JPH0334956Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、チツプ部品を吸着する吸着ピンを昇
降させるためのチツプ部品装着ヘツドに関する。

（従来の技術） 従来、この種のチツプ部品装着ヘツドとして
は、エアーシリンダで吸着ピンを昇降させるが、
吸着ピンの真空吸引は、エアーシリンダとは別個
に吸着ピンに連通する真空吸引用チユーブを引き
出し、これにエアーフイルタや真空用バルブを連
結する構成が一般的であつた。ここで、エアーフ
イルタは、真空用バルブ内に異物が入つて破損す
るのを防止するために異物を除去するものであ
り、真空用バルブは吸着ピンに連通する真空吸引
通路を開閉して、吸着ピンによるチツプ部品吸
着、又は吸着停止（解放）を実行させるものであ
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、上記従来の構造であると、エアーシリ
ンダの外側に真空吸引用チユーブを引き出した
り、エアーフイルタを配置したりしなければなら
ず、構造が複雑、大型化するきらいがあつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記の点に鑑み、エアーフイルタを
エアーシリンダのケース内部に配置する構成とし
て、接続用チユーブ等を不要とし、構造の簡素化
及び小型化を可能にしたチツプ部品装着ヘツドを
提供しようとするものである。

本考案は、エアーシリンダのケース内を隔離部
材により上下に分けて下方にシリンダ室を、上方
に真空室をそれぞれ形成し、前記ケース先端面よ
り突出する先側ロツド部と前記隔離部材を貫通し
て前記真空室内に突出する後側ロツド部とを有す
るピストンを前記シリンダ室に対し摺動自在に設
け、チツプ部品を吸着する吸着ピンが連結される
前記先側ロツド部先端より後側ロツド部後端に貫
通する真空吸引通路を前記ピストンに形成すると
ともに、前記後側ロツド部後端の前記真空吸引通
路の開口部分にエアーフイルタを配置、固定して
当該エアーフイルタが前記ピストンと一体に昇降
するようにした構成により、上記問題点を解決し
ている。

（作 用） 本考案では、エアーシリンダのケース内をシリ
ンダ室と真空室とに２分し、エアーシリンダのピ
ストンを前記シリンダ室に対し摺動自在に設け、
このピストンの摺動動作により、ピストンの先側
ロツド部に連結された吸着ピンを昇降させること
ができる。また、吸着ピンに連通する真空吸引通
路をエアーシリンダのピストンに形成しており、
ピストンに一体で真空室に突出した後側ロツド部
の真空吸引通路開口部にエアーフイルタが配置さ
れている。従つて、吸着ピンより吸引された異物
はエアーフイルタで確実に除去されることにな
る。このため、真空吸引用のチユーブで吸着ピン
とエアーフイルタとを接続したりする必要がな
く、構造が簡素化され、かつ小型にできる。

（実施例） 以下、本考案に係るチツプ部品装着ヘツドの実
施例を図面に従つて説明する。

第１図及び第２図において、１はエアーシリン
ダのケースであり、該ケース１の内部空間は隔離
部材２により下方のシリンダ室３と上方の真空室
４とに２分されている。エアーシリンダのピスト
ン５は前記ケース先端面（下端面）より突出する
先側ロツド部５Ａと前記隔離部材２を貫通して前
記真空室４内に突出する後側ロツド部５Ｂとを一
体に形成したもので、前記シリンダ室３に対し摺
動自在に設けられている。また、ピストン５に
は、チツプ部品を吸着する吸着ピン６（内部に吸
着用貫通孔を有するパイプ状）が連結される前記
先側ロツド部５Ａ先端面より後側ロツド部５Ｂ後
端面に達する真空吸引通路７が貫通する如く形成
されている。そして、後側ロツド部５Ｂ後端面に
は、前記真空吸引通路７の開口部分を覆うように
エアーフイルタ（例えば多孔体ブロツク）８が配
置、固定されている。前記シリンダ室３内には前
記ピストン５を上昇方向に付勢する戻しばね９が
配置されている。

なお、前記エアーシリンダのケース１の外側に
は真空用バルブ（切り替えバルブ：吸着時真空配
管に接続、チツプ部品を離すとき開放ポートに接
続）１０及びエアー用バルブ（切り替えバルブ：
圧力回路と開放との切り替え）１１が取り付けら
れ、真空用バルブ１０と真空室４とは真空吸引用
穴１２で連通され、エアー用バルブ１１とシリン
ダ室３のピストン背後に位置する部分とはエアー
用穴１３で連通されている。さらに、第２図のよ
うにケース１にはシリンダ室３の下部（ピストン
前方に位置する部分）に連通する排気口１７が形
成されている。また、ピストン５にはマグネツト
１４が埋設され、ケース１の外側にはピストン５
の上昇状態でのマグネツト１４の位置を検出する
ためにマグネツトセンサ１５が固定されている。
前記ケース１の上端部分の開口１６は真空センサ
（図示せず）に接続するためのもので動作上は閉
塞されているものと考えてよい。

以上の構成において、エアーシリンダ自体は押
し出し単動シリンダとして働く。すなわち、エア
ー用バルブ１１を開いてエアー用穴１３を通して
ピストン５背後のシリンダ室３に圧縮空気を供給
することにより、ピストン５は下降し、先側ロツ
ド部５Ａに連結された吸着ピン６も下降する。

吸着ピン６の下降位置での停止はピストン５が
下降してクツシヨンゴム１８がシリンダ室底面に
当たつて止まる。

また、吸着ピン６の上昇位置への復帰はエアー
用バルブ１１を排気状態とし、シリンダ室３を外
気に連通させることにより行う。これによりピス
トン５は戻しばね９の力で上昇状態に復帰する。

チツプ部品の吸着は、真空用バルブ１０を開
き、吸着ピン６、ピストン５の真空吸引通路７、
エアーフイルタ８、真空室４及び真空吸引用穴１
２の経路で真空吸引することにより実行される。
この際、吸着ピン６より異物（ほこり、くず等）
が侵入しても、エアーフイルタ８で除去され、真
空用バルブ１０には到達しないから、真空用バル
ブ１０の故障を防止することができる。なお、エ
アーフイルタ８はピストン５の後側ロツド部５Ｂ
に固定されているから、ピストン５と一体に昇降
することになる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案のチツプ部品装着
ヘツドは、エアーフイルタをエアーシリンダのケ
ース内部に配置する構成として、エアーフイルタ
や真空用バルブとエアーシリンダとを接続する接
続用チユーブ等を不要とし、構造の簡素化及び小
型化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るチツプ部品装着ヘツドの
実施例を示す一部を断面とした側面図、第２図は
同背面図である。 １……ケース、２……隔離部材、３……シリン
ダ室、４……真空室、５……ピストン、５Ａ……
先側ロツド部、５Ｂ……後側ロツド部、６……吸
着ピン、７……真空吸引通路、８……エアーフイ
ルタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エアーシリンダのケース内を隔離部材２により
   上下に分けて下方にシリンダ室３を、上方に真空
   室４をそれぞれ形成し、前記ケース先端面より突
   出する先側ロツド部５Ａと前記隔離部材２を貫通
   して前記真空室内に突出する後側ロツド部５Ｂと
   を有するピストン５を前記シリンダ室３に対し摺
   動自在に設け、チツプ部品を吸着する吸着ピンが
   連結される前記先側ロツド部先端より後側ロツド
   部後端に貫通する真空吸引通路７を前記ピストン
   ５に形成するとともに、前記後側ロツド部後端の
   前記真空吸引通路７の開口部分にエアーフイルタ
   ８を配置、固定して当該エアーフイルタ８が前記
   ピストン５と一体に昇降するようにしたことを特
   徴とするチツプ部品装着ヘツド。