JPH0334304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は選花機に係り、殊に花卉を選花機外に
取り出す作業にあたつて、搬出体の出し入れによ
る位置移動のために、秤量選別されて搬出体上に
落下した花卉が不揃いになるのを防止するための
手段に関する。

（従来の技術と考案が解決しようとする課題） ジヤガイモ等の塊状農産物の選別機として、農
産物を無端コンベヤにより搬送しながら、計量手
段により重量別や長さ別に自動選別するものが知
られている。そこで花卉の場合にも、同様の手段
を適用して自動選別することが考えられるが、こ
の場合、選別された花卉を適宜選花機外へ搬出し
なければならない。

ところで上記塊状農産物の場合は、農産物を計
量手段の下方に配設された搬出用コンベヤやシユ
ート上に落下させて回収するようになつている。
しかしながら花卉の場合は、長さが長い上、花や
葉が傷みやすいので、花卉を搬出体等の上に落下
させて所定本数毎にまとめて取り出すことが考え
られる。この場合、作業能率上無端コンベヤによ
る搬送は連続して行われなければならず、したが
つて搬出体を引き出して花卉を取り出している状
態で、搬出体上に落下した花卉と、搬出体を原位
置に戻した状態で搬出体上に落下した花卉は不揃
いになり、揃えるのが甚だ面倒である。

そこで本考案は、花卉の取り出し作業にあたつ
て、搬出体の出し入れによる位置移動のために、
秤量選別されて搬出体上に落下した花卉が不揃い
になるのを防止することができる選花機を提供す
ることを目的をする。

（課題を解決するための手段） このために本考案は、無端回動チエン１に設け
られた支持アーム１０に花卉１７を載荷して、こ
の無端回動チエン１の回動によりこの花卉１７を
搬送しながら、この無端回動チエン１の側方に設
けられた秤量装置１３により花卉１７を秤量し、
秤量結果により上記支持アーム１０を下方に回転
させて、花卉１７を搬出装置２８上に落下させる
ようにした選花機であつて、上記搬出装置２８
を、上記花卉１７の搬送方向と直交する方向に出
し入れ自在に配設された搬出体２と、この搬出体
２の上方にあつて、この搬出体２の出し入れに連
動して上下動することにより、この搬出体２を引
き出してこの搬出体２上の花卉１７を選花機外に
取り出している最中に、上方から落下した花卉１
７を受け止める受体３とから構成したものであ
る。

（作用） 上記構成において、秤量装置１３により選別さ
れて搬出装置２８上に落下した花卉１７は、所定
本数に達した段階で、搬出体２を引き出すことに
より選花機外に取り出される。この時受体３は搬
出体２に連動して上昇し、花卉１７を取り出して
いる最中に上方から落下した花卉１７を受け止め
る。そして搬出体２を原位置に戻すと、受体３は
これに連動して下降し、この受体３に受け止めら
れていた花卉１７は、搬出体２上の所定位置に移
載される。

（実施例） 次に、図面を参照しながら本考案の実施例を説
明する。

第１図は選花機の側面図、第２図は正面断面図
であつて、１は左右一対の無端回動チエンであ
り、スプロケツト６，６，６及び駆動スプロケツ
ト７に調帯されている。これらの無端回動チエン
１，１の間には、ピツチをおいて多数本の棒状支
持部材８が架設され、この支持部材８の両端部に
立設された支持部１０′に、回転棒９が回転自在
に軸支されている。そしてこの回転棒９には、花
卉１７を横架して載荷する支持アーム１０が複数
本並設されており、無端回動チエン１，１に搬送
されて支持アーム１０は搬送路を循環する。

第１図に示すように、支持アーム１０の先端部
は上記回転棒９に取着されており、この取着部分
から後方（搬送方向ａと逆方向）へ略Ｖ字形に屈
曲されている。花卉１７の茎は、略Ｖ字形凹入部
を構成する下り勾配１０ａと上り勾配１０ｂの最
深部１０ｃに、がたつかないように位置決めされ
る。１２は上記無端回動チエン１，１と平行に配
設されたガイドレールであつて、上記回転棒９の
一端部側から突出するスライダ１１を摺動案内す
るものである（第２図も併せて参照）。

第２図において、１３は搬送路の側方に配設さ
れた秤量装置であつて、回転杆１４の後端部に装
着された秤量用重錘１６により、上記支持アーム
１０に載荷された花卉１７の重量を秤量するもの
である。上記回転杆１４の先端部１５は、上記ガ
イドレール１２上に部分的に設けられた切欠部２
７を補完するようにこのガイドレール１２と平行
に配設されている。上記スライダ１１が、ガイド
レール１２から回転杆１４の先端部１５に移乗し
た状態で、支持アーム１０側の重量モーメントが
重錘１６等による設定重量のモーメントよりも大
きいと、回転杆１４は重錘１６を跳ね上げる方向
へ回転し、スライダ１１は支えを失つて支持アー
ム１０は下方へ回転し、これに載荷された花卉１
７は落下選別される。２８は支持アーム１０の下
方に配設された花卉１７の搬出装置であつて、次
に第２図〜第４図を参照しながら、その詳細な説
明を行う。

この搬出装置２８は、花卉１７の搬送方向と直
交する方向に出し入れ自在に配設された樋状の搬
出体２と、この搬出体２の上方に、支軸２０を支
点として上下動自在に配設された板状の受体３と
から構成されている。搬出体２は、秤量装置１３
により秤量選別されて落下した花卉１７を回収す
るものであり、この搬出体２を引き出すことによ
り、搬出体２上の花卉１７は選花機外へ搬出され
る。１８は搬出体２の一端部に立設された支持
棒、１９はこの支持棒１８の上端部に回転自在に
装着されたローラであり、これら支持棒１８とロ
ーラ１９から連動装置４が構成されている。２４
は搬出体２の他端部の一側部に装着されたハンド
ル（特に第４図参照）、２５は搬出体２の下方に
装着されて、支持フレーム５上を転動するローラ
である。

上記受体３は、搬出体２の出し入れに連動して
上下動することにより、搬出体２を引き出してこ
の搬出体２上の花卉１７を選花機外に取り出して
いる最中に、上方から落下した花卉１７を受け止
めるものである。この受体３は、搬出体２が選花
機内の所定位置に挿入されている際には傾斜状態
になり、その下端部は搬出体２に接地する（第２
図参照）。

第２図に示すように、秤量選別された花卉１７
は搬出体２上に落下し、その先端の花１７ａは受
体３上に着地する。落下した花卉１７が所定本数
に達したならば、ハンドル２４を左方に引いて、
搬出体２を選花機外へ引き出す。するとこの搬出
体２上の花卉１７の花１７ａは、受体３上を滑下
して受体３から搬出体２に移載され、更にローラ
１９は左方に移動しながら受体３を押し上げるの
で、受体３は支軸２０を支点として矢印Ｎ１方向
に回転し、その下端部は上昇して受体３は水平状
態になる（第３図参照）。

このように搬出体２を引き出すことにより、搬
出体２上の花卉１７は選花機外に取り出される
が、この取り出し作業中に上方から落下した花卉
１７は、水平状態になつた受体３により受け止め
られる（第３図鎖線位置）。そして第３図におい
て、ハンドル２４の操作により搬出体２を右方へ
摺動させて原位置（第２図に示す位置）に戻す
と、ローラ１９は同方向に移動して受体３の下面
からはずれ、受体３は支えを失つて支軸２０を支
点として矢印Ｎ２方向に回転して原位置に戻る。
すると受体３に受け止められていた花卉１７は、
その花１７ａのみが受体３に着地した状態で搬出
体２上の所定位置に載荷される（第２図参照）。

この選花機は上記のような構成より成り、次に
全体の動作を簡単に説明する。

花卉１７は、各支持アーム１０に１本ずつ供給
され、凹入部１０ａ，１０ｂの最深部１０ｃに正
しく位置決めされる。そしてこれらの支持アーム
１０は無端回動チエン１，１によつて搬送され、
それらのスライダ１１がガイドレール１２上を摺
動し回転杆１４の先端部１５に移乗すると、支持
アーム１０の秤量が行われ、支持アーム１０側の
重量モーメントが重錘１６等による設定重量のモ
ーメントよりも大きいと、支持アーム１０は下方
へ回転し、花卉１７は搬出体２上に落下し、その
花１７ａは受体３上に着地する。一方支持アーム
１０側の重量モーメントが設定重量のモーメント
よりも小さいとそのままガイドレール１２上を摺
動し、次の秤量装置１３へ移り、前のより軽く設
定した重錘１６によつて再び秤量される。

そして第２図において、落下した花卉１７が所
定本数に達したならば、ハンドル２４を手に保持
して左方に引いて搬出体２を同方向に摺動させる
と、これに載荷された花卉１７の花１７ａは受体
３から搬出体２に移載される（第３図実線位置）。
これと同時にローラ１９は左方に移動しながら受
体３を押し上げ、受体３は矢印Ｎ１方向に回転し
て水平状態になる。この状態で搬出体２上の花卉
１７は取り出されるが、この最中に上方から落下
した花卉１７は、受体３により一時的に受け止め
られて支持される（第３図鎖線位置）。

次いでハンドル２４の操作により搬出体２を右
方に摺動させると、ローラ１９は同方向に移動
し、受体３は矢印Ｎ２方向に回転して原位置に戻
る（第２図参照）。この状態で上方から落下した
花卉１７は、花卉１７の取り出し作業中に落下し
て受体３に受け止められた花卉１７の上に位置を
揃えて載荷され、所定本数に達すると、再び搬出
体２は引き出されて花卉１７は取り出される。

なお本考案は種々の設計変更が可能であつて、
第５図に示すように、上記連動装置４を、受体３
の一端部と搬出体２の一端部を連結する紐状体２
１から構成してもよく、このものも搬出体２を左
方に引き出すと、受体３は紐状体２１に引かれて
回転上昇する。２２は搬出体２の引き出し限定を
規定するストツパーである（第８図も併せて参
照）。また受体３の形状も種々の変更が可能であ
り、例えば搬出体２の出し入れに連動して閉じた
り開いたりする開閉アーム２３（第６図参照）
や、或いは開閉板２３（第７図参照）であつても
よい。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、搬出体２
を引き出して花卉１７を取り出している最中に搬
出体２上に落下した花卉１７と、搬出体２を原位
置に戻した状態で搬出体２上に落下した花卉１７
とが不揃いになるのを防止することができ、した
がつて搬出体２上に落下した花卉１７をそれらの
載荷位置を揃えて選花機外に搬出することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は選花機の側面図、第２図は正面断面図、第３
図は搬出体を引き出した状態における搬出装置の
側面図、第４図は搬出体の部分斜視図、第５図は
他の連動装置付近の側面図、第６図は他の要部の
側面図、第７図は更に他の要部の側面図、第８図
はストツパー付近の部分側面図である。 １……無端回動チエン、２……搬出体、３，２
３……受体、１０……支持アーム、１３……秤量
装置、１７……花卉、２８……搬出装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 無端回動チエンに設けられた支持アームに花卉
   を載荷して、この無端回動チエンの回動によりこ
   の花卉を搬送しながら、この無端回動チエンの側
   方に設けられた秤量装置により花卉を秤量し、秤
   量結果により上記支持アームを下方に回転させ
   て、花卉を搬出装置上に落下させるようにした選
   花機であつて、上記搬出装置を、上記花卉の搬送
   方向と直交する方向に出し入れ自在に配設された
   搬出体と、この搬出体の上方にあつて、この搬出
   体の出し入れに連動して上下動することにより、
   この搬出体を引き出してこの搬出体上の花卉を選
   花機外に取り出している最中に、上方から落下し
   た花卉を受け止める受体とから構成したことを特
   徴とする選花機。