JPH0333069B2 - - Google Patents

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JPH0333069B2
JPH0333069B2 JP61295993A JP29599386A JPH0333069B2 JP H0333069 B2 JPH0333069 B2 JP H0333069B2 JP 61295993 A JP61295993 A JP 61295993A JP 29599386 A JP29599386 A JP 29599386A JP H0333069 B2 JPH0333069 B2 JP H0333069B2
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arc
electrode
capacitor
conductor
arc discharge
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Tadayuki Ootani
Tooru Saito
Kunihiro Hayashida
Toshuki Saito
Hitoshi Kikuchi
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アーク放電を用いる溶接、切断、加
熱等の熱加工処理に関し、特に、熱加工処理開始
のためのアーク点孤開始を行なうアーク放電装置
に関する。
〔従来の技術〕
例えば、接続トーチ、プラズマトーチなどの、
少なくとも1個の放電用主電極と加工対象材又は
もう1つの電極との間に電気放電を発生し該電気
放電による発熱又はプラズマにより加工対象材を
溶接加工、切断加工、溶射加工あるいは加熱加工
する加工用トーチにおいては、アーク放電を点弧
する必要があり、従来は、放電用主電極と加工対
象材又はもう1つの電極との間に高周波高電圧を
印加してそれらの間の絶縁破壊を引き起こし、ア
ーク放電を発生させる高周波点弧法、又は、放電
用主電極を加工対象材に接触させて接触火花を発
生させてから放電用主電極を加工対象材から離し
て接触火花放電をアーク放電に移行させる接触点
弧法、により加工用アーク放電を点弧している。
また例えば、アーク放電により加工対象材を、
加熱、溶接、切断、溶射等の加工処理するアーク
加工例えば、非消耗電極式アーク溶接法の特徴と
して、不活性ガスをシールドガスに用いてアーク
及び溶接金属を大気から遮へいするため、アーク
が極めて安定で平滑なビードが得られ、かつ溶接
金属に不純物が入らないことが挙げられる。即
ち、高品質できれになビードが得られるため、
中・薄板の高品質溶接が厚板多層盛り溶接のルー
トパス溶接等に広く普及している。
しかし従来の高周波点弧法では、アークを起動
するための高周波電圧が大きいので、高パワーの
電磁的なノイズが発生し、溶接自動機器に組み込
まれたマイクロコンピユータをはじめとする各種
周辺電子機器を誤動作あるいは破損することがあ
り、この種の高周波高パワーノイズに対して特別
なノイズフイルタを用いるなどの対策を施す必要
があつた。更に、高周波点弧時にアーク電源回路
に接続された計測機器を破損してしまうため、計
測機器を溶接用電気回路に容易に接続できないと
いう問題がある。特に、交流溶接では交流半波毎
に再点弧のためアーク放電を起動する必要があ
り、したがつて高周波高パワーノイズの発生が多
いという問題がある。
また、従来の接触点弧法では、放電用電極の先
端形状によつてアーク放電の起動に失敗すること
があり、また交流溶接では交流半波の切換わり時
に失弧してアークの安定性を損うことがある。交
流半波毎の再点弧動作は不可能である。
これらの要因により、特に、非消耗電極式アー
ク溶接法では溶接ロボツトに代表される精密機器
による自動化および精密な計測機器による溶接現
象の制御が困難とされていた。この改善方法とし
てタツチ点弧法が開発されたが、短絡(タツチ)
時に生じる過大な電流により、タングステン電極
が溶融・変形するなどの損耗を受け、電極寿命を
著しく短くし、時として溶接実行が困難になる場
合がある。アークの安定した高品質溶接を特徴と
する非消耗電極式アーク溶接法にとつて、アーク
不安定をまねく電極損耗は致命的な欠点である。
同様の問題が、切断用消耗電極式アーク、溶射用
非消耗電極式アーク及び熱処理用非消耗電極式ア
ークの点弧においても指摘されている。
本発明は、前述の加工用トーチにおいては、点
弧時に高パワー高周波ノイズを実質上発生するこ
となく、しかも点弧を容易かつ安定性が高いもの
とし、加工用非消耗電極式アーク放電加工におい
ては、点弧に起因する電極損耗がなく、且つ高周
波ノイズの影響を排除することにより、周辺計測
機器の誤動作或いは破損を防止するなど、前述の
問題点を改善することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
前述の問題点を改善するために、本発明者等
は、加工用トーチにおいては、フイラメント電極
を用いる点弧プラズマ発生用のプラズマ噴射器を
発明し(特願昭60−271139号および特願昭61−
165295号)、また、フイラメント電極を加工物と
対向させて、フイラメント電極と加工物との間に
加工用アーク放電を生起する非消耗電極式アーク
加工装置を発明した(特願昭60−274575号)。こ
れらはいずれも、フイラメント電極を発熱させ
て、点弧プラズマ又は加工用アークを点弧させ
る。高周波点弧ではなく、また、接触点弧でもな
いので、前述の従来の問題が大幅に改善される。
しかしながらこれらにおいては、アーク放電起動
のためのフイラメント電極がダングステンワイヤ
を、V又はU形に折り曲げたヘアピン状の導体で
あり、その先端(折り曲げ部)が加工用トーチの
アーク放電電極又は加工物に対向するが、フイラ
メント電極全体が発熱してその折り曲げ部から発
生したアークの安定性が通常用いる棒状電極と比
較して若干劣ることがあげられる。これにより、
点弧プラズマ発生器の態様では点弧プラズマの起
動から点弧に至るまでの時間にばらつきがあると
いう問題がある。
本発明は、このようなフイラメントを用いるア
ーク点弧装置の改良に関するものであり、本発明
では、上記目的に加えて更に、フイラメント加熱
からアーク発生までの時間を短くかつばらつきを
低減するために、アーク電極を、アーク放電を発
生させる相手方導体に対向する先端部に高密度電
流集中点を有し、該集中点と、該集中点への電流
往路と、該集中点よりの電流帰路と、を一体連続
で有するものとする。
〔作用〕
これによれば、アーク電極はそれへの通電によ
り全体が発熱するが、前記集中点において電流密
度が高く、抵抗値が大きいので、集中点において
最も高い発熱となり、集中点が最高温となる。こ
れによりアーク電極の先端の温度も上昇し、アー
ク電極と相手方導体との間にアークを発生する。
仮にまず前記集中点と相手方導体の間にアークが
発生してもこれは即座に集中点からアーク電極の
先端に移動する。したがつて、アーク電極からの
初期アークの発生が早くかつ安定し、アークは実
質上先端にあることになるので該集中点(細径
点)のアークによる損耗が大幅に低減し、アーク
電極の寿命が長くなり、安定した発熱特性が維持
される。初期アーク発生が安定し、発生タイミン
グのばらつきが低減する。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照し
た以下の実施例の説明より明らかになろう。
第1図に本発明の一実施例を示す。この実施例
は、直流消耗電極式アーク溶接トーチである。第
1図において、1は電圧特性を有する直流アーク
溶接用電源であり、その出力端の負側を溶接トー
チ7内のタングステン電極(放電用主電極:以下
主電極という)2に接続し、出力端の正側を溶接
される加工対象材(母材)3に接続して、溶接用
電源1、主電極2および母材3からなる溶接用電
気回路8を形成している。主電極2の近傍には、
アークトリガー用のアーク発生器(この例ではプ
ラズマ噴射器)13を配置し、トリガー用アーク
放電電源回路10の陰極側にアーク発生器13の
アーク電極15の太径導体15aを接続し、アー
ク発生器13のノズル部材19を陽極側に接続
し、電極回路10およびアーク発生器13からな
る点弧プラズマ発生回路28を形成し、アーク発
生器13のノズル部材を母材3に接続している。
4は、ノズル部材19を母材3と同電位としてノ
ズル部材19と第1電極15の間のプラズマの主
電極2への移行をうながし、かつこのプラズマに
よりノズル部材19−主電極2間に放電破壊を生
ずると、これによる放電電流を制限して、この放
電破壊の、主電極2−母材3への移動をうながし
て、主電極2−ノズル部材19間にはメインアー
クを実質上発生させないための、限流抵抗であ
る。
アーク電源1をオンにすると、主電極2と、ア
ーク発生器13のノズル部材19及び母材3との
間に、アーク発生器13のノズル部材19及び母
材3(陽極)から主電極2(陰極)に向けて電場
が形成され、この状態でシールドガスGimをシー
ルド部材6に供給しプラズマガスGitをアーク発
生器13内に供給し(以後の説明ではプラズマガ
スについての記述を省略する)、点弧プラズマ電
源回路10をオンにしかつ発熱電源回路30の出
力をオンにすると、アーク電極15の先端部が発
熱しアーク電極15とアーク発生器13のノズル
部材19の間に放電を生じて点弧プラズマが主電
極2に向けて送給され、点弧プラズマ中の正イオ
ンが該電場で加速され、主電極2に衝突し、衝突
部の温度を上昇させ主電極2からアーク発生器1
3のノズル部材19に向けてアーク放電を生じ、
このアーク放電が主電極2−母材3間に瞬時に移
行する。すなわち主電極2−母材3間に溶接用ア
ークすなわちメインアークが点弧する。メインア
ークが発生すると、アーク電流がアーク点弧検出
器26で検出されて、モータコントローラ38に
より所定の条件で主電極駆動モータを介して主電
極2が駆動される。
以上に説明したメインアークの点弧において、
点弧プラズマ発生回路28の能力として約10A程
度の低電流点弧プラズマを発生させるだけでメイ
ンアークの点弧には十分である。しかも点弧プラ
ズを発生させるために必要な使用ガスはプラズマ
ガスのみでシールドガスが不要なため、アーク発
生器13の超小型化が可能である。
第2a図に、アーク発生器13の拡大断面を示
す。アーク電極15は、先端が尖つた太径のタン
グステン棒15aとこの太径のタングステン棒1
5aより先端部で分岐した細径のタングステン棒
15bおよび15cでなり、これらの脚部がベー
ス14に固着されている。太径のタングステン棒
15aの、先端に関して分岐部の後部には細径の
首15rが形成されており、細径のタングステン
棒15bおよび15cは、分岐部が最細径であ
る。ベースには円筒状のシールド部材17の後端
が固着されており、それの先端開口17aの周縁
にノズル部材19の後端が固着されている。ノズ
ル部材19は、カツプ状でありその底面に開口1
9bを有する。
シールド部材17にはプラズマ用ガス流入口1
8aを有するパイプ継手18が固着されている。
第2b図に発熱電源回路30の構成を示す。こ
の電源回路30は、垂下特性を有する3相変換器
31、可制御リアクタ32、3相整流回路33、
蓄電回路34、加熱スイツチ35および全波整流
回路37で構成されている。可制御リアクタ32
の電流値制御コイルに流す電流値を全波整流回路
37の可変抵抗で調整することにより、3相整流
回路33の出力電流値を調整することができる。
通常はスイツチ35が開であり、アーク電極15
には電流は流れない。
第2b図に示すようにスイツチ35を開にして
いるとき、整流回路33より低抵抗R1を通して
コンデンサC1が充電されている。この状態で、
アーク電源回路1(第1図)をオンにし、トーチ
7にシールドガスGimを供給し、パイプ継手18
にプラズマ用ガスGitを供給し、トリガー用アー
ク放電電源回路10をオンにした状態で、スイツ
チ35を閉にすると、コンデンサC1が、低抵抗
R2、スイツチ35、太径のタングステン棒15
a(往路)、細径のタングステン棒15b,c(帰
路)で放電し、また、3相整流回路33から低抵
抗R1,R2、スチツチ35を通して、高電流が太
径のタングステン棒15a(往路)、細径のタング
ステン棒15b,c(帰路)に流れる。この高電
流は、太径のタングステン棒15aから細径のタ
ングステン棒15b,15cに分流し、まず第1
に首15rで高発熱を生じ、第2に細径分岐点に
高電流が集中して流れる。高電流によりアーク電
極15全体が発熱するが、集中して流れる3点で
発熱量が大きい。これらの3点はアーク電極15
の先端15tの周りにある。これにより該集中点
又は近傍とノズル部材19の間にアーク放電を生
じ、ノズル部材19に対してアーク電極15の先
端15tが最も近くでしかも該集中点に近いの
で、アーク放電は即座にアーク電極15の先端1
5tのノズル部材19の開口19bに移行し、ノ
ズル部材19の開口19bからプラズマが主電極
2(第1図)に向けて噴射される。このプラズマ
によりまずノズル部材19と主電極2の間にアー
ク放電が発生するが、ノズル部材19を流れる高
電流が抵抗4で制限される。このアーク放電をト
リガーとして主電極2と母材3の間にメインアー
クを発生する。メインアークを発生すると、プラ
ズマ電源回路10はオフにされ、スイツチ35が
開に戻される。
ここでスイツチ35を閉にしたときの、太径導
体15aおよび細径導体15b,cに流れる電流
を説明する。スイツチ35を閉にしたとき、コン
デンサC1、抵抗R2およびアーク電極15の抵抗
でなる時定数回路が構成され、コンデンサC1
これらの電気値で定まる時定数で放電し放電電流
(発熱電流)はピーク波形を示す。なお、抵抗R2
およびアーク電極15の抵抗は、通電によるそれ
らの発熱により変化するので、時定数は、発熱通
電中一定ではない。放電開始後、放電によりコン
デンサC1の電圧がある値に低下してから整流回
路33から第1電極に電流が流れる。これは抵抗
R1で電圧降下があるからである。コンデンサC1
の電圧がある値以下になると整流回路33が抵抗
R1を通してコンデンサC1を充電することになる
ので、スイツチ35を閉のままにしていると、ア
ーク電極15には3相整流回路33のみが電流を
流す状態となる。このときの電流値は、R1,R2
スイツチ35およびアーク電極15の抵抗で定ま
る。したがつて、コンデンサC1は初期立上げ電
流(フラツシユ電流)をアーク電極15に供給
し、発熱電流通電からメインアーク発生までの時
間を短くする。また、3相整流回路33までの回
路の電流容量を、小さくするのに役立つている。
なお、抵抗R3は、電源オフのときに、安全上コ
ンデンサC1の残留電荷を放電させるための、比
較的に抵抗値が大きい抵抗である。
第3a図にフイラメント電源回路30の一変形
例を示す。これにおいては、3相整流回路33か
ら、低抵抗R1および比較的に高い抵抗R4を通し
てアーク電極15に常時電流が流れ、これによ
り、アーク電極15、特に首15rおよび分岐点
が常時、比較的に低熱量で発熱(予熱)してお
り、この間にコンデンサC1が充電されている。
スイツチ35はプラズマ電源回路10のオンスイ
ツチ(図示せず)と連動又は同期して閉にされ
る。スイツチ35が閉にされると、コンデンサ
C1が予熱電流に重畳してアーク電極15に流れ、
これにより首15rおよび分岐点の発熱量が一時
的に高くなり、これにより首15r、分岐点又は
それらの近傍とノズル部材19の間にアーク放電
を生じ、ノズル部材19に対してアーク電極15
の先端15tが最も近くでしかも該接触点に近い
ので、アーク放電は即座にアーク電極15の先端
15tとノズル部材19の開口19bの間に移行
し、ノズル部材19の開口19bからプラズマが
主電極2(第1図)に向けて噴射される。メイン
アーク発生に応答してプラズマ電源回路10がオ
フにされるとスイツチ35が開となり、コンデン
サC1が充電される。
このフイラメント電極回路30を用いると、ア
ーク電極が予熱されているので、第2b図に示す
回路30を用いる場合よりも、スイツチ35を閉
にしてから電極15−ノズル部材19間にアーク
を発生するまでの時間が短い。すなわちアーク発
生が早く、しかもフイラメント電源回路30は、
予熱電流を供給し得る程度の小容量のものでもよ
い。なお、極く小容量のものとするときには、
R1とR2の間に、コンデンサC1への充電電流も、
予熱電流程度の小さい値に制限するための抵抗を
介挿する。
第3a図に示すフイラメント電源回路30の変
形例を第3b図に示す。第3b図に示すように、
スイツチ35は切換えスイツチとして抵抗R2
コンデンサC1の間に介挿し、スイツチ35でコ
ンデンサC1充/放電を切換えるようにしてもよ
い。この例でも、メインアーク発生に応答してプ
ラズマ電源回路10がオフにされるとスイツチ3
5が開となり、コンデンサC1が充電される。
第3c図にフイラメント電源回路30のもう1
つの変形例を示す。これにおいては、アーク電極
15を予熱回路抵抗R4とコンデンサC1に切換え
接続するスイツチ35と、充電回路抵抗R1とコ
ンデンサC1の間を開閉するスイツチ36を切換
えスイツチ手段として用いている。この例では、
プラズマ電源回路10がオフのとき、スイツチ3
5,36が図示状態で、アーク電極15に予熱電
流が流れ両者が発熱している。しかし発熱量は低
い。コンデンサC1は充電されている。プラズマ
電源回路10のオンスイツチ(図示せず)が閉
(電源オン)となるのに連動又は同期してスイツ
チ35がコンデンサC1接続に、スイツチ36が
開に切換えられ、これによりコンデンサC1がア
ーク電極15に放電し、アーク電極15とノズル
部材19の間にアーク(点弧プラズマ)を発生す
る。プラズマ電源回路10がオフにされるのに連
動又は同期してスイツチ35,36が図示状態に
戻り、コンデンサC1が充電され、充電終了後十
分な予熱電流がアーク電極15に供給される。こ
の例では、アーク電極15にアークを発生してい
る(電源回路10オンの)間、アーク電極15は
予熱回路および充電回路より分離されている。し
たがつて、後述する、アーク電極15を加工用ア
ーク(メインアーク)電極として用いる使途(例
えば第4図)に有利である。なぜなら、アーク電
極15を加工用アーク電極として用いる使途で
は、アーク電極15に加工用アーク電源回路が接
続される(例えば第3c図のプラズマ電源回路1
0がアーク電源回路1に変わる)からである。
第4図に、本発明のアーク放電装置を非消耗式
アーク溶接に用いた態様を示す。ここに示すアー
ク発生器13は、第2a図に示すアーク発生器
(プラズマ噴射器)13よりノズル部材19を省
略した形のものであり、アーク電極15が加工対
象母材3に対向する。すなわち、第2a図のノズ
ル部材19が母材3に置換された態様である。ア
ーク電極15と母材3に、プラズマ電源回路に代
えて直流垂下特性を有するアーク電源回路10が
接続されており、アーク電極15の太径タングテ
ン15aと、分岐した細径タングステン15b,
15cの間にフイラメント電源回路30(例えば
第3c図に構成を示すもの)が接続されている。
シールド部材17の開口18aを通して不活性
ガスをシールドガスとしてアーク電極15の先端
(図示では下端)に供給している状態で、アーク
電源10をオンにすると、これに連動又は同期し
てフイラメント電源回路30(第3c図)のスイ
ツチ35,36が放電に切換わり、アーク電極1
5が発熱し、特に、それらの電流集中点(首15
rおよび分岐点)が高温発熱する。この集中点の
温度が上昇するに伴い、該集中点の電子の保有す
るエネルギーが高まり、これとアーク放電電源回
路10が加える電場から受けるエネルギーとの総
和が、該集中点から熱電子が放出されるエネルギ
ーレベルまで励起されたとき、該集中点と母材3
との間に加工用アークが点弧し、これが即座に先
端15tに移行する。加工用アークが点弧してい
る間、アーク電極15はアーク電流で発熱をして
おり、加工用アークが停止(例えばある点の溶接
終了により回路10オフ)すると、フイラメント
電源回路30(第3c図)のスイツチ35,36
が予熱・充電に切換わり、アーク電極15が予熱
付勢され、コンデンサC1が充電される。したが
つて、この例(電源回路30として第3c図に示
すものを用いる例)では、1箇所の溶接を終え
て、別の箇所の溶接を開始するまでの休止期間
も、アーク電極15の発熱が継続する。したがつ
て、コンデンサC1によるフラツシユ電流は、比
較的に低くてもよい。
以上には、第1図と第4図に示す2態様の実施
例、すなわち消耗電極式プラズマアーク溶接トー
チのアーク発生器と非消耗式アーク溶接トーチを
示したが、本発明はこれらに限らず、交、直流・
消耗電極式、非消耗電極式・プラズマ溶接トー
チ、プラズマ切断トーチ、プラズマ加熱トーチ、
アーク溶接トーチ、アーク切断トーチ、アーク加
熱トーチ、等々、高電流アーク放電を加工手段と
するアーク放電加工装置の、アーク発生器又は加
工用アーク発生器として用い得る。
次に、アーク電極15の変形例を説明する。
第5a図に示す変形例では、アーク電極15を
ν形にしている。すなわち、第2a図に示すアー
ク電極15の細径タングステン棒15cを省略し
た形とし、かつ、分岐点に更に細径部15r2を形
成している。
第5b図に示す変形例では、V形(U形でもよ
い)の折り曲げ先端15tを最細径15rとして
そこの電気抵抗を最高にしている。この例では最
先端15tの発熱量が最も高い。
アーク電極15から直接に加工用アークを発生
させる態様(例えば第4図)では、アーク電極1
5の先端15tが加工用アークにより損耗しやす
いので、アーク電極15は非消耗アーク電極材
の、第2a図あるいは第5a図に示す形状とし
て、先端15tの最先端と高電流集中点(15r
および分岐点)の距離をやや長くする。アーク電
極15、特にその先端15t、の耐アーク損耗が
低い場合には、例えば第5a図に示すようにν形
の態様では、第6a図に示すように先端に耐アー
ク性が高い導体片15tを固着し、第5b図に示
すV形の態様では、第6b図に示すように耐アー
ク性が高い導体片15tを先端に装着する。第6
b図に示す態様では、導体片15tの脱落を防ぐ
ために、導体片15tに溝を形成してそこにアー
ク電極15の先端を挿入し、導体片15tに、こ
の溝を横切るねじを装着している。第6a図に示
す態様でも導体片15tをねじ止めするのが好ま
しい。更にこの場合には、導体片15tを接合も
しくは一体成型により、一体化したものがより好
ましい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明のアーク放電装置
は、アーク電極の先端部に高密度電流集中点を形
成して、そこに発熱を集中させるようにしている
ので、アークはそこから発生して即座に先端に移
行する。従来の高周波トリガーなどのトラブルが
無く、しかも従来の接触アーク発生の場合のよう
なアーク電極の変形や損耗などのトラブルも無
い。所望のアークを所望の態様で安定して発生さ
せることが可能となり、アーク発生の安定性が達
成される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図であ
る。第2a図は第1図に示すアーク発生器13の
拡大断面図である。第2b図は第1図に示すフイ
ラメント電源回路30の構成を示す電気回路図で
ある。第3a図、第3b図および第3c図はそれ
ぞれ、フイラメント電源回路30の一変形例の変
更部のみを示す電気回路図である。第4図は、本
発明のもう1つの実施例を示す断面図である。第
5a図、第5b図、第6a図および第6b図はそ
れぞれ、第2a図に示すアーク電極15の変形例
を示す断面図である。 1:アーク電源回路、2:主電極、3:母材
(第4図の3:相手方導体)、4:限流抵抗、6:
シールド部材、7:溶接トーチ、8:溶接用電気
回路、10:点弧プラズマ電源回路(アーク放電
電源回路)、13:アーク発生器、15:(アーク
電極)、15a:太径導体(電流往路)、15b,
c:細径導体(電流帰路)、15t:先端、導体
片、15r,15r1,15r2:(高密度電流集中
点)、17:シールド部材(シールド部材)、17
a:開口(相手方導体に対向する開口)、18:
パイプ継手、18a:開口(気体を導入するため
の開口)、19:ノズル部材(相手方導体)、19
b:プラズマ噴射口、26:アーク点弧検出器、
27:電極チツプ、28:点弧プラズマ発生回
路、29:送給ローラ、30:フイラメント電源
回路(発熱電源回路)、31:3相変圧器、3
2:可制御リアクタ、33:3相整流回路、3
4:蓄電回路、C1:コンデンサ(コンデンサ)、
35,36:(スイツチ手段)、37:全波整流回
路、38:モータコントローラ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アーク放電を発生させる相手方導体に対向す
    る先端部に高密度電流集中点を有し、該集中点
    と、該集中点への電流往路と、該集中点よりの電
    流帰路と、を一体連続で有するアーク電極; 該アーク電極の少くとも一部分を包囲し前記相
    手方導体に対向する開口と、内部に気体を導入す
    るための開口を有するシールド部材; 前記電流往路と電流帰路に発熱電流を供給する
    発熱電源回路;および、 前記アーク電極と前記相手方導体の間にアーク
    放電電力を供給するアーク放電電源回路; を備えるアーク放電装置。 2 アーク電極は、中央の太い導体と、その先端
    部で対称に分岐した細い2個の分岐導体を有する
    フオーク形状である前記特許請求の範囲第1項記
    載のアーク放電装置。 3 中央の太い導体は分岐部に関してその先端の
    後側に細径首を有し、分岐導体は分岐部が最細径
    である;前記特許請求の範囲第2項記載のアーク
    放電装置。 4 アーク電極は、太い導体と、その先端部で分
    岐した細い1個の分岐導体を有するν形である前
    記特許請求の範囲第1項記載のアーク放電装置。 5 太い導体は分岐部に関してその先端の後側に
    細径首を有し、分岐導体は分岐部が最細径であ
    る;前記特許請求の範囲第4項記載のアーク放電
    装置。 6 アーク電極は、V字形又はU字形折り曲げ形
    状であつて、折り曲げ部が細径のヘアピン状の導
    体である前記特許請求の範囲第1項記載のアーク
    放電装置。 7 アーク電極は、先端に耐アーク導体片を有す
    る前記特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、
    第4項、第5項又は第6項記載のアーク放電装
    置。 8 発熱電源回路は、コンデンサと、コンデンサ
    に充電する充電回路と、発熱体に前記コンデンサ
    の電荷を放電するスイツチ手段と、を含む前記特
    許請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、
    第5項又は第6項記載のアーク放電装置。 9 発熱電源回路は、コンデンサと、コンデンサ
    に充電する充電回路と、発熱体に前記コンデンサ
    の電荷を放電するスイツチ手段と、スイツチ手段
    が開のときにも発熱体に通電する回路と、を含む
    前記特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、第
    4項、第5項又は第6項記載のアーク放電装置。 10 発熱電極回路は、発熱体に低電流通電する
    ための低電流供給路と、コンデンサと、このコン
    デンサを充電するための充電回路と、第1状態で
    発熱体を低電流供給路に接続しコンデンサを該充
    電回路に接続し、第2状態で発熱体を低電流供給
    路からコンデンサに切換え接続しコンデンサを充
    電回路から分離する切換えスイツチ手段と、を含
    む前記特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、
    第4項、第5項又は第6項記載のアーク放電装
    置。
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