JPH0333472Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は段ボール紙印刷機において印刷し終え
た後の該印刷機内に滞つた残留インクを素早く吸
い上げる印刷インク回収装置に関する。

段ボール紙印刷機に使う印刷インクは種々多様
であり、例えば多色刷りする場合一色ごとに色を
変えて繰り返し作業を進めていくが、印刷インク
の交換時に印刷機に残留する使用済みの印刷イン
クの取除き作業は自然落下によつて流れ落ちるの
を待つため回収にかなりの時間を要するものであ
つた。そして、隅々までの回収は行なうに難く、
新たに注入する印刷インクとの混ざりによる濁り
を防ぐため適当なところで水洗浄で洗い流され、
その印刷インクの損失も大きかつた。

本考案はゴムロールとアニロツクスロールとを
一水平面内で圧接させ、その両ロールの上位置に
形成される断面略Ｖ型のインク溜溝に印刷インク
を保有させ、前記アニロツクスロール上に含浸せ
しめた印刷インクを印刷ドラム上に転着させる段
ボール紙印刷機において、インク溜溝の上方に間
隔を置いて数個の吸引ノズルを上下動自在に設け
て該各ノズルの先端がインク溜溝中に入出するよ
うにすると共に、該吸引ノズルを真空ポンプに継
ぎインク溜溝中の残留インクを該吸引ノズルによ
つて回収するようにした段ボール紙印刷機におけ
る印刷インク回収装置であつて、インク溜溝に残
つた残留インクを強制的に吸い上げ、インクの切
替を迅速化すると共に洗浄で流されるインクを可
及的に抑制しようとするものである。

以下本考案の一実施例を図面と共に説明する。
図は本考案の印刷インク回収装置を取付けてなる
段ボール紙印刷機で、１は回転自在に軸支された
円胴の弾性あるゴムロール、２は円胴で同じく回
転自在に軸支され、その胴表面を細かい凹凸に形
成したアニロツクスロールである。該ゴムロール
１と該アニロツクスロール２は互いに一水平面内
で圧接し、その両ロールの上位置に形成さる断面
略Ｖ型の印刷インクを保有することのできるイン
ク溜溝３を形成する。４はアニロツクスロール２
に当接し連動回転する印刷ドラムで、該印刷ドラ
ム４には印刷図柄を形成したゴム版が貼着されて
いる。５は印刷ドラム４に隣接して印刷する段ボ
ール紙６を案内保持し、印刷ドラム４上のゴム版
に塗られた印刷インクを段ボール紙６に転写でき
るようにした圧着ロールである。しかしてインク
溜溝３の上方に位置するように両端を該印刷機の
機枠７，７に固着させて水平に水平杆８を横架さ
せる。そして該水平杆８に取付杆９を上下動自在
に取付ける。即ち、取付杆９の両端部に鉤状の掛
金具１０，１０を固着し、該掛金具１０，１０を
水平杆８に跨ぐように乗せて取付杆９を水平に支
持し、該掛金具１０，１０上に小型の空圧シリン
ダ１１，１１を固着しその作動杆１２端に固着し
た当金１３を水平杆８の上面に当接させ、該空圧
シリンダ１１，１１が作動することによつて作動
杆１２が伸縮すると取付杆９が上下動するように
構成する。そして取付杆９の両端部および中間部
にブラケツト１４を固着し、該ブラケツト端に吸
引ノズ１５を夫々前記インク溜溝３と相対するよ
うに固着する。１６は先端が該吸引ノズル１５に
連結された可撓性のホースである。第５図に本考
案に係る装置の配管系統図を示す。同図中、１７
は印刷インク用のタンク、１８は洗浄用水の給水
管、１９はポンプ、２０は該ポンプの吸引側に継
がれた三方向切換弁で該三方向切換弁２０はポン
プ１９の吸引側を前記タンク１７または給水管１
８に連通の切換ができるようにしている。ポンプ
１９の吐出側の配管２１は先端が前記インク溜溝
３の中央部に相対しそこへ印刷インクまたは洗浄
用水を供給する。２２は真空ポンプ、２３は気水
分離用の密閉容器で、該容器の底部はポンプ２４
を介してタンク１７に継がり、該容器の上部は真
空ポンプ２２に継がつている。そして該密閉容器
と継がる吸引管２５は二方に分岐しその一方はバ
ルブ２６を介してさらに三方に分岐し前記した吸
引ノズル１５のホース１６に夫々連結している。
また吸引管２５の他方はさらに二方に分岐し、前
記ゴムロール１の端面とアニロツクスロール２の
端面にまたがつて圧着するように設けられた一対
のインク堰止板２７，２７に連結され、該堰止板
２７，２７にはＬ形のノズル孔２８が夫々穿設さ
れていてインク溜溝３の両端部から該ノズル孔２
８を通して印刷インクを吸引できるようにしてい
る。

しかしてこの装置では印刷中は取付杆９を空圧
シリンダ１１の作動杆１２を伸長させることで上
動させて各吸引ノズル１５をインク溜溝３中から
出た状態としておく。そしてポンプ１９の駆動で
タンク１７の印刷インクをインク溜溝３に供給す
ると共に、真空ポンプ２２、ポンプ２４を駆動す
ることで堰止板２７，２７のノズル孔２８よりそ
のインク溜溝３中を両端方向へ流れたインクを吸
引しタンク１７に回収させる。そして所定の印刷
を終えてその印刷インクを色の異なるものに変更
するに際しては取付杆９を下げて各吸引ノズル１
５をインク溜溝３中に臨ませ該インク溜溝３中に
残留した印刷インクを短時間で残すことなく吸い
上げてタンク１７に回収させる。しかる後三方向
切換弁２０を切換えて給水管１８の洗浄用水をイ
ンク溜溝３に供給し該インク溜溝３を水洗浄しそ
の洗浄水は吸引ノズル１５、ノズル孔２８より吸
収させて排棄する。

以上実施例について説明したように本考案の印
刷インク回収装置は、インク切替時にインク溜溝
に滞つて容易に流れ出ない残留インクを吸引ノズ
ルで短時間で吸い上げることができ、印刷インク
切替の作業時間を大巾に短縮させる。また残すこ
となくきれいに印刷インクを回収装するため印刷
インクの切換に伴なう損失量は非常に少なくなり
経済的であると同時に洗浄水の所要量も減るなど
極めて有益なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので第１図
は正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第
３図は吸引ノズルの拡大正面図、第４図は同拡大
横断面図、第５図は配管系統図である。 １……ゴムロール、２……アニロツクスロー
ル、３……インク溜溝、４……印刷ドラム、９…
…取付杆、１１……空圧シリンダ、１５……吸引
ノズル、２２……真空ポンプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゴムロールとアニロツクスロールとを一水平面
   内で圧接させ、その両ロールの上位置に形成され
   る断面略Ｖ型のインク溜溝に印刷インクを保有さ
   せ、前記アニロツクスロール上に含浸せしめた印
   刷インクを印刷ドラム上に転着させる段ボール紙
   印刷機において、インク溜溝の上方に間隔を置い
   て数個の吸引ノズルを上下動自在に設けて該各吸
   引ノズルの先端がインク溜溝中に入出するように
   すると共に、該吸引ノズルを真空ポンプに継ぎイ
   ンク溜溝中の残留インクを該吸引ノズルによつて
   回収するように構成したことを特徴とする段ボー
   ル紙印刷機における印刷インク回収装置。