JPH0333160B2 - - Google Patents

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JPH0333160B2
JPH0333160B2 JP29612885A JP29612885A JPH0333160B2 JP H0333160 B2 JPH0333160 B2 JP H0333160B2 JP 29612885 A JP29612885 A JP 29612885A JP 29612885 A JP29612885 A JP 29612885A JP H0333160 B2 JPH0333160 B2 JP H0333160B2
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phosphoric acid
acid
mol
water
reaction
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JP29612885A
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Junya Wakatsuki
Hisakazu Furugaki
Tomihiro Kurosaki
Kazuhiro Yamaki
Kyoshi Aimono
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Kao Corp
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Kao Corp
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Publication of JPH0333160B2 publication Critical patent/JPH0333160B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はリン酸エステルの製造法に関する。さ
らに詳しくは、五酸化リン、ポリリン酸、オルト
リン酸からなる群より選ばれる一種、又は二種以
上のリン酸化剤を用いて有機ヒドロキシ化合物、
例えばアルキルアルコール(以下ROHとする)
をリン酸化するにあたり、該リン酸化剤をオルト
リン酸に換算して100%以上の濃度で用いてリン
酸化を行つた後、該反応成績体に対して水を加え
て反応混合物中に存在する例えばアルキルピロリ
ン酸()、あるいはピロリン酸()のピロリ
ン酸結合(P−O−P結合)を加水分解すること
を特徴とするリン酸エステルの製造法に関する。 (式中、Rはアルキルアルコール残基を表わ
す) [従来の技術、及び発明が解決しようとする問
題点] 有機ヒドロキシ化合物のリン酸エステルは、洗
浄剤、繊維処理剤、乳化剤、防錆剤、液状イオン
交換体、または医薬品等として幅広い分野で利用
されている。 従来、リン酸エステルを工業的に製造する方法
としては、有機ヒドロキシ化合物に五酸化リン、
ポリリン酸、オルトリン酸からなる群より選ばれ
る一種、又は二種以上のリン酸化剤を用いて有機
ヒドロキシ化合物(以下R′OHとする)をリン酸
化する方法がよく知られており、例えば次に挙げ
るような方法が報告されている。 R′OHに五酸化リンを反応させる方法 この方法によるとその生成物はリン酸モノエス
テル()とリン酸ジエステル()のほぼ等モ
ル混合物(以下この混合物をセスキホスフエート
と称する)となる。 【式】【式】 (式中、R′は有機ヒドロキシ化合物残基を示
す) R′OHにあらかじめ五酸化リン1モルに対し
0.5〜3モルの水を添加し、次いで五酸化リン
を反応させて得る方法(特公昭41−14416号)。 R′OHにオルトリン酸及び五酸化リンを反応
させて得る方法(特公昭42−6730号)。 R′OHと縮合リン酸(ポリリン酸)を反応さ
せて得る方法[エイ.ケー.ネルソン(A.K.
Nelson)等、インオーガニツク・ケミストリ
ー(Inorg.Chem.),,775,(1963)、また
は、エフ.ビー.クラーク(F.B.Clarke)等、
ジヤーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカ
ル・ソサイアテイー(J.Amer.Chem.Soc.),
88,4401,(1966)及び特公昭43−26492号)]。 これら、、の方法は、リン酸モノエステ
ルとリン酸ジエステルでは物性において大きな差
異を有するため、リン酸モノエステルのみを選択
的に製造する方法として提案されているものであ
る。 さらには、本発明者らにより、上記方法を改良
した新たな方法が開発されている。 その一つは五酸化リンを主なリン酸化剤として
用いてリン酸モノエステルを選択的に製造する方
法であり、及びの方法では、リン酸モノエス
テルとリン酸ジエステルの比率のみをみれば、水
又はオルトリン酸の量を多くすればリン酸モノエ
ステルの割合が大きくなるが、その反面リンの反
応率が低くなりオルトリン酸の生成量が増大する
点を改良した方法である。このオルトリン酸の製
品への混入は、使用用途によつては好ましからざ
る影響を与え、その利用分野が制限されるととも
に生成物の製品価値を低下させるものである。例
えば、長鎖アルキルアルコールのリン酸モノエス
テルのモノナトリウム塩をペースト状の洗浄剤と
して使用する場合、オルトリン酸が多量に存在す
ればリン酸ジナトリウムが析出し使用上好ましく
ない。従つて、オルトリン酸の生成を最小限にし
たリン酸モノエステルの選択的な製造方法であ
り、次のような方法である。 五酸化リン、ポリリン酸、リン酸からなる群
より選ばれる一種、又は二種以上のリン酸化剤
がP2O5に換算して(A)1モル、該リン酸化剤を
P2O5・nH2Oとして表わした場合のnH2Oを含
めて水(B)が0.8〜1.2モル有機ヒドロキシ化合物
(C)が0.4〜(2.8−B)モルになるように調製し
た混合物を反応させ、次いでこの成績体に有機
ヒドロキシ化合物(D)を(B+C+D)/A=
2.9〜3.1になるように加えて反応させる方法
(特公昭57−61358号)。 また、もう一つは、ポリリン酸をリン酸化剤
としたリン酸モノエステルの製造方法であり、
の方法では、リン酸モノエステルは選択的に
得ることができるが反応により副生するオルト
リン酸の生成量は、ポリリン酸の平均縮合度の
逆数にほぼ一致するため、製品へのオルトリン
酸の混入は避けられず前記と同様な問題が生
じ、オルトリン酸の除去が必要不可欠になつて
くるが、発明者らは工業的にリン酸エステルと
オルトリン酸の混合物からオルトリン酸を除去
する方法を見出したものであり、次のような方
法である(特願昭59−138829号)。 炭素数8〜36の直鎖もしくは分岐鎖の飽和も
しくは不飽和の脂肪族アルコール1モルとオル
トリン酸に換算して100〜116%のポリリン酸2
〜10モルとを、炭素数4〜8の直鎖もしくは分
岐鎖の飽和脂肪族炭化水素及び炭素数5〜7の
飽和脂環式炭化水素から選ばれる1種以上の溶
媒中で反応せしめ、次いでこの反応混合物に炭
素数1〜4の低級アルコール及び水を添加し、
オルトリン酸を該低級アルコール−水層に移行
させてモノアルキルリン酸と分離し、更に斯く
して回収したオルトリン酸を濃縮再利用する方
法。 しかしながら、以上のように五酸化リン、ポリ
リン酸、オルトリン酸からなる群より選ばれる一
種、または二種以上のリン酸化剤を用いて有機ヒ
ドロキシ化合物、例えばアルキルアルコールをリ
ン酸化反応してリン酸エステルを得るにあたり、
例えば、の方法でアルキルアルコールをリン酸
化した場合得られたリン酸エステルの塩をペース
ト状の洗浄剤として使用する場合、得られたペー
ストを固くしてその商品価値を低下させるといつ
た欠点を有していた。 また、ポリリン酸をリン酸化剤として有機ヒド
ロキシ化合物をリン酸化した場合、の方法でオ
ルトリン酸を抽出分離する際、反応が終了してす
ぐに抽出操作を行うと分層速度が遅くなり、しか
も分層性も悪くするといつた欠点を有していた。 [問題点を解決するための手段] 斯かる実情において本発明者らは鋭意研究を行
つた結果、の方法で得られたリン酸エステルの
塩をペースト状の洗浄剤として使用する場合、得
られたペーストを固くしている原因がモノアルキ
ルピロリン酸()であること、及びこのアルキ
ルピロリン酸のピロリン酸結合を加水分解するこ
とにより、得られたペーストを固くするという欠
点が改善されること、また、ポリリン酸をリン酸
化剤として用いてリン酸エステルを得るものに
の方法でオルトリン酸を抽出分離する際、その分
層速度を遅くして、さらにその分層性を悪くして
いる原因がピロリン酸()であること、及びこ
のピロリン酸のピロリン酸結合を加水分解するこ
とにより分層性が著しく改善されることを見い出
し、本発明を完成した。 すなわち本発明は、五酸化リン、ポリリン酸、
オルトリン酸からなる群より選ばれる一種、又は
二種以上のリン酸化剤を用いて有機ヒドロキシ化
合物をリン酸化するにあたり、該リン酸化剤を、
オルトリン酸に換算して100%以上の濃度で用い
てリン酸化を行つた後、該反応成績体に水を加え
て系内に存在するピロリン酸結合を加水分解する
ことを特徴とするリン酸エステルの製造法に関す
るものである。 これら、ピロリン酸結合を有した化合物の確認
は、例えばモノアルキルピロリン酸()の存在
については、例えばエム.ケイツ(M.Kates)等
の方法[下記スキーム、カナデイアン・ジヤー
ナル・オブ・バイオケミストリー(Can.J.
Biochem.),51,1527(1973)]により得られたモ
ノアルキルピロリン酸及びの方法で得られたリ
ン酸エステルをそれぞれ塩の形にして高速液体ク
ロマトグラフイー(以下HPLC)で分析して、そ
れぞれ同一の保持時間にピークが現れることによ
り確認された。 また、ピロリン酸()の存在は、例えば、等
速電気泳動装置(例えば、島津製作所製IP−2A)
により分析し確認された。 この、モノアルキルピロリン酸は、例えばリン
酸モノエステルを選択的に得る、の方法で得
られたリン酸エステル中にも存在するものであ
り、これらリン酸エステルをペースト状の洗浄剤
として使用する場合にはこの加水分解の操作が必
要となつてくるものである。また、の方法で得
られた反応混合物から、オルトリン酸を除去する
方法として、本発明者らが開発したの方法のほ
かには、エイ.ケー.ネルソン(A.K.Nelson)
等のジエチルエーテルを用いる方法(前記)しか
無いが、この場合にもピロリン酸が存在するとそ
の分層性を悪くするものであり、この加水分解の
操作が必要となつてくるものである。 本発明において、加水分解操作はリン酸化した
後、系内に存在するピロリン酸結合を有する化合
物のピロリン酸結合を加水分解するに足る量、す
なわちピロリン酸結合を有する化合物と等モル以
上の水を加え加水分解すれば良いが、加水分解を
すみやかに行うためには過剰の水を加えるのが好
ましい。 例えば、五酸化リンを主なリン酸化剤として用
いて有機ヒドロキシ化合物をリン酸化する場合
(例えば、、、、の方法)には、該反応
成績体に対し1〜15重量%、好ましくは3〜10重
量%の水を加えて加水分解を行う。この場合、反
応成績体に存在するアルキルピロリン酸の加水分
解反応(スキーム)の確認は、先にも述べた
HPLCによる分析によりアルキルピロリン酸のピ
ークが消滅することにより確認することができる
が、また、該リン酸エステルのAV1(本リン酸エ
ステルの試料1gを第一当量点まで中和するのに
必要なKOHのmg数、以下も同様)、AV2(本リ
ン酸エステルの試料1gを第二当量点まで中和す
るのに必要なKOHのmg数、以下も同様)を水を
添加後測定していくと、AV2が上昇し(AV1は
一定)、やがてモノアルキルピロリン酸の消滅と
ともに一定になることによつても確認できる。 すなわち、第二当量点まで中和される酸性部位
がアルキルピロリン酸の時には3個(スキーム
の左式における下線部)であるのに対し、加水分
解して得られたリン酸モノエステルとオルトリン
酸の時には4個(スキームの右式における下線
部)ありそのAV2が上昇するものである(第一
当量点まで中和される酸性部位は、左式、右式と
もに2個で、従つてAV1については一定)。 また、ポリリン酸をリン酸化剤として有機ヒド
ロキシ化合物をリン酸化する場合(例えば、
の方法)この時、水を加えすぎると反応成績体を
ゲル化させることもあるため、未反応の過剰分の
リン酸を水溶液にした時に、その時のオルトリン
酸濃度が80〜95重量%になるように水を加えるの
が好ましい。また、本発明者らにより開発された
の方法のように炭素数4〜8の直鎖もしくは分
岐鎖の飽和脂肪族炭化水素及び炭素数5〜7の飽
和脂環式炭化水素から選ばれる1種以上の溶媒中
で反応せしめると、この加水分解反応も高粘度状
態で行われることなく、容易に均一かつスムース
に行うことができる。 加水分解の温度は50〜100℃で行うのがよく、
また、加水分解反応をすみやかに行い、かつ、リ
ン酸エステルの熱分解を避けるためには70〜90℃
で行うのが好ましい。 これら加えた水は、その使用目的により最終製
品に混入していてもよいが、目的により除去する
ことができる。例えばの方法でリン酸エステル
を得た後、水を添加し加水分解を行つた後、本発
明者らの一部により開発された薄い液膜を形成さ
せて不活性ガスと接触させることによる方法(特
開昭57−35595号)を用いてリン酸エステルから
水を除くことができるし、またの方法でリン酸
エステルを得た後水を添加しても、その後さらに
低級アルコール−水を加えオルトリン酸の抽出除
去操作を行うため、この添加した水はなんら差し
支えるものではない。 なお、これらピロリン酸結合の加水分解を反応
前、反応中に行おうとして、水の添加を反応前、
反応中に行うと該リン酸化剤の濃度を下げ、オル
トリン酸の生成が増すばかりで目的のリン酸エス
テルの生成が妨げられる。 本発明において、有機ヒドロキシ化合物として
は、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、
ドデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、
オクタデシルアルコール、2−エチルヘキシルア
ルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、2−
オクチルドデシルアルコール、2−テトラデシル
オクタデシルアルコール、モノメチル分岐イソス
テアリルアルコール、オクテニルアルコール、デ
セニルアルコール、ドデセニルアルコール、ヘキ
サデセニルアルコール、テトラコセニルアルコー
ル、トリアコンテニルアルコールなどの炭素数6
〜36の直鎖もしくは分岐鎖のアルキルまたはアル
ケニルアルコール;オクチルフエノール、ノニル
フエノールなどのそのアルキル基が炭素数1〜15
の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であるアルキ
ルフエノール;ポリオキシエチレン(3モル)ド
デシルエーテル、ポリオキシプロピレン(3モ
ル)デシルエーテル、ポリオキシエチレン(8モ
ル)ポリオキシプロピレン(3モル)ドデシルエ
ーテル、ポリオキシエチレン(4モル)オクタデ
セニルエーテルなどのそのアルキル基またはアル
ケニル基が炭素数6〜36の直鎖もしくは分岐鎖の
アルキル基またはアルケニル基であるポリオキシ
アルキレンアルキルエーテルまたはポリオキシア
ルキレンアルケニルエーテル;ポリオキシエチレ
ン(5モル)ノニルフエニルエーテル、ポリオキ
シプロピレン(2モル)オクチルフエニルエーテ
ルなどのそのアルキル基が炭素数1〜15の直鎖も
しくは分岐鎖のアルキル基であるポリオキシアル
キレンアルキルフエニルエーテル等が挙げられ
る。 [発明の効果] 本発明の方法によると、例えば優れた洗浄剤と
して使用されている長鎖アルキルアルコールのリ
ン酸モノエステルの製造において、リン酸モノエ
ステルの収率の低下なしに、その使用目的によつ
ては好ましからざる影響を与えるアルキルピロリ
ン酸エステルをなくすものであり、また、ポリリ
ン酸を用いてリン酸モノエステルを製造すると
き、得られたリン酸モノエステルからオルトリン
酸を抽出除去する際、その分層性を向上せしめる
ものである。 [実施例] 次に実施例及び比較例を挙げて説明する。 実施例 1 反応器にドデシルアルコール(花王(株)製カルコ
ール20)187g[1.0モル、ただし、このアルコー
ルのOHV(水酸基価)=300.0]に、85%リン酸
46.9g(P2O5:0.203モル、H2O:1.00モル)を加
え40℃で1時間撹拌した。次いで五酸化リン
113.1g(0.797モル)を徐々に加えて、その後80
℃で6時間反応させた。この反応液に、更にドデ
シルアルコール187g(1.0モル)を加え、80℃で
12時間反応させた。この時の反応生成物のAV1
=210.2、AV2=390.7であつた。この反応生成物
に水を21g加え、80℃で2時間加水分解を行つ
た。このもののAV1、AV2を測定したところ、
AV1=200.1、AV2=379.7であり、この加水分解
後のAV1、AV2において、加水分解後のAV1の
値(200.1)を加水分解前のAV1の値(210.2)と
して(AV1=200.1が210.2であるとする)加水分
解後のAV2の値を補正計算すると(この時の
AV2の値をAV2′とする。以後も同様)AV2′=
398.9となり[つまり、加水分解前AV1=210.2、
AV2=390.7、加水分解後AV1=210.2(理論的に
はAV1は一定)、AV2′=398.9となる]、このAV2
の差(AV2′−AV2)よりモノアルキルピロリン
酸が反応終了時には約5.1重量%含まれており、
水添加処理をすることによりそのピロリン酸結合
は加水分解されていることがわかつた。また、本
文中の、スキームに従つて合成したモノドデシ
ルピロリン酸のカリウム塩と本実施例中の反応終
了物のカリウム塩をHPLCで分析したところ、反
応終了物中にはモノドデシルピロリン酸のカリウ
ム塩と同じ保持時間のところにピークが認められ
た。さらに、本反応終了物を水添加処理したもの
のカリウム塩中にはモノドデシルピロリン酸のカ
リウム塩と同一保持時間のところにピークは認め
られなかつた。 また、本反応終了物を水添加処理して得られた
リン酸エステルを分析すると、本リン酸エステル
中にはモノドデシルリン酸が2.64モル/Kg、ジド
デシルリン酸が0.37モル/Kg含まれていた。 実施例 2 反応器に実施例1と同様のドデシルアルコール
317.9g(1.7モル)に75%リン酸31.5g(P2O5
0.121モル、H2O:0.80モル)を加え70℃で1時
間撹拌した。次いで五酸化リン124.8g(0.879モ
ル)を徐々に加えて、その後75℃で2時間反応さ
せた。この反応液に、更にドデシルアルコール
93.5g(0.5モル)を加え、80℃で12時間反応さ
せた。この時の反応生成物のAV1=197.7、AV2
=351.9であつた。この反応生成物に水を17g加
え、80℃で3時間加水分解を行つた。このものの
AV1、AV2を測定したところ、AV1=190.0、
AV2=352.1であり、実施例1と同様にAV2′を計
算するとAV2′=362.5となりAV2′とAV2の差よ
り反応終了品中にはモノアルキルピロリン酸が約
6.5重量%含まれており、水添加処理をすること
によりそのピロリン酸結合は加水分解されている
ことがわかつた。また、本文中の、スキームに
従つて合成したモノドデシルピロリン酸のカリウ
ム塩と本実施例中の反応終了物のカリウム塩を
HPLCで分析したところ、反応終了物中にはモノ
ドデシルピロリン酸のカリウム塩と同じ保持時間
のところにピークが認められた。さらに、本反応
終了物を水添加処理したもののカリウム塩中には
モノドデシルピロリン酸のカリウム塩と同一保持
時間のところにピークは認められなかつた。 また、本反応終了物を水添加処理して得られた
リン酸エステルを分析すると、本リン酸エステル
中にはモノドデシルリン酸が2.52モル/Kg、ジド
デシルリン酸が0.56モル/Kg含まれていた。 次に、このリン酸エステル(リン酸化後、水添
加処理したサンプル)を以下の処方でペースト状
の洗浄剤として配合したところ、得られたペース
トはチユーブ状の容器から押し出すのに問題のな
い柔らかさを有するものであつた。 ペースト状洗浄剤としての処方: 実施例2で得られた リン酸エステル 25.2重量% 水酸化ナトリウム 3.5重量% ミリスチン酸ナトリウム 5.0重量% 塩化ナトリウム 5.0重量% ポリエチレングリコール 6.0重量% ポリオキシエチレンモノステアレート
1.0重量% ソルビトール 8.0重量% 香料、色素、防腐剤 適量 水 バランス 比較例 1 実施例2と同様の反応条件でリン酸エステルを
製造し、反応直後、水添加処理せずに実施例2と
同様の配合処方でペースト状の洗浄剤として配合
したところ、得られたペーストがチユーブ状の容
器から押し出すのに固く、押し出しづらかつた。 実施例 3 反応器に実施例1と同様のドデシルアルコール
374g(2.0モル)に水18.0g(1.0モル)を加え70
℃で30分間激しく撹拌した。次いで五酸化リン
141.9g(1.0モル)を徐々に加えて、その後75℃
で10時間反応させた。この時の反応生成物の
AV1=210.2、AV2=389.0であつた。この反応生
成物に水を27g加え、80℃で3時間加水分解を行
つた。このもののAV1、AV2を測定したところ、
AV1=200.2、AV2=377.2であり、実施例1と同
様にAV2′を計算するとAV2′=396.0となり
AV2′とAV2の差より反応終了品中にはモノアル
キルピロリン酸が約4.3重量%含まれており、水
添加処理することによりそのピロリン酸結合は加
水分解されていることがわかつた。また、本文中
の、スキームに従つて合成したモノドデシルピ
ロリン酸のカリウム塩と本実施例中の反応終了物
のカリウム塩をHPLCで分析したところ、反応終
了物中にはモノドデシルピロリン酸のカリウム塩
と同じ保持時間のところにピークが認められた。
さらに、本反応終了物を水添加処理して得られた
もののカリウム塩中にはモノドデシルピロリン酸
のカリウム塩と同一保持時間のところにピークは
認められなかつた。 また、本反応終了物を水添加処理して得られた
リン酸エステルを分析したところ、本リン酸エス
テル中にはモノドデシルリン酸が2.46モル/Kg、
ジドデシルリン酸が0.41モル/Kg含まれていた。 実施例 4 反応器にヘキサデシルアルコール(花王(株)製カ
ルコール60)441g(1.8モル、ただし、このアル
コールのOHV=229.0)に、85%リン酸56.2g
(P2O5:0.244モル、H2O:1.2モル)を加え80℃
で1時間撹拌した。次いで五酸化リン107.3g
(0.756モル)を徐々に加えて、その後80℃で10時
間反応させた。この時の反応生成物のAV1=
185.6、AV2=351.4であつた。この反応生成物に
水を30g加え、80℃で3時間加水分解を行つた。
このもののAV1、AV2を測定したところ、AV1
=176.7、AV2=338.3であり、実施例1と同様に
AV2′を計算するとAV2′=355.3となりAV2′と
AV2の差より反応終了品中にはモノアルキルピ
ロリン酸が約2.8重量%含まれており、水添加処
理することによりそのピロリン酸結合は加水分解
されていることがわかつた。また、本文中の、ス
キームに従つて合成したモノヘキサデシルピロ
リン酸のカリウム塩と本実施例中の反応終了物の
カリウム塩をHPLCで分析したところ、反応終了
物中にはモノヘキサデシルピロリン酸のカリウム
塩と同じ保持時間のところにピークが認められ
た。さらに、本反応終了物を水添加処理したもの
のカリウム塩中にはモノヘキサデシルピロリン酸
のカリウム塩と同一保持時間のところにピークは
認められなかつた。 また、本反応終了物を水添加処理して得られた
リン酸エステルを分析したところ、本リン酸エス
テル中にはモノヘキサデシルリン酸が2.11モル/
Kg、ジヘキサデシルリン酸が0.27モル/Kg含まれ
ていた。 実施例 5 反応器にノニルフエニノール473g(2.14モル、
ただし、この試料のOHV=254.0)に105%リン
酸64.5g(P2O5:0.345モル、H2O:0.86モル)を
加え70℃で1時間撹拌した。次いで五酸化リン
93.0g(0.655モル)を徐々に加えて、その後80
℃で10時間反応させた。この時の反応生成物の
AV1=178.0、AV2=322.9であつた。この反応生
成物に水を31g加え、80℃で3時間加水分解を行
つた。このもののAV1、AV2を測定したところ、
AV1=169.6、AV2=317.6であり、実施例1と同
様にAV2′を計算するとAV2′=333.3となり
AV2′とAV2の差より反応終了品中にはモノアル
キルピロリン酸が約7.1重量%含まれており、水
添加処理することによりそのピロリン酸結合は加
水分解されていることがわかつた。また、本反応
終了物を水添加処理して得られたリン酸エステル
を分析したところ、本リン酸エステル中にはモノ
ノニルフエニルリン酸が2.08モル/Kg、ジノニル
フエニルリン酸が0.39モル/Kg含まれていた。 実施例 6 反応器にテトラオキシエチレンドデシルエーテ
ル649g(1.8モル、ただし、この試料のOHV=
155.6)、水21.6g(1.2モル)を加え70℃で1時間
撹拌した。次いで五酸化リン141.9g(1.0モル)
を徐々に加えて、その後80℃で10時間反応させ
た。この時の反応生成物のAV1=138.1、AV2=
261.3であつた。この反応生成物に水を40g加え、
80℃で3時間加水分解を行つた。このものの
AV1、AV2を測定したところ、AV1=131.6、
AV2=251.6であり、実施例1と同様にAV2′を計
算するとAV2′=264.0となりAV2′とAV2の差よ
り反応終了品中にはモノアルキルピロリン酸が約
2.5重量%含まれており、水添加処理をすること
によりそのピロリン酸結合は加水分解されている
ことがわかつた。また、本反応終了物を水添加処
理して得られたリン酸エステルを分析したとこ
ろ、本リン酸エステル中にはモノテトラオキシエ
チレンドデシルエーテルリン酸が1.55モル/Kg、
ジテトラオキシエチレンドデシルエーテルリン酸
が0.21モル/Kg含まれていた。 実施例 7 食品添加物グレードの75%オルトリン酸を最終
的には2mmHgの減圧下、150〜160℃の加温脱水
によりオルトリン酸に換算して105%のポリリン
酸を得た。 耐圧製の反応容器に実施例1と同様のドデシル
アルコール243g(1.3モル)とノルマルヘキサン
243gを加え十分に混合する。この混合液に先の
ようにして得られた105%ポリリン酸607g(オル
トリン酸に換算して6.5モル、ただしこの105%ポ
リリン酸607g中にはオルトリン酸が約3.1モル、
ピロリン酸が約1.4モル、トリポリリン酸が約0.2
モル含まれる。)を十分に撹拌し70℃に保ちなが
ら滴下する。滴下終了後80℃に保ちながら更に10
時間撹拌を続ける。この時の反応容器内圧力はゲ
ージ圧で0.8Kg/cm2であつた。この反応はアルコ
ールとトリポリリン酸、ピロリン酸とが優先的に
反応するものであり、反応終了時には若干量のモ
ノアルキルピロリン酸や未反応のピロリン酸等が
存在するものである。 反応終了後、水を60.5g添加し、80℃に保ちな
がら3時間撹拌を続け加水分解を行つた。等速電
気泳動装置(島津製作所製1P−2A)を用い分析
したところ、この加水分解操作により、反応終了
時に存在したピロリン酸のピークが加水分解後に
は消滅してピロリン酸がなくなつていることがわ
かつた。 また、この段階において反応終了後加水分解物
1153.5gの組成を分析したところ、モノドデシル
リン酸が1.25モル(334g)、ジドデシルリン酸が
0.016モル(6.76g)生成しており、また、オル
トリン酸は5.24モル(513.5g)含まれており
(アルコールの反応率として98.6%)、また水は
52.8g含まれオルトリン酸水溶液としたときのオ
ルトリン酸濃度は90.7%である。 この加水分解物を50℃まで冷却して、内径が
120mmφ、高さが500mmの抽出容器に移し、ノルマ
ヘキサン243g、イソプロパノール89.7g、水189
gを加え十分撹拌し混合する。30分の混合の後に
撹拌を停止し50℃に保ちながら静置すると、すみ
やかに透明なノルマルヘキサン層(上層)と透明
な水層(下層)とに分離した。この時の分層速度
は、約2.4m/secであり、しかも、中間層は存在
しなかつた。 下層を分離除去した後に(このものを下層と
する、712.5g)残つた上層にさらにイソプロパ
ノール138g、水363gを加え前記と同様の操作を
行い再び透明なノルマルヘキサン層と透明な水層
とに分離した。この時の分層速度は、約3.0m/
secであり、しかも、中間層は存在しなかつた。 水層を分離除去し(このものを下層とする、
397.5g)、得られたノルマルヘキサン層(1066
g)を分析すると、この層にはモノドデシルリン
酸が1.24モル(331g)、ジドデシルリン酸が
0.015モル(6.7g)、オルトリン酸が0.10モル
(9.8g)含まれていた(リン酸エステルの回収率
99.1%、オルトリン酸の除去率98.1%)。このノ
ルマルヘキサン層には水とイソプロパノールを含
んでいるが、これら水とイソプロパノールはノル
マルヘキサンを添加しながら共沸留去することに
より除去できる。 得られたモノドデシルリン酸のノルマルヘキサ
ン溶液は0〜5℃まで冷却することによりモノド
デシルリン酸の結晶が得られ、さらにはその結晶
をロ別した後、ノルマルヘキサンを減圧留去し白
色粉末337.2gが得られた。この粉末を分析する
と、モノドデシルリン酸が324.7g、ジドデシル
リン酸が2.5g、オルトリン酸が7.8g、ドデシル
アルコールが2.2gからなつている。 また、得られた回収リン酸(下層+下層)
1110g中にはオルトリン酸5.13モル(503g)、モ
ノドデシルリン酸が0.01モル(2.7g)含まれて
いた。この回収リン酸に食品添加物グレードの75
%リン酸183g(1.4モル)を補つて前述と同様に
濃縮を行つて105.1%ポリリン酸606g(オルトリ
ン酸に換算して6.5モル)を得た。このポリリン
酸は最初に用いたポリリン酸と比べて色相等なん
ら変わりはなかつた。またこのポリリン酸を用い
て前と同様にドデシルアルコール243g(1.3モ
ル)のノルマルヘキサン(243g)溶液に滴下し
て反応を行い、前記と同様の操作により、同様の
モノドデシルリン酸が得られた。 比較例 2 実施例7と同様の条件でリン酸化反応を行い、
反応終了後[モノドデシルリン酸が1.25モル
(334g)、ジドデシルリン酸が0.016モル(6.76
g)生成しており、また、オルトリン酸は5.24モ
ル(513.5g)含まれていた]、加水分解操作を行
わず抽出操作を行つた。その結果、1回目の抽出
操作においてノルマルヘキサン層(上層)と水層
(下層)の分層について、上、下層ともに不透明
であり、しかもこの時の分層速度は、約0.8m/
secと実施例7と比べると遅く、さらに中間層も
存在した。 また、2回目の抽出操作においても、ノルマル
ヘキサン層(上層)と水層(下層)の分層につい
て、上、下層ともに不透明であり、しかもこの時
の分層速度は、約0.9m/secと実施例7と比べる
と遅く、さらに中間層も存在した。 さらに、得られたノルマルヘキサン層中には、
モノドデシルリン酸が1.19モル(319g)、ジドデ
シルリン酸が0.013モル(5.5g)、オルトリン酸
が0.20モル(20.0g)含まれていた(リン酸エス
テルの回収率95.2%、オルトリン酸の除去率96.1
%)。 以上、実施例7と比較例2とをまとめると、下
表−1のようになり、加水分解を行う方が分層速
度が速く、しかも分層性が良く、リン酸エステル
の抽出率とオルトリン酸の除去率が高いことがわ
かる。 【表】 この、リン酸エステルの抽出率が悪くなること
は、回収リン酸中に含まれるリン酸エステルの含
量が増えることになり、このことは、回収リン酸
を濃縮再利用する際、濃縮時にリン酸エステルが
分解し、回収再利用濃縮リン酸の色相等の品質を
悪化させるものである。また、オルトリン酸の除
去率が悪くなることは、最終製品中に含まれるオ
ルトリン酸含量を増加させ、最終リン酸エステル
の純度を低下させるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 五酸化リン、ポリリン酸、オルトリン酸から
    なる群より選ばれる一種、又は二種以上のリン酸
    化剤を用いて有機ヒドロキシ化合物をリン酸化す
    るにあたり、該リン酸化剤をオルトリン酸に換算
    して100%以上の濃度で用いてリン酸化を行つた
    後、該反応成績体に水を加えて系内に存在するピ
    ロリン酸結合を50〜100℃で加水分解することを
    特徴とするリン酸エステルの製造法。
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