JPH0332185Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、相対向姿勢に組立配置されたコンク
リート型枠間に亘つて架け渡し連結されるコンク
リートセパレータの端部を、前記対向コンクリー
ト型枠の設定内面間距離に対応してコンクリート
セパレータの長さを微調整する状態でコンクリー
ト型枠に固定連結する場合に用いられるコンクリ
ートセパレータ連結金具に関する。

〈従来の技術〉 対向姿勢に組立配置されたコンクリート型枠の
対向内面が平行又は略平行な場合は、コンクリー
トセパレータと各型枠内面との交差角が直角又は
略直角であるため、コンクリートセパレータはそ
の中間箇所に介装したターンバツクル等を介して
長さ調整するのみで、各コンクリート型枠内面に
接当固定したコーン部材に両端部を螺合連結する
といつた直線姿勢に架け渡し連結すれば良いが、
擁壁作製のように、両コンクリート型枠の対向内
面が非平行である場合は、型枠内面に対して直角
な直線姿勢での架け渡し連結が行なえず、セパレ
ータ長手方向の何れかの箇所で角度を吸収する必
要があり、従来ではそのための専用金具が無く、
セパレータの一端部とコーン部材に連結した部材
とを或る角度で交差させてその交差箇所を溶接に
て固着する手段が一般に採用されていたのであ
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 然して、上記のような従来手段による場合はセ
パレータ架設が現場作業であること、ならびに一
つの現場で使用されるセパレータの数が非常に多
いことから鑑みて、極めて作業性及び作業能率が
悪く、その上、作業者の熟練度等の個人差によつ
て連結強度や固着角度にばらつきを発生し易く
て、セパレータ本来の型枠支保性能の面において
信頼性を欠く欠点があつた。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案はかかる実情に鑑み、セパレータと型枠
との角度付け連結を極めて容易に、しかも個人差
を発生することなく、確実に行ない得るコンクリ
ートセパレータ連結金具を提供する点に目的を有
し、この目的を達成するために案出された本考案
に係るコンクリートセパレータ連結金具は、コン
クリートセパレータの固定連結部を一端側に有す
る金具本体の他端側に、コンクリート型枠内面に
接当させる状態で該コンクリート型枠に固定取付
け可能なコーン部材に螺合連結自在な連結具を相
対角度変更自在に枢支連結した構造とし、前記金
具本体の構造を、長ナツト状のものとし、かつ、
固定連結部の構造を、丸形セパレータ連結用雌ね
じと断面略Ｕ字形セパレータ連結用ピン孔とを有
するものとし、その反対側の端部に軸芯を通る縦
割り溝状の切欠孔を形成したものとし、前記連結
具の構造を、螺軸状のもので、その一端部が偏平
に加工されているものとし、これら金具本体と連
結具との連結構造をピンによつて挿通連結してあ
るという構成に特徴と有するものである。

〈作用〉 このような特徴構成を有する本考案に係るコン
クリートセパレータ連結金具は、前記連結具をコ
ンクリート型枠に固定したコーン部材に螺合連結
するとともに、前記金具本体の固定連結部に断面
形状が丸形のロツド状セパレータと断面形状が略
Ｕ字形の板金製セパレータという全く形状の異な
つた何れかのコンクリートセパレータの端部を固
定連結することにより、相対向するコンクリート
型枠が非平行である場合の両型枠の交差角を、前
記金具本体と連結具との相対角度変更動作によつ
て吸収してコンクリートセパレータを、両型枠間
に亘つて所期通りの耐引張り姿勢に架し連結する
ことができるものである。

〈実施例〉 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図及び第２図において、２は外形が六角形
で長ナツト状の金具本体であつて、その一端部側
には、断面丸形のロツド状コンクリートセパレー
タ４の端部雄ねじ部４Ａを螺合連結可能な雌ねじ
１Ａと断面略Ｕ形に折曲加工された板金製のコン
クリートセパレータ４′の端部分を金具本体２に
外嵌させた状態でピン５を介して連結可能なピン
孔１Ｂとからなり、両種セパレータ４，４′を選
択的に固定連結可能な固定連結部１が構成されて
いる。３はコンクリート型枠６の内面に接当させ
る状態で、該コンクリート型枠６に固定取付け可
能なコーン部材７にインサートされたねじ部材８
に螺合連結自在な螺軸状の連結具であつて、その
一端部は扁平に加工されており、その扁平加工部
３Ａを、前記金具本体２の前記固定連結部１とは
反対側の端部分に軸芯を通る縦割り溝状に形成し
た切欠孔２Ａ内に挿嵌し、かつピン９を挿通させ
ることにより、前記金具本体２に対し相対角度変
更自在に枢支連結してある。

上記の如き、連結金具Ｃは、第３図で示すよう
に非平行姿勢に対向配置されたコンクリート型枠
６，６間に亘つて、ロツド状又は板金製のコンク
リートセパレータ４又は４′を掛け渡し連結する
際に、少なくとも一方のコンクリート型枠６側に
おいてコーン部材７とセパレータ４又は４の一端
部との中間に介在使用することにより、両型枠
６，６の相対交差角θに相当する角度θ₁を金具本
体２と連結具３との間に現出させてコンクリート
セパレータ４又は４′を所期通りの耐引張状態に
架設するのである。

第４図は別の実施例を示すもので、前記金具本
体２の一端部側に雌ねじ１Ａと同芯状態で円形貫
通孔２Ｂを連通形成するとともに、この貫通孔２
Ｂに接続する状態で切欠孔２Ａを形成して、前記
連結具３の扁平加工部３Ａを、貫通孔２Ｂ及び切
欠孔２Ａ内において回動可能に枢支連結したもの
である。

〈考案の効果〉 以上の説明からも既に明らかなように、本考案
に係る金具は、相対向するコンクリート型枠が非
平行である場合における両型枠の交差角を吸収し
てセパレータを所期通りの耐引張り姿勢に架け渡
し連結する際の専用の金具であつて、一端を断面
形状が丸形のロツド状セパレータと断面形状が略
Ｕ字形の板金製セパレータという全く形状の異な
つた何れかのコンクリートセパレータに固定連結
し、他端をコーン部材に螺合連結するといつた簡
単な人為操作を行なうのみで、自動的に角度吸収
を行ないながら、コンクリートセパレータをコー
ン部材に連結することができるのである。

従つて、溶接の如き面倒でばらつきを生じ易い
作業が不要となり、現場での型枠組付け作業全体
を、未熟練者であつても非常に容易に能率良く行
なうことができ、かつコンクリートセパレータ本
来の型枠支保性能の面でも非常に信頼度の高い組
付けが得れるに至つたのである。

また、本考案にあつては、金具本体と連結具と
を連結ピンを用い、これを挿通させることによつ
てこれらの両部材を固定連結したものであり、か
つ、連結具の偏平加工部を金具本体における軸芯
を通る縦割り溝状の切欠孔に挿入して連結するよ
うにしたものであるから、これら両部材の相対角
度変更が、ぐらつきのない安定した状態で所定の
方向のみで自在にでき、ボルト締め付け等の手数
を必要とせず、締め付け過ぎや締め付け不足とい
つた不安定なものとなることがなく、構造が簡単
で、製造が容易で、なおかつ、大量生産に適し、
均質な製品を安価に得ることができるという実用
上の効果を併せて期待することができるに至つた
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示し、
第１図は一部切欠き斜視図、第２図は縦断側面
図、第３図は使用状態を示す概略側面図、第４図
は別の実施例を示す斜視図である。 １は固定連結部、１Ａは雌ねじ、１Ｂはピン
孔、２は金具本体、３は連結具、４，４′はコン
クリートセパレータ、６はコンクリート型枠、７
はコーン部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリートセパレータの固定連結部１を一端
   側に有する金具本体２の他端側に、コンクリート
   型枠内面に接当させる状態で該コンクリート型枠
   に固定取付け可能なコーン部材に螺合連結自在な
   連結具３を相対角度変更自在に枢支連結してある
   ことを特徴とするコンクリートセパレータ連結金
   具であつて、前記金具本体２の構造を、長ナツト
   状のものにし、かつ、固定連結部１の構造を、丸
   型セパレータ連結用雌ねじ１Ａと断面略Ｕ字形セ
   パレータ連結用ピン孔１Ｂとを有するものとし、
   その反対側の端部に軸芯を通る縦割り溝状の切欠
   孔２Ａを形成したものとし、連結具３の構造を、
   螺軸状のもので、その一端部が偏平に加工されて
   いるものとし、これら金具本体２と連結具３との
   連結構造をピン９によつて挿通連結してある構造
   としてあるコンクリートセパレータ連結金具。