JPH0330048Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は座席、特にクツシヨンフレームとバツ
クフレームとを連動させた座席に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の座席としては、例えば実公昭53
−45771号公報に示されるように、脚体にバツク
部材を支持したバツクフレームを傾斜角度調整自
在に軸支し、このバツクフレームの軸支部より下
位下端にクツシヨン部材を支持したクツシヨンフ
レームの後端を回転自在に軸着し、このクツシヨ
ンフレームの前部に取付けた摺動部材を上記脚体
の案内枠部に摺動自在に嵌合して、上記バツクフ
レームの傾斜角度調整に伴つてクツシヨンフレー
ムを略平行移動させるようにしたものがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上述の構造では、クツシヨン部材の側
縁にクツシヨンフレームの横辺を配設してあるの
で、着座時に太もも外側が触れて違和感がある。

従つて、本考案はクツシヨンフレームの横辺に
よる着座時の違和感をなくすようにした座席を提
供するとともに、リクライニング時において前後
に張られたクツシヨン部材を常に緊張状態に保つ
ようにするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案はクツシヨンフレームの横辺を下部方向
にく字状に折曲し、この横辺の前側直線部をサイ
ドフレームに対してガイド部材を介して前後方向
に移動自在に連結する一方、バツクフレームの立
上り辺の外側にブラケツトを固設し、このブラケ
ツトに上記クツシヨンフレームの横辺の後端を上
記バツクフレームの後辺と同軸状に枢着してあつ
て、バツクフレームの前後動、所謂傾斜各調整時
に、クツシヨンフレームの前辺とバツクフレーム
の後辺との間に張設されたクツシヨン部材のたる
みを阻止するようにしたものである。

〔実施例〕

以下、本考案による座席の一実施例を第１〜４
図にもとづいて詳細に説明する。同図において、
座席は、サイドフレーム１と保持フレーム２とク
ツシヨンフレーム３とバツクフレーム４とクツシ
ヨン部材５とバツク部材６とで構成されている。

上記サイドフレーム１はほぼ四角形に形成さ
れ、下辺が１ａが床側に接地し、上辺１ｂが着座
者のアーム位置に対応するように構成されてい
る。上記保持フレーム２は上記各サイドフレーム
１，１間を橋絡するように構成されている。上記
クツシヨンフレーム３は着座者のふくらはぎ側に
位置する前辺３ａ及びこの前辺３ａの両側より後
方に延びる横辺３ｂを備え全体的にほぼＵ字状に
なつている。上記バツクフレーム４は上記横辺３
ｂの後端間を橋絡する如く延長する後辺４ａ及び
この後辺４ａの両端より上方向に延長するととも
に上記サイドフレーム１に枢着された立上り辺４
ｂを備えＵ字状に構成されている。上記クツシヨ
ン部材５は上記前辺３ａと後辺４ａとの間に張設
されており、上記バツク部材６は上記立上り辺４
ｂ，４ｂ間に張設されている。

一方、上記クツシヨンフレーム３の横辺３ｂ
を、下部方向にく字状に折曲してある。７は上記
サイドフレームの前辺１ｃに固定され、上記クツ
シヨンフレームの横辺３ｂの前側直線部を操作ノ
ブ８の弛緩・締付操作によつて前後動調整自在に
連結したガイド部材である。

また、９は上記バツクフレーム４の立上り辺４
ｂの外側部に固設したブラケツトを示し、このブ
ラケツト９の先端を立上り辺４ｂから外側に所要
のクリアランスを存して、該バツクフレーム４の
後辺４ａと立上り辺４ｂとの連結隅部外側にかけ
て延設させ、このブラケツト９の先端に上記クツ
シヨンフレーム３の横辺３ｂの後端を立上り辺４
ｂとの間に位置させて上記バツクフレーム４の後
辺４ａと同軸状に支軸１０を介して枢着してあ
る。

以上のような構成によれば、ガイド部材７の操
作ノブ８を弛緩し、クツシヨンフレーム３の横辺
３ｂを前方に移動すると、これにつれてバツクフ
レーム４がその傾斜角を緩やかとした後傾状とな
り第２図の実線示から仮想線示のような座席姿勢
に調整される。そして操作ノブ８を締付けること
により、上記仮想線示の座席姿勢が保持される
が、クツシヨンフレーム３３の横辺３ｂの後端を
バツクフレーム４に固設したブラケツト９にバツ
クフレーム４の後辺４ａと同軸状に支軸１０を介
して連結してあるので、上記バツクフレーム４の
傾斜角調整時に、クツシヨンフレーム３の前辺３
ａとバツクフレーム４の後辺４ａとの間隔が一定
寸法に保持されて、クツシヨン部材５にたるみが
発生しない。このことを詳述すると、通常、バツ
クフレーム４はパイプにより屈曲成形されるため
後辺４ａの両端側屈曲部の外側４ｚは丸くなるの
で、ここにクツシヨンフレーム３の横辺３ｂを枢
着することができなくなる。従つてクツシヨンフ
レーム３をバツクフレーム４の後辺４ａと同軸位
置にて枢着するには本願のようなブラケツトが必
要となる。つまり第５図に示すようにブラケツト
を設けない場合は、軸３ｈでクツシヨンフレーム
３の横辺３ｂをバツクフレーム４の立上り辺４ｂ
に直接枢着することになるが、このようにする
と、第５図に示す状態からリクライニングして第
６図に示す状態に立上り辺４ｂが後に傾斜すると
軸３ｈに対し後辺４ａが前方に位置づれするのク
ツシヨン部材５にたるみが発生して着座者を安定
に保持できなくなるが、本願によれば、後辺４ａ
にこのような位置づれが生じることがなく、クツ
シヨン部材５にたるみが生じることがなくなる。
また、クツシヨン部材５に着座したとき、クツシ
ヨン部材５が荷重で多少下方にたわむがクツシヨ
ンフレーム３の横辺３ａが下方に折曲してあるの
で太もも外側が横辺３ａに未接触状態となる。

〔考案の効果〕 以上説明したように本考案によれば、何如なる
バツクフレームの傾斜角度にあつても、常にクツ
シヨン部材のたるみのない張設状態を確保するこ
とができ、着座時に太もも外側がクツシヨンフレ
ームに未接触となり、違和感のない好適な着座性
効果を発揮できる。しかもガイド部材の弛緩、締
付で適位な座席姿勢を保持し得る角度調節が容易
かつ確実である。更に、座席構成部品の部品点数
低減が可能である。また着座したときの荷重によ
り、前辺３ｂに対して第２図に示すように力Ｍ
１，Ｍ２の合力Ｍ３が発生するが、この合力Ｍ３
方向に横辺３ｂを傾斜することにより、合力Ｍ３
で容易に横辺３ｂを後方にスライドでき、このた
め身体背部を若干前に傾斜させただけでリクライ
ニング調整が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による座席の斜視図、第２図は
同側面図、第３図は第１図の矢視を拡大した斜
視図、第４図は第３図の−線の断面図、第５
図、第６図は本考案の効果を説明するための説明
図である。 １……サイドフレーム、２……保持フレーム、
３……クツシヨンフレーム、３……横辺、４……
バツクフレーム、５……クツシヨン部材、６……
バツク部材、７……ガイド部材、９……ブラケツ
ト、１０……支軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ほぼ四角形に成形され、下辺１ａが床側に接地
   し、上辺１ｂが着座者のアーム位置に対応するサ
   イドフレーム１と、上記各サイドフレーム１，１
   間を橋絡する保持フレーム２と、着座者のふくら
   はぎ側に位置する前辺３ａ及びこの前辺３ａの両
   側より後方に延びる横辺３ｂより成るほぼＵ字状
   のクツシヨンフレーム３と、上記横辺３ｂの後端
   間を橋絡する如く延長する後辺４ａ及びこの後辺
   ４ａの両端より上方向に延長するとともに上記サ
   イドフレーム１に枢着された立上り辺４ｂより成
   るＵ字状のバツクフレーム４と、上記前辺３ａと
   後辺４ａとの間に張設されたクツシヨン部材５
   と、上記立上り辺４ｂ間に張設されたバツク部材
   ６とより成る座席であつて、上記クツシヨンフレ
   ーム３の横辺３ｂを下部方向にく字状に形成し、
   この横辺３ｂの前側直線部を上記サイドフレーム
   １に対してガイド部材７を介して前後方向に移動
   自在に連結する一方、上記バツクフレーム４の立
   上り辺４ｂの外側にブラケツト９とを固設し、こ
   のブラケツト９に上記クツシヨンフレーム３の横
   辺３ｂの後端を上記バツクフレーム４の後辺４ａ
   と同軸状に枢着したことを特徴とする座席。