JPH033152Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、機体前部の刈取り搬送部で刈取つた
穀稈を、脱穀シリンダで脱穀処理する普通型コン
バインにおける脱穀装置に係るものである。

従来の技術 機体の前部に穀稈の刈取り搬送部を設け、その
後方に脱穀部および選別部を設けてなる普通型コ
ンバインは、特開昭57−138316号公報に記載され
ているように、種々のものが知られている。ま
た、普通型コンバインにおいて、脱穀シリンダの
穀稈供給口と刈取り搬送部との接続部にビータを
設けたものも、同公報に記載されている。

考案が解決しようとする問題点 ところで、従来、普通型コンバインにおいて、
脱穀シリンダの穀稈供給口にビータを設けたもの
では、脱穀シリンダが円筒形であるのに対してビ
ータの掻込み羽根は長方形であるので、脱穀シリ
ンダに対するビータの有効作用幅が小さく、穀稈
の掻込み効率が低い欠点があつた。また、脱穀シ
リンダが軸流型のものでは、その周辺部で穀稈が
取込まれるので、ビータから脱穀シリンダへの穀
稈の継送が円滑に行われない欠点があつた。

そこで、本考案は、かかる従来のものの欠点に
鑑み、ビータの掻込み羽根の有効作用幅を大きく
して脱穀シリンダの穀稈供給口への穀稈の掻込み
効率を向上させ、しかも、脱穀シリンダが軸流型
であつても、穀稈の継送が円滑に行われる普通型
コンバインにおける脱穀装置を提供することを目
的とするものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、その目的を達成するための技術的手
段を次のように構成した。すなわち、本考案に係
る普通型コンバインにおける脱穀装置は、機体の
前部に穀稈の刈取り搬送部を設け、その後方に脱
穀部および選別部を設けてなる普通型コンバイン
において、脱穀シリンダの穀稈供給口と刈取り搬
送部のコンベヤとの接続部に、脱穀供給口横幅に
対応し、かつ両端部より中央部の張出し幅を大き
くした掻込み羽根を有するビータを設け、ビータ
筒の底面をビータの上記形状に沿う凹曲形状に形
成したことを特徴とするものである。

作 用 機体の前進に伴つて刈取り搬送部で刈取られた
穀稈は、そのコンベヤによつて後方へ搬送され、
ビータによつて脱穀シリンダの穀稈供給口に掻込
まれ、脱穀シリンダに取込まれて脱穀処理され
る。ビータはその掻込み羽根が両端部より中央部
の張出し幅が大きくなるように形成されており、
かつビータ筒もその形状に沿つているので、脱穀
シリンダの穀稈供給口には、穀稈が中央部から確
実に掻込まれる。しかも、ビータの掻込み羽根は
その形状によつて有効作用幅が増大するので、脱
穀シリンダの穀稈供給口に穀稈が効率よく取込ま
れる。また、コンベヤで搬送され、かつビータで
掻込まれる穀稈は、中央部に集中するので、脱穀
シリンダに対して穀稈が確実かつ円滑に供給され
る。このため、脱穀シリンダに対する穀稈供給に
滞りが生ぜず、常に安定的に高性能の脱穀が行わ
れる。

実施例 本考案の一実施例を図面について説明する。

図面において、１は穀稈の刈取り搬送部、２は
脱穀部、３は選別部であつて、刈取り搬送部１は
機体前部に、脱穀部２は刈取り搬送部１の後方
に、さらに選別部３は脱穀部２の下方に設けられ
ている。

上記刈取り搬送部１は、分草体４、刈刃５、脱
穀掻込みリール６、ピツクアツプリール７、穀稈
のコンベヤ８等を備えて構成されている。脱穀部
２は、脱穀シリンダ９を備えたものであつて、そ
のシリンダ室１０の穀稈供給口１１は、コンベヤ
８の終端にビータ１２を介して接続されている。
脱穀シリンダ９は、穀稈供給口１１側の始端部が
軸流螺旋体１３となつており、その後方部分が脱
穀処理部１４となつている、１５は排稈排出口で
ある。上記ビータ１２は複数の掻込み羽根１６を
有するものであり、その掻込み羽根１６は、両端
から中央にかけて順次張出し幅が大きく形成され
ている。そして、ビータ１２のビータ筒１７はそ
の底面が掻込み羽根１６の回転軌跡に沿う凹曲形
状に形成されている。１８は選別部３の回転選別
筒、１９は揺動選別体、２０は穀粒搬出コンベヤ
である。

叙上の如く構成されたものにおいて、機体の前
進に伴つて刈取り搬送部１で刈取られた穀稈は、
そのコンベヤ８で搬送され、ビータ１２によつて
掻込まれて穀稈供給口１１に供給される。そし
て、その穀稈は脱穀シリンダ９の軸流螺旋体１３
に取込まれ、脱穀処理される。ところで、ビータ
１２の掻込み羽根１６はその中央部が両端部より
大きく張出しているので、中央部の周速が両端部
より大きい。このため、ビータ１２による穀稈の
掻込み作用は両端部より中央部が強く、穀稈は中
央方向に集中する作用を受けながら穀稈供給口１
１に供給され、脱穀シリンダ９の始端部で軸流螺
旋体１３による穀稈の取込みが円滑に行われる。

考案の効果 本考案は、前記の如き技術的手段を有し、かつ
作用するものであるから、ビータの掻込み羽根の
有効作用幅を大きくして脱穀シリンダの穀稈供給
口への穀稈の掻込み効率を向上させることがで
き、脱穀シリンダが軸流型であつても、脱穀シリ
ンダに対する穀稈供給に滞りが生ぜず、常に安定
的に高性能の脱穀を行うことができる等、きわめ
て有用な実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る普通型コンバインにおける
脱穀装置の一実施例を示すものであつて、第１図
は普通型コンバイン全体の縦断側面図、第２図は
要部の縦断側面図、第３図は第２図におけるＡ−
Ａ線断面図である。 １……刈取り搬送部、２……脱穀部、３……選
別部、８……コンベヤ、９……脱穀シリンダ、１
１……穀稈供給口、１２……ビータ、１３……軸
流螺旋体、１６……掻込み羽根、１７……ビータ
筒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 機体の前部に穀稈の刈取り搬送部を設け、そ
   の後方に脱穀部および選別部を設けてなる普通
   型コンバインにおいて、脱穀シリンダの穀稈供
   給口と刈取り搬送部のコンベヤとの接続部に、
   脱穀シリンダの穀稈供給口横幅に対応し、かつ
   両端部より中央部の張出し幅を大きくした掻込
   み羽根を有するビータを設け、ビータ筒の底面
   をビータの上記形状に沿う凹曲形状に形成した
   ことを特徴とする普通型コンバインにおける脱
   穀装置。 (2) 脱穀シリンダは、穀稈供給口側始端部に軸流
   螺旋体を形成したものであることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の普通型コ
   ンバインにおける脱穀装置。