JPH0335664B2

JPH0335664B2 -

Info

Publication number: JPH0335664B2
Application number: JP55163590A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Sakurai
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1980-11-20
Filing date: 1980-11-20
Publication date: 1991-05-29
Also published as: JPS5786869A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、複写機・情報記録装置等の画像形成
機器に適用される乾式現像に用いられる現像装置
の改良に関する。更に詳述すれば、スリーブ表面
に微細凹凸を設けることにより、トナーの搬送性
の向上及び、一様コーテイングの安定性を図り、
かつ硬質メツキ処理を施すことにより微細凹凸に
幾分丸みを持たせてスリーブ表面へのトナー融着
を防止しつつ表面を硬質化することができ、これ
によつて長期にわたつて安定した高性能を発揮し
得る現像装置を提供するものである。

従来一成分磁性トナーを使用する現像方法とし
ては、米国特許第3909258号明細書等に開示され
ている導電性磁性トナーにより現像方法が知られ
ており、又、広く用いられている。しかし、かか
る現像方法においては、トナーは本質的に導電性
である事が必要であり、導電性トナーは、潜像保
持部材上のトナー像を最終画像支持部材（例えば
普通紙等）に電界を利用して転写する事が困難で
あつた。

そこで、本件出願人は、先に従来の一成分磁性
トナーによる現像方法の、かかる欠点を解消する
新規な現像方法を提案した（例えば特願昭53−
92015号及び53−92108号等）。これは、内部に磁
石を有する円筒状の現像剤支持部材上に絶縁性磁
性トナーを均一に塗布し、これを潜像保持部材に
接触させる事なく対向せしめ、現像するものであ
る。この時、現像剤支持部材と、潜像保持部材の
基盤導体との間に低周波交番電圧を印加し、トナ
ーを現像剤支持部材と潜像保持材の間で往復運動
させることにより地カブリのないかつ階調性の再
現にすぐれ、画像端部の細りのない良好な現像を
行なうことができる。この現像方法ではトナーは
絶縁体であるため転写が容易である。

かかる現像方法においては、トナーを現像剤支
持部材上に均一に塗布することがきわめて重要で
ある。すなわち現像支持部材上のトナー層が過剰
に厚くなると、トナーが潜像保持部材にこすり付
けられるばかりでなく、現像剤支持部材との摩擦
によるトナーの摩擦帯電も不十分になり易く、一
方、トナー像がうすくなると、現像に供されるト
ナーの量が不足するため、現像像の濃度が不満足
なものとなる。

現像剤支持部材上に均一なトナー層を形成する
方法としては、第１図及び第２図に示すようなト
ナー容器出口に塗布用のブレードを用いる方法が
ある。

第１図に示すものは、ゴム等の弾性ブレード１
を現像剤支持部材２に圧接し、これによつてトナ
ー層３の厚みを規制するものである。

第２図に示すものは現像剤支持部材２に内接さ
れた固定磁石４の１つの磁極N₁に対向する位置
に、磁性体より成るブレード１を設け、該磁極と
磁性体ブレード間の磁力線に沿つてトナー３を穂
立させ、これをブレード先端のエツジ部で切るこ
とにより磁力の作用を利用して、トナー層の厚み
を規制するものである（例えば特開昭54−43037
号参照）。

これらの方法により現像剤支持部材２上に、ほ
ぼ均一なトナー層３をつくる事が可能となつた。
しかし実用上長期にわたつて、均一なトナー層を
上記現像剤支持体上に安定に形成する事が困難な
場合も実験上見出された。殊にいちじるしく流動
性の悪いトナーを用いた場合、又は凝集を生じた
トナーを用いた場合等には、均一なトナー層をつ
くる事が一層困難となり易かつた。現像剤支持部
材２（以下スリーブと称す）上のトナーの層厚に
ムラがあると顕画像にムラを生じ良好な画像を望
めない。

このムラ対策として非常に有効な方法として、
本件出願人は、さらに新規な現像装置を提案した
（特願昭54−16453号）。これは、上記スリープ面
のその移動方法に沿つて、凹凸を設けることによ
り、塗布ムラを防止するものである。スリーブ面
の、その移動方向に沿つての凹凸がムラに対して
有効な理由は、スリーブ面とトナー間の摩擦力が
増えてスリツプがしづらくなりブレードからのト
ナーの押し出し力が安定したこと、及び、スリー
ブ周方向の凹凸によつてブレード上流部のトナー
溜りに周期的な微振動が与えられ、トナー塊がほ
ぐされて、トナーがさらさらの状態になつたた
めと考えられる。

例えば、上記スリーブとして、ステンレス
（SUS304）スリーブ上に、粒度＃600の不定形粒
子でサンドプラスト処理をした表面粗面化スリー
ブを用いて、画出し耐久を行なつたところ、ムラ
は発生しなかつた。しかしスリーブ上に点状、及
び周方向に平行に、線状にトナー融着が発生し
た。これは圧力定着用のトナーを使用した場合、
特に顕著であつた。

上記トナー融着を、走査型電子顕微鏡で観察す
ると、スリーブ面の微細な無数の突起部にトナー
が、なすり付けられるように融着していることが
確認され、トナー融着の顕著な場所は画質にも悪
影響を及ぼしていた。

そこで出願人は（比較例）として下記に示した
技術を開発したが、いずれの技術も改良する点を
残していた。本願発明は、この（比較例）に示し
た技術をさらに改良したものであり、この（比較
例）を説明した後本願発明の一実施例を説明す
る。

比較例１スリーブ２以外は、実施例と全く同様な現像器
を用いた。

スリーブ２として、非磁性ステンレス
（SUS304）スリーブ上にプラスト砥粒として
＃300の炭化ケイ素を用い、吹きつけノズル径
φ7、距離100mm、air圧４Kg／cm²で２分間サンドプ
ラスト処理を行なつたものを用いた。

上記構成の現像装置を用いて、実際に潜像面の
現像処理を行なつたところスリーブ２面のトナー
コーテイングは、非常に良好であり、塗布ムラは
生じなかつた。しかし上記スリーブで２万枚通紙
すると、ベタシロ部に線状のモヤカプリが生じ
た。またスリーブを観察すると、線状及び点状の
トナー融着が多数生じており、そのうちの顕著な
部分がコーテイングが厚くなり画像にカブリとな
つて現われたことが確認された。

比較例２スリーブ２以外は、実施例と全く同様な現像器
を用いた。

スリーブ２として、非磁性ステンレス
（SUS304）スリーブ上にプラスト砥流として、
＃800の炭化ケイ素を用い、吹きつけノズル径
φ7、距離100mm、air圧４Kg／cm²で２分間サンドプ
ラスト処理を行なつたものを用いた。

上記構成の現像装置を用いて、実際に潜像面の
現像処理を行なつたところ、スリーブ２面のトナ
ーコーテイングは、非常に良好であり、塗布ムラ
は生じなかつた。また上記スリーブで５万枚通紙
したが、スリーブ表面は、線状の融着が数本見ら
れただけで、ムラは無く比較的良好な状態であつ
た。しかしながら、次にトナーを入れた状態で、
空回転したところ、92時間後にコーテイングムラ
を生じた。また、画像出しを行なうと、ベタシロ
部に斑点状のカブリを生じ、実用に問題となつ
た。さらに走査電子顕微鏡で、表面を観察する
と、ランダムな凹凸部がかなり摩耗して、すり減
つていた。因みに、スリーブ表面硬度は、実施例
１がHv＝1000比較例２はHv＝200であつた。

本発明は上記従来の欠点を解消し、現像剤支持
部材表面に常に安定に一様なムラのない現像剤薄
層を塗布形成し得るように改善された現像装置を
提供するもので、現像剤支持部材の表面を、不定
形粒子によるサンドプラスト処理により粗面化し
た後、硬質メツキ処理を施したことを特徴とする
ものである。

以下、本発明の現像装置を、一実施例を用いて
詳細に説明する。

現像器としては、第３図に示すものを用いた。
なお第２図と同一の図番は、同一構成部材を示
す。マグネツトロール４の磁極の強さはN₁＝
700Gauss、S₁＝800G、N₂＝S₂＝N₃＝S₃＝500G、スリーブ２〓ドラム５間隙0.3mm、スリーブ２
〓ブレード１間0.25mmに保持した。またバイアス
電源６として、ACにDCを重畳させたものを用
い、Vpp＝1200(V)、ｆ＝800（Hz）、DC＝＋100(V)、
として、ジヤンピング現像を行ない、毎分12枚の
スピードで複写処理を行なつた。又、スリーブ２
は、非磁性ステンレス（SUS304）スリーブ上
に、プラスト砥流として、＃300の炭化ケイ素を
用い、吹きつけノズル径φ7、距離100mm、空気圧
４Kg／cm²で２分間サンドプラスト処理を行ない、
その後2μ厚のハードクロムメツキ２ａを施した
ものを使用した。なおこのハードクロムメツキの
厚さは１〜20μ位が良好であつた。上記の構成の
現像装置を用いて実際に潜像面の現像処理を行な
つたところ、スリーブ２面のトナーコーテイング
は、非常に良好であり、塗布ムラは生じなかつ
た。また上記スリーブで５万枚通紙したが、常時
良好な画像が得られた。しかも５万枚通紙後のス
リーブ表面は、ムラ融着とも全く、無く、良好な
コーテイング状態であつた。また、さらに、この
５万枚通紙後のスリーブ表面を走査型電子顕微鏡
で観察すると、摩耗は全く見られず、初期と同様
な良好な状態を維持していた。即ち本実施例を用
いるならば、前記従来の問題点を解消し得るもの
である。

なお上記実験では、トナーとしてポリエチレン
100重量部に対して、磁性粉70部・荷電制御剤２
部を配合し、最終的にシリカを１％外添した圧力
定着用トナーを用いた。また上記スリーブは、ラ
ンダムな凹凸が全域にわたつて形成されているた
め、一義的に表面粗さを表現することは難かしい
が、一例として表面をテイラーホブソン社、ある
いは小坂研究所等で発売している微小表面粗さ計
により測定すると、第４図のような波形が得ら
れ、表面性の管理を行なうことができる。第４図
で平均粗さRz＝1.5μ、ピツチ＝19μである。

ここで表面粗さは、JIS10点平均あらさ（Rz）
〔JIS B0610〕によるものである。すなわち第５
図に示すように、断面極線から基準長さｌだけ抜
き取つた部分の平均線Ａに平行な直線で高い方か
ら３番目の山頂（図中で示す）を通るものと深
い方から３番目の谷底（図中′で示す）を通る
ものの、２直線の間隔をマイクロメータ（μｍ）
で表わしたもので、基準長さｌ＝0.25mmとした。
また、ピツチは、凸部が両側の凹部に対して0.1μ
以上の高さのものを一つの山として数え、基準長
さ0.25mmの中にある山の数により、下記のように
求めた。

250（μ）／250（μ）に含まれる山の数（μ）次に本実施例で、トナーを入れた状態で更に
500hvs空回転した後、画出しを行なつたが、や
はり良好な画像が得られた。しかも走査型電子顕
微鏡で表面を観察したが、初期と同じ形状で、摩
耗は全く見られなかつた。

なお上記実施例では、ステンレススリーブを用
いたが、アルミスリーブ・銅スリーブ等の非磁性
スリーブが使用可能である。また、下処理のサン
ドプラスト砥粒径や空気圧を変化させて実験した
ところ、最終的な表面粗さが、平均粗さｄ＝0.1
〜8μ、ピツチＰ＝２〜50μの場合に有効であり特
にｄ＝0.3〜3.0μ、Ｐ＝５〜30μの場合に特に有効
であつた。

以上述べた如く、本発明では、現像剤支持部材
表面を不定形粒子によるサンドプラスト処理をし
て粗面化した後、硬質メツキ処理を施すことによ
り、長期にわたつて安定した高性能を発揮し得る
現像装置が得られた。即ち、本発明では、現像剤
搬送力が優れていて均一現像剤薄層が形成できる
上に、不定形粒子によるサンドブラスト処理で形
成された無数の鋭い突起は硬質メツキにより丸み
を持たされるので、突起に現像剤が融着して成長
し画質を劣化させるということも防止され、かつ
現像剤の摩擦帯電性も向上して良好な画像を形成
できるようになる。しかも、硬質メツキにより耐
摩耗性が向上するので、上述の効果を長期にわた
つて維持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の現像装置の断面図、
第３図は本発明の一実施例を適用した現像装置の
断面図、第４図及び第５図はスリーブ表面の粗さ
を測定した波形図である。図において、１……弾性ブレード、２……現像剤支持部材、
２ａ……ハードクロムメツキ、３……トナー層、
４……固定磁石、５……ドラム、６……バイアス
電源。

Claims

【特許請求の範囲】１現像剤を支持搬送し、現像部に於いて潜像保
持体に付与する現像剤支持部材と、この現像剤支
持部材に供給された現像剤の厚みを規制する厚み
規制手段と、を有する現像装置に於いて、前記現像剤支持部材の表面は、不定形粒子によ
るサンドブラスト処理をした後硬質メツキ処理を
施した粗面であることを特徴とする現像装置。２上記現像剤支持部材は、スリーブで、上記現
像剤は圧力定着用トナーで、上記硬質メツキ処理
はハードクロムメツキ処理である特許請求の範囲
第１項記載の現像装置。３上記凹凸の粗面は、平均粗さｄが0.1〜8μ、
ピツチＰが２〜50μである特許請求の範囲第１項
又は第２項記載の現像装置。４上記凹凸の粗面は、平均粗さｄが0.3〜3.0μ、
ピツチＰが５〜30μである特許請求の範囲第３項
記載の現像装置。５前記厚み規制手段は現像剤支持部材に当接さ
れた弾性ブレードである特許請求の範囲第１項記
載の現像装置。６前記現像剤は磁性粉を含有しており、前記厚
み規制手段は、現像剤支持部材に内装された固定
磁石と、現像剤支持部材との間に間隙をもつてこ
の固定磁石の磁極に対向せしめられている磁性ブ
レードを有する特許請求の範囲第１項記載の現像
装置。