JPH0329850Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、データ入力用のキーボードスイツチ
に関する。

〔従来技術〕

データ入力用のキーボードスイツチは、オペレ
ータが長時間使用しても疲労しないように、また
誤入力等しないように人間工学的な配慮が種々施
されている。その人間工学的な配慮を必要とする
問題の中でキーの騒音については、キーを押切つ
た時に生じるキーが押当る音と指をキーから離し
てキーが復帰した時に出る音との２種類があり、
キーを押切つた時は単に騒音のみならずに指に衝
撃が伴うため、その衝撃を軟らげる目的を兼ねて
一般的にゴムダンパを設けて解決している。一
方、キーの復帰時の音に対しては前記したような
オペレータの指への衝撃はなく、単なる騒音だけ
であるためにその対策が軽視されがちであるが、
オペレータが軽快な操作をするためには人間工学
的に重要な問題となつている。

そこで、このキーの復帰時の騒音を小さくする
ためにゴムクツシヨンを設けた従来のキーボード
スイツチを第１図及び第２図に基づいて説明す
る。

図において、１はキーステムで、本体２の中央
に突起部３を突設して該突起部３に係止孔４を設
けると共に両端部に突出部５を形成する。６は前
記キーステム１の底部に取付けた可動側電極、７
は前記キーステム１のハウジングで、中央に筒部
８を突設して該筒部８内をキーステム１の突起部
３が上下動する。９は前記キーステム１の上部に
設けた薄い環状のゴムクツシヨンで、キーステム
１とハウジング７との間に配置する。１０は前記
ハウジング７とキーボタン１１との間に設けた復
帰用ばね、１２は固定電極を設けたプリント配線
板である。

このような構成のキーボードスイツチは、指で
キーボタン１１を押して離すと、復帰用ばね１０
によりキーボタン１１が元の位置に復帰する。そ
の際、キーステム１がゴムクツシヨン９を介在し
てハウジング７に衝突するが、ゴムクツシヨン９
があるために衝突エネルギが吸収され衝突音が緩
和して騒音を小さくすることができる。

しかしながら、前記した従来例では、ゴムクツ
シヨンを必要とするために部品点数が多くなると
共に、ゴムクツシヨンが薄い（0.5ミリ）ために
ロボツトによる自動組立が困難となる欠点があ
る。

〔考案の目的〕

本考案は、前記諸欠点を解決するためになされ
たものであり、その目的は、ロボツトによる自動
組立ができるように部品点数を少なくして製造コ
ストを低減することにある。

〔考案の概要〕

この目的を達成するため、本考案は、固定接点
を覆うハウジングと、底部に可動接点を取付けた
板状の本体及びこの本体の中央部に形成された突
起部を有し、前記可動接点が固定接点に対向する
ように前記本体をハウジング内に収容すると共に
突起部をハウジングに移動可能に挿入したキース
テムと、前記可動接点が固定接点から離れるよう
にキーステムを付勢する復帰用ばねを具備したキ
ーボードスイツチにおいて、前記キーステムの本
体に切込みを入れて突起部の移動方向に撓む板ば
ね部を形成し、かつ前記板ばね部の先端部に、キ
ーステム復帰時にハウジングに衝突する突起を設
けたことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第３図及び第４図に
基づいて説明する。

図において、１３はキーステムで、板状の本体
１４の両側部に大略Ｌ字状の切込み１５を入れて
先部に突起１６を設けた板ばね部１７を一体に形
成すると共に両端に突出部１８を形成し、中央に
突起部１９を設けてその中心に係止孔２０を穿設
する。２１は前記キーステム１３のハウジング
で、中央に筒部２２を突設して該筒部２２内をキ
ーステム１３の突起部１９が上下動する。

２３は前記ハウジング２１とキーボタン２４と
の間に配置する復帰用ばね、２５は前記キーステ
ム１３の底部に取付けた可動側電極、２６は前記
可動側電極２５と対応する固定電極を設けたプリ
ント配線板である。

尚、前記キーステム１３は、一般的にポリアセ
タール樹脂やナイロン等の合成樹脂から成形する
ため、第１図に示した従来例のゴムクツシヨン
９、一般的にはネオプレンゴム、シリコンゴムま
たはウレタンゴム等からなるゴムクツシヨン９と
比べてかなり硬いものである。

従つて、キーステム１３と一体に形成した板ば
ね部１７に第１図に示すゴムクツシヨン９と同じ
ようにキーの衝突エネルギを吸収するばね特性を
持たせる必要がある。しかも、キーボード用のキ
ーは一般的に数百万回から多いものでは一億回も
の繰返動作をするため、その繰返動作に耐え得る
ようにキーステム１３を設計する必要があり、更
に外力に対しても強度を持つように設計しない
と、本考案の重要な目的であるロボツトによる自
動組立時のキーステム１３を自動整列する際にキ
ーステム１３が変形してしまうと言う問題が生じ
る。

そこで、以上の種々の条件を考慮して設計し試
作実験した結果、一実施例として例えば、キース
テム１３をポリアセタール樹脂により成形してそ
の板ばね部１７の長さを４mm、幅を２mm、厚さを
0.8〜0.9mmにすることにより、第１図に示すゴム
クツシヨン９と同等以上のばね特性を得ることが
でき、キーの復帰時の騒音を小さくすることが実
現できる。また、外力による変形に対する必要な
強度も得ることができて自動組立を可能にする。

更に、本実施例においては、板ばね部１７をキ
ーステム１３の両側２個所に形成したが、この数
に限定するものではなく、またキーステム１３の
本体１４への切込み１５の形状を大略Ｌ字状に形
成したが、キーの復帰時の騒音を小さくできる板
ばね部１７を形成できれば他の形状の切込み１５
でもよい。

次に、前記構成の作用を説明すると、このよう
な構成のキーボードスイツチは、指でキーボタン
２４を押して離すと、復帰用ばね２３によりキー
ボタン２４が元の位置に復帰する。その際、キー
ステム１３の突起１６がハウジング２１に衝突す
るが、キーステム１３の板ばね部１７が撓んで衝
突エネルギを吸収するために衝突音が小さくな
る。

尚、板ばね部１７の下面に張り出すような幅の
広い可動側電極をキーステム１３に設ける場合
は、板ばね部１７の撓み動作が可動側電極により
妨げられることになるため、第５図に示すよう
に、前記板ばね部１７に代えて板厚の薄い板ばね
部２９をキーステム１３に形成して、幅の広い可
動側電極２７との間に間隙２８を設ける構造とす
る。この場合間隙２８は板ばね部２９の先端部に
設けた突起３０の高さより少し大きくとることが
望ましい。

〔考案の効果〕

前記した如く、本考案に係るキーボードスイツ
チによれば、キーステムの本体に切込みをいれて
板ばね部を形成してその先部に突起を突設するこ
とにより、キーステムの突起がハウジングに衝突
する際キーステムの板ばねが撓んで衝突エネルギ
を吸収すると共にハウジングと衝突する衝突面積
が小さくなるため、ハウジングとキーステムとの
衝突による騒音を小さくでき、またキーステムに
板ばね部を一体に形成したため、部品点数が少な
くなると共に自動組立ができるようになり、製造
コストの低減をはかれ、更に自動組立ができるた
め組立の信頼性の向上をはかることができる効果
がある。

更に、本実施例に示すような可動側電極をキー
ステムに設けた方式に限らず、他のあらゆる方式
のキーボード用キースイツチに利用できる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の側断面図、第２図は第１図の
従来例におけるキーステムを示す斜視図、第３図
は本考案の一実施例を示す側断面図、第４図は第
３図の実施例におけるキーステムを示す斜視図、
第５図は本考案におけるキーステムの別の実施例
を示す側面図である。 １３，２８……キーステム、１４……本体、１
５……切込み、１６，３０……突起、１７，２９
……板ばね部、１９……突起部、２１……ハウジ
ング、２２……筒部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 固定接点を覆うハウジングと、 底部に可動接点を取付けた板状の本体及びこの
   本体の中央部に形成された突起部を有し、前記可
   動接点が固定接点に対向するように前記本体をハ
   ウジング内に収容すると共に突起部をハウジング
   に移動可能に挿入したキーステムと、 前記可動接点が固定接点から離れるようにキー
   ステムを付勢する復帰用ばねを具備したキーボー
   ドスイツチにおいて、 前記キーステムの本体に切込みを入れて突起部
   の移動方向に撓む板ばね部を形成し、 かつ前記板ばね部の先端部に、キーステム復帰
   時にハウジングに衝突する突起を設けたことを特
   徴とするキーボードスイツチ。