図であり、吸水
性結合繊維マツトの繊維２表面に高吸水性高分子
３の橋かけポリエチレンオキサイドが固着した状
態を示す。上記吸水性結合繊維マツトは次に適宜
の寸法に裁断し、第３図に示す様に綿糸で編んだ
ネツト４で包みこみ人工海綿を形成した。

上記の如く本発明の構造によれば従来のタオル、
発泡ウレタンよりも柔軟性、吸水性に優れ、天然
海綿よりも耐久性に富み形崩れすることがない。
洗顔や乳幼児の肌の洗浄に於ても皮膚荒れを起す
ことなくソフトなタツチで使用できる等の実用効
果を有する考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に使用する嵩高交絡結合繊維マ
ツトの斜視図、第２図は同吸水性結合繊維マツト
の部分拡大図、第３図は本考案の１実施例を示す
人工海綿の斜視図である。 １……嵩高交絡結合繊維マツト、２……繊維、
３……高吸水性高分子、４……ネツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２デニール以下の低融点合成繊維10〜40％（重
   量比）、と吸水性合成繊維90〜60％（重量比）と
   の混合繊維よりなる嵩高交絡結合繊維マツトに高
   吸水性高分子を固着せしめた吸水性結合繊維マツ
   トを吸水性機能を有する糸により編成したネツト
   で被覆してなることを特徴とする人工海綿。