JPH0332411Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は燃料蒸気の回収装置、更に詳細には燃
料蒸気を燃料供給源に回収する手段を有する分配
ノズルで燃料タンクに注油操作中に発生する燃料
蒸気の回収用通気路を具えた注油器頸部組立体と
タンク入口構造に関する。

燃料再補給タンクの機能においてはそれが車輌
型のタンク又は、地上又は地下に定置したもので
あつても、気体状での燃料損失は公害の影響や自
明の危険によるばかりでなく浪費によるためにも
関心度が高まつている。この状況で製造業者は気
体回収のポンプとノズル及び補給のタンクと燃料
供給ノズルを受入れる入口とを接続する各種の注
油管通気装置の開発について努力を集中して来て
いる。之等の通気装置は通常注油管の外側に接続
されるか注油管の管内に取付けられるかする通気
管を具えている。外側通気管の場合には入口並び
にタンクに多数の接続部を必要とし、この装置は
値段が高く、通気を損傷させ易くしている。内部
通気管、即ち注油管の管内に取付けたものでは、
通気はタンク内の燃料増加によつて塞がれ易く、
一方では亦注油管に通気管を添付するという理由
で製作費が高い。

之等の従来技術の装置及び技法は米国特許第
3187936号、同第3369695号、同第4009739号、同
第4122968号、同第4135562号に示されている。

本考案は本考案者の米国特許第4122968号に示
した従来技術を拡張したものであり、該特許には
燃料蒸気回収のための管内管の構想が記載されて
いる。この特許の注油器頸部は、外面に多数のリ
ブを具え通常のタンク入口ニツプルの内側に接続
される燃料分配管を具えている。嵌め管が燃料供
給管の上に同軸状に着せられ一端が補給口と他端
がタンク入口ニツプルの外側に接続されている。
二本の管とタンク入口ニツプルとの関係は、気体
通路がリブで形成された窪みの中に在りタンクへ
の給油中に発生した燃料蒸気が両管の間に出来た
通路を通して供給源に蒸気を戻す手段を有するノ
ズルによつて引込まれるようになつている。

本考案の一態様は同軸の管内管形状の注油器頚
部組立体を供するもので、該組立体は例えば車輌
の胴体内のような複雑な管の湾曲を必要とする装
置に適用されるものである。この種の装置では外
管は所望の複雑な曲線状に形成又はモールドされ
一方管内形状はタンク入口ニツプルに接続される
燃料供給管を容易に受入れるようになつている。
本考案の今一つの態様は注油器頸部組立体の据付
を簡易化し乍ら、一方では衝撃に耐える接続を行
うためのタンク入口ニツプルと入口形状を提案し
ている。

本考案の多くの利点は燃料分配用ノズルを受入
れるに足る内径を有する燃料供給管を具え、該供
給管をタンクに固定するように作用する入口調節
壁によつてタンク入口に該供給管が接続されると
いう注油器頸部組立体で充足される。調節壁はそ
の形状内で通気口を通して蒸気通路を具え、又調
節壁に差込んだ燃料供給管を引抜くことへの抵抗
力をも具えている。外管は管の内面に円形突起又
はリブを具えてタンク入口ニツプル内に取付けら
れる。二個の管は管が一方を他方の内側に同軸的
に取付けた時両管の間に蒸気の通気路が設けられ
るように配設される。

本考案では一方では外管の内面が滑らかな面で
あり燃料供給管の外面に円形突起又はリブが設け
られている。リブは、燃料供給管をタンク入口の
調節壁に挿入し着座させるため僅かの距離だけ燃
料供給管からむき取られ、両管はタンク入口のニ
ツプル内に取付けられ、蒸気回収路が二個の同軸
配置の管の間に具わる。

第１図乃至第３図を参照すると本考案の注油器
頸部組立体が図示され番号１０で全体が示されて
いる。注油器頸部組立体１０は入口接続部１２と
燃料タンク１４の間に取付けられ、燃料分配ノズ
ル１６からタンクへの給油を行う。ここでタンク
とノズルは現在の技術水準内であるため仮想線で
示される。分配ノズル１６は入口１２ａを密封す
る装置１６ａと燃料分配中に発生する燃料蒸気の
真空帰還用の装置１６ｂをも組込んでいる。燃料
蒸気は燃料供給源に戻されて、再度凝縮され初期
の装置の通常状態であつた大気中への損失をする
代りにこのようにして再度収集される。

注油器頸部組立体の断面が第２図に示され、図
示のようにこの組立体は燃料供給即ち内管２０と
外管３０を有している。内管２０は分配ノズル１
６の出口パイプ１６ｃを受入れるに足る直径の内
面２２を有し、又この内管は、外管３０の内面３
２に挿入されるよう充分可撓性があり外管の複雑
な輪郭に追従する耐燃料のエラストマー押出品で
ある。内管２０は外管３０と組合つて入口１２に
接続され、後記するタンク入口ニツプル４０によ
つて燃料タンク１４に接続される。外管３０は所
望の複雑な曲線に形成され、この点で車両胴体内
のスペース上の要求に適合するようほぼ90゜の数
個の屈曲部を有することもあろう。外管３０は金
属成形パイプ又は成形された繊維−補強のエラス
トマーホースである。何れの場合も外管３０は内
面３２にリブ３４が形成され、このリブが蒸気回
収に役立つ窪み３６を形成する。リブ３４間で測
つた外管の内面３２の直径は内管２０の外径より
僅かに大きく、それで両管は一方を他方の内にし
て同軸に容易に組立てられ、リブ３４と窪み３６
がタンク１４から蒸気回収ノズル１６への燃料蒸
気戻り用として両管の間で矢印２６で示す通路を
形成する。外管３０がエラストマー形状である
と、適当な繊維３８と所望の複雑な曲線状に硬化
したマンドレルで補強されることが想像される。
マンドレルから取出して通常の方法で冷却される
と外管３０は所望の曲線形状を保つ。それで外管
３０が完了すると内管２０が内面３２に差込ま
れ、注油器頸部組立体が据付用単一ユニツトとし
て出荷される。入口における両管の据付は何れか
の方法で行われるが一例としてその一つが第１図
に図示される。図示のように入口１２は図示しな
い帽蓋を通常のように取付け、通例のように車両
胴体１８に溶着又は固着されている管状入口１２
ａを具えている。入口ニツプル１２ａはその内面
１２ｃ内に放射状の停止片１２ｂを具えている。
この停止片は一方ではノズル１６ｂにより吸上げ
のための蒸気流の戻り路を作り乍ら、管２０と３
０の差込限度を制限している。内面１２ｃはその
中に管３０を固定するため多数のリブ１２ｄを有
している。それで入口の接続部１２はそれに注油
器頸部組立体を固定するため圧力嵌めだけを要す
ることが分る。この見地でリブ１２ｄは通常用い
る場合組立体を確実に保持するが、こわれた場合
には容易に外れ易くなつていて、そのときは入口
１２と自動車胴体１８が注油器頸部２０，３０か
ら引き抜かれる。この状態で組立体本来の姿が後
記のタンク入口接続部で維持される。

注油器頸部組立体１０のタンク１４への固定は
タンク入口４０で準備される。入口４０はその内
面にリブ４２を有する標準の筒形ニツプルであ
る。このニツプルは注油器頸部外管３０との間で
圧力ばめの係合が出来るよう外管の外径よりわず
かに小さい内径を有している。タンク入口４０は
入口内に取付けた調節壁４４を有し、調節壁はタ
ンク１４への注油に際し燃料蒸気が発生した時蒸
気を通す通気孔手段４６を有している。調節壁４
４の開口の直径４４ａは内管２０が調節壁に圧力
ばめされるよう内管の外径２０ａより僅かに小さ
い。かかる関係から調節壁は内管２０がタンクの
方向２８に向け調節壁に差入れ易く反対の方向で
は管を調節壁から引抜くのに余計に力を要するよ
うに内管の外面をつかむ手段４８を具えている。

第６図は第１乃至第３図に示す考案の他の例を
示す。この場合は外管は特殊な設備に要求される
複雑な曲つた形に引抜かれた波型金属管５０であ
る。この形状では波形は二個の管２０と５０の間
に蒸気の戻り路５４を作るリブと窪みを形成す
る。注油器頸部組立体の入口１２とタンク１４に
おける接続は、仮想線５２で示すような外管５０
の波形に適合する波形のニツプルを設けて行なわ
れる。外側の波形管５０が、波形のタンク入口ニ
ツプル５２に適合して嵌合される一方、内管２０
は外管５０の内面に取付けられ、タンク入口の調
節壁に圧力ばめされるエラストマーホース管であ
ることは勿論である。タンク入口ニツプル５２に
外管５０を固定するのは両者が圧力ばめに適する
係合及び／又は内面にスポツト溶接を補足するこ
とで行なわれる。この形状では注油器頸部組立体
の剛さが波形の金属製外管５０によつて高められ
るから該組立体は定置の地上又は地下設備に適す
ることが分る。

第２図の内管２０が特定の複雑な曲つた形状に
作られ、これに関し、モールドされた繊維補強の
エラストマーホース又は成形の金属管からなるこ
とも予期される。何れの場合でも外管３０はその
内面に縦方向のリブと有する非補強押出のエラス
トマーホース管であり、前記リブは、両方の管が
一方が他方の内側に同軸的に取付けられた時、タ
ンクからの燃料蒸気の戻りの窪み通路を形成す
る。リブの頂間で測つた外管の穴径は内管の外径
より僅かに大きく外管を内管の上に滑らせ、内管
の外形に沿い易くしていることは勿論である。こ
の状態でリブは外管の内面に螺線状になつていて
内管に取付けたとき外管を曲げ得るようにしてい
る。

次に第４，５，７図について本考案の他の実施
例が示され、この例では、タンク入口ニツプル４
０と調節壁４４は同じで外管もエラストマー又は
金属形の何れかである。然し乍らこの場合外管６
０は平滑面の内面６２を具えリブと窪みは内管と
外面にリブ５８を担持して内管の形状で作られ
る。外管６０の滑らかな内面６０が両管の間でタ
ンクからの蒸気戻りの窪み路を形成することは勿
論のことである。内管５６は押出加工中適当なダ
イで作られたリブを具えてエラストマー押出品と
して考えられる。更にリブは螺線状でも螺線状で
なくとも良いが、螺線状であるとは内管５６を外
管６０の内面６２に取付け易く、殊に外管が複雑
な曲つた形をしている時にとりわけ取付け易いと
考えられる。タンク入口４０における内管５６の
取付けは管端でリブ５８の一部５８ａの部分を剥
ぎ取り管を調節壁４４内に着座し易くすることの
外は先の構成と同じ方法で行なわれる。リブの数
と間隔は通気されるに要する蒸気の量によつて選
択されることでありこの構成では、リブ５８ｂの
端が調節壁で停止部となつて管５６を燃料タンク
に差込む限度を制限していることが解る。第７図
は、外管が特殊設備用として所望の複雑な曲線形
状に引抜かれた金属であることを除き、第５図の
構成を示す。

数個の代表的具体例と詳細が本考案の説明の為
に示されたが、各種の変化並びに変更が本考案の
真髄又は範囲から逸脱せざる限り行なわれること
が当業技術者において明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は仮想線で示す分配ノズルおよび燃料タ
ンクと共に本考案からなつている注油器頸部組立
体を一部切欠いた状態で図示した立面図、第２図
は第１図の２−２線による矢視断面図、第３図は
同軸配列の管を取付けた場合のタンク入口と調節
壁構成を図示した縦断面図、第４図は本考案の第
二実施例を示す縦断面図、第５図は第４図の５−
５線による矢視断面図、第６図は第２図の例と類
似の断面図で、外管が波形金属構造のものであ
り、第７図は第５図のものと類似の断面図で外管
が複雑な曲面形状に作られた金属管の場合であ
る。 １０……注油器頚部組立体、１２……燃料補給
入口、１４……燃料タンク、１６……分配ノズ
ル、２０……内管、３０……外管、３４……縦状
リブ、３６……窪み通路、４０……入口ニツプ
ル、４４……調節壁、４６……通気孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 燃料補給入口と、蒸気回収手段を有する燃料
   分配ノズルからの給油中、燃料タンクへの燃料
   の入口とともにタンクからの燃料蒸気の回収路
   を用意する入口ニツプルを有する燃料タンクと
   連結して取付けられる装置であつて、 同軸に配置した内外の管を具え、内管は分配
   ノズルを受入れるに足る内径を有する燃料供給
   管であり、またそれら管の少なくとも一本には
   同軸に配設された管の間に複数の谷状の通路を
   形成する長手方向に延びる複数のリブが形成さ
   れ、前記両管は前記燃料補給入口とタンク入口
   ニツプルの内側に接続されており、 かつ、タンク入口ニツプルの内側には、前記
   燃料供給管がタンクの方向には容易に挿入され
   るが反対方向に戻るのは抑制されるような、燃
   料供給管の外径より僅かに小さな開口を有する
   調節壁が取付けられ、該調節壁はその周辺に複
   数の通気孔を有し、燃料蒸気はタンクから２本
   の管の間の谷状の通路へ引き込まれる、注油器
   頸部組立体。 (2) 前記通気孔が調節壁の内側に、給油管が容易
   に調節壁から戻らないように給油管の外部表面
   をとらえる複数の延びた指の形をとるように形
   成される、実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の装置。 (3) 少なくとも一本の管はエラストマー押出材で
   ある実用新案登録請求の範囲第１項記載の装
   置。