JPH0334957B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特に衣類にヘムを取付けるために使用
する正確なステツチミシンに関する。

既知の如く、衣類又は衣料品にヘムを取付ける
作業は、一般にかがり装置組立体と同期に回転す
るようにした環状組の針を備え、縫製すべき衣類
のフラツプに折たたむようにヘムを送るかがり機
によつて実施される。

しかしながらかかる作業は高価になるので高品
質の仕上げを必要とする場合にのみ適当であり、
多くの場合ヘムの取付けをミシンで代用してい
る。

後者の場合のミシンは、縫製すべき衣類にヘム
を送るために任意に折たたんだヘムを前進させる
前進装置組立体と協働する送り装置組立体を包含
するが、該送り装置組立体を縫製装置組立体の上
流に位置決めし、ヘムを取付けるべき衣類の縁又
はフラツプを折たたんだヘムの２枚のフラツプ相
互間にはさみ込む。

前進運動は、つめ又は前進ベルトを介して折た
たみヘムの一方のフラツプ、すなわち一般には下
方フラツプに伝達される。

従つて、上方フラツプと縫製装置組立体の圧力
受部との間に摩擦が生じるのが原因で、又下方フ
ラツプに生じる前進運動のみによつてヘムを前進
させることが原因となつて、最初は下方フラツプ
とぴつたり合わせたはずの上方フラツプは、少し
縫い進すと、下方フラツプからずれてしまうこと
になる。従つて、２枚のフラツプを適正位置に保
持するために頻繁に手作業で修正しなければなら
ないし、不正確な縫い目となりやすいので仕上り
品の価格を下げることになる。

同様に仕上り衣類のなかで応力が加わりやすい
個所に異なる弾性度を与えた衣類を製造するよう
に衣類の送り速度とヘムの前進速度とに差をつけ
ることも重要である。

本発明の主要目的は、折たたみヘムの上下フラ
ツプをかなり長い縫い目に渡つて完全に合わせる
ことが可能な正確なステツチミシンを提供するこ
とによつて前記技術上の欠点を克服することであ
る。

本発明の別な目的は、ヘムの前進速度と縫製す
べき衣類の送り速度とを異なるものにすることで
ある。

本発明の更に別な目的は、布地のように広げた
状態で送給可能な開放状態のニツト衣類と、ほぼ
筒形の仕上げ衣類との両方に使用可能なミシンを
提供することである。

簡単かつ機能的で、より高価なかがり作業によ
るものと全く同じようなステツチが可能で、しか
も所要時間が著しく短いような正確なステツチミ
シンを提供することも本発明の重要な目的であ
る。

本発明の前記及び他の目的は、ヘム前進装置組
立体と縫製すべき衣料品の送り装置組立体を包含
し、該組立体が相互に作動連結し、該前進装置組
立体が、相互間にヘムを通すための通路を設ける
１組の前進部材を包含し、該２個の部材が反対方
向においてほぼ等しい周辺速度で前進するように
運動連結することを特徴とする衣類にヘムを取付
けるための正確なステツチミシンを提供すること
である。

更に本発明の他の特徴及び利点は、添附の図面
を参照に非限定例として以下に詳述する本発明の
正確なステツチミシンの説明文より容易に理解で
きる。

添附の図面には本発明のミシンを全体として番
号１で示す。

本発明の機械は、ヘム前進装置組立体３と縫製
すべき衣料品又は衣類の送り装置組立体４と協働
する縫製装置組立体２を主として包含する。

前記組立体はフレーム６によつて支持される構
造部５上にて担持され、構造部５は縫製すべき衣
類の送り装置組立体４を回転可能に担持し、該組
立体４は例えばかぎ型パイルを形成する接着テー
プ又はテープの型式の衣類把持ライナー８を周辺
部に任意に設けた送り手段としての前進輪７を主
として包含し、該前進輪７は軸受ブシユ９を通過
する軸９ａを介して駆動部材１０を連結し、該部
材１０は例えばブシユ９に取付付けた支持体１２
に回転可能に取付けた駆動輪１１と係合する歯車
を包含する。駆動輪１１は例えば自動ゆるめクラ
ツチ１３の如き単一方向クラツチ装置を介して、
第１溝１５及び第２溝１６を設けた作動レバー１
４と連結する。従来型のクランク機構を介してミ
シン１の縫製装置組立体からの有効運動を受ける
作動連結棒１５ａは、調節可能な方法で第１溝１
５と係合する。第２溝１６と連結する棒１７は前
進装置組立体３と協動する。

該組立体は、縫製装置組立体に回転可能に望ま
しくは互いに平行に取付けた１組の前進部材３ａ
及び３ｂを包含し、該各部材は相互間に通路１９
を画定するように配設したローラ１８ａ及び１８
ｂを有する。第４図に示す如く、上方フラツプ２
１及び下方フラツプ２２が車輪７に保持される衣
類２３を包むように折たたみヘム２０を通路１９
に挿入可能である。

ヘム２０は巻いた状態でミシン１に送給され、
縫製装置組立体２に担持される折たたみ装置２４
によつて通路１９を通過する以前に折たたみ可能
である。

ローラ１８ａ，１８ｂは、針２５が該ローラと
前進輪７との間を往復運動可能なように前進輪７
から離れて保持される。該針はモータ２６によつ
て従来の如く駆動し、ヘム２０と衣類２３とを共
に縫製する。

各ローラ１８ａ，８ｂは、軸２８ａ及び２８ｂ
に固定可能なクランクレバー２７ａ及び２７ｂを
それぞれ介してヘム２０の有効前進運動を受け
る。

同様に自動ゆるめ装置の形式のものであること
が望ましい単一方向係合装置２８ｃを各クランク
レバー２７ａ，２７ｂ及び各ローラ１８ａ，１８
ｂ相互間に挿入する。これによりローラ１８ａ，
１８ｂはそれぞれ一方向の前進駆動をするだけで
あり、相応するレバー２７ａ，２７ｂが反対方向
に駆動すると該ローラは該レバーから解放され
る。

クランクレバー２７ｂは棒１７と直接連結する
が、クランクレバー２７ａは連結装置２９を介し
て該棒と連結し、該レバー２７ｂから離れて対向
するように位置し、ローラ１８ｂとは反対方向の
回転をローラ１８ａに伝達するのでヘム２０は前
進する。

通路１９へのヘム２０の挿入を容易にするため
に、ブラケツト３０によつて軸２８ａを支持し、
ブツシング部３１を該軸２８ａと係合させ、部分
３１に固定した支持部３２はミシンを準備する時
の初期段階時にローラ１８ａ，１８ｂの分離を可
能ならしめるように縫製装置組立体２に軸支さ
れ、次にローラ１８ａ，１８ｂを戻してヘム２０
と接触させる。

ヘム２０が滑り落ちない程度の強度でローラ１
８ａ，１８ｂと接触するように、部分３１から離
れて部分３２の末端と連結する弾性附勢装置３３
を設ける。

第１溝１５から離れた連結棒１５ａの末端は、
針２５と協働してステツチをかけるように作動す
る従来の縫製装置組立体３４と連結することが望
ましい。

本発明によるミシンは次の如く作動する。先ず
縫製すべき衣類２３を前進車輪７に載置し、ライ
ナー８によつて現在位置に保持する。

次にヘム２０を通路１９に挿入可能にするよう
にブラケツト３０を作動させてローラ１８ａ，１
８ｂを離すように移動させる。これに先行してヘ
ム２０を装置２４に通過させ、縫製すべき衣類２
３のフラツプにヘムを折たたんでつつみ込む。

次にモータ２６を始動させて針２５を垂直方向
に往復運動させると、該針と運動連結する装置３
４が駆動する。駆動連結棒１５ａを介して該往復
運動は作動レバー１４に伝達され、該レバーは自
動ゆるめ輪１３を作動させることによつて駆動輪
１１、従つて駆動部材１０を前方へ段階式に移動
させて前進輪７に送り運動をさせる。

第２溝１６と棒１７に伝達された同様な往復運
動がクランクレバー２７ａと２７ｂとに等しく伝
達されることによつて、ローラ１８ａ，１８ｂは
前進輪７の回転と同期に及び針２５の運動と同期
に回転する。

針２５の各作動行程におけるローラ１８ａ，１
８ｂの角度移動は、それと連結する棒１７の末端
を第２溝１６の異なる位置に位置決めすることに
よつて変化可能である。

これによつてヘム２０の前進速度を縫製すべき
衣類２３の送り速度に対して変化可能であるか
ら、必要に応じて縫い目の弾性率を高くしたり低
くしたりすることが出来る。

ローラ１８ａ，１８ｂ及びクランクレバー２７
ａ，２７ｂ相互間に挿入する自動ゆるめ装置２８
ｃによつて、該ローラは一方向のみにおいて棒１
７を介して該レバーの運動を受け、棒１７が戻り
行程を終了すると停止したままとなる。

縫い目を縫い終ると再度ブラケツト３０を作動
させ、ローラ１８ａ，１８ｂを離して移動させ仕
上げ品を引き取ればよい。

前進するヘムに前述の如くフラツプを２枚設け
る利点は自ずと明らかである。実際、下方フラツ
プと上方フラツプとの組合せミスを防止するのに
前記構造は効果的であるから、作業員は作業を監
視する必要がないので機械の正確な操作のみに神
経を集中させることが可能となり、ヘムの下方フ
ラツプと上方フラツプを異なる速度で駆動する結
果として生じる不ぞろいの縫い目を修正する必要
がなくなる。

更に、衣類の送り速度に対するヘム前進速度を
簡単に変化させることが出来るので、これに附随
する利点は、この機械に使用する衣類の弾性条件
に合致可能なことである。

ここに図示し説明してきたミシンは前記発明概
念の範囲を逸脱することなく多くの別型及び改変
型が可能である。かくて例えば前記作動運動を伝
達可能でさえあれば異なる種類の駆動部品を使用
出来る。更にその他の全ての部品も、技術的に同
等な他の部品と取替可能である。

本発明を実施するにあたり、使用する材料及び
寸法やそれに伴う形状は、技術状態に応じて本発
明の必要条件に合致するようなものに選択可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のミシンの概略側面図、第２図
は該ミシンの概略後面図、第３図は前進部材の詳
細図、そして第４図は前進装置組立体の作動方法
を示す線図である。 １……ミシン、２……縫製装置組立体、３……
ヘム前進装置組立体、４……送り装置組立体、５
……構造部、６……フレーム、７……前進輪、８
……ライナー、９……軸受ブシユ、９ａ，２８
ａ，２８ｂ……軸、１０……駆動部材、１１……
駆動輪、１３……クラツチ、１４……作動レバ
ー、１５……第１溝、１６……第２溝、１５ａ，
１７……連結棒、１８ａ，１８ｂ……ローラ、１
９……通路、２０……折たたみヘム、２３……衣
類、２４……折たたみ装置、２５……針、２６…
…モータ、２７ａ，２７ｂ……クランクレバー、
２８ｃ……単一方向係合装置、２９……連結装
置、３０……ブラケツト、３１……ブツシング
部、３２……弾性附勢装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ヘム前進装置組立体と協働する縫製装置組立
   体と、衣料品を縫製位置へと送る送り装置組立体
   とを有し、該縫製装置組立体が往復駆動される針
   を有し、前記送り装置組立体が、縫製すべき衣類
   を縫製位置に送り込むために駆動される送り手段
   を有する衣類にヘムを取り付けるための正確なス
   テツチミシンにおいて、 前進する折り畳まれたヘムを挟み、反対方向に
   ほぼ同じ周速度で回転し、ヘムが前進する通路を
   規定する一対の従動前進部材を前記ヘム前進装置
   組立体が有し、該一対の従動前進部材と前記送り
   手段とが衣類を前進させるように側方向に対向し
   て配置され、前記一対の前進部材の通路の前に配
   置された折り畳み装置によつて、ヘムが衣料の縁
   に被され、前記針が従動前進部材と送り手段との
   間で往復駆動されてヘムを衣料の縁に縫いつける
   ことを特徴とする正確なステツチミシン。 ２ 該前進部材が、衣類の送り速度に対するヘム
   の前進速度を変化させるように作動する装置を介
   して前記送り装置組立体と運動連結することを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の正確なステ
   ツチミシン。 ３ 組を成す前記前進部材の各々が、クランクレ
   バーと協働するローラを包含し、該ローラと該ク
   ランクレバーとの間に単一方向係合部材を挿入す
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項又は第
   ２項記載の正確なステツチミシン。 ４ ヘムの前進速度を変えるための該装置が、該
   縫製装置組立体と協働して該送り装置組立体に作
   用する作動レバーを包含し、該前進部材が調節可
   能位置にて該作動レバーと連結する棒によつて該
   作動レバーと運動連結することを特徴とする特許
   請求の範囲第１項又は２項記載の正確なステツチ
   ミシン。 ５ 該レバーが、単一方向係合装置を介して該送
   り装置組立体の前進輪を作動させる駆動輪と連結
   することを特徴とする特許請求の範囲第４項記載
   の正確なステツチミシン。 ６ 該係合装置と該単一方向係合装置が自動ゆる
   め輪を包含することを特徴とする特許請求の範囲
   第３項又は５項記載の正確なステツチミシン。 ７ 該前進輪の周辺部に保持用ライナーを取付け
   ることを特徴とする特許請求の範囲第５項記載の
   正確なステツチミシン。