JPH0335691Y2

JPH0335691Y2 -

Info

Publication number: JPH0335691Y2
Application number: JP1985153207U
Authority: JP
Priority date: 1985-06-07
Filing date: 1985-10-08
Publication date: 1991-07-29
Also published as: DE8532105U1; JPS61202317U

Description

【考案の詳細な説明】〔利用分野〕本考案は、冷凍食品を電子レンジで加熱するの
に適した一体構成のカートンに関する。

〔考案の背景〕

現在、電子レンジは、家庭の台所において欠か
せない器具の１つになつている。電子レンジによ
り野菜または他の食品を含む多くの冷凍食品を急
速にかつ手軽に加熱できるが、このようにするに
は、紙製カートンまたはホイル容器のようなパツ
ケージから食品を取り出して、電子レンジで使用
するのに適した皿に移し替えてから加熱しなけれ
ばならなかつた。このような余計な過程を経なけ
ればならないのには、いくつかの理由がある。す
なわち、食品を収容しているアルミホイル容器の
ような金属物質は、電子レンジでは使用できない
し、また、一部のカートンは液体を保持できるよ
うには設計されていない。一方、液体を保持でき
るように設計されているカートンでも、その多く
は接着剤を使用して作られているので、電子レン
ジの熱により、食品の味や匂いが損なわれてしま
うことがあつた。

〔考案の概要〕

本考案は、食品の味や匂いを悪くすることな
く、しかも液体がしみ出たりすることなく、中の
食品をそのまま電子レンジで加熱調理するのに適
したカートンを提供する。

カートンは、一体構成の形材料から成り、底部
と上部とを有している。底部は、ほぼ方形の底面
部と、底面部の周囲から延びた側面部と、隣接し
た側面部の間のウエブコーナとから成つている。
側面部とウエブコーナは、カートン材料に形成さ
れた折り目に沿つて上方に折り曲げられて、液体
を収容し得る底を形成する。側面部とウエブコー
ナのタブとノツチを使用することにより、側面部
とウエブコーナは、少くともカートンが製品を収
容している間は、この折り曲げられた状態に維持
され得るものである。

上部は、方形底部の上にかぶさるような大きさ
で、上記側面部の１つの外縁から延びた方形上面
部を有している。上部は、正面フラツプと、上面
部の周囲の対向する縁部それぞれから延びた側面
フラツプとを有している。底部に製品を詰めた
後、上面部を底面部上に折り曲げ、かつフラツプ
を隣接側面部に対して折り曲げる。カートン材料
の面の一つは、加熱によりフラツプを側面部に密
封できる耐水性のヒートシール性コーテイングが
施されている。

上面フラツプは、上面部と正面フラツプの外面
及び内面に刻み目をつけることにより形成され
る。フラツプの外面に形成された第１及び第２の
刻み線は、上面部の上面フラツプの折り目に隣接
した位置から正面フラツプの持上げタブ部分の隣
接した位置まで延びている。第３及び第４の刻み
線は、カートンの内面に形成されている。第３及
び第４の刻み線は、第１及び第２の刻み線に平行
して、かつこれら線とはわずかに離間して設けら
れている。刻み線は上面部に沿つて、上面部の第
２及び第４の側面部と平行にかつこれら側面部か
らわずかに離間して延びており、一方上面フラツ
プの折り目は上面部の第１側面部に平行にかつこ
れからわずかに離間している。このように、上面
フラツプは、底面部のほとんどの部分をおおつて
いる。刻み線は、やぶれやすい引裂経路を形成し
ているので、持上げタブを持ち上げることによ
り、正面フラツプと上面部の平行した刻み線間の
領域を引き裂き、上面フラツプを上部から持ち上
げて離すことにより容器の中味を取り出すことが
できる。

本考案の主な利点は、食品をカートン中に保持
したままで、冷凍食品を電子レンジで加熱調理で
きることである。本考案により、ユーザはカート
ンの構造的結合性を損うことなく、上面フラツプ
を持上げることによりカートンの中味を手軽に手
に入れることができる。上面フラツプは底面部の
ほとんどの部分をおおつているが、上面フラツプ
を持ち上げても、上面のＵ字形部分がそのまま残
つているので、カートンの構造上結合性が損われ
ることはほとんどない。また、食品を加熱するの
に別の容器を必要としないので、パツケージのコ
ストを著しく低減することができる。

他の特徴は上面フラツプに関している。上面フ
ラツプと上面のＵ字形部分との間の変移部分は、
折り目や刻み目がつけられたりして弱められては
いないので、この領域にはヒンジが形成されてい
ない。従つて、上面フラツプをカートン中の熱い
食品から離して持ち上げた時、上面フラツプは熱
くなく把持できるので、この上面フラツプを手提
け取手としても使用することができる。またこの
変移部分は十分な強度を有しているので、カート
ンを水平に保持することができ、食品をこぼさな
いで済む。

また、本願考案は、隣接する側面部とウエブコ
ーナとを側面部に設けたタブ手段で機械的にかみ
合わせて固定する構造としているので、接着剤な
どを用いずとも箱の形状に折り曲げた状態に維持
させておくことができる。しかもタブ手段を二つ
の側面部、すなわち方形底部の横方向の両側もの
に設けるだけであり、ウエブコーナの両側の縁を
上記タブを係止させる形状とするだけであるの
で、構造が簡単で、しかも組立の際の取扱も容易
となる。

〔実施例〕

以下、添付の図面に基づいて、本考案の内容を
説明する。

カートン２は、底部４と上部６を有している。
このカートンは、組み立てられ、主に冷凍食品８
などの製品を収容し、電子レンジでカートンごと
直接的に加熱調理するのに使用される。

底部４は、底面部周囲１２により画された方形
底面部１０を含んでいる。側面部１４〜１７は、
周囲１２から延び、一方ウエブコーナ１８〜２１
は底面部１０のコーナ２８において隣接する側面
部１４〜１７の間に延在している。

底面部１０と側面部１４〜１７との底面部周囲
１２に沿つた交差部分は、カートン２の外面２２
から内方に折り目がつけられている。ウエブコー
ナ１８〜２１と隣接する側面部１４〜１７との間
の交差部分２４にも折り目がつけられ、また第２
図のようにカートンを組立てる際に折り曲げやす
いように、各ウエブコーナ１８〜２１には、底面
部１０のコーナ２８から対角線の折り目２６がつ
けられている。

各ウエブコーナ１８〜２１はその外周３４に沿
つて形成されたノツチ３０とノツチフラツプ３２
とを有している。また、ノツチ３０に隣接して、
側面部１５，１７の外縁に沿つてＴ形タブ３６が
形成されている。ノツチ３０、ノツチフラツプ３
２、及びタブ３６は、タブ及びノツチフアスナ４
０を構成し、これはカートン２に食品を詰める
際、底部が第２図及び第３図の食品を収容してい
る構造に折り曲げられている状態に一時保持する
のに使用される。

上部６は、第１、第２、第３及び第４の縁部４
６〜４９を有する方形上面部４４を含んでいる。
上面部４４は、底面部１０に重なるような大きさ
である。第１の縁部４６は、側面部１４の外縁３
８と共通している。側面フラツプ５０，５１は、
第２の縁部４７と第４の縁部４９からそれぞれ延
びている。正面フラツプ５２は、第３の縁部４８
から延びている。縁部４６〜４９は、折り曲げや
すいように折り目がつけられている。

上面部４４と正面フラツプ５２は、外面２２に
部分的に延びている第１及び第２の刻み線５４，
５５と、カートン２の内面４２に部分的に延びて
いる第３及び第４の刻み線５６，５７を含んでい
る。刻み線５４〜５７は、正面フラツプ５２の外
縁６０における持上げタブ部分５８から第３の縁
部４８に向けて斜め外側に、次に第２及び第４の
縁部４７，４９に並列に第１の縁部４６に向け
て、上面フラツプ変移部分６２まで延びている。
なお、変移部分６２は十分強く、折り目やまたは
刻み線により弱められてはいない。第１及び第３
の刻み線５４，５６と第２及び第４の刻み線５
５，５７は、互いに平行し、引裂距離６４だけ離
間している。これら刻み線は、第２及び第４の縁
部４７，４９に比較的近接してはいるが、これら
からは離間して設けられている。上面フラツプ変
移部分６２も第１の縁部４６から離間している。
従つて、刻み線５４〜５７及び上面フラツプ変移
部分６２は上面フラツプ６６を形成している。

上面フラツプ６６は、カートンの構造的結合性
を壊すことなく、カートン中の中味を取り出すの
に使用される。これは、持上げタブ５８を把持
し、上部６の残りの部分から上面フラツプを引き
離すことにより行なわれる。このように行なうこ
とにより、第１及び第３の刻み線５４，５６間と
第２及び第４の刻み線５５，５７間は引裂かれ
る。しかし、上面フラツプ６６は、上面４４のＵ
字形周囲領域６８と、正面フラツプ５２の一部７
０をそのまま残すので、カートン２の構造剛性及
び結合性が上面フラツプ６６を上昇することによ
つて損なわれないようにしている。

変移部分６２は、十分な強度を有している。す
なわちこの部分に刻み線や折り目などがつけられ
て、弱められてはいない。このように、変移部分
６２は十分な強度を有しているので、部分６２に
おける上面フラツプ６６の動きは阻止または抑制
されている。従つて、カートン２を持上げる手提
げとして第２図の上面フラツプ６６を使用するこ
とができる。たとえ、カートン２に熱い食品８が
入つていたとしても、上面フラツプ６６は把持で
きるように冷たい状態に保持されている。このよ
うに、十分な強度を有する変移部分６２が上面フ
ラツプ６６の屈曲を阻止しているので、食品をこ
ぼさないよう、カートン２の底部を水平に保つこ
とができる。

使用する際、第１図の平面状態にあるカートン
を、たとえば、自動折り曲げ機械により折り曲げ
る。先ず、底部４の側面部１４〜１７とウエブコ
ーナ１８〜２１を、底面部１０の外面２２から折
り曲げる。側面部１４〜１７が底面部１０の内面
４２にほぼ直角になつたら、タブ３６とノツチフ
ラツプ３２を内側に折り曲げて、底部４が食品を
収容できるような構造に保持する（第３図図示）。
次に、食品８を底部４に入れ、上面部４４が底面
部１０にほぼ並列になるまで上部６を折り曲げ
る。さらに、側面フラツプ５０，５１と正面フラ
ツプ５２が、側面部１７，１５，１４に隣接する
まで、これらフラツプを折り曲げる。また、外面
２２は撥水性のヒートシール可能なコーテイング
でカバーされているので、正面フラツプ５２の一
部７０と側面フラツプ５０，５１は、加熱により
側面部１７，１５，１４に密封される。

カートン中の食品８を加熱するには、蒸気を逃
さないよう上面フラツプ６６を閉じたまま、カー
トン２を電子レンジに直接入れればよい。しか
し、最初に水を加えなければならない場合や、調
理前にまたは調理中に、中味をかきまぜなければ
ならない場合には、上面フラツプ６６を開放し、
その後、加熱する前に、側面１６の内面４２に隣
接してタブ５８を挿入することにより上面フラツ
プ６６を閉じればよい。また、これを行ないやす
いようにするため、刻み線５６，５７は、刻み線
５４，５６間及び線５５，５７間の縁部４８の部
分７４，７５に沿つて延びていてもよい。なお、
カートンに水を入れ、電子レンジで調理する前に
カートンから水を抜くことにより、食品８を解凍
してもよい。

本考案は、本考案の思想に基づき、様々に改良
及び改変することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による、折り曲げられていない
平坦なカートンの概要図、第２図は上面フラツプ
を持ち上げてカートンの中味を見せている組立て
られているカートンの概要図、第３図はタブ及び
ノツチフアスナを示した、第２図のカートンのコ
ーナ近傍の拡大図である。２……カートン、４……底部、６……上部、１
０……底面部、１２……底面部周囲、１４〜１７
……側面部、１８〜２１……ウエブコーナ、３２
……ノツチ、３６……タブ、４４……上面部、４
６〜４９……縁部、５０，５１……側面フラツ
プ、５２……正面フラツプ、５４……第１刻み
線、５５……第２刻み線、５６……第３刻み線、
５７……第４刻み線、５８……持上げタブ部分、
６０……外縁、６６……上面フラツプ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】コーナ及び底面部周囲を有する方形底面部と、
上記周囲から延びた側面部と、上記コーナにおけ
る上記側面部間のウエブコーナとを含み、かつこ
れらの底面部と側面部とウエブコーナとで継ぎ目
のない液体を収容するカートン底を形成するた
め、側面部を底面部に対して直角に折り曲げやす
いように底面部周囲に沿う折り目と、ウエブコー
ナと側面部との交差部分における折り目と、ウエ
ブコーナの対角線に沿う折り目とがつけられ、ウ
エブコーナの周辺に形成されたノツチとノツチラ
ツプ、及びそれらと側面部に形成されたタブとに
よつて、タブとノツチラツプとをノツチに係合さ
せてウエブコーナを側面部に取り付ける結合手段
を有する方形底部と；第１、第２、第３及び第４の縁部を有し、上記
第１の縁部で前記側面部の１つの外縁に一体的に
結合し、かつこれから延びていて、上記方形底面
部に重なる大きさの方形上面部と；上記第１の縁部に対向する上記第３の縁部から
延びた正面フラツプと；上記第２及び第３の縁部から延びた側面フラツ
プとを備え；上記方形上面部と正面フラツプは、正面フラツ
プの外縁に持上げタブを有する上面フラツプを共
同的に含んでおり、さらに、上記方形上面部のＵ字形領域と、上記
底面部のほとんどの部分をおおう上面フラツプと
を形成するため、持上げタブから第３の縁部へ、
かつ第３の縁部から、第２及び第４の縁部に平行
しかつこれらから離れた経路に沿つて第１の縁部
から離れた変移領域まで延びている引き裂き可能
な線を備えている一体構成本体からなることを特徴とする電子レ
ンジ用カートン。