JP3206124B2 - ホスホン酸エステルの製造法 - Google Patents

ホスホン酸エステルの製造法

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JP3206124B2
JP3206124B2 JP21091692A JP21091692A JP3206124B2 JP 3206124 B2 JP3206124 B2 JP 3206124B2 JP 21091692 A JP21091692 A JP 21091692A JP 21091692 A JP21091692 A JP 21091692A JP 3206124 B2 JP3206124 B2 JP 3206124B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホスホン酸エステルの
製造法に関する。更に詳しくは、(パーフルオロアルキ
ル)アルキルホスホン酸ジ低級アルキルエステルの製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術】(パーフルオロアルキル)アルキルホスホ
ン酸ジ低級アルキルエステルは、離型剤や撥水撥油剤な
どの有効成分として用いられる(パーフルオロアルキル)
アルキルホスホン酸を製造するための中間体として有用
である(特開昭58-210096号公報、特公平2-45572号公報
など)。
【0003】この化合物は、ミハエルス・アーブソウ反
応に従って、(パーフルオロアルキル)アルキルハライド
と亜リン酸トリ低級アルキルとの反応により製造されて
いる(特公昭43-4503号公報)。しかしながら、特公昭43-
4503号公報には、このような反応形式による製造法につ
いての具体的な記載はなく、具体的な記載のみられる特
公平2-45572号公報では、2-(パーフルオロオクチル)エ
チルアイオダイドに対して3倍モル量の亜リン酸トリエ
チルが用いられ、しかもその収率は86%である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、(パ
ーフルオロアルキル)アルキルアイオダイドと亜リン酸
トリ低級アルキルとを反応させるに際し、(パーフルオ
ロアルキル)アルキルアイオダイドに対しより少ないモ
ル比の亜リン酸トリ低級アルキルを用い、しかも高収率
で(パーフルオロアルキル)アルキルホスホン酸ジ低級ア
ルキルエステルを製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
上記反応において、反応中に副生するアルキルアイオダ
イドを系外に排出しながら反応を行うことによって達成
される。
【0006】主原料物質である(パーフルオロアルキル)
アルキルアイオダイドとしては、一般式RfRI(Rf:パー
フルオロアルキル基、R:アルキレン基)で表わされる
化合物が用いられ、パーフルオロアルキル基としては炭
素数4〜20のものが単一化合物あるいは混合物として工
業的に入手可能であり、それの最終用途との関係からは
パーフルオロオクチル基が好ましく、またアルキレン基
としては一般にエチレン基であるものが用いられる。
【0007】これと反応する亜リン酸トリ低級アルキル
P(OR´)3[R´:低級アルキル基]としては、亜リン酸のト
リメチル、トリエチル、トリイソプロピル、トリ第3ブ
チル、トリイソブチルなど、好ましくは亜リン酸トリエ
チルが、主原料物質に対して1.0〜2.0のモル比で用いら
れ、副生するアルキルアイオダイドの効率的な系外排出
がなされれば、モル比1.2程度でも主原料物質をほぼ100
%近く目的物に変換させることが可能である。
【0008】これら両者間の反応は、反応熱の制御の点
からはブタノ−ル、アミルアルコ−ル、ジメチルホルム
アミドなどの溶媒を用いることも可能であるが、溶媒を
用いなくとも反応を進行させることができる。反応に際
しては、全ての原料物質を一括して仕込むこともできる
が、反応熱の制御という観点からは、予め主原料物質が
仕込まれている反応容器内に亜リン酸トリ低級アルキル
を少量宛滴下することが好ましい。
【0009】反応温度としては、約100℃乃至還流温度
が用いられるが、反応温度が低すぎると反応時間が長く
なり、一方反応温度が高すぎると脱離反応による副生成
物(パーフルオロアルキルオレフィン)が生成するように
なるので、一般には約120〜140℃での反応が好適であ
る。また、反応時間は、反応温度および副生アルキルア
イオダイドの系外排出状態によっても異なり、好適な反
応温度で副生アルキルアイオダイドを効率よく系外に排
出すれば、数時間乃至10時間程度で主原料物質は消失す
る。
【0010】副生するアルキルアイオダイドは、次の反
応により生成し、 RfRI+P(OR´)3 → RfRPO(OR´)2+R´I これを効率よく系外に排出させないと、次のような副反
応が生じ、原料物質の亜リン酸トリ低級アルキルを消費
してしまい、大過剰量の亜リン酸トリ低級アルキルを必
要とするようになってしまう。 R´I+P(OR´)3 → R´PO(OR´)2+R´I
【0011】このような副反応を防止するための副生ア
ルキルアイオダイドの効率的な反応系外への排出は、反
応系に窒素、アルゴンなどの不活性ガスを吹き込む方法
あるいは反応系を減圧にする方法などによって行われ
る。これに対して、常圧下で副生アルキルアイオダイド
が留去されるようにそれの沸点以上の温度で反応を行っ
ても、この副生成物は反応系への相溶性が大きいため
か、効率よく系外に排出されない。また、減圧下の反応
においては、亜リン酸トリ低級アルキルが副生アルキル
アイオダイドに同伴されて系外に排出されてしまうばか
りではなく、リークにより系内に引き込まれた微量の酸
素や水分により亜リン酸トリ低級アルキルが変質し、リ
ン酸トリ低級アルキルや亜リン酸ジ低級アルキルなどに
変化して無駄に消費されてしまう可能性があるので、不
活性ガスの吹き込みによる副生アルキルアイオダイドの
系外排出が更に好適である。
【0012】不活性ガスの吹き込みによる副生アルキル
アイオダイドの系外排出は、前記した如く窒素ガスやア
ルゴンガスなどの不活性ガスを用い、反応液中にガス導
入管を入れて行うことが望ましい。排出されたアルキル
アイオダイドは、単蒸留装置などによって回収される。
【0013】反応終了後は、反応混合物を減圧蒸留する
ことにより精製(パーフルオロアルキル)アルキルホスホ
ン酸ジ低級アルキルエステルが得られるが、この際蒸留
に先立って、反応混合物を多量の水で洗浄し、水溶性の
不純物を予め除去しておくことが望ましい。
【0014】
【発明の効果】(パーフルオロアルキル)アルキルアイオ
ダイドと亜リン酸トリ低級アルキルとを反応させるに際
し、反応中に副生するアルキルアイオダイドを系外に排
出しながら反応を行うことにより、特にこの排出を不活
性ガスの吹き込みによって行うときには、(パーフルオ
ロアルキル)アルキルアイオダイドに対して化学量論比
に近い量の亜リン酸トリ低級アルキルを用いても、きわ
めて高収率で目的物を得ることができる。
【0015】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0016】実施例1 温度計、撹拌装置、滴下ロート、単蒸留装置およびガス
吹き込み管を備えたフラスコ中に、2-(パーフルオロオ
クチル)エチルアイオダイド100g(0.174モル)を仕込んだ
後、系の温度を100℃迄上げ、この時点から反応終了時
迄窒素ガスの吹き込みを続けた。この温度を保ちなが
ら、亜リン酸トリエチル34.7g(0.209モル)を30分間かけ
て滴下した後、系の温度を130℃迄上げ、6時間反応を行
った。反応終了時には、ドライアイス-メタノ−ル冷媒
により冷却された蒸留装置のフラクションコレクタに2
4.9g(0.16モル)のヨウ化エチルが回収されていた。
【0017】反応混合物についてガスクロマトグラフィ
ー分析を行うと、2-(パーフルオロオクチル)エチルアイ
オダイドの反応率は99%であった。この反応混合物につ
いて、500mlの水で2回洗浄を行い、その油層を減圧蒸
留し、沸点98〜101℃/0.4〜0.5mmHgの留分として、2-
(パーフルオロオクチル)エチルホスホン酸ジエチル94.6
g(収率93.0%)を得た。 元素分析値(C16H8O3F17P): 計算値:C 28.77%;H 2.40%;F 55.31% 測定値:C 28.79%;H 2.43%;F 55.26%
【0018】実施例2 実施例1で用いられたフラスコ中に、2-(パーフルオロ
オクチル)エチルアイオダイド100g(0.174モル)を仕込
み、系の温度を100℃迄上げた後、アスピレータにより
系の減圧度を-400mmHg(ゲージ圧)迄下げ、反応終了時迄
この減圧度を保った。この温度を保ちながら、亜リン酸
トリエチル57.8g(0.348モル)を30分間かけて滴下した
後、系の温度を130℃迄上げ、10時間反応を行った。反
応終了時には、ドライアイス-メタノ−ル冷媒により冷
却された蒸留装置のフラクションコレクタに15.6g(0.1
モル)のヨウ化エチルが回収されていた。
【0019】反応混合物のガスクロマトグラフィー分析
からみた2-(パーフルオロオクチル)エチルアイオダイド
の反応率は95%であり、この反応混合物について実施例
1と同様の精製を行い、(2-パーフルオロオクチル)エチ
ルホスホン酸ジエチル89.4g(収率88.0%)を得た。
【0020】比較例 実施例2において、反応系を減圧にしないで反応を行う
と、2-(パーフルオロオクチル)エチルアイオダイドの反
応率は70%で、精製2-(パーフルオロオクチル)エチルホ
スホン酸ジエチルの収量は71.1g(収率70.0%)であった。
反応終了時に、ドライアイス-メタノ−ル冷媒により冷
却された蒸留装置のフラクションコレクタには、ヨウ化
エチルが回収されなかった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (パーフルオロアルキル)アルキルアイオ
    ダイドと亜リン酸トリ低級アルキルとを反応させるに際
    し、反応中に副生するアルキルアイオダイドを系外に排
    出しながら反応を行うことを特徴とする(パーフルオロ
    アルキル)アルキルホスホン酸ジ低級アルキルエステル
    の製造法。
JP21091692A 1992-07-15 1992-07-15 ホスホン酸エステルの製造法 Expired - Lifetime JP3206124B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7074062B2 (ja) 2017-06-23 2022-05-24 東レ株式会社 ポリウレタン・ナイロン6偏心芯鞘複合繊維

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