JPH0331224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、化粧水のパツテイング及びクリーム
類の除去に用いる化粧綿に関する。

従来の化粧綿は、繊維ウエブのみからなり、実
用に供されてきたが、使用中繊維の一部が肌に残
るいわゆる繊維残りが顕著であり、また使用中、
形くずれするという欠点があつた。前述のような
欠点を解消するために、繊維ウエブの表面にバイ
ンダー（結合剤）を噴霧し表面を加工したものも
提案されているが、バインダーが水溶解性である
ために使用中肌に移行する恐れがあり、また形く
ずれの欠点も依然として残つている。

本考案は以上のような欠点を排し、繊維残り及
び形くずれが少なく、柔軟で肌ざわりの良い化粧
綿を提供するものである。

即ち本考案は、内層を表面材で被覆してなる化
粧綿において、表面材が、湿式不織布に高圧水を
噴射して得られたものであることを特徴とする化
粧綿に係るものである。

以下、本考案の実施態様を図面により詳細に説
明する。

第１図は本考案の化粧綿の一実施例を示す斜視
図であり、かかる化粧綿は内層１をなす繊維ウエ
ブを表面材２で被覆し、端縁部３を圧着又は熱融
着等の方法を用いて接合して形成される。内層１
は、レーヨン等の親水性繊維と、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリエチレン−ポリプロピレ
ン複合繊維等の疎水性繊維の混合物をカード機等
によりウエブにして製造され、ウエブの坪量が50
ｇ／m²〜10ｇ／m²のものが使用される。表面材２
は、湿式不織布に高圧水を噴射して製造されたも
のであり、その断面は、第２図に示すように厚さ
の厚い部分４と薄い部分５を有する。

湿式不織布の素材としては、レーヨンの他、ポ
リエステル、ポリプロピレン、アクリル、ポリエ
チレン−ポリプロピレン複合繊維等が挙げられる
が、少なくとも50％以上のレーヨンを含むものが
好ましい。これよりも少なければ、親水性が少な
くなるために、化粧水の透過性が小さくなつて、
化粧綿表面材として不適当となつてしまう。これ
ら使用される繊維の繊維径としては、化粧綿を構
成した場合の、柔軟性及び肌ざわりの点から、
0.1デニール〜３デニールのものが好ましい。繊
維長については、特に制限はないが、湿式法に於
ける分散性の問題から20mm以下のものが望まし
い。不織布素材の組み合わせとしては、肌への触
感からレーヨンとポリエステルのものが最良であ
る。

本考案に於いては、湿式不織布に高圧水を噴射
して表面材を形成することが特徴である。湿式法
で製造された不織布は、強度が強く、縦・横の強
度の差が小さいという有利な点がある。従つて、
化粧綿の表面材として用いた場合、肌に対してこ
する等の動作を加えても形くずれしにくいという
長所を有する。しかしながら、湿式不織布は、表
面が平滑であり、ふきとり効果が小さく、また柔
軟性が不十分で肌ざわりも良好とはいえない。

そこで、前記不織布に高圧水を噴射することに
よつて、繊維の絡合を起こし、不織布内に厚さの
厚い部分と薄い部分を形成して全体として嵩高な
ものとし、結果として柔軟で肌ざわりがよくふき
とり効果の優れた表面材を得るのである。

この場合、高圧水の圧力が大きな影響を及ぼ
し、30Kg／cm²以下の水圧では不織布の厚い部分と
薄い部分が形成されにくいので、前記水圧よりも
高い圧力を設定することが重要である。表面材の
坪量としては20ｇ／m²〜50ｇ／m²のものが適当で
ある。

本考案の化粧綿は、前述のような材料を用いて
構成されており、繊維ウエブを表面材で被覆して
いるので、繊維残り及び形くずれが少なく、バイ
ンダーを使用しないので、使用時にバインダーが
溶出する心配もない。また、特に表面材が化粧綿
用として優れており、嵩高で柔軟性に富んでお
り、肌ざわりの点で触感が非常に良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の化粧綿の一実施例を示す斜視
図、第２図は本考案に用いられる表面材の断面図
である。 １……内層、２……表面材、３……端縁部、４
……厚い部分、５……薄い部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内層を表面材で被覆してなる化粧綿において、
   表面材が、湿式不識布に高圧水を噴射して得られ
   たものであることを特徴とする化粧綿。