JPH0333383Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は切断機刃替装置の改良に関するもので
ある。

第１図ａは切断機の正面図、同図ｂは同図ａの
Ａ−Ａ線断面図、同図ｃは同図ｂのＢ矢視図であ
るが、１は上刃台であり、上刃台１はこれの上方
に回転自在に配設される偏心軸１０にコンロツド
９を介して連結されている。２は下刃台であり、
下刃台２の両側部には組替シリンダ１２が固設さ
れており、組替シリンダ１２にはピストンロツド
１２ａが上下動自在に延出しており、ピストンロ
ツド１２ａの上端には下刃台２側部を摺動するス
ライド部材１２ｂが固定されている。

上刃台１には上刃３を保持する上刃ホルダ５が
ばね内蔵型クランプシリンダ７により固定されて
おり、同じく下刃台２には下刃４を保持する下刃
ホルダ６がばね内蔵型クランプシリンダ８により
固定されている。

上刃ホルダ５には上方が開口する溝５ａが、下
刃ホルダ６には下方が開口する溝６ａが形成され
ており、これら溝５ａ，６ａにはシリンダ７，８
から延出するピストンロツド７ａ，８ａの端部が
係合している。従つて、上刃ホルダ５，下刃ホル
ダ６はシリンダ７，８を解放して夫々のピストン
ロツド７ａ，８ａと溝５ａ，６ａとの係合を解放
すれば、夫々上刃台１，下刃台２から容易に取り
外すことができる。

一方、下刃ホルダ６にはその両端に突起１１ａ
を突設して成る組替治具１１が取り付けられてお
り、組替治具１１の上面には上刃ホルダ５の両側
方に突設された突起１３に係合すべき溝１１ｂが
形成されている（例えば第２図ｂ参照）。そして
偏心軸１０が回転することにより、この回転はコ
ンロツド９を介して上刃台１の上下運動に変換さ
れ、上刃台１の上下動により所要の切断作業が成
される。

ところで、上記切断機における刃替作業は第２
図ａ乃至ｊに示す要領にて成される（なお、第２
図ａ，ｃ，ｅ，ｇ，ｉは切断機の正面図、ｂ，
ｄ，ｆ，ｈ，ｊは夫々同図ａ，ｃ，ｅ，ｇ，ｉの
Ｃ−Ｃ線，Ｄ−Ｄ線，Ｅ−Ｅ線，Ｆ−Ｆ線，Ｇ−
Ｇ線断面図である）。第１図は上刃３と下刃４が
近接した状態で停止した状態を示すが、ここで下
刃ホルダ６を固定しているクランプシリンダ８を
解放し、更に組替シリンダ１２を駆動してこれら
のピストンロツド１２ａを上昇させると、ピスト
ンロツド１２ａの上端に固定されたスライド部材
１２ｂが組替治具１１の突起１１ａに支持し、治
具１１及びこれに固定された下刃ホルダ６が第２
図ａ，ｂに示すように一体に上昇する。

次に上刃ホルダ５を固定しているクランプシリ
ンダ７を解放すると、上刃ホルダ５はこれの側方
に突設した突起１３が組替治具１１の溝１１ｂに
係合することによつて組替治具１１に支えられ、
更に組替シリンダ１２を駆動してこれのピストン
ロツド１２ａを下動せしめれば、第２図ｃ，ｄの
状態となる。

その後、偏心軸１０を回転させると、第２図
ｅ，ｆに示すように上刃台１が上昇し、上刃ホル
ダ５及び下刃ホルダ６を同時に横方向に引き出す
ための空間が生じる。そこで、組替シリンダ１２
を再び駆動してこれらのピストンロツド１２ａを
上昇せしめれば、第２図ｇ，ｈに示す状態とな
り、更に第２図ｉ，ｊに示すように上刃ホルダ５
及び下刃ホルダ６を同時に横方向に引き出すこと
ができる。

以上が刃物の取出し要領であるが、刃物の組込
みは上記の逆の手順で行なうことができる。

ところが、斯かる刃替方法によれば、第２図
ｅ，ｆに示すように刃替途中で偏心軸１０を回転
させて上刃台１を上方へ引き上げる作業が必要で
あり、切断機横で手作業の多い刃替作業中に偏心
軸１０及び上刃台１を作動させることは安全上問
題が多く、且つ作業上も煩雑となる。また、第２
図ｅ，ｆに示す状態で上刃ホルダ５を受け取るた
めには、下刃ホルダ６及び組替治具１１を不必要
に上方へ持ち上げねばならず、これらがこの付近
に通常設置される板押え装置等に干渉してその持
ち上げが困難であるという問題もある。

また、刃替工程を短縮するために第２図ａ，ｂ
に示す状態からクランプシリンダ７を解放して上
刃ホルダ５を組替治具１１で支えた後に偏心軸１
０を回転して上刃台１を上昇させることで、上刃
ホルダ５及び下刃ホルダ６を横方向に引き出す空
間を確保することが考えられる。

ところで、偏心軸１０を回転させて上刃台１を
上昇させると、偏心軸１０とコンロツド９との連
結部が偏心軸１０の回転中心からずれているため
に上刃台１は真つ直ぐには上昇せず、第２図ａに
おいて左右方向にずれながら上昇することとな
る。更に、第２図ａ，ｂに示す状態からクランプ
シリンダ７を解放してもピストンロツド７ａの端
部が上刃ホルダ５の溝５ａ内に位置している。従
つて、この状態から上刃台１を上昇させると、上
刃台１は左右方向にずれながら上昇するため、上
刃台１と上刃ホルダ５はうまくはずれずに傾いて
しまつたり、上刃台１あるいは上刃ホルダ５が損
傷してしまう虞がある。

本考案は斯かる問題を有効に解決すべく提案さ
れたもので、下刃ホルダ及び組替治具を不必要に
上方に上げないで刃替作業が効率よく行なえると
ともに、安全性向上に資する切断機刃替装置を提
供せんとするものであり、その要旨とするところ
は、下刃及び下刃ホルダに取付けられて上刃及び
上刃ホルダを支承可能な組替治具と前記下刃及び
下刃ホルダを昇降可能な昇降機構とを有し、前記
昇降機構によつて下刃及び下刃ホルダを昇降させ
て前記組替治具によつて前記上刃及び上刃ホルダ
を支承し、前記上刃、上刃ホルダ及び下刃、下刃
ホルダを同時に組み替える切断機刃替装置におい
て、前記組替治具内に下刃及び下刃ホルダとは独
立に昇降する上刃及び上刃ホルダの支承機構を設
置したことを特徴とする。

以下、本考案に係る刃替装置を第３図に基づい
て詳述する。なお、第３図ａ，ｃ，ｅは本考案に
係る刃替装置を有して成る切断機の正面図、同図
ｂ，ｄ，ｆはａ，ｃ，ｅのＨ−Ｈ線，Ｉ−Ｉ線，
Ｊ−Ｊ線断面図である。

本実施例においては、第３図ａ，ｂに示すよう
に、組替治具１１内に下刃４及び下刃ホルダ６と
は独立に昇降する組替シリンダ１４を設置した点
が異なるのみで、その他の構成は第１図及び第２
図に示すものと同様である。したがつて、第３図
ａ，ｂに示すように刃替を行なうにあたつては、
まず上刃ホルダ５及び下刃ホルダ６が離れた位置
で偏心軸１０を停止し、これを刃替位置とする。

次に下刃ホルダ６を固定しているクランプシリ
ンダ８を解放し、組替シリンダ１２及び１４を上
昇させると、第３図ｃ，ｄに示すように上刃ホル
ダ５が組替シリンダ１４に支えられる。そして、
上刃ホルダ５を固定しているクランプシリンダ７
を解放し、組替シリンダ１４を下降させると、第
３図ｅ，ｆに示す状態となる。

その後、第２図ｉ，ｊに示すと同様に、上刃ホ
ルダ５及び下刃ホルダ６と組替治具１１が同時に
横方向に引き出される。

以上が刃替の取出し要領であるが、刃替の組込
みは上記の逆の手順で成される。

以上によれば、刃替途中で偏心軸１０及び上刃
台１を作動させる必要がないため、作業が安全、
且つ容易となり、また、工程を短縮して作業効率
の向上を図ることができる。なお、以上の実施例
においては、組替シリンダ１２，１４を用いた
が、これらの代りにピニオンラツク，ウオームジ
ヤツキ等を用いても同様の効果を得ることができ
る。また、上述の説明では下刃ホルダ６側に組替
シリンダ１４を設置しているが、この他上刃及び
上刃ホルダを組替治具に支承するための昇降機構
（例えばシリンダ、ジヤツキ等）を上刃ホルダに
設置してもよい。

以上の説明で明らかなように、本考案によれば
組替治具内に下刃及び下刃ホルダとは独立に昇降
する上刃及び下刃ホルダの支承機構を設置したた
め、刃替途中で偏心軸及び上刃台の作動が不要と
なつて作業が安全、且つ容易となり、また、工程
を短縮して作業効率の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは切断機の正面図、同図ｂは同図ａの
Ａ−Ａ線断面図、同図ｃは同図ｂのＢ矢視図、第
２図ａ，ｃ，ｅ，ｇ，ｉは従来例に係る刃替装置
を有する切断機の正面図、同図ｂ，ｄ，ｆ，ｈ，
ｊは夫々同図ａ，ｃ，ｅ，ｃ，ｇ，ｉのＣ−Ｃ
線、Ｄ−Ｄ線、Ｅ−Ｅ線、Ｆ−Ｆ線、Ｇ−Ｇ線断
面図、第３図ａ，ｃ，ｅは本考案に係る刃替装置
を有する切断機の正面図、同図ｂ，ｄ，ｆは夫々
同図ａ，ｃ，ｅのＨ−Ｈ線、Ｉ−Ｉ線、Ｊ−Ｊ線
断面図である。 図面中、１は上刃台、２は下刃台、３は上刃、
４は下刃、５は上刃ホルダ、６は下刃ホルダ、
７，８はクランプシリンダ、９はコンロツド、１
０は偏心軸、１１は組替治具、１２，１４は組替
シリンダである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下刃及び下刃ホルダに取付けられて上刃及び上
   刃ホルダを支承可能な組替治具と前記下刃及び下
   刃ホルダを昇降可能な昇降機構とを有し、前記昇
   降機構によつて下刃及び下刃ホルダを昇降させて
   前記組替治具によつて前記上刃及び上刃ホルダを
   支承し、前記上刃、上刃ホルダ及び下刃、下刃ホ
   ルダを同時に組み替える切断機刃替装置におい
   て、前記組替治具内に下刃及び下刃ホルダとは独
   立に昇降する上刃及び上刃ホルダの支承機構を設
   置したことを特徴とする切断機刃替装置。