JPH0331637Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は、樹脂バンパへのボルトの取付構造に
関し、特に、ブロー成形バンパに金属製のボルト
（インサート部品）を取付けるのに用いて最適な
取付構造に関する。

ｂ 従来の技術 一般に、ブロー成形バンパの如き樹脂バンパに
は、金属製のボルトをブロー成形時に一体的に取
付け、このボルトを利用して樹脂バンパを車体に
取付けるようにしている。

ｃ 考案が解決しようとする課題 しかし、ブロー成形時においては、樹脂バンパ
と金属製ボルトとは互いに異なる材質であるため
密着性が悪く、従つてこのボルトを充分な保持力
にて保持することができないという問題点があつ
た。また、ボルトの形状が複雑な場合には、ボル
トへのバンパ成形用樹脂のまわりが悪いという問
題点もあつた。

なお、このような問題点を解決するための一方
法として、ボルトを前もつてインジエクシヨン
（射出成形）にて包み込んでおくことが考えられ
るが、この場合には、工数が増加して高価になる
という不都合がある。

本考案は、このような実状に鑑みてなされたも
のであつて、簡単な作業によつてボルトを樹脂バ
ンパに充分な保持力にて取付けることができるよ
うな取付構造を提供することを目的とする。

ｄ 課題を解決するための手段 上述の問題点を解決するために、本考案におい
ては、外周縁に斜めの面取り面を有しかつ中心か
ら偏倚した箇所にボルト頭収納用凹部及びボルト
挿通孔を有する樹脂製取付部材にボルトを組付
け、前記取付部材及びボルトの一部にバンパ成形
用樹脂を密着させることによつて、前記ボルトを
樹脂バンパに一体的に取付けるようにしている。

ｅ 実施例 以下、本考案の一実施例に付き図面を参照して
説明する。

第１図及び第２図は本考案の第１実施例を示す
ものであつて、１つの取付部材１を用いて１つの
金属製ボルト２をインサート部品としてブロー成
形バンパ３に取付ける場合を示している。上述の
取付部材１はバンパ成形用樹脂と同種又はこれと
類似の樹脂から構成された一体成形品であり、そ
の外周面１ａは円筒面に成形されている。そし
て、この取付部材１には、その中心から偏倚した
位置に四角形のボルト頭収納部５ａ及びボルト挿
通孔５ｂが形成されている。また、第２図に明示
するように、取付部材１のボルト頭収納部５ａ側
の周縁部６は外周面１ａから突出されてブロー成
形後の抜け止め防止用の段部７が設けられると共
に、この周縁部６には斜めに形成された面取り部
６ａが形成されている。

しかして、金属製ボルト２は上述の樹脂製取付
部材１に第３図に示す如く組付けらた状態の下
で、ブロー成形時にブロー成形バンパ３に一体的
に取付けられるようになつている。すなわち、取
付部材１の挿通孔５ｂ内にボルト２のねじ部２ａ
が挿通されて収納部５ａ内に四角形のボルト頭２
ｂが収納され、前記ねじ部２ａの先端部分が取付
部材１の裏面１ｂから突設配置される。そして、
ブロー成形バンパ３の成形に際しては、この組付
態状のまま、バンパ成形用樹脂８を取付部材１の
ボルト頭収納部５ａ側から吹付ける。これに伴
い、バンパ成形用樹脂８が第２図に示すように取
付部材１の周縁部６、凹部４及びボルト頭２ｂに
密着し、ボルト２がブロー成形バンパ３に一体的
に取付けられる。

この際、取付部材１はバンパ成形用樹脂８と同
種又はこれと類似の樹脂から構成されているの
で、密着性が良く、しかも、斜めの面取り面６ａ
の存在によつて樹脂８の流れが良いため、樹脂８
が取付部材１の外周面１ａに充分に回り込むこと
となる。その結果、取付部材１ひいてはボルト２
が充分な保持力にてブロー成形バンパ３に取付け
られると共に、段部７への樹脂８の回り込みによ
り取付部材１の抜け止めがなされる。

なお、ボルト２の回り止め対策としては、多角
形（例えば四角形）のインサート部品組付体を利
用すればよいが、この場合には、ブロー成形時に
ボルト頭のコーナー部における樹脂のまわりが悪
いため、コーナー部付近のバンパ部分に穴があい
てしまう等の不都合を来すおそれがある。

これに対し、本例によれば、取付部材１の外周
面１ａが円筒形状であるため、ブロー成形時に前
記外周面１ａへの樹脂まわりがよく充分に密着す
る。

また、ボルト２の取付部材１への取付位置が中
心から偏位しているため、バンパ３を車体に取付
ける際にボルト２に可成り大きな回転トルクが作
用しても、回転することなく充分に耐えられる。
このような作用効果は、取付部材１の板厚を薄く
しても充分に発揮されるので、取付部材１の薄型
化によりコストダウンを図ることができる。その
上、取付部材１が円柱型であるため、ブロー成形
時にその取付方向を特に定める必要がなく、作業
が容易である。

かくして、上述の如き取付部材１及びボルト２
の組合体はブロー成形バンド３の適宜個所に複数
個取付けられ、このバンパ３から突設されたボル
ト２のねじ部２ｂに図外のナツトを螺合させるこ
とによつて、バンパ３が図外の車体に締付け固定
される。

なお、ボルト頭２ｂ及び収納部５ａぁ四角形で
なく、五角形、六角形等の多角形であつてもよ
い、また、本例はブロー成形の場合を考えている
が、インジエクシヨンの場合には、ボルト頭及び
ねじ部が偏心したボルトを作ればよく、また、ボ
ルトを前もつて偏心位置にインサートしておいて
もよい。

ｆ 考案の効果 以上の如く本考案は、外周縁に斜めの面取り面
を有しかつ中心から偏倚した箇所にボルト頭収納
用凹部及びボルト挿通孔を有する樹脂製の取付部
材にボルトを組付けてこれらの部材の一部にバン
パ成形用樹脂を密着させるようにしたので、極め
て簡単な作業にてボルトをバンパに強固に取付け
ることができる。すなわち、樹脂製の取付部材と
バンパ成形用樹脂とは同種の材質で互いに密着性
が良い上に、取付部材の周縁部には斜めの面取り
面が形成されているので、取付部材対するバンパ
成形用樹脂の流れが良くて取付部材の周囲に充分
に回り得るため、ボルト樹脂バンパに充分な保持
力をもつて強固に取付けることができる。従つ
て、ボルトに大きな引抜力が作用してもこれに耐
えることができる。

さらに、ボルト位置が取付部材の中心から偏倚
（オフセツト）されているので、バンパ取付けに
際してボルトに大きい回転トルクが作用しても、
これに充分耐えることができ、機械的性質の向上
を図ることができる。

また、ボルトを射出成形体（インジエクシヨ
ン）にて前もつて包み込んでバンパに取付ける場
合に比べて、安価な取付構造とすることが可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例に示すもの
であつて、第１図は取付部材及びボルトの分解斜
視図、第２図は取付部材の平面図、第３図はバン
パへのボルトの取付状態を示すものであつて第２
図におけるＡ−Ａ線断面図である。 １……樹脂製の取付部材、２……インサート部
品である金属製ボルト、３……ブロー成形バン
パ、４……凹部、５ａ……ボルト頭収納部、５ｂ
……ボルト挿通孔、６……周縁部、６ａ……斜め
の面取り面、７……段部、８……バンパ成形用樹
脂。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周縁に斜めの面取り面を有しかつ中心から偏
   倚した箇所にボルト頭収納用凹部及びボルト挿通
   孔を有する樹脂製取付部材にボルトを組付け、前
   記取付部材及びボルトの一部にバンパ成形用樹脂
   を密着させることによつて、前記ボルトを樹脂バ
   ンパに一体的に取付けるようにしたことを特徴と
   する樹脂バンパへのボルトの取付構造。