JPH0330926Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は遊園地の入場券、スキー場のリフト乗
車券や劇場の観劇券などを発行する発行機に関す
るもので、特にその券面に絵柄の配されている各
種の券を印刷して発行する、絵柄付き券の券印刷
発行機に関するものである。

（従来の技術） 遊園地の入場券、スキー場のリフト乗車券や劇
場の観劇券などの券面には所要の文字、数字の他
に顧客誘引、宣伝その他説明、解説等の観点か
ら、その券面に絵柄を配することがある。

このための従来の券印刷発行機は、文字、数字
などの文字データが入力される文字入力装置と、
上記絵柄が入力される画像入力装置と、これらを
合成して合成画像として印刷する印刷装置とを備
えている。ここで画像入力装置への絵柄の入力は
所定の絵柄を不揮発的に記憶する固体メモリデバ
イスの一種であるROMを使用して行われてい
る。そして、このROMは券印刷発行機のメーカ
ー側で作成し、ユーザー側ではこの作成された
ROMを使用して絵柄の印刷を行つている。

また一つの絵柄の縮尺を変更して券面に印刷す
るため、別途回路を設けデジタル化された信号を
演算処理して印刷するものも提案されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、ROMは記憶された絵柄の変
更、書き替えができず、同一のROMの使用では
同一の絵柄の券の発行が続行される。これではど
うしてもその絵柄に新味を欠くことが多く、また
客の反応を観て素早くユーザー側で対処して、よ
りよい絵柄にするということも実質上困難であつ
た。また、ROMはそれ自体作成が面倒であり、
高価であるため、券発行費用に負担がかかる問題
もあつた。また倍率を変えるために、信号を演算
処理する回路を装置に組込むと、装置が高額とな
ると共に消費電力が大となつた。この電気的操作
を簡易なものとするためには、さらにその制御回
路が必要となり、ますます大型化することにな
る。

本考案は上述の欠点に鑑み、これを克服するべ
くなされたもので、簡易な構成と簡単な操作で操
作員が容易に多種の絵柄を入力することができ、
異なるサイズの券面に絵柄と文字を一緒に印刷で
きる券印刷発行機を提供する。

（課題を解決するための手段） ほぼ官製はがきと同様な大きさを有し、表面に
絵柄が表された原画カードを読取り位置にステツ
プ送りで供給する搬送部と、 前記読取り位置に供給された原画カードの絵柄
を同カードに照射した光の反射光により１ライン
ずつ読取つて画像データとして出力する固体撮像
デバイスと、 前記原画カードからの反射光の光路内に設けら
れ原画カードの絵柄の反射光を所定の倍率に変更
して、固体撮像デバイスに導く光学レンズとを備
えた画像入力装置と、 文字、数字、記号などの文字データがキーイン
操作で入力される文字入力装置と、 前記固体撮像デバイスからの画像データと文字
入力装置からの文字データを一時的に記憶し、記
憶した両データを合成し、合成画像として所定の
大きさの券用紙に印刷する制御・記憶・印刷装置
とを備えた券印刷発行機。

（作用） 搬送部は、ほぼ官製はがき大の原画カードを１
ステツプずつ搬送する。これに同期して画像入力
装置は原画カードに表された絵柄を光学レンズに
より所定の倍率となるように設定のうえ１ライン
ずつ読み取り、画像データとして制御・記憶・印
刷装置に出力する。文字入力装置は絵柄以外の、
文字、数字などの文字データが入力され、入力さ
れた文字データを制御・記憶・印刷装置に出力す
る。制御・記憶・印刷装置には所定のプログラム
が格納されており、格納されたプログラムに基い
て画像データと文字データの合成を行い、絵柄上
に文字、数字などが重なつた合成画像を作成して
券用紙に印刷する。このような構成で、絵柄を任
意に変更して発行するようになつている。

（実施例） 本考案の一実施例を図面に従つて説明する。

第１図は本考案装置一実施例の全体を示すブロ
ツク図である。本実施例の券印刷発行機は画像入
力装置１とキーボード２と、制御・記憶・印刷装
置３の３コンポネントから成る。

キーボード２は文字、数字、記号などの非絵柄
の文字データがキーイン操作で入力される文字入
力装置で、入力された文字データを制御・記憶・
印刷装置３に出力する。

制御・記憶・印刷装置３は所定のプログラムに
基いて画像合成の制御を行う固体中央処理装置、
即ちマイクロプロセツサとキーボード２および画
像入力装置１からのデータを記憶する固体メモリ
デバイスと印刷発行を行うドツトプリンタ例えば
サーマルドツトプリンタとを少なくとも備えてい
る。ここで画像入力装置１は原画カードから絵柄
を読取り、読取つた画像データを制御・記憶・印
刷装置３に出力するものであり、この画像入力装
置１について次に説明する。

第２図は券印刷発行機の画像入力装置１を示す
一例の斜視図であつて、原画カード４がその画像
入力装置１の挿入口５に入るようになつている。
原画カード４はその表面に手書き又は複写図面の
貼付などによつて作成する。

第３図は前記画像入力装置１の内部構成を示し
ており、６は原画カード４の搬送部となる搬送ベ
ルト装置で例えばステツプモータで１ステツプず
つ転送と停止を与えて駆動し、原画カード４は挿
入口５に挿入することによつて搬送ベルト装置６
の上側ベルト７と下側ベルト８の間に挾みこまれ
る。９はカード挿入センサで例えばホトセンサか
らなり、図示のごとく搬送ベルト装置６の手前に
設置する。

１０はカード端センサで、これも前記カード挿
入センサ９と同様にホトセンサでよく、そして読
みとり位置１１の手前に設置する。１２は固体画
像デバイスで、このデバイスはホトダイオードア
レ及びシフトレジスタなどからなり、読みとり位
置１１の上方に設置する。その好適な一例のデバ
イスとしてはOPAシリーズのイメージセンサ
（沖電気製）があり、殊に望ましくはその512ドツ
トを読み取れるものを使用できる。

この固体撮像デバイス１２は搬送ベルト装置６
により読取り位置１１にステツプ供給された原画
カード４の絵柄を供給された１ライン毎に読取
り、読取つた画像データを制御・記憶・印刷装置
３の固体メモリデバイスに出力する。１３は光学
レンズであつて、原画カード４上に表された絵柄
の光学的情報を所定の倍率とするように寸法尺度
を変換して固体撮像デバイス１２に媒介伝達す
る。

この光学レンズ１３の配設により制御・記憶・
印刷装置３内に倍率変換のための演算部を設ける
必要がなく、倍率変更の制御が容易となるばかり
でなく、異なるサイズの券に迅速に対応して倍率
を変更することができるメリツトがある。１４は
光源であり、読みとり位置１１の原画カード４の
上面を照明する。１５は必要に応じて用いる光学
フイルタで、光量を調節し、整形するなどのシエ
ーデイングを行う。

上述の画像入力装置１は、キーボード２及び制
御・記憶・印刷装置３それ自身と共に例えば制
御・記憶・印刷装置３内のマイクロプロセツサに
より、第４図に示す券発行処理フローチヤート及
び第５図に示す画像読み取りフローチヤートに従
つて制御される。その読み取つた各ライン毎の画
像は例えば制御・記憶・印刷装置３内の固体メモ
リデバイスに逐次格納し、次いで必要な編集が第
４図の如くなされ、例えばサーマルプリンタによ
る絵柄を含む券面の印刷が行われて、前記に例示
したごとき各種の券が発行され操作担当員の手元
に放出される。

この様にして発行する各種の券は例えば第６図
ａに示すような鉄道乗車券の寸法のもの１６や第
６図ｂに示すその倍大のもの１７、更に第６図ｃ
に示すようなその３倍大のもの１８があり、又説
明が前後するが、上述の如き各種の寸法の券の発
行に当たつて使用する原画カードは第６図ｄに示
すようなはがき大のもの４が望ましく、その一部
の１６′及び１７′が前記乗車券大１６及びその倍
大１７に対し、またその全部大１８′は前記の３
倍大１８に対応し、その他原画カードの所謂腰も
はがき程度以上であることが望ましい。

このように原画カード４をはがき大とすること
により、その絵柄の画像データを記憶する制御・
記憶・印刷装置３の固体メモリデバイスを小容量
とすることができると共に、カードの取扱いや読
取りが容易となり、操作性が良好となる。また、
本実施例では第６図に示す寸法のように発行され
る券１６，１７，１８が原画カード４よりも小さ
なサイズであり、原画カード４に表された絵柄は
縮小されて券１６，１７，１８に印刷されるた
め、絵柄がぼやけることもない。また、それぞれ
のサイズは、原画カードを３分割したものにほぼ
相似した形状としたため、光学レンズによる倍率
の調整も容易である。

次に本考案に係る絵柄付券の券印刷発行機の動
作を更に詳しく説明すると、第１図及び第４図に
示すように、キーボード２を操作して自由フオー
マツト券を選択しない時はそのままで絵柄の付か
ない券が印刷発行される。自由フオーマツト券が
選択され且つ毎時読み取りモード選択された場合
には第５図にも示すように次のようになる。即
ち、原画カード４を上述の如くして作成した後、
画像入力装置１の挿入口５にこの原画カード４の
先端を差し込む。

この様にすると、カード挿入センサ９によつて
搬送ベルト装置６が駆動を開始し、カード端セン
サ１０の奥で、予備搬送を経て１ラインずつ原画
カード４は転送され停止して逐次に原画カード４
上の図柄が固体撮像デバイス１２によつて読み取
られ、読み取りが完了すると原画カード４は逆送
されて挿入口５から放出され、操作員に原画カー
ド４が返却される。

一方上記のように固体撮像デバイス１２によつ
て読み取られた画像データは逐次制御・記憶・印
刷装置３に記憶され、キーボード２から入力され
た文字データとの合成が行われて合成画像が完成
した処で印刷がなされて発券が実行される。自由
フオーマツト券が選択され且つ毎時読み取りモー
ドを選択しない場合では予め記憶されている絵柄
に関する券の印刷が行われる。

（考案の効果） 本考案の絵柄付き券の券印刷発行機は以上述べ
た様に、はがき大程度の寸法及び腰のある原画カ
ードに手書き又は貼り付けで絵柄を付してこの原
画カードを画像入力装置の挿入口に挿入すること
で、その絵柄を乗車券大等の券面上に印刷するこ
とができるのであるから、上述した様なROMを
時間と費用を費やして作成して初めて絵柄を券面
に印刷することができるという不経済を全面的に
解消し、さらに豊富な種類が安価に流通している
ほぼ官製はがき大の観光絵はがき等を原稿として
利用することができ、又新味のある絵柄レイアウ
トを時間をほとんど要することなく上記各種の券
面上に作成することができる等の効果がある。し
かも、文字や絵柄をあらかじめ固定的にメモリ部
分に記憶させておく必要がないため、装置全体を
小型化でき、低消費電力を図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の券印刷発行機の全体ブロツク
図、第２図は画像入力装置の斜視図、第３図は同
内部の概略側面図、第４図は券発行処理フローチ
ヤート、第５図は画像読み取りのフローチヤー
ト、第６図は出力する券及び原画カードの一例を
示す平面図である。 １……画像入力装置、２……キーボード、３…
…制御・記憶・印刷装置、４……原画カード、６
……搬送ベルト装置、１２……固体撮像デバイ
ス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ほぼ官製はがきと同様な大きさを有し、表面に
   絵柄が表された原画カードを読取り位置にステツ
   プ送りで供給する搬送部と、 前記読取り位置に供給された原画カードの絵柄
   を同カードに照射した光の反射光により１ライン
   ずつ読取つて画像データとして出力する固体撮像
   デバイスと、 前記原画カードからの反射光の光路内に設けら
   れ原画カードの絵柄の反射光を所定の倍率に変更
   して、固体撮像デバイスに導く光学レンズとを備
   えた画像入力装置と、 文字、数字、記号などの文字データがキーイン
   操作で入力される文字入力装置と、 前記固体撮像デバイスからの画像データと文字
   入力装置からの文字データを一時的に記憶し、記
   憶した両データを合成し、合成画像として所定の
   大きさの券用紙に印刷する制御・記憶・印刷装置
   とを備えた券印刷発行機。