JPH0334006B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明はトンネル内の内壁に取付ける照明器
具等の取付位置、とりわけ地面から一定の高さに
取付けるための位置を墨出するための装置に関す
るものである。

（従来の技術） 従来のこの種の墨出作業は、トンネル内で作業
員が梯子、脚立などに乗つて錘のついた糸などを
垂下せしめ、この糸の長さ等を測定することによ
つて路面、地上からの一定の高さの内壁にマーキ
ングすることによつて墨出作業を行つていた。ト
ンネル内壁は垂直面ではなく湾曲しているので、
適宜の棒体を壁面に沿わしめたりすることができ
ず、そのような面倒な作業を強いられていたので
ある。

（発明が解決しようとする課題） しかしながらこのような方法によれば、時間、
労力を要し、迅速で効率の良い作業は望むべくも
ない。またその都度の路面からの高さを基準にし
ているため、当該路面上に凹凸があればその影響
を受けてしまい、墨出の位置にばらつきが出てし
まう。

墨出位置にばらつきがあれば、取付けた照明器
具等も正確に直線的にはならず、トンネル内の照
明効果上も好ましくなく、また外観上見苦しい。

（課題を解決するための手段） この発明はこのような点に鑑みてなされたもの
であり、トンネル内を移動自在な台車上にレーザ
光線を利用して地面から一定の高さの位置に墨出
位置を決定できる装置を提供して、上述の問題点
を解決するものである。

そのためこの発明では、トンネル内長手方向に
移動自在な移動台車の上面に、トンネル内壁に向
かつてスライド自在なスライド部材をレベル出し
を介して設け、さらに当該スライド部材の上面に
は上下動自在な可動柱を設け、この可動柱の上方
に固着された適宜の金具に測定杆をユニバーサル
に吊下せしめ、当該測定杆の上方にはトンネル内
壁に向けられた可視光線発光機を設けるととも
に、当該測定杆とスライド自在な測定杆外筒の外
周には、ターゲツト板を設けたことを特徴とする
ものである。

（作用） 測定杆は移動台車上に設けられた可動柱に固着
された金具にユニバーサルに吊架されており、鉛
直状態にある。そしてこの測定杆とスライド自在
な測定杆外筒の外周にはターゲツト板が設けられ
ているので、このターゲツト板に地面、路面から
一定高さで水平に射出されるレーザ光線を受光す
るようにすれば、測定杆の上方にある可視光線発
光機は、当該レーザ光線の高さから正確に垂直方
向に一定の高さにある。

その結果、たとえトンネル内の路面が凹凸して
いても、そのようにレーザ光線を常にターゲツト
板に受光するように可動柱を調節すれば、測定杆
上方の可視光線発光機は常に前記一定の高さに位
置することになる。

従つて、斯るごとくレーザ光線を常にターゲツ
ト板に受光するようにして移動台車をトンネル内
長手方向に沿つて移動させていけば、トンネルの
内壁に一定高さの位置を極めて正確に墨出するこ
とができるのである。

また可視光線発光機を有する測定杆とターゲツ
ト板を有する測定杆外筒とは、スライド自在であ
るからレーザ光線の高さから任意の位置に墨出す
ることができ、しかもこれらはトンネル内壁に向
かつてスライド自在なスライド部材上にあるか
ら、トンネルの大きさ、トンネルの内壁の湾曲程
度にかかわらず墨出作業ができる。

さらに可視光線発光機によつて墨出位置を指示
するので、トンネル内壁の表面状態にも左右され
ない。

（実施例） 以下、この発明の実施例を図に基づいて説明す
ると、第１図は正面図であり、移動台車１１の下
面のトンネル内壁１２には、通常の車輪１３が２
ヶ所あり、この反対側にはつば１４ａを有する車
輪１４が２ヶ所に設けてある。このつば１４ａ
は、トンネル内の路面１５の、トンネル内壁１２
側に設けてある縁石１６の端部１６ａに沿わしめ
るものである。

移動台車１１の上面にはレベル出し１７を介し
て水平方向調節部材１８が載置してある。この水
平方向調節部材１８は、側部に設けたハンドル１
９を回すと上部のスライド部材２０がトンネル内
壁１２方向へ移動する如き構造である。またスラ
イド部材２０の上部には垂直方向調節部材２１が
固定してある。この垂直方向調節部材２１には支
柱２２が２本、トンネル長手方向に立設してあ
り、ハンドル２３を回すことによつて可動柱２４
が上下にスライドする構造である。

２５ａ，２５ｂは夫々支柱２２に固着した平面
略三角形の支持金具で、可動柱２４はこれらの支
持金具２５ａ，２５ｂの中を通つて上下にスライ
ドする。２６は可動柱２４に一端を固定した取付
金具で、他端には測定感をユニバーサルに吊下せ
しめる吊下部材２６ａを固着してある。

この測定杆２７の上端には例えばレーザ光線を
発する可視光線発光機２８が、測定杆２７と直角
になるように装着してある。また測定杆２７の下
方には、測定杆２７外周を上下にスライド自在な
測定杆外筒２９があり、これによつて測定杆外筒
２９に設けたターゲツト板３０と可視光線発光機
２８との距離が任意に設定できるのである。

測定杆外筒２９の下端は移動台車１１の側面に
設けた窪みを通過して、そのトンネル内壁側端部
２９ａが正面からみて車輪１４のつば１４ａとほ
ぼ一致するようにしてある。このようにすること
によつて、測定杆外筒２９に取付けたターゲツト
板３０がレーザ光線を受光する際、目安、基準を
設定することができる。

なお測定杆２７には適宜のバランサー３１が取
付けてあり、これによつて測定杆２７のバランス
をとるようにしてある。

次に作業手順を第２図、第３図について説明す
ると、例えばトンネルの入口付近にレーザ光線射
出装置４１を設置し、一方トンネルの出口付近に
目標板４２を設置する。そしてレーザ光線射出装
置４１の射出口４３と目標板４２の高さを同一に
し、当該目標板４２に向けてレーザ光線４４を射
出する。

そしてターゲツト板３０でこのレーザ光線４４
を受光するように垂直方向調節部材１１などで調
節して、可視光線発光機２８でトンネル内壁１２
の表面を照らし、必要な取付位置４５を墨出し
て、適宜手段でマークする。

この場合取付位置４５は、射出口４３と目標板
４２を結ぶ直線（レーザ光線４４の高さ）から、
ｌの分だけ上方に足した位置である。後は第３図
に示したように、移動台車１１をトンネルの長手
方向に移動させて順次同様な作業を行つて取付位
置４６，４７等を墨出していけばよい。

而して同図に示したように、路面に凹凸等の障
害４８があつても、各取付位置はこれに影響され
ずに所定の高さの位置に正確にかつ直線的に墨出
されるのである。

（発明の効果） この発明によれば、迅速かつ効果的にトンネル
内の照明器具の取付位置の墨出作業が行える。し
かも当該墨出も正確かつ直線的に行え、また路面
等の凹凸にも影響は受けないものである。

また墨出しようとするトンネルの大きさ、並び
にトンネルの内壁の湾曲程度、壁面の状態如何を
問わずそのような墨出作業を実施できる。

さらに作業も熟練を要さず、簡単である。

【図面の簡単な説明】

各図はいずれもこの発明の実施例に関するもの
であつて、第１図は実施例の正面図、第２図、第
３図は夫々実施例を使用して墨出作業をする様子
を表わす説明図である。 なお図中、１１は移動台車、１２はトンネル内
壁、１３，１４は夫々車輪、１７はレベル出し、
１８は水平方向調節部材、２０はスライド部材、
２１は垂直方向調節部材、２４は可動柱、２５
ａ，２５ｂは夫々支持金具、２６は取付金具、２
６ａは吊下部材、２７は測定杆、２８は可視光線
発光機、２９は測定杆外筒、３０はターゲツト
板、３１はバランサーである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ トンネル内長手方向に移動自在な移動台車の
   上面に、トンネル内壁に向かつてスライド自在な
   スライド部材をレベル出しを介して設け、さらに
   当該スライド部材の上面には上下動自在な可動柱
   を設け、この可動柱の上方に固着された適宜の金
   具に測定杆をユニバーサルに吊下せしめ、当該測
   定杆の上方にはトンネル内壁に向けられた可視光
   線発光機を設けるとともに、当該測定杆とスライ
   ド自在な測定杆外筒の外周には、ターゲツト板を
   設けたことを特徴とする、トンネル内の照明器具
   等の位置決め装置。