JPH0335718Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） これは合成樹脂製フイルム製の堅牢な包装用袋
の考案である。

（従来の技術） 従来の合成樹脂製フイルムから成る袋は堅牢で
はあるが、平滑であるから積み重ねると荷くずれ
し易いし、しかも内容物より吸湿せず、またセメ
ント袋のようなクラフト紙は内容物より吸湿する
も、荷くずれするおそれがあるし、また吸湿する
とクラフト紙は弱体化して輸送中破れ易い欠陥が
ある。

（考案が解決しようとする課題） この考案は合成樹脂フイルムとクラフト紙の長
所と短所を互いに補い、雨に打たれても堅牢で、
しかも内容物より吸湿するばかりでなく、倉庫内
に積み重ねても荷くずれせぬようにすることを目
的とする。

（課題を解決するための手段） 表面に多数の凸条２を並列する合成樹脂製フイ
ルム１に多数の通孔３を千鳥状に穿ち、通孔３の
孔縁の表面には環状突出部４を形成する。

そして前述の合成樹脂フイルム１より成る袋体
Ａの内側裏面にはクラフト紙５を張着して底辺を
閉じ袋体Ａを形成する。

（作用） この考案より成る袋体Ａの外側を形成するフイ
ルム１は合成樹脂製であるから雨にぬれても堅牢
で、倉庫内に積み重ねても、上下の袋体Ａの並列
する多数の凸条２および環状突出部４が互いに係
合して凸条２に直交する方向はいうまでもなく、
平行する方向へも袋体Ａは滑り動くことがない。
また袋体Ａの内側裏面にはクラフト紙５を張着す
るので、セメント又は肥料等の粉状或は粒状の内
容物からよく吸湿し、通孔３を経て外部に発散す
る。

（実施例） １はポリプロピレンのような合成樹脂製のフイ
ルムで、その表面に多数の凸条２を横方向に不特
定の間隔をへだてて並列し、フイルム１の全面に
は千鳥状に多数の通孔３を穿つ。

通孔３は直径を２ミリにし、その穿孔密度はフ
ラヂール形試験機を用いて１秒間に１平方センチ
当り40立方センチの空気が抜けるようにするとよ
い。

しかして、加熱状態のフイルム１の裏面より突
針を挿通して通孔３を形成すると、第３図に示す
ように通孔３の表面に環状突出部４が生ずる。

このように通孔３を穿つたフイルム１の裏面に
クラフト紙５を張着する。

クラフト紙を張着したフイルム１は両端及び底
辺で溶接又はミシン縫いして閉じ袋体Ａを形成す
る。

袋体Ａの袋口は紐で縛つて閉じてもよい。

また通孔３は千鳥状に互い違いに穿つので、縦
方向、又は横方向に連続して穿つものに比し、単
位面積当りの穿孔面積が同一でも各通孔３の間隔
が広く、縦方向、又は横方向に裂けるおそれがな
い。

（考案の効果） この考案においては、袋体Ａの外側を形成する
フイルム１は合成樹脂製であるから、表面の多数
の凸条２および環状突出部４を有する通孔３を容
易に成型でき、袋体Ａを積み重ねたとき表面に形
成する多数の並列する凸条２や千鳥状に穿つた通
孔３の環状突出部４が互いに接触係止して袋体は
凸条２に直交する方向はいうまでもなく平行する
方向にも滑落せず、その上袋体Ａの内側裏面には
クラフト紙５を張着し、これがセメント又は肥料
のような粉状或は粒状の内容物に接してよく吸湿
し、フイルム１に穿つ通孔３より外部に放散する
ので、内容物は長期間変質せず、しかも通孔３は
千鳥状に穿つので、各通孔３の間隔が広く、縦方
向又は横方向に連続して穿つものに比し、単位面
積当りの通孔面積は同一であつても裂けるおそれ
がない。

しかしてこの考案においては、袋体Ａに粉状体
を収容するとクラフト紙５が接触して保護し、粉
状体により通孔３を閉塞して通気性を妨げるおそ
れなく、通孔３よりこぼれ出るのを防止し、かつ
破れ易い内部のクラフト紙５を破れ難い合成樹脂
フイルム１で保護するので、雨にぬれても堅牢
で、繰り返して使用できる、という効果を生ず
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の平面図、第２図は
一部の拡大平面図。第３図は一部の拡大断面図。 １はフイルム、２は凸条、３は通孔、４は環状
突出部。５はクラフト紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面に多数の凸条を並列すると共に表面に環状
   突出部を備えた通孔を千鳥状に多数穿つた合成樹
   脂製フイルムの内側裏面にクラフト紙を張着して
   成る包装用袋。