JPH033309Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主としてＢ型肝炎、血液がん、白血
病、エイズ等に関連の使用済み注射器、採血管等
（以下注射器等という。）の殺菌と熔解を行ない、
さらに、該熔解時に発生する有毒ガスを併せて排
除し、使用ずみの注射器等を効率的に安全確実に
処理するための殺菌熔解装置に関する。

〔従来の技術〕 Ｂ型肝炎、血液がん、白血病、エイズ等に関連
する注射器、採血管等の使用ずみのものは、原形
をとどめない状態に変形して廃棄するよう法定さ
れており、これら注射器等をカツタで粉砕処理す
る処理装置が販売されているがこの場合熱的処理
が併用されていないため工程中における殺菌等の
管理体制が十分でなく、処理物を廃棄物として処
理する場合には二次感染を招く危険性も存し、さ
らに、熱的処理を施す方式のものも開示されてい
るが、装置そのものに不備が多く要処理物が大量
に発生する場合に適当でなく、これらの問題点を
踏まえて適当な対策が要望されていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は叙上の実状に鑑みてなされたもので、
使用ずみの注射器等を原形を止めない程度に熔融
により破壊するとともに、二次感染の危険性を全
く生じないよう血液等を完全に焼却・分解し発生
する有毒ガスもすべて吸収して安全確実に排出す
るもので、特に熔融されてその残渣が塊状に形成
されたのち、不燃性の薄葉箔状物で包括して安全
な廃棄物として処理し特に多用されるプラスチツ
ク製注射器等の焼却に際し大量に発生する排煙を
強制的手段で完全に処理しうる装置を提供するこ
とをその目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、 ａ 概ね杯状で上部の傾斜部を注射器等の要殺菌
熔解物のホツパーに形成するとともに下部の台
部をその側面に熱源を配設して殺菌熔解槽に形
成する装置本体と、 ｂ 前記ホツパーの開口部を覆つて装置本体を密
閉する蓋部と、 ｃ 前記殺菌熔解槽内部を所定温度に所定時間調
整する前記熱源の温度調整器と、 ｄ 前記装置本体の内側面に嵌装されて要殺菌熔
解物を包括する不燃かつ熱伝導性の薄葉箔状物
と、 ｅ 要殺菌熔解物の処理に伴つて発生する排煙を
後記排煙処理水槽に追出す空気を外部から導管
を通じて導入するホツパーの一側の穿孔部と、 ｆ 排煙を他の導管を通して後記排煙処理水槽に
導くホツパーの他側の穿孔部と、 ｇ 充填する水に導入される排煙を吸収・溶解せ
しめ、必要な水を補充されるとともに排煙吸収
溶解水を逐次溢流により排出する排煙処理水槽
を設けてなる注射器等殺菌熔解装置 を要旨とする。

以下図面を参照し実施例に基づいて本考案を説
明する。

〔実施例〕

第１図は、本考案に係る注射器等殺菌熔解装置
を示す全体的断面説明図である。

概ね杯（サカズキ）状で上部の傾斜部を注射器
等の要殺菌熔解物のホツパー１に形成するととも
に、下部の台部をその側面に熱源３を配設して殺
菌熔解槽２に形成する装置本体Ａを設け、また、
ホツパー１の開口部を覆つて装置本体Ａを密封す
る蓋部Ｂが設けられる。蓋部はホツパー１又はケ
ーシングＣに対し蝶番結合する構造であつてもよ
い。

次に、殺菌熔解槽２の内部を所定の温度に所定
時間継続せしめるため温度調整器４が設けられ
る。本考案に係る要殺菌熔解物は、第２図に示す
如く使用後の注射器等が逐次本装置の殺菌熔解槽
２に集積せしめられてなるものである。本考案で
は、後述する薄葉箔状物が殺菌熔解槽２の内周壁
に嵌装されているので要殺菌熔解物が熔解後に容
易に該箔状物に包括されることになる。

本考案装置において通常使用される殺菌熔融温
度は200゜〜250℃で20〜30分間加熱される。加熱
の始期・終了は表示ランプで表示される。本考案
の目的とするＢ型肝炎、血液がん、白血病、エイ
ズ等に関連する使用ずみの注射器等は上記の加熱
条件で十分な殺菌と熔解が達成される。要処理物
が多量であるときには、温度及び加熱時間を変更
することは差支えない。殺菌熔解された注射器等
は原形が崩壊し、その本体から針等が離落するも
のが多い。熔解時に、通常プラスチツクで形成さ
れる注射器本体や血液等の分解によつて多量に生
じる排煙は、モータフアン９により装置内に導管
５′を通り穿孔部１a′から導入される外気に追出
されてホツパー１の上側部に設けられる穿孔部１
ａから導管５を通じて排煙処理水槽Ｄに流入し、
ここに充填される水６に吸収溶解される。必要な
水は導管７から供給され、導管８から溢流により
排出される。

第２図には、本考案装置における薄葉箔状物Ｅ
が示される。この箔状物Ｅは装置本体Ａの内側面
に嵌装され、要殺菌熔解物が熔解したのち封入す
るため包括するために使用し、通常の廃棄物とし
て処理する場合でも熔解物を完全に包括している
ので便利である。特に熔解物の底部に分離して沈
降する針等の金属物を槽内に残すことなく全量回
収できる。箔状物Ｅは250℃以下では熔解しない
プラスチツク例えばポリエステルフイルム、アル
ミ等が良好で、不燃かつ熱伝導性の良好なものが
必要である。

〔考案の効果〕

本考案は、以上の構成に基づくものであつて、
傾斜部がホツパーとなつているので、使用ずみの
注射器等が次々と投下されて殺菌熔解槽に確実に
集積され、適当に集積後は、蓋部で閉鎖して温度
調整器により予め設定された温度及び加熱時間加
熱処理することにより、要殺菌熔解物の残留血液
等は完全に殺菌され、また、焼却・ガス化される
とともに、さらに注射器等の容器類については、
熔解して原形を止めない程度に崩壊せしめられる
とともに、一部はガス化して取扱上無害なものに
変化されるものであり、さらに、上記の発生ガス
は排煙処理水槽に導かれて水に吸収され、排出後
必要に応じ公害防止のための各種手段を容易に取
りうるものである。

また、熔解物は、薄葉箔状物に包括された状態
で廃棄可能で、従来の破砕方式によるもの、或い
は破砕後一般廃棄物として焼却する方式等による
ものと比較して格段に安全かつ確実な処理が可能
であつて、この種の注射器等の棄却処理手段とし
て極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の全体を示す断面的説明
図、第２図は主として装置本体に嵌装される薄葉
箔状物の断面的説明図である。 Ａ……装置本体、Ｂ……蓋部、Ｃ……ケーシン
グ、Ｄ……排煙処理水槽、Ｅ……薄葉箔状物、１
……ホツパー、２……殺菌熔解槽、３……熱源、
４……温度調整器、５……要殺菌熔解物、１ａ，
１a′……穿孔部、５，５′，７，８……導管、９
……モータフアン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 概ね杯状で上部の傾斜部を注射器等の要殺菌熔
   解物のホツパーに形成するとともに下部の台部を
   その側面に熱源を配設して殺菌熔解槽に形成する
   装置本体と、前記ホツパーの開口部を覆つて装置
   本体を密閉する蓋部と、前記殺菌熔解槽内部を所
   定の温度に所定時間調整する前記熱源の温度調整
   器と、前記装置本体の内側面に嵌装されて要殺菌
   熔解物を包括する不燃かつ熱伝導性の薄葉箔状物
   と、要殺菌熔解物の処理に伴つて発生する排煙を
   後記排煙処理水槽に追出する空気を外部から導管
   を通じて導入するホツパーの一側の穿孔部と、排
   煙を他の導管を通じて後記排煙処理水槽に導くホ
   ツパーの他側の穿孔部と、充填する水に導入され
   る排煙を吸収・溶解せしめ、必要な水を補充され
   るとともに排煙吸収溶解水を逐次溢流により排出
   する排煙処理水槽とを、設けて構成されることを
   特徴とする注射器等殺菌熔解装置。