JPH0331648Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動車等に設置されるオイル等のリ
ザーバに関するものである。

〈従来の技術〉 自動車に設置されるこの種のリザーバは、オイ
ル等を収容するリザーバ本体と、この本体上部に
固設された上蓋と、この上蓋のキヤツプ装着穴に
装着されるキヤツプとからなつている。

このキヤツプは第５図で示すように、キヤツプ
１の前記キヤツプ装着穴への対接面にシールパツ
キン２が取付けられ、キヤツプ装着穴に径方向に
形成された通し溝を通つてキヤツプ装着穴に形成
されている止め金係止部に係止する止め金３がス
プリング４により前記シールパツキン２に圧接し
た状態で設けられている。そして、リザーバ本体
内のブリーザとして、キヤツプ１にリザーバ本体
内と通じるエア抜き穴６と、このエア抜き穴６と
大気とを連通するエア抜き溝５が設けられた構造
である。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記従来のリザーバにおいては、シールパツキ
ン２を止め金３によつてキヤツプ１に圧着されて
いるため、シールパツキン２が熱老化あるいは変
形してシール機能を失つた場合にシールパツキン
２のみを交換することができず、キヤツプ１全体
を新品のものと交換する必要があり不経済であつ
た。

また、エア抜き穴６は常に開口されているた
め、キヤツプ１を取り外して地面等に置いたとき
にエア抜き回路にゴミ等の異物が進入して通気を
不能とする虞れがある。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の問題点を解決するため
に、リザーバ本体若しくはこれと一体をなす上蓋
に、キヤツプ装着穴と、このキヤツプ装着穴の径
方向に形成された通し溝と、前記キヤツプ装着穴
の下方に屈曲して設けられたカム形状の止め金係
止部を形成し、前記キヤツプ装着穴に装着される
キヤツプに、前記通し溝に挿入されて前記止め金
係止部に係合する止め金と、前記キヤツプ装着穴
の対接面に着脱可能に嵌着されたシールパツキン
と、リザーバ内を大気と連通させるエア抜き穴を
設け、前記止め金は前記エア抜き穴が開閉する位
置で上下方向に移動可能に、かつスプリングによ
り前記エア抜き穴を閉止する方向に押圧して設け
られ、前記キヤツプが前記キヤツプ装着穴に装着
した状態では前記止め金係止部の押圧により前記
止め金を下降させて前記エア抜き穴を開口するよ
うにしたものである。

〈作用〉 本考案は、シールパツキンの交換は自由に行う
ことができると共に、キヤツプをリザーバ本体に
装着した状態では止め金係止部によつて止め金が
押し下げられ、エア抜き穴を開口してブリーザ作
用を行い、キヤツプを取外した状態では止め金に
よつてエア抜き穴を自動的に閉止し、ゴミなどの
進入を阻止するものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を第１図乃至第４図に基づ
いて説明する。１０はオイル等を収容するリザー
バ本体で、このリザーバ本体１０の上部には上蓋
１１がシール部材１２を介して折曲接合されてい
る。この上蓋１１の上部には、キヤツプ１５を装
着するキヤツプ装着穴１４が形成され、このキヤ
ツプ装着穴１４にはキヤツプ１５に設けられてい
る止め金１９を通すための通し溝１６が径方向に
形成されていると共に、第２図に示すように止め
金１９を係合してキヤツプ１５を固定的に保持す
るためのカム状の止め金係止部２６が形成されて
いる。また、上蓋１１には皿形のスプラツシユカ
バー２５が固設され、このスプラツシユカバー２
５の中央部にキヤツプ装着穴１４よりも小径の穴
２７が設けられている。

キヤツプ１５には、前記キヤツプ装着穴１４へ
の対接面にシールパツキン１７が着脱可能に嵌着
されている。このシールパツキン１７の嵌着は、
キヤツプ１５の突出した円筒部１８の外径に緊着
嵌合させたものである。

さらに、キヤツプ１５に設けられる止め金１９
は、前記シールパツキン１７の嵌着部位より下方
に離間した位置にスプリング２０によつてシール
パツキン１７側に押圧力を付与して設けられてい
る。

また、前記円筒部１８には、前記止め金１９に
て開閉されるエア抜き穴２２が開設されている。
そして、このエア抜き穴２２は、キヤツプ１５の
内面に突出した円筒部１８内に形成されているエ
アポケツト２３及びエア抜き溝２１を介して大気
と連通している。尚、２４は前記円筒部１８より
延在されているレベルゲージを示す。

本考案は上記の通りの構造であるから、第１図
で示すように、キヤツプ１５をリザーバ本体１０
のキヤツプ装着穴１４に装着した状態では、シー
ルパツキン１７がキヤツプ装着穴１４に対接し、
止め金１９は止め金係止部２６に係止され、止め
金係止部２６のカム作用によつてシールパツキン
１７をキヤツプ装着穴１４に圧接密閉する。この
とき、止め金１９は止め金係止部２６のカム作用
でスプリング２０の押圧力に抗して下方に変位
し、エア抜き穴２２を開口してリザーバ本体１０
内を大気と連通させブリーザ作用を保持する。こ
のエア抜き穴２２より入るミスト状のオイルはエ
アポケツト２３内でオイルと空気との分離作用を
行い、空気のみがエア抜き溝２１を介して外部と
呼吸作用をし、エアポケツト２３内に残つたオイ
ルはエア抜き穴２２からリザーバ本体１０に戻
る。

オイル補給、点検等のためにキヤツプ１５をキ
ヤツプ装着穴１４より取り外すと、止め金１９は
スプリング２０の押圧力によつて押し上げられ、
エア抜き穴２２を止め金１９にて閉止する。これ
により、エア抜き穴２２へのゴミ等の異物の進入
を防止すると共に、エアポケツト２３内に残溜す
るオイルの漏洩を阻止する。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、キヤツプに嵌着
されたシールパツキンは止め金との隙間より容易
に着脱することができるため、シールパツキンが
熱老化あるいは変形してシール機能を失つた場合
に、シールパツキンのみの交換による経済性を有
する。また、キヤツプをキヤツプ装着穴に装着し
た状態では、キヤツプ装着穴の下方に屈曲して設
けられたカム形状の止め金係止部が止め金を押圧
することにより、スプリングの弾性力に抗して下
降されて、エア抜き穴は開口状態にありリザーバ
本体内のブリーザを確保し、キヤツプを取外した
ときには、止め金係止部による押圧がなくなるた
め、スプリングの弾性力によりエア抜き穴は自動
的に閉止されて、エア抜き穴へのゴミ、異物等の
侵入を確実に防止し、エア抜き回路を保全すると
共に、エア抜き回路に残溜したオイルの漏洩を阻
止し、キヤツプを置いた場所の周辺や衣服等をオ
イルで汚すような不具合が解消される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部断面図、第２図はリザー
バ本体の要部断面図、第３図はリザーバ本体の平
面図、第４図はキヤツプの下面図、第５図は従来
のキヤツプの要部断面図である。 １０……リザーバ本体、１１……上蓋、１４…
…キヤツプ嵌着穴、１５……キヤツプ、１６……
通し溝、１７……シールパツキン、１９……止め
金、２０……スプリング、２２……エア抜き穴、
２６……止め金係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リザーバ本体若しくはこれと一体となす上蓋
   に、キヤツプ装着穴と、このキヤツプ装着穴の径
   方向に形成された通し溝と、前記キヤツプ装着穴
   の下方に屈曲して設けられたカム形状の止め金係
   止部を形成し、前記キヤツプ装着穴に装着される
   キヤツプに、前記通し溝に挿入されて前記止め金
   係止部に係合する止め金と、前記キヤツプ装着穴
   の対接面に着脱可能に嵌着されたシールパツキン
   と、リザーバ内を大気と連通させるエア抜き穴を
   設け、前記止め金は前記エア抜き穴が開閉する位
   置で上下方向に移動可能で、かつスプリングによ
   り前記エア抜き穴を閉止する方向に押圧して設け
   られ、前記キヤツプが前記キヤツプ装着穴に装着
   した状態では前記止め金係止部の押圧により前記
   止め金を下降させて前記エア抜き穴を開口するよ
   うにしたことを特徴とするリザーバ。