JPH0333873B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は家屋における化粧壁面の施工方法およ
び該方法に用いるパターンロールに関する。

（従来技術） 従来家屋外装の化粧壁面の施工方法としては
柱、間柱、胴縁など下地構造材上に木摺り、アス
フアルトフエルト、ラス網を順次施工し、その表
面に下地モルタル、化粧モルタルなど塗材を塗着
する方法がとられてきた。しかしこの施工方法は
下地モルタルの養生期間が長くかかり、現場施工
が長時間かかる難点があつた。この施工方法の難
点を解決するため次のような方法がとられるに至
つた。すなわち、合板、繊維板等の基板１（図面
の符号を援用、以下同じ。）の表面に樹脂塗料が
接着剤に無機質材粒子及び粉末を混合した塗材を
塗着し、基板１，１′の表面に充分に接着し、か
つ凹凸の粗面を持つた塗膜層８を形成した下地板
ａ，a′を壁面の柱、間柱など下地構造材２上に釘
打ち固定し、 その下地板ａ，a′の表面の下地モルタル、化粧
モルタルなど塗材５を塗着する方法がとられてい
る。この施工方法は在来工法に比して作業の単純
化工期短縮をなし得た点において一応の目的を達
成した。

ところで、それら化粧塗材への柄付け方法とし
て、化粧塗材の塗着後、コテによつて表面をラン
ダムにコテ起しをして隆起させ、次に塗材の硬化
（水引き）具合をみながらランダムに隆起された
塗材の頂部をコテによつて押圧し、平滑としスタ
ツコ模様を形成していた。

しかしながら、この方法による柄付けは、コテ
起し、コテ押えを必要とし壁面全体を行なうとな
ると施工手間、時間がかかるばかりか、均一に行
なうためには熟練した左官が作業しなくてはなら
ない。最近、柄付けを簡略化するために、表面に
任意柄凸部を形成されたパターンロールを用い、
化粧塗材が未硬化あるいは半硬化であるうちに、
その表面にパターンロールを転圧し、柄付けを行
なう方法が提案されている。

このパターンロールはロール単体で、またはロ
ール表面にストツキングのような伸縮性のある布
をかぶせ使用している。

しかし、このパターンロールの転圧の際、化粧
塗材の粘性によつて、そのロール表面に塗材が付
着し、柄をくずしたり、柄付けが行なえなかつた
りするため、１回のロールがけごとに水洗いをし
ながら、またはロール表面に水をつけながら転圧
しなくてはならない。このため作業手間がかかる
ばかりか、塗材の表面の水分量が多くなり、エフ
ロレツセンスが出易くなる。

一方、壁面の着色方法としては、化粧塗材に着
色材を混入した着色化粧塗材を使用するか、（前
者）化粧塗材の柄付け後、その硬化をまつてその
表面に着色塗材を吹付け着色をする方法（後者）
がとられている。

しかし、前者の着色化粧塗材を用いる方法にお
いては、壁面への塗着時、塗り継ぎ部分において
水引具合の違いにより色ムラが発生する。

また後者の後塗装による着色の場合、その塗装
工程が多くなるとともに乾燥養生が必要であり、
工期が長くなる。

本発明はこのような従来技術の欠点を解消する
ことを目的とする。すなわち、本発明は家屋の化
粧壁面の施工方法において、 下地板を用いた壁下地上にモルタル塗りを行な
つた後、その表面を着色剤を塗布されたパターン
ロール１０にて転圧し、壁表面に柄付け（μ）と
着色を同時に施すことにより、柄付けに要する工
期を短縮し、かつ色ムラなどの発生を解消しよう
とするものである。

以下本発明の実施例について説明する。

下地板ａ，a′の基板１，１′は６mmの構造用
合板の表面周縁に30゜〜60゜の面取面６を形成す
る。この基板１，１′の表面にNBR、MBR、
SBR等のゴムラテツクスを塗布乾燥して防水
被膜７を形成し、その上にセメントとゴムラテ
ツクスと、その他合成樹と硅砂、クレー、炭カ
ル等の骨材を混合した塗材をロールコーター等
で塗膜して、凹凸塗膜層８を形成する。

かくして本発明方法に用いる下地板ａ，a′が
工場生産される。

上記基板１の合板に代えて繊維板、石綿セメ
ント板等に有機質、無機質あるいは有機、無機
質の混合または複合されたあらゆる板状体を用
いてもよく、特にその材質が合板のみに限定さ
れるものではない。

また防水被膜７はゴムラテツクスに限らず、
合成樹脂またはゴムラテツクスに合成樹脂を混
合したもの、あるいはそれらに硅砂、クレー、
炭カル等の骨材を添加したものでも良い。

下地板ａ，a′は釘３、ボルト、接着剤等で間
柱２に張付けられる。

下地板ａ，a′の突付目地部に夫々の面取面６
で形成されたＶ字溝に目地剤４を充填して目地
処理が行なわれる。

目地剤はセメントとゴムラテツクス、あるい
は合成樹脂の１種以上の混合物に、さらに繊維
物を骨材と、粘度を高め作業性を改善するた
め、MC等の増粘保水剤を混合したものが用い
られる。

ゴムラテツクスあるいは合成樹脂は柔軟性を
与え、下地板の凹凸塗膜や防水被膜との粘着混
合及びモルタルとの粘着結合をよくする。繊維
物はその混入によつて、目地の脆さを補ないク
ラツクの発生を防止する。

また目地剤に代えて合成樹脂と繊維物及び骨
材を混合されたコーキング剤を用いてもよい。
目地剤４はコテ、ヘラ等で下地板１，１′の突
付け目地部のＶ字溝内に塗り込められた硬化さ
れる。

この様にして処理された下地板ａ，a′上に仕
上わ塗材５が塗られる。

仕上げ塗材５は白色セメントと、骨材と、繊
維状物質と、合成樹脂、その他の添加剤とから
成る。

骨材は壁表面に凹凸模様仕上げを行なうため
で２mm程度までの粒子に制限される。繊維状物
質はガラス繊維、石線繊維、合成繊維等であつ
て耐アルカリ性のあるものが好ましく、この混
入によつて塗布後の仕上げ、塗材の収縮を抑制
しクラツクを防止する。

合成樹脂は酢ビ、塩ビ、エポキシ、アクリル
等であつて、凹凸塗膜層８が目地剤４中に添加
される樹脂との分子間引力作用により界面での
密着力を向上する。

添加剤は作業等の粘度調整用、保水用として
MC、PVAを添加し、また急硬膨張剤を添加す
るものであつて、増粘による塗布作業時の作業
性の向上、保水性を増し、塗布後のドライアウ
トにともなう固化密着力の低下による剥離を防
止する。

仕上げ塗材５は下地板１，１′の凹凸塗膜層
８及び目地剤４を覆う程度の３〜５mmにコテで
塗る。直ちにその上に３〜10mm程度に仕上げ塗
材を塗り重ねるのが、コテ圧が充分にかかり、
気泡が残存せず、密着性が向上する。

仕上げ塗材５に塗布後、第２図に示される任
意柄凸部ωを表面に形成し、その表全面に着色
剤を塗布されたパターンロール１０を転圧す
る。かくして凹凸柄付けμと、その表面への着
色を同時に行なう。第２図に示すようにパター
ンロール１０は表面に柄凸部ωを形成された弾
性を有する柄付けロール１１と、該ロールと接
し回転され、その表全面に着色剤を塗布する着
色剤塗布用スポンジロール１２とを柄１３に取
付けている。

その表面に塗布される着色剤としてミネラル
スピリツトを主体とする合成樹脂調合ペイント
と用いる。

凹凸柄付けにあたつては、まず着色剤塗布用
スポンジロール１２に着色剤を充分にしみこま
せた後、柄付けロール１１を空転し、その表面
に着色剤を付着させ着色塗膜９を形成する。

次にパターンロール１０の柄３をもつて仕上
げ塗材５表面に柄付けロール１１を当接し、転
圧することにより凹凸柄付けμと着色を同時に
行なう。

着色剤として、溶剤であるミネラルスピリツ
トを主体としたものを用いるので、転圧時、仕
上げ塗材との離型が良く、仕上げ塗材５が柄付
けロール１１面に付着することがなく、凹凸柄
付けがきれいに行なえる。

しかも、着色剤であるミネラルスピリツト自
体揮発性が高いため、塗材への着色剤付着と同
時に揮発し、合成樹脂調合ペイントの樹脂及び
着色塗料分が仕上げ塗料にしみ込み着色され
る。

この様にして柄付け、着色が同時に行なえ、
壁面全体を施工する場合においても、着色剤塗
布用スポンジロール１２へ着色剤の補充をしな
がら連続して行なえる。柄付けロール１１とし
て表面に柄凸部ωの形成されたゴムロール、シ
リコンロール、合成樹脂ロール等弾性のあるロ
ールを用いれば良い。この場合、スポンジロー
ル１２の表面に柄凸部ωを形成したゴム板を巻
付けてなるロールを用いると、表面が適度の硬
さがあり、全体として適度の弾性を有するもの
が好ましい。

以上のようにして壁面施工は終了する。

本発明は以上のように下地板ａ，a′を用いた壁
面施工方法において、柄付け、着色施工が同時に
行なえ、工期の短縮と、色ムラの発生防止という
作用効果を有するものである。また、第３図に
示すように従来のように硬化した仕上げ塗材層の
上に着色した場合は表面着色層の沈降厚さはそれ
自身の目減りαである。

これに対し、本願発明のように仕上げ塗材５の
凹凸柄付μと表面着色層９の形成を同時に行なう
と表面着色層９の沈降厚さは着色層９自体の目減
りαと、仕上げ塗材５の目減りβとの和（α＋
β）となる。

このため、表面着色層９はその沈降厚さ（α＋
β）を沈降する間、仕上げ塗材５の収縮によく良
く随順し、色むらがなく着色されることになる。

これに対し従来の第３図の場合は、本願発明
のように仕上げ塗材５沈降することがないので木
に皮を貼り付けたような着色塗膜になり、馴染み
の程度が少なくなり色ムラが発生することにな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図：本発明方法を適用する下地板ａ，a′を
用いた施工方法を用いる壁面の断面図、第２図：
本発明パターンローラー１０の正面図、第３図
：従来の塗装方法の説明図、第３図：本願発
明の説明図。 ａ，a′：下地板、１，１′：基板、２：下地構
造材、３：釘、４：目地材あるいはコーキング
剤、５：仕上げ塗材、６：面取り面、７：防水被
膜、８：凹凸塗膜層、９：着色塗膜、１０：パタ
ーンロール、１１：柄付けロール、１２：スポン
ジロール、１３：柄、μ：凹凸柄付け（仕上げ塗
材５の）、ω：柄付け凸部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基板１上に予め凹凸塗膜層８を形成した下地
   板ａ，a′を下地構造材２に固定した後、仕上げ塗
   材５を塗布する形式の家屋化粧壁面の施工方法に
   おいて、 表面に柄付け凸部ωを形成した弾性を有する柄
   付けロール１１と、 該柄付けロール１１に接して回転し、その表全
   面に着色剤を塗布した着色剤塗布用スポンジロー
   ル１２とを有するパターンロール１０を用い仕上
   げ塗材５が凹凸柄付できる程度の硬さの時点で柄
   付ロール１１を仕上げ塗材５上を転圧させて、仕
   上げ塗材の凹凸柄付μと、表面着色を同時に行な
   う、 ことを特徴とする家屋化粧壁面の施工方法。 ２ 表面に柄付け凸部ωを形成した弾性を有する
   柄付けロール１１と、 該柄付けロール１１に接して回転し、かつその
   表全面に着色剤を塗布した着色剤塗布用スポンジ
   ロール１２とを柄１３に取付けた、 ことを特徴とする基板１上に予め凹凸塗膜８を形
   成した下地板ａ，a′を下地構造材に固定した後、
   仕上げ塗材５を塗布する家屋化粧壁面の施工方法
   に用いるパターンロール。 ３ 柄付けロール１１としてスポンジロールの表
   面に、表面に柄凸部ωを形成されたゴム板を巻き
   つけてなる特許請求の範囲第２項記載のパターン
   ロール。 ４ 着色剤として ミネラルスピリツトを主体とする合成樹脂調合
   ペイントを用いる特許請求の範囲第１項記載の施
   工方法。。