JPH03315Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、溶接スラグの除去装置に関するも
のであり、一層詳細には、Ｔ形継手の溶接部など
においてスラグを除去する際にその作業を自走し
ながら行うことのできるスラグ除去装置に関する
ものであるものである。

〔従来技術とその問題点〕

従来より、溶接ビードの表面に付着するガラス
繊維状のスラグを除去する手段としては、作業員
が圧縮空気を駆動源とするジエツトタガネを操作
して除去する方法が広範に採用されている。

しかるに、このジエツトタガネは、スラグ除去
作業時に発生する振動のため作業員の疲労が激し
く長時間あるいは連続的に行うのは困難であるば
かりでなく、除去部位が、例えば、フランジ部材
上にリブ部材をＴ形両面継手で溶着した場合等に
おいては除去作業が一層繁雑となり作業能率も大
幅に低下する等の問題点を有していた。

〔問題点の解決手段〕

そこで、この考案では、前述の問題点を克服す
るために、長尺基台の下側面に走行ローラを配設
し、この走行ローラの両側部に垂直方向に移動自
在な取付部材を設けて各取付部材にジエツトタガ
ネを取着し、さらにこれらのジエツトタガネの打
撃軸線を走行ローラの走行方向に対して所定角度
偏倚させ、前記各ジエツトタガネの溶接部に対す
る打撃反撥力を走行ローラの自走駆動源として構
成することによりスラグ除去作業の省力化と能率
化を図ろうとするものである。

この場合、長尺基台の下側面に、水平方向の離
間距離を調整し得る一対の走行ローラを配設し、
これらの各走行ローラの両側部に前記と同様に取
付部材を介してジエツトタガネを取着するのが好
ましい。

〔作用〕 この考案に係る溶接スラグ除去装置では、圧縮
空気でジエツトタガネを作動させ、このジエツト
タガネの溶接部（スラグ）に対する打撃反撥力を
走行ローラの駆動源として利用することによりを
自走させてスラグの除去を自動的に行うものであ
る。

〔実施例〕

次に、本考案に係る溶接スラグ除去装置の好適
な実施例につき添付図面を参照しながら以下詳細
に説明する。

添付図面において、本考案に係る溶接スラグ除
去装置１０は、箱形に形成した長尺基台１２の下
側面に、長手方向に沿つて延在する長孔（図示せ
ず）を開設してこの長孔に幅方向調節ねじ１４，
１４を介して一対のローラ支持部材１６，１６を
設け、これらの支持部材１６，１６に走行ローラ
１８，１８を回転自在に軸支すると共に各支持部
材１６の両側部にタガネ取付部材２０，２０を取
着する。なお、この場合、各取付部材２０には垂
直方向に延在する長孔（図示せず）を夫々開設し
てこの長孔に支持部材１６に設けた調節ねじ２２
を装着することにより該取付部材２０を垂直方向
に調整し得るように構成する。

一方、各取付部材２０には適宜の手段によりジ
エツトタガネ２４を取着して、このジエツトタガ
ネ２４の打撃軸線Ａが第１図に示すように水平面
に対して45度でかつ第２図に示すように自走方向
（矢印で示す）に対して80度の角度をなすように
設定する。なお、添付図面において参照符号２６
はジエツトタガネ２４と、このジエツトタガネの
駆動源としての圧縮空気供給機構（図示せず）と
を連結するエアホースである。

このように構成される本考案に係る溶接スラグ
除去装置を使用するに際しては、フランジ３０上
にすみ肉両面溶接で取着されたリブ３２，３２の
離間距離に合わせて調節ねじ１４，１４で走行ロ
ーラ１８，１８の離間距離を調整した後、この走
行ローラ１８，１８を前記リブ３２，３２上に載
置する。次いで、各支持部材１６の調節ねじ２２
を操作してジエツトタガネ２４の先端部をすみ肉
溶接部表面に臨ませ、ジエツトタガネ２４に圧縮
空気供給機構からエアホース２６を介して圧縮空
気を供給するとその打撃振動によりスラグの除去
が行われるのであるが、この際、ジエツトタガネ
２４の打撃軸線Ａを所定角度、すなわち、走行方
向に対して80度偏倚させてあるので打撃反撥力の
分力が第２図において上方に作用し、その結果、
除去装置１０は、リブ３２，３２に沿つて自走し
ながらスラグの除去を行うことになる。

〔効果〕

先に述べたように、本考案に係る溶接スラグ除
去装置によれば、圧縮空気によりジエツトタガネ
を作動させるだけでスラグの除去を行うことがで
き、しかもこのジエツトタガネの打撃反撥力を走
行ローラの駆動源として利用するので構造が簡単
であり、自走させて連続的に作業を行えるので省
力化および作業能率の向上を図ることができる等
の利点を有し、その実用的効果は極めて大きい。

以上、本考案に係る溶接スラグ除去装置の好適
な実施例につき説明したが、本考案はこの実施例
に限定されるものではなく、例えば、自走方向に
沿つて複数の走行ローラを配設して走行安定性を
向上させたり、あるいは、走行ローラの外側にガ
イドローラを有する支持部材を配設すると共に各
走行ローラに付設したジエツトタガネを選択的に
作動し得るように構成して単一あるいは複数の溶
接部のスラグ除去用として適宜使用し得るように
する等本考案の精神を逸脱しない範囲内において
種々の改変をなし得ることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスラグ除去装置の好適な
実施例をフランジ部材のリブ上に設置した状態の
正面概略図、第２図は第１図の平面概略説明図で
ある。 １０……溶接スラグ除去装置、１２…長尺基
台、１４……幅方向調節ねじ、１６……ローラ支
持部材、１８……走行ローラ、２０……タガネ取
付部材、２２……調節ねじ、２４……ジエツトタ
ガネ、２６……エアホース、３０……フランジ部
材、３２……リブ部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 長尺基台の下側面に走行ローラを配設し、こ
   の走行ローラの両側部に垂直方向に移動自在な
   取付部材を設けて各取付部材にジエツトタガネ
   を取着し、さらにこれらのジエツトタガネの打
   撃軸線を走行ローラの走行方向に対して所定角
   度偏倚させ、前記各ジエツトタガネの溶接部に
   対する打撃反撥力を走行ローラの自走駆動源と
   して構成することを特徴とする溶接スラグ除去
   装置。 (2) 長尺基台の下側面に水平方向の離間距離を調
   整し得る一対の走行ローラを配設し、これらの
   各走行ローラの両側部に取付部材を介してジエ
   ツトタガネを取着することからなる実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の溶接スラグ除去装
   置。