JPH0331330B2 - - Google Patents

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JPH0331330B2
JPH0331330B2 JP12713285A JP12713285A JPH0331330B2 JP H0331330 B2 JPH0331330 B2 JP H0331330B2 JP 12713285 A JP12713285 A JP 12713285A JP 12713285 A JP12713285 A JP 12713285A JP H0331330 B2 JPH0331330 B2 JP H0331330B2
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JP
Japan
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film
stretching
rolling
temperature
polyoxymethylene
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JP12713285A
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Kenji Takasa
Satoshi Iijima
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、ポリオキシメチレン重合体フイル
ム、特に高度に配向結晶化した高剛性を有する2
軸配向ポリオキシメチレン重合体フイルムの製造
方法に関する。 [従来の技術] 近年、エレクトロニクス機器の年々高まる高密
度化、小型化等に伴い、例えばビデオテープ、オ
ーデイオテープ、フロツピーデイスク等の磁気記
録用媒体用フイルムとして使用されるフイルム等
において、その極限的薄肉化の要求が強くなつて
来ている。この要求を満たすためには、優れた剛
性を有する高性能フイルムの開発が不可欠とな
る。本発明はかかる要求を満たすフイルムとして
ポリオキシメチレン重合体フイルムに着目したも
のであり、高剛性を有する2軸配向ポリオキシメ
チレン重合体フイルムの製造方法を提供するもの
である。 通常の未延伸ポリオキシメチレンフイルムは、
一般に溶融加圧又は溶融押出した後急冷すること
により形成されるが、これらの方法で得られたフ
イルムは不透明あるいは半透明である上に、機械
的特性も劣る。そこでこのフイルムを2軸延伸す
ることにより、これらの特性を改善しようとする
試みがなされた。本発明者らは、先にポリオキシ
メチレンフイルムを高度に2軸延伸することによ
り、ポリオキシメチレンが高度に配向結晶化した
高剛性2軸配向ポリオキシメチレン重合体フイル
ムを見い出し出願するに至つた。ポリオキシメチ
レンフイルムを従来の延伸技術で2軸延伸する
と、結晶構造中に存在する球晶のために、延伸が
不均一なネツキング延伸になり、あるいは所望の
延伸倍率に達する以前に破断が起こる場合もあ
り、均一な延伸フイルムを得るためには延伸温度
等で極めて精密なコントロールが要求され、これ
がこのフイルムの工業化への大きな障壁になつて
いた。 そこで、延伸に先立ち、この延伸により容易に
せしめる手法が研究された。例えば特公昭40−
21994号には、球晶の存在のために半透明乃至不
透明の結晶化したポリオキシメチレンフイルム
を、フイルムが実質的に透明となり、可視光線顕
微鏡によつてほとんど球晶が検出されなくなるま
で、120℃以下のロール温度で圧延し、而る後、
120〜180℃の温度で延伸するポリオキシメチレン
フイルムの製造方法が開示されている。この方法
は、延伸に先立ち、フイルムを圧延することによ
つて、透明性を改良するとともにその後の延伸を
容易たらしめたというところに特徴を有する。即
ち圧延により球晶を破壊、あるいは大きく変形さ
せることにより、延伸を容易にしようとするもの
であつた。 [発明が解決しようとする問題点] フイルムに圧延を施すと圧延方向とこれに直角
な方向では、結晶の配向状態及び変形状態が全く
異つており、各々の軸方向に対する延伸挙動も全
く異つてくる。特に本発明の如く2軸方向へ高度
な延伸を必要とする2軸配向フイルムの場合、こ
の異方性が大きな障害であつた。この異方性をな
くすために、例えば圧延を2軸方向即ちフイルム
の長手方向及びこれに直交する幅方向へも施す等
の手法が考えられる。しかしながら、2軸圧延の
技術は金属の圧延では一部工業的にも行なわれて
いるが、本発明の如くポリマーの分野では未だ技
術が確立されておらず、工業化プロセスへの適用
は極めて難しい。 更に前記公知技術には、圧延した後のフイルム
の延伸方法、特に2軸延伸方法については詳しい
説明がなされていない。特に本発明のフイルムの
如く高結晶性ポリマーの2軸延伸に際しては、延
伸によりその結晶状態が大きく変化するために、
その方法についてはより詳細な解析とより高度な
技術を必要とする。 例えば、縦方向と横方向の延伸を同時に行う同
時2軸延伸法と各々別々に行う逐次2軸延伸法と
では延伸中の結晶の配向状態及び変形状態が大き
く異なり、又延伸時の応力等も異なつてくる。そ
のため被延伸物の特性に合つた延伸方法が採用さ
れなければならない。 [問題点を解決するための手段及び作用] そこで本発明者らは、上記の工業化のための障
壁を克服し、且つポリオキシメチレンの特性に合
つた2軸延伸法を見い出すべく鋭意研究を続け
た。先ず圧延することによる結晶の配向状態及び
変形状態の詳細な解析から始め、延伸性能の評価
のために圧延方向及びこれに直交する方向各々に
ついて引張物性テストを繰返し、更にこの圧延し
たフイルムについて各種の延伸法を採用し、各々
についてその条件等を詳細な検討し、更に延伸時
における結晶の挙動を詳しく解析した。その結
果、工業的に極めて難しいとされている2軸圧延
を経ずとも、通常の1軸圧延、即ちフイルムの長
手方向への圧延を施すことにより、次の延伸工程
で2軸方向へ高度な延伸を可能たらしめる手法を
見い出した。そしてこの延伸によつて、2軸方向
にポリオキシメチレンが高度に配向結晶化した高
剛性ポリオキシメチレンフイルムの優れた製造方
法を確立し本発明をなすに至つた。 本発明は、主鎖の主要部が実質的にオキシメチ
レン基(−CH2−O)−の繰返し単位から構成される
ポリオキシメチレン重合体からなる2軸配向フイ
ルムを製造するに当り、溶融固化された原反シー
トあるいはフイルムを圧下率rが式 1.2≦1/1−r≦4 r=1−t/t0 ここにt0:圧延前のフイルム又はシートの厚さ t:圧延後のフイルム又はシートの厚さ になるまで縦方向に圧延した後、横方向5倍以上
延伸し、次いで縦方向に5(1−r)倍以上延伸
することを特徴とするものである。 以下本発明について詳細に説明する。先ず、通
常の手段、例えば溶融加圧又は溶融押出した後急
冷することによりポリオキシメチレン重合体のシ
ート又はフイルム(以下「原反」と称する)を形
成する。この時の原反の結晶化度は溶融後の冷却
条件等の形成条件により異なるが、通常は60〜73
%である。 次にこの原反に圧延を施す。この圧延は通常の
ロール圧延機が使用出来る。ロール圧延機はその
用途に応じて、2段圧延機、4段圧延機、その他
多段圧延機等があるが、本発明では2段あるいは
4段圧延機で充分その目的を達成することが出来
る。この圧延により、原反は長手方向、即ち機械
方向に圧延されるが、この時の圧延倍率は1.2〜
4倍が好ましい。1.2倍より低倍では圧延の効果
が小さく、また4倍より高倍では、続く延伸工程
でフイルムが機械方向に裂け易くなるなど、その
操作性が難しくなる。より好ましくは1.5〜3.5倍
である。 また、この時の圧延を式 r=1−t/t0 t0:圧延前のフイルム又はシートの厚さ t:圧延後のフイルム又はシートの厚さ で定義される圧下率rを用いて表わせば、 1.2≦1/1−r≦4 なる範囲の圧延が好ましく、より好ましくは 1.5≦1/1−r≦3.5 である。 圧延時のフイルム又はシートの温度は、室温以
上、差動熱量計によつて測定された原反の結晶融
解曲線のピーク温度より40℃低い温度以下の温度
範囲が好ましい。より好ましくは室温以上、該ピ
ーク温度より55℃低い温度以下の温度範囲であ
る。圧延の効率からいえば圧延時のフイルム又は
シートの温度は高い方が好ましいが、上記結晶融
解曲線のピーク温度より40℃低い温度を超えた高
温になると続く延伸工程で延伸性が低下する傾向
がある。 また、圧延に先立ち、原反を予熱しておいても
よい。更に、1回の圧延で所望の圧延倍率まで圧
延せずに、これを何回に分けて繰返し圧延を施す
ことも出来る。 この圧延により、原反の結晶構造中に存在して
いたポリオキシメチレンの球晶の一部は破壊され
ると共に、圧延方向に優先的に配向する様に変形
するのである。即ち圧延することによつて、球晶
破壊に基づく結晶化度の低下と圧延方向への結晶
の配向が同時に起こるのである。本発明者らはこ
の現象を続く延伸工程に反映し利用したのであ
る。即ち横延伸工程では、結晶化度低下により延
伸性が改良され、その結果高度な横延伸が可能と
なり、続く縦延伸工程では、圧延時に配向された
結晶が一部その配向状態を保持しているために、
その方向への延伸をより容易にせしめるのであ
る。 圧延の度合を増せば結晶化度の低下はそれに応
じて大きくなるが、本発明の範囲を超えると、こ
の低下の割合も小さくなる上に、圧延された原反
自体の劣化及び圧延方向への結晶の配向化がより
優先的になり、その結果続く横延伸工程におい
て、圧延方向即ち縦方向への破断が顕著になり本
発明の方法の適用が難しくなる。 本発明はこの様に圧延したことによる圧延方向
への結晶の優先的配向による異方性を逆に大いに
活用し、これに結晶化度の低下という別の変化を
結びつけることによつて見い出されたのである。 次に圧延されたフイルム又はシートは続く延伸
工程で2軸に延伸される。この延伸工程は先ずフ
イルムの幅方向への延伸を行う横延伸工程と次に
長手方向への延伸を行う縦延伸工程からなる。即
ち本発明の延伸法は横縦逐次2軸延伸法が採用さ
れる。この延伸によつて、2軸方向にポリオキシ
メチレンが高度に配向結晶化した高剛性ポリオキ
シメチレンフイルムを得ることが出来る。 本発明者らは前述の如く圧延時の圧延条件及び
これに基づく結晶構造の詳細な解析を行いこのプ
ロセスを見い出したのである。本発明は圧延され
た原反を、先ず圧延方向と直角な方向即ち横方向
へ延伸し、次いで圧延方向即ち縦方向へ延伸する
というところにその特徴を有するのである。 横延伸は通常テンターと呼ばれる横延伸機によ
り行なわれ、この延伸により圧延されたフイルム
又はシートは幅方向に延伸される。この場合の延
伸倍率は少なくとも5倍以上である。これより低
い倍率では得られたフイルムの剛性が不充分であ
る。又、より高い剛性のフイルムを得るには、こ
の倍率を更に高く、例えば8倍以上とすればよ
い。 次に、縦延伸は一般にはロール延伸機で行なわ
れる。この延伸により、横延伸されたフイルムは
長手方向に延伸される。この場合の延伸倍率は、
原反即ち圧延前のフイルム又はシートを基準にし
て長手方向に少なくとも5倍以上である。従つ
て、圧延時の圧延倍率が高い場合は、その分延伸
時の倍率を低くすることが出来る。例えば、圧延
時の倍率が2倍と2.5倍の場合、縦延伸時の延伸
倍率はそれぞれ2.5倍以上、及び2倍以上となる。
即ち、前に定義した圧下率rを用いて表わせば縦
延伸における延伸倍率は少なくとも5(1−r)
倍以上である。また、同様に、この倍率を更に高
くすることにより、より高剛性のフイルムを得る
ことが出来る。 以上の延伸工程において、延伸温度は特に重要
な条件であり、特に注意が払われなければならな
い。本発明における延伸温度は差動熱量計
(Differential Scanning Calarimetry/DSC)に
よつて測定された原反の結晶融解曲線のピーク温
度より25℃低い温度以上、該ピーク温度より5℃
高い温度以下の温度範囲である。この温度範囲よ
り低い温度では、結晶分子の配向化が困難である
上に、更にはフイルムが白化あるいは破断に至る
恐れがある。また該温度範囲より高い温度では、
結晶分子の溶融が支配的となり、結晶配向の効果
がほとんど望めなくなる上に、場合によつてはフ
イルムが溶断する恐れが生じる。そして、好まし
くは該ピーク温度より15℃低い温度以上、該ピー
ク温度以下の温度範囲であり、この時より均一な
延伸フイルムを得ることが出来る。 尚、差動熱量計により測定された結晶融解曲線
のピーク温度は原反の分子量、結晶化度あるいは
形成条件等により異なるが、通常は173〜178℃で
ある。 本発明のポリオキシメチレンフイルムは、比較
的高分子量、例えば数平均分子量が35000〜
100000以上のポリオキシメチレンが誘導されるも
のである。本発明の如く高剛性を有するフイルム
の場合、比較的高い分子量のポリオキシメチレン
が好ましい。またポリオキシメチレンのアセター
ル化物、又はそのイソシアネートとの反応物、或
いは例えば少量の第3成分を共重合した共重合物
の如き、その主鎖の主要部が実質的にオキシメチ
レン基、(−CH2−O)−の繰返し単位から構成され
たポリオキシメチレン重合体にも適用出来る。 次に本発明の方法を例示した第1図に基づき本
発明をより具体的に説明する。 押出機1を出たポリオキシメチレンは冷却ロー
ル2により冷却され原反を形成する。次にこの原
反は圧延機3に導かれ圧延される。次いでこの圧
延されたフイルム又はシートは横圧延機4に導か
れる。4aで延伸温度まで予熱された後、4bに
おいて横延伸される。4cは熱処理ゾーンであ
り、これは必要に応じて施される。横延伸された
フイルムは加熱ロール5,6により再度延伸温度
に予熱された後、延伸ロール7,8により縦延伸
される。延伸ロール7,8の回転速度はそれぞれ
V1、V2に設定され、この速度比V2/V1により縦
延伸倍率が決定される。その後フイルムは冷却ロ
ール9,10で冷却された後、捲取ロール11に
より捲き取られる。尚同図には示されていない
が、縦延伸されたフイルムは、冷却される前に、
必要に応じて熱処理が施され、熱安定性が改良さ
れる。 本発明の方法によれば、密度法によつて測定さ
れた結晶化度が75〜95%であり、且つX線回折法
によりエンド(End)及びエツジ(Edge)の2
方向から測定された結晶配向度がいずれも85〜95
%である高度に配向結晶化した2軸配向ポリオキ
シメチレンフイルムを得ることができる。この2
軸配向ポリオキシメチレンフイルムは引張弾性率
が550〜1500Kg/mm2と高く、また結晶化度が高い
ために高寸法安定性を示す。 なお、上記結晶化度、結晶配向度は以下のよう
にして測定される。 結晶化度 ノルマルヘプタン/四塩化炭素からなる溶液に
より23℃で密度勾配配管法によつてフイルムの密
度(d)を測定し、次式 D=dc(d−da)/d(dc−da)×100(%) により結晶化度(D)を算出する。 ここにdcは1.506g/c.c.で、理論的に完全に結
晶化した重合体の密度であり、daは1.25g/c.c.
で、その完全な非晶質重合体の密度である。 結晶配向度 各試料に対して、その延伸方向をそろえて厚み
2mm、幅1mm、長さ10mmの短冊状成形物を作製し
た。成形時の各フイルムの固定はシアノアクリレ
ート系接着剤を用いた。次いでこの成形物を島津
製作所製ユニバーサル試料台(回転試料台)にフ
イルムのエツジ(Edge)あるいはエンド(End)
方向からX線が入射出来る様に取付けた。なお試
料の方向を第2図に示す。 X線発生装置は島津製作所製XD−3A型装置を
用い、30KV−28mAでNiフイルターを通したCu
−Kα線をX線源とした。ゴニオメータは同じく
島津製作所製VG−108R型を用い、これを上記回
転試料台に取付けた。スリツト系はレシービン
グ・スリツト(Receiving slit)2mmφ、スキヤ
ツタリング・スリツト(Scattering slit)1mmφ
を採用した。次いで回折角をポリオキシメチレン
の(100)面(2θ=22゜〜23.5゜)にセツトし、X線
をエツジ(Edge)方向及びエンド(End)方向
より入射するとともに、回転速度4゜/minに2回
転試料台を回転し、(100)面の回折強度を方位角
方向に走査した。レコーダーのチヤートスピード
は10mm/minであつた。この測定によつて得られ
た結果の1例を第3図に示した。次に結晶配向度
の算出法について、同図において説明する。方位
角90゜のピークについて、バツクグランドよりの
ピーク強度Iを求め、次いで強度I/2なる該ピ
ークの幅(半価幅)Wを求める。尚、バツクグラ
ンドは測定に先立つて求めておく。次いで次式に
より結晶配向度Aを算出した。 A=180−W/180×100(%) [実施例] 以下実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。 なお、後述の実施例に於て示されるフイルム又
はシートの諸性質の測定において、結晶融解曲線
はセイコー電子工業(株)製差動熱量(DSC−20型)
により、試料重量10mg、昇温速度10℃/minで測
定され、チヤート速度2cm/minで記録された。
この時の測定例を第4図に示した。また引張物性
は、長さ100mm、幅10mmの試験片について、チヤ
ツク間60mm、チヤツクスピード30mm/minで、温
度23℃、湿度50%にて測定された。フイルムの剛
性の尺度となる弾性率はその時得られた応力−歪
曲線の初期勾配から計算によつて求めた。 実施例 1 数平均分子量が約63000のポリオキシメチレン
(旭化成工業(株)製テナツク3010)を200℃の温度で
スリツトダイから押出し、120℃に加熱したキヤ
ステイングロールで急冷し、厚さ700μ、幅150mm
の原反シートを得た。この原反の密度法による結
晶化度は70%、DSCによる結晶融解曲線のピー
ク温度は176℃であつた。 次にこの原反を、ロール径50mm、ロール幅400
mmのワークロールとロール径100mm、ロール幅400
mmのバツクアツプロールからなる4段圧延機によ
り、温度70℃で圧延した。この時の延伸倍率は2
倍であり、圧下率は0.5であつた。また、圧延後
の結晶化度は67%であつた。 次いでこの圧延されたシートを延伸温度が172
℃に保たれたテンター横延伸機に導き、200%/
minの延伸速度で幅方向に8倍の横延伸を行つ
た。次いでこのフイルムをロール縦延伸機に導き
縦延伸を行つた。この時フイルムは加熱ロールに
より延伸温度の174℃に予熱された後、続く延伸
ロールにより4倍延伸された。延伸ロールの回転
速度はV1=0.4m/min、V2=1.6m/minであつ
た。以上の工程により2軸方向に均一に8×8倍
に延伸されたポリオキシメチレンフイルムを得る
ことが出来た。ここに得られた2軸延伸フイルム
は平均厚さ11μを有しており、その引張物性、密
度法による結晶化度及びX線回折法による結晶配
向度は第1表の如くであつた。 尚、表中結晶配向度は、MD方向についてはフ
イルムのエツジ方向からの測定値を、TD方向に
ついてはエンド方向からの測定値をもつてそれぞ
れ表わした。 この結果から、本発明によつて得られた2軸延
伸フイルムは、通常のフイルムに比べ極めて高い
弾性率を有し、且つ高度に配向結晶化しているこ
とを示し、高剛性を有する優れたフイルムである
ことが分る。 実施例 2 実施例1の原反シートを同じく実施例1の圧延
機を用いて、温度110℃で圧延倍率3倍、圧下率
0.67の圧延を行つた。圧延後の結晶化度は64%で
あつた。次いでこの圧延シートを圧延温度175℃、
延伸速度200%/minで幅方向に10倍の横延伸を
行つた。次いでこのフイルムをロール縦延伸機に
より、延伸温度176℃で、縦方向に4倍の延伸を
行つた。この時の延伸ロールの回転速度は実施例
1と同じであつた。以上の工程により2軸方向に
均一に12×10倍に延伸されたポリオキシメチレン
フイルムが得られた。ここに得られた2軸延伸フ
イルムは平均厚さ6μを有しており、その引張物
性、密度法による結晶化度及びX線回折法による
結晶配向度は第2表の如くであつた。
【表】
【表】 実施例 3 実施例1の原反シートを同じく実施例1の圧延
機を用いて、温度100℃で圧延を行い、圧延倍率
がそれぞれ1.2、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5
倍の圧延シートを得た。次いで各々の圧延シート
について、延伸温度175℃、延伸速度200%/min
で幅方向に5倍の横延伸を行つた。次いで横延伸
が出来たサンプルについて、ロール縦延伸機によ
り、延伸温度176℃で縦延伸を行つた。この時の
延伸倍率は、圧延時の倍率を考慮し、延伸後の倍
率が原反に対して各々5倍になる様にした。従つ
て、延伸ロールの回転速度はV2=1.6m/minに
固定し、V1を各々の延伸倍率に合う様にセツト
した。以上の工程により2軸方向に5×5倍に延
伸されたポリオキシメチレンフイルムが得られ
た。この時の圧延倍率、圧下率及び圧延後の結晶
化度と各延伸時の延伸性能について第3表にまと
めた。この結果から本発明の圧延の範囲におい
て、均一に延伸された2軸配向ポリオキシメチレ
ンフイルムが得られることが分る。
【表】 ×:難
[発明の効果] 本発明は、工業的にも技術が確立されている1
軸圧延を基本とするものであり、工業的にも充分
適用し得る方法である。本発明によつて得られた
フイルムは従来の他のフイルムにはない優れた剛
性を有しており、かかる特性を利用する用途例え
ば磁気テープあるいはフロツピーデイスク等の磁
気記録用材料のベースフイルム等種々の応用分野
に適用される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のフイルム製造方法の1例を示
す概略図で、第2図はX線回折法による結晶配向
度測定のための試料の方向を示す説明図、第3図
は結晶配向度の算出法を示すための説明図であ
る。第4図は差動熱量計(DSC)により測定さ
れた結晶融解曲線の1例を示す図である。 1…押出機、2…冷却ロール、3…圧延機、4
…横延伸機、4a…予熱ゾーン、4b…延伸ゾー
ン、4c…熱処理ゾーン、5,6…加熱ロール、
7,8…延伸ロール、9,10…冷却ロール、1
1…捲取ロール。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 主鎖の主要部が実質的にオキシメチレン基(−
    CH2−O)−の繰返し単位から構成されるポリオキ
    シメチレン重合体からなる2軸配向フイルムを製
    造するに当り、溶融固化された原反シートあるい
    はフイルムを圧下率rが式 1.2≦1/1−r≦4 r=1−t/t0 ここにt0:圧延前のフイルム又はシートの厚さ t:圧延後のフイルム又はシートの厚さ になるまで縦方向に圧延した後、横方向5倍以上
    延伸し、次いで縦方向に5(1−r)倍以上延伸
    することを特徴とする高剛性ポリオキシメチレン
    フイルムの製造方法。 2 圧延温度が室温以上、差動熱量計によつて測
    定された原反の結晶融解曲線のピーク温度より40
    ℃低い温度以下である特許請求の範囲第1項記載
    の高剛性ポリオキシメチレンフイルムの製造方
    法。 3 延伸温度が、差動熱量計によつて測定された
    原反の結晶融解曲線のピーク温度より25℃低い温
    度以上、該ピーク温度より5℃高い温度以下の温
    度範囲である特許請求の範囲第1項記載の高剛性
    ポリオキシメチレンフイルムの製造方法。
JP12713285A 1985-06-13 1985-06-13 高剛性ポリオキシメチレンフイルムの製造方法 Granted JPS61286115A (ja)

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