JPH0332085B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、車両用変速機のギアチエンジに用い
られる変速機のシフトフオークに関する。

従来、シフトフオークによりギアチエンジされ
る車両用変速機としては、例えば第１図に示すも
のがある。

第１図はワーナ歯合同軸機構をもつた変速機で
あり、１はメインシヤフト２，３は図示しないカ
ウンタギアが噛合つた変速ギアであり、シンクロ
ハブ４はメインシヤフト１にスプラインで固定さ
れ、シンクロハブ４の外周スプラインにはカツプ
リングスリーブ５が軸方向に摺動自在に噛合わさ
れる。またシンクロハブ４の外周の３か所には
−断面を示した第２図から明らかなように切欠
きが形成され、この切欠きにインサート６が嵌め
入られ、インサート６はスプレツドスプリング７
により径方向に押圧され、カツプリングスリーブ
５の内周中央に形成した溝に押込まれている。ボ
ークリング８，９はその内周コーン面を変速ギア
２，３と一体に形成したクラツチギア１０，１１
の外周コーン面に相対した状態でシンクロハブ４
との間に組み入れられている。

一方、カツプリングスリーブ５に外側には第２
図に示すようにシフトロツド１２に固着したシフ
トフオーク１３が設けられ、シフトフオーク１３
はカツプリングスリーブ５の外形に沿つて開いた
円弧状の二股の先端内側のそれぞれに爪部１４を
形成し、この爪部１４をカツプリングスリーブ５
の外周に形成したフオーク溝１５に嵌め入れてい
る。

このような車両用変速機におけるギア切換え
は、シフト操作に伴うシフトロツド１２の動きで
シフトフオーク１３を例えば変速ギア３側に移動
したとすると、カツプリングスリーブ５はフオー
ク溝１５の右側内側面に対するシフトフオーク１
３の爪部１４の押接で右側に動き、このときイン
サート６もスプレツドスプリング７の押圧でボー
クリング９を押し、ボークリング９の内周コーン
面がクラツチギア１１の外周コーン面に摺接す
る。そして、周知の同期作用によりカツプリング
スリーブ５と変速ギア１３との回転が同じになる
と、カツプリングスリーブ５はインサート６を押
し下げてクラツチギア１１に噛込み、メインシヤ
フト１の回転力を変速ギア３に伝達するようにな
る。

ところで、シフトフオーク１３の移動でギアシ
フトを行なうとき、第３図に示すようにシフトフ
オーク１３はシフトロツド１２に片持ち状態で固
定されているため、シフトロツド１２の移動でカ
ツプリングスリーブ５を右又は左方向に爪部１４
をもつて押圧するとき、極くわずかではあるがカ
ツプリングスリーブ５の軸心線１６に直交した方
向に対し倒れを生ずる。

すなわち、シフトロツド１２を右側に移動した
場合を例にとると、第４図に拡大して示すよう
に、シフトフオーク１３はカツプリングスリーブ
５のフオーク溝１５の右側内則面１５ａの押圧に
よる反力を受けて倒れを起す。

このようにシフトフオーク１５に倒れが起きる
と、フオーク溝１５に嵌め入れられている爪部１
４は後端のＰ点でフオーク溝１５の右側内則面１
５ａに接触し、カツプリングスリーブ５の軸心線
１６を外れた部分でカツプリングスリーブ５を押
圧するようになり、爪部１４の後端の摩耗が早ま
ると共に、カツプリングスリーブ５は軸心線１６
を外れた位置で押されるためにシフトロツドより
の操作力が充分にカツプリングスリーブに伝達さ
れないという不都合があつた。

本発明は、このような従来の問題点に鑑みてな
されたもので、シフトフオークに倒れを生じても
カツプリングスリーブを中心軸線に相対したフオ
ーク溝の内則面にて押圧できるようにした変速機
のシフトフオークを提供することを目的とする。

この目的を達成するため本発明は、シフトフオ
ーク二股部の先端内側に形成した爪部の後端を結
ぶ直線が、この直線に平行してカツプリングスリ
ーブの中心を通る基準線に一致するか又は近傍に
位置するように爪部を形成した構造とし、ギアシ
フト時にシフトフオークに倒れを生じても常にカ
ツプリングスリーブを中心軸線に相対した外周位
置で押圧できるようにしたものである。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第５図は本発明の一実施例を示した説明図であ
る。

まず、構成を説明すると、１８はシフトフオー
クであり、上部ほぼ中央にシフトロツドを挿入し
て固定するための軸穴１９を備えた基部２０を形
成し、この基部２０よりカツプリングスリーブの
外形形状に沿つて両側に開いた半円状の二股部２
１を延設し、二股部２１の両端内側のそれぞれに
カツプリングスリーブの外周に形成されたフオー
ク溝に嵌め入れられる矩形状の爪部２２を一体に
形成している。

このような構造のシフトフオーク１８に対しカ
ツプリングスリーブの中心軸線１６は二股部２１
の内径中心にほぼ一致した位置にあり、二股部２
１の先端に形成した爪部２２の後端２２ａを結ん
だ直線２４と平行にカツプリングスリーブの軸心
線１６を通る基準線２５を想定すると、この基準
線２５に対し爪部２２の後端２２ａを結んだ直線
２４は所定寸法ｌだけ外れた近傍に位置し、直線
２４と基準線２５との間隔ｌとしては、例えばｌ
＝５mm程度となるように爪部２２の後端２２ａが
位置するように二股部２１の先端内側に爪部２２
を形成している。

勿論、爪部２２の後端２２ａの位置を規制する
基準線２５に対する直線２４の間隔ｌは、ｌ＝０
〜５mmの範囲内となる適宜の間隔設定をもつて爪
部２２の後端２２ａの位置決めを行なうようにし
ても良い。

次に本発明の作用を説明すると、軸穴１９をも
つて基部２０を固定したシフトロツドの移動によ
り第６図に取り出して示すようにシフトフオーク
１８が倒れたとすると、カツプリングスリーブ５
の軸心線１６に対しシフトフオーク１８の爪部２
２は後端２２ａで定まるＰ点をもつてフオーク溝
１５の例えば右側内側面１５ａに摺接し、カツプ
リングスリーブ５の軸心線１６に相対した内側面
１５ａを押圧するようになり、この爪部２２によ
るカツプリングスリーブ５の軸心線１６の近傍と
なる位置の押圧によりシフトロツドによる操作力
をシフトフオーク１８に倒れがおきても効率良く
カツプリングスリーブ５に伝達することが出来、
変速ギアとの噛合い同期作用を円滑に行うことが
出来る。

又、シフトフオーク１８の構造としては爪部２
２の形成について後端２２ａをカツプリングスリ
ーブの軸心線１６に相対したフオーク溝１５の近
傍に位置するよう形成するだけで済み、爪部２２
として特殊な形状を施すものでないことからシフ
トフオーク１８の製造加工は従来のシフトフオー
クと同等に実現することが出来る。

以上、説明してきたように本発明によれば、シ
フトフオーク二股部両端の内側に形成した爪部の
後端を、爪部を結ぶ直線がこの直線に平行してカ
ツプリングスリーブの中心を通る基準線に一致す
るか又は近傍に位置するように爪部を形成するよ
うにしたため、シフトロツドによるシフトフオー
クの移動でシフトフオークに倒れを生じてもカツ
プリングスリーブの中心線に相対した両側に位置
するフオーク溝の内側面を押圧することが出来、
シフト操作によるカツプリングスリーブの軸方向
の動きを滑らかにして操作性を向上することが出
来るという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用変速機の一例を示した断
面図、第２図は第１図の−断面をシフトフオ
ークと共に示した断面説明図、第３図はカツプリ
ングスリーブに対する従来のシフトフオークの組
み付け状態を示した説明図、第４図はカツプリン
グスリーブのフオーク溝に対する従来のシフトフ
オークの押圧状態を示した説明図、第５図は本発
明の一実施例を示した説明図、第６図は本発明の
シフトフオークによるカツプリングスリーブの押
圧状態を示した説明図である。 １：メインシヤフト、２，３：変速ギア、４：
シンクロハブ、５：カツプリングスリーブ、６：
インサート、７：スプレツドスプリング、８，
９：ボークリング、１０，１１：クラツチギア、
１２：シフトロツド、１３，１８：シフトフオー
ク、１４，２２：爪部、１５：フオーク溝、１
６：軸心線、１９：軸穴、２０：基部、２１：二
股部、２２ａ：後端、２４：直線、２５：基準
線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シフト操作を受けるシフトロツドに固着さ
   れ、変速機のカツプリングスリーブ外周に向つて
   延設した二股部両端に形成した爪部をカツプリン
   グスリーブの外周溝内側面に係合し、該爪部を変
   速歯車側に選択的に移動させる変速機のシフトフ
   オークにおいて、 前記二股部両端に形成した爪部後端を結ぶ直線
   が該直線に平行してカツプリングスリーブ中心を
   通る基準線に一致するか又は近傍に位置するよう
   に前記爪部を形成したことを特徴とする変速機の
   シフトフオーク。