JPH0334132Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、業務用の大形冷凍庫、冷蔵庫、または温
蔵庫等において、その出入り口を気密閉鎖するに
用いているスライデイングドア用ガイドレール
は、ドア上部に固定したブラケツトに軸架した車
輪を、出入り口上方の庫外壁面に略水平に取付け
たガイドレール１に係合垂持し、該レールに案内
される車輪の転動でスライドするように設け、ま
た、ドアの内側周辺と底面にパツキングを固着
し、ガイドレールの、庫体側の出入り口位置に相
当する部分に、内向勾配部２兼下向勾配部３を形
成して、（第１図） ドアをスライドして出入り口位置に到ると、ガ
イドレール１上の車輪がその内向勾配部２に転動
案内されてドアを内方移動してその周辺パツキン
グを出入り口周辺に圧接し、同時に、車輪が下向
勾配部３に転入下降してドアを下降しその底面パ
ツキングを床面に圧接して、もつて、出入り口を
気密閉鎖するようになつている。

ところが、スライデイングドアは大形である上
に重量も重い（数10Kg）ために、一旦、上記の如
く気密閉鎖したドアを再び開扉するためには、ま
ず、重いドアを押し上げるようにして、底面パツ
キングと床面の摩擦抵抗に抗して擦りながら車輪
を下向勾配部３から転出させねばならぬと全く同
時に、内向勾配部２の案内作用で出入り口周辺に
圧接している周辺パツキングを、これまた、その
周辺との摩擦抵抗に抗して擦りながら離隔せねば
ならぬために、特に、開扉初動々作時に極めて大
きな労力（男の人が力一杯に引かねばならぬ位）
を要し、ドア内面が凍結している場合などにはな
おさら開扉が困難となるなどの問題点があり、何
んとか少しでも開扉初動々作が楽に軽く行われよ
うとすることが課題とされてきたものである。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたものであ
り、ガイドレールを上記従来の構成に代えて、特
殊構成とすることによつて、上記従来の欠点を解
決して、スライデイングドアの極めて良好な気密
閉鎖を可能とすると共に、特に、ドアの開扉初動
動作を極めて軽快に行い得るようにしたものであ
る。

即ち、本考案の構成をその実施例につき説明す
れば、 大形冷凍庫等４の出入り口５を気密閉鎖する任
意構成のスライデイングドア６（以下、ドア６と
記す。）用のガイドレール１であり、 従来は一本のレールで構成していた、ガイドレ
ール１を、水平支持板７をはさんで平行固定した
上面レール１ａと下面レール１ｂによつて設け、
水平支持板７の上面に狭長平板を垂直に固定して
形成した上面レール１ａの設定位置、例えば、冷
凍庫４の出入り口５位置に相当する位置に、下向
勾配部３ａを形成すると共に、水平支持板７の下
面に、狭長平板を垂直に固定してまたはコ形チヤ
ンネル材を下開きコ形に固定して形成した下面レ
ール１ｂの、設定位置、例えば、同じく出入り口
５位置に相当する位置等に内向勾配部２ａを形成
したものである。

而して、上記本案ガイドレール１の上面レール
１ａ上に、ドア６上端に固定したブラケツト８に
架した軸９に回転及び軸上を水平摺動自在に軸架
した車輪１０を載置することによつて、ドア６を
スライド自在に懸垂設置すると共に、ドア６上端
に遊転自在に取付けたガイドローラ１１が下面レ
ール１ｂ側面の案内で接触転動するようにし、 該ドア６をスライドして、出入り口５位置等の
ドア気密閉鎖の目的位置（設定位置）に至ると、
上記車輪１０が下向勾配部３ａに転入下降してド
ア６を下降してその底面（パツキング１２）を床
面１３に圧接せしめると共に、ガイドローラ１１
が内向勾配部２ａに案内転入してドア６を内方移
動してその周辺若しくは側辺（パツキング１４）
を出入り口５周辺若しくは内側のドア６の側辺等
に圧接して、出入り口５等を気密閉鎖するもので
ある。

上記において、 水平支持板７は、例えば、Ｌ形鋼材やＨ形鋼材
等を適宜冷凍庫等４の出入り口５の上方部等に取
付けて、その水平板部を水平支持板７として使用
する。

上面レール１ａは、例えば、狭長平板を水平支
持板７上面に垂直に固定して設け、通常、１枚の
ドア６に対し１本宛設け、その先方部にドア６に
取付けた車輪１０の間隔に合わせて下向勾配部３
ａ，３ａを形成する。

下面レール１ｂは、例えば、１本の狭長平板を
垂直に固定して、または、コ形チヤンネル材を下
開きコ形に固定して設け、１本の垂直板の場合に
は、２個のガイドローラ１１で該レール１ｂを挾
持するようにし、コ形チヤンネル材の場合にはガ
イドローラ１１をチヤンネル内に嵌合設置する。
また、各ガイドローラ１１（通常１枚のドア６に
車輪１０と対称に２ケ所設置）毎に１本の下面レ
ール１ｂを固設し（即ち、１枚のドア６につき２
本宛）、各レール１ｂの先端部を内方（庫内側）
へ曲成して内向勾配部２ａを形成する。

第３図は本案ガイドレール１に１枚のドア６を
設置した場合の構成概略及び作用説明図であり、
なお、ドア６を出入り口５の左右からスライドし
て出入り口５中央で合わせるようにすれば２枚ド
アとなる。

同じように第５図は２枚のドア６を設置した場
合の構成概略及び作用説明図で、この場合にも各
２枚のドア６を左右からスライドして出入り口５
の中央で合わせるようにすれば４枚ドアとなり、
極めて広い出入り口を確保し得て大形器材の搬出
入に最適である。

なお、１５はドア６のハンドル、１６は重合し
たドア６を共動するための連係片である。

以上の構成において、本案ガイドレールによれ
ば、ドア６の車輪１０が一直線状の上面レール１
ａ上を転動して、ドア６を主体的にスライドする
働きをし、気密閉鎖のためのドア６の下降作用は
車輪１０が下向勾配部３ａ内へ下降することによ
つて行うものであり、また、同じく気密閉鎖のた
めにドア６を内方へ移動する作用は、、別設の謂
わば内方移動だけを専門に行うための機構として
設けた下面レール１ｂの内向勾配部２ａとそれを
挾持したガイドローラ１１，１１によつて行うよ
うにし、しかも、その内方移動時においても、上
面レール１ａ上の車輪１５はそのまゝ直線的前進
を続ける（この時、車輪１５を支持している軸１
４の方がブラケツト８と一緒に内方へ摺動する）
ようにしたので、 主動力をもつてドア６を軽く直線的にスライド
する過程中にドアの内方移動が自動的に行われ
て、よつて、強固適確な気密閉鎖を極めて軽快に
行いうると共に、 閉鎖したドアを開扉するときには、従来の前記
の如くドアを押し上げるようにして下向勾配部３
から脱出させるのと同時に該車輪をパツキングの
作用で極めてきつく圧接している内向勾配部２か
ら転動脱出させるのとが、相乗作用するために、
特に、その開扉初動々作が極めて重い欠点があつ
たが、本考案の場合には、ドアを押し上げ気味に
開扉方向へ直線的に押して、その車輪を下向勾配
部３ａから転出するようにするだけで、該直線的
押動々作に付随してガイドローラ１１，１１が内
向勾配部２ａに接触して軽く転動するので、ドア
は極めて軽々と出入り口部との圧接状態から離反
して、よつて、従来の数分の一の初動々作力で、
簡単且つ軽快に開扉し得る優れた効果を発揮しう
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のガイドレールの正面図、平面図
及び、側面図、第２図は本案ガイドレールの実施
例（１枚ドア用）の正面図、側面図及び、底面
図、第３図は第２図の本案ガイドレールにドアを
設置した概略図で、イは正面図、ロは側面図、ハ
は平面図、第４図は本案ガイドレールの他の実施
例（２枚ドア用）の正面図、側面図、Ａ−Ａ矢視
断面図、及び、底面図、第５図は第４図の本案ガ
イドレールにドアを設置した概略図で、イは正面
図、ロは側面図、ハは平面図、第６図は第５図の
ドアの作動説明図である。 符号、１……ガイドレール、１ａ……上面レー
ル、１ｂ……下面レール、２，２ａ……内向勾配
部、３，３ａ……下向勾配部、４……大形冷凍庫
等、５……出入り口、６……スライデイングド
ア、７……水平支持板、８……ブラケツト、９…
…軸、１０……車輪、１１……ガイドローラ、１
２……底面パツキング、１３……床面、１４……
周側辺パツキング、１５……ハンドル、１６……
連係片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 大形冷凍庫等の出入り口を気密閉鎖するスライ
   デイングドア用のガイドレールであり、該ガイド
   レールを、水平支持板をはさんで平行固定した上
   面レールと下面レールによつて設け、上面レール
   の設定位置に下向勾配部を形成すると共に、下面
   レールの設定位置に内向勾配部を形成したことを
   特徴とする、大形冷凍庫等のスライデイングドア
   用ガイドレール。