JPH0329705B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、プラスチツクフイルム、紙、布、金
属薄片等の長尺薄状帯材（以下ウエブと称す）の
巻取装置に係り、特に巻取中のウエブにエアを吹
付けるエア噴射装置を備えたウエブの巻取装置に
関する。

一般にプラスチツクフイルム等を高速で巻芯に
巻取るとプラスチツクフイルム帯に同伴するエア
も同時に巻込む為、以下の様な不具合を生じる。
即ち、ウエブ巻取中若しくはウエブロールの搬送
中にウエブが横ずれを生じたり、ウエブロールの
中心に菊状の巻だるみを生じたりしてウエブの製
品歩留りを悪くする。この為、この様な不具合を
解決する為に、従来のウエブ巻取装置は巻取テン
シヨンを大きくしたり、また実公昭56−47806号
公報に開示されているウエブ巻取装置のように、
レイオンロールをウエブ巻取中にウエブに押圧し
てウエブの巻取を行つていた。然し乍ら、前者の
ウエブ巻取装置は高テンシヨンの為巻芯近くのフ
イルム帯の圧縮力が大きくなり、フイルム先端部
の写り、皺等が発生し製品歩留りを悪くする。ま
た後者のウエブ巻取装置はレイオンロールがウエ
ブに接触する為ウエブへの押し傷の発生、ごみの
付着等が生じ、後行程の検査に手間取る。また後
者のウエブ巻取装置でレイオンロールをウエブに
接触させないでウエブロールから僅かに浮かせて
巻取る方法もあるが、この方法はウエブが高速に
なるにつれて巻きずれ防止効果がなくなる。

また別の公知のウエブ巻取装置として、米国特
許3912186号公報及び特公昭40−20921号公報に開
示されているようにエアを吹出すチヤンバをエア
噴射反撥力によりウエブロール上に浮かし、エア
チヤンバからの噴射エアによりウエブを押さえ付
けてウエブに同伴してくるエアの侵入を防止しつ
つウエブを巻取る装置が提案されている。然し乍
らこのウエブ巻取装置が15乃至25μｍの薄いフイ
ルム帯を100ｍ／min以下の低速度で巻取る場合
には一定の効果を挙げ得るが、250μｍ程度の厚
くて剛性のあるフイルム帯を100ｍ／min以上の
高速度で巻取る場合にはエアチヤンバのシール部
にフイルムが触れる等して装置の信頼性がない。

本発明はこの様な事情に鑑みてなされたもの
で、いかなる種類のウエブロールをも高速で巻取
ることができ、しかも巻きずれ、ウエブの傷等が
発生しないウエブの巻取装置を提案することを目
的としている。

本発明は前記目的を達成する為に、第１フレー
ムと、第１フレームに支持され駆動機構により第
１フレームにそつて移動可能な第２フレームと、
第２フレームに設けられてウエブロールに対して
前進移動並びに後退移動が可能であると共に巻芯
に巻取られるウエブにエアを吹付けるノズルと、
巻芯に巻取られるウエブの巻取量を検出するセン
サと、第２フレームの駆動機構を駆動する駆動源
と、センサからの検出信号を受けて駆動源を駆動
しノズルをウエブの巻取量に応じて移動させる制
御部とからなることを特徴としている。

以下添付図面に従つて本発明に係るウエブの巻
取装置の好ましい実施例をターレツト型巻取機に
適用した例を説明する。

第１図は本実施例の構造を示す側面図、第２図
は第１図上−線に沿う正面図である。第１図
に於いて１０はターレツト型巻取機を示し、１２
は軸１４を中心に回動するアーム、１６はアーム
１２の両端に設けられた巻芯である。ウエブ１８
はパスローラ２０等でガイドされて巻芯１６に巻
取られ、ウエブ１８は満巻後は図示しないウエブ
切断装置により切断される。次にアーム１２が
180゜回動し、満巻の巻芯１６の代わりに空の巻芯
１６が配置される。

一方、ベース２２にはガイド棒２４が立設さ
れ、第１フレーム２６はこのガイド棒２４に沿つ
て摺動自在である。即ち第１フレーム２６の第１
図上で左側には保持部２８，２８が形成され、こ
の保持部２８はガイド棒２４に摺動自在に支持さ
れ、従つて第１フレーム２６は保持部２８を介し
てガイド棒２４に沿つて第１図上で上下方向に移
動可能である。またベース２２にはエアシリンダ
３０が設けられる。このエアシリンダ３０の作動
ロツド３２には第１フレーム２６と一体のアーム
３４が固定されている。従つて第１フレーム２６
はエアシリンダ３０の作動に応じてガイド棒２４
に沿つて上下動することになる。

第１フレーム２６は第２図に示すように方形に
枠組され、第１フレーム２６の中央上下方向にね
じ棒３６が枢支され、ねじ棒３６の両側にはガイ
ド棒３８，３８が上下方向に配置されて固定され
ている。この第１フレーム２６のガイド棒３８，
３８には第２フレーム４０が摺動自在に支持され
ている。即ち第２フレーム４０には保持部４２，
４２が形成されて、第２フレーム４０の保持部４
２はガイド棒３８に対して摺動自在である。また
第２フレーム４０にはねじ嵌合部４４が形成さ
れ、このねじ嵌合部４４にはねじ棒３６が螺合し
ている。従つてねじ棒３６が回動すると第２フレ
ーム４０はガイド棒３８，３８に沿つて上下動す
ることになる。また第１フレーム２６の上面には
駆動源としてのモータ４６が設けられ、このモー
タ４６はクラツチ４８、減速機５０を介してねじ
棒３６を回転させる。

第２フレーム４０には保持部４２の近傍から支
持アーム５２，５２が下方に向けて延在し、この
アーム５２の下端にはエアチヤンバ５４が固着さ
れている。エアチヤンバ５４は第３図に示すよう
にその断面形状が５角形に形成され、その下端尖
端部にはスリツト５６が形成されてノズル５８が
構成される。即ち、スリツト５６はエアチヤンバ
５４の下側両斜辺５４Ａ，５４Ａに設けられたプ
レート６０，６０によつて形成され、このスリツ
ト５６の幅はプレート６０，６０を矢印の如く移
動することにより変更することができ、これによ
りノズル５８からのエア噴射圧力を変えることが
できる。尚、このスリツト５６の長さは第２図に
示すようにウエブロール６２の幅長を有するよう
に形成されている。

エアチヤンバ５４には、第４図に詳細に示すウ
エブ巻取量の検出センサとしてのエアセンサ６４
が第２図に示すように所定間隔で配設されてい
る。エアセンサ６４からの検出信号は第１図で示
す制御装置６６に送られ、制御装置６６はモータ
４６に作動信号を与える。従つてウエブ１８が巻
芯１６に巻取られ、巻取径が大きくなるとエアセ
ンサ６４から制御装置６６に信号が送られ、モー
タ４６が駆動してエアチヤンバ５４はウエブの巻
取量に応じて上動し、ウエブロール６２とエアチ
ヤンバ５４との間には所定間隔が維持されること
になる。

第２図に示すように支持アーム５２，５２には
横方向の連結アーム６８，６８（第２図は１本の
み図示）が設けられ、この連結アーム６８の両端
には夫々ダクト７０が設けられる。第２図に示す
ように４本のダクト７０は等間隔で設けられ、ダ
クト７０の下端部はエアチヤンバ５４に連通され
る。ダクト７０は第１図で示すフレキシブルチユ
ーブ７２を介して次に述べる送風装置と接続され
る。送風装置は、エア吸込側のフイルタ７３、送
風フアン７４、ヒータ７６、クーラ７８、風量調
整弁８０、温湿度センサ８２から構成される。温
湿度センサ８２からの検出信号はヒータ７６、ク
ーラ７８に制御装置８４を介してフイードバツク
され、エアチヤンバ５４に送られるエアの温度、
湿度をコントロールする。このようにして、ウエ
ブ１８が感光材料のような場合にでもウエブ１８
の変質を防止するための最適温度、湿度にエアチ
ヤンバ５４から噴出するエアを保つことができ
る。

また第１図に示すようにパスローラ２０に近接
してウエブ速度センサ８６が設けられ、このウエ
ブ速度センサ８６は制御装置８８を介して風量調
整弁８０の開閉を制御する。

前記の如く構成された本発明に係る実施例の作
動は次の通りである。先ず巻芯１６にウエブ１８
が巻付くと、このことを図示していない巻付開始
検出センサが検知し、制御装置８８は巻付開始検
出センサからの信号に基ずいて風量調整弁８０を
予め設定された開度に開く。フアン７４は常時駆
動されており、従つて弁８０の開放に伴つてエア
がダクト７０、エアチヤンバ５４に送られる。エ
アチヤンバ５４内のエアはノズル５８から噴出
し、エアは巻取中のウエブ１８に向けて吹付けら
れる。従つて高速搬送中のウエブ１８に同伴され
るエアはノズル５８からの噴射エアによつて吹き
とばされるので、ウエブロール６２には巻きず
れ、皺の発生等を防止することができる。またウ
エブロール６２の巻取径の増加に応じてエアチヤ
ンバ５４は第２フレーム４０と共に上動し、ウエ
ブ１８とノズル５８との間を所定距離に保つので
剛性の大きい比較的厚みのあるウエブを高速で搬
送するような場合でもウエブ１８はエアチヤンバ
５４と接触するようなことはなくウエブに傷等が
発生することはない。エアチヤンバ５４は、ウエ
ブ１８の巻取量の増加に応じて連続的に上動させ
てもよいし、所定距離ごとに段階的に上動させて
もよい。尚ノズル５８から噴射されるエア圧力は
ウエブ１８の搬送速度に応じて変えることがで
き、これは風量調整弁８０の開度を変えてもよい
し、フアン７４の送風量を変えることによつて行
つてもよい。

ウエブ１８の巻取作業が終了すると図示しない
ウエブ切断装置によりウエブが切断される。次に
エアシリンダ３０が作動し、第１フレーム２６を
上動させ、第２フレーム４０、エアチヤンバ５４
等をターレツト型巻取機１０のアーム１２の旋回
域から避退させる。次にアーム１２を180゜回転
し、これにより空の巻芯１６が配置され、再びウ
エブ１８の巻取作業が続行される。

前記実施例をフイルム帯厚130μｍ、フイルム
幅1500mm、巻取速度200ｍ／min、噴射エア圧力
1000mmAq、巻取テンシヨン50Kgの条件下で実施
したところ巻芯側ウエブロール上のフイルム先端
部切口の写り、皺、巻きずれ等の発生は防止出
来、美麗なウエブロールを得ることが出来た。従
来この様な条件の下では巻取テンシヨンが80Kg以
上必要とし、フイルム先端部切口の写り、皺等の
発生は避けられなかつたが本実施例により改善す
ることができた。

前記実施例では、ノズル５８のエア噴出孔をス
リツト形状としたのであるがこれに限定されるも
のではなく第５図、第６図に示すように円孔ノズ
ル９０をエアチヤンバ５４に所定間隔で並列的に
形成し、この円孔ノズル９０からエアを噴射させ
ても同様の効果を得ることができる。また、前記
実施例ではウエブ巻取量検出センサとしてエアセ
ンサ６４を用いたのであるが、他の検出センサ例
えばビームセンサ等を用いてもよい。また、第１
図に於けるウエブの巻取経路は第７図に示したご
とき経路の場合にも有効である。

以上説明したように本発明に係るウエブの巻取
装置によれば、巻芯に巻取られるウエブとエア噴
射ノズルとの位置を一定にし、エア押圧位置を一
定にしたので、巻取られるウエブに同伴されるエ
アを有効に吹きとばし、ウエブロールの巻きずれ
等を防止することができる。またエア噴射ノズル
からのエア圧力はウエブの搬送速度に応じてコン
トロールすることができるので、厚みのあるウエ
ブを高速で巻取る様な場合でもウエブがノズルに
接触するようなことはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例の構造を示す側面図、第２図
は第１図上−線に沿う正面図、第３図は本実
施例のエアチヤンバ並びにノズルの形状を示す断
面図、第４図は本実施例のエアセンサを示す断面
図、第５図はノズルの変形例を示す断面図、第６
図は第５図上で−線に沿う断面図、第７図は
ウエブの巻取経路の異なる場合の使用例を示す説
明図である。 １８……ウエブ、２６……第１フレーム、３０
……エアシリンダ、３６……ねじ棒、４０……第
２フレーム、４６……モータ、５４……エアチヤ
ンバ、５８……ノズル、６４……エアセンサ、６
６……制御装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１フレームと、 第１フレームに設けられた真直なガイド棒に支
   持され駆動機構によりガイド棒にそつて移動可能
   な第２フレームと、 第２フレームに設けられてウエブロールに対し
   て前進移動並びに後退移動が可能であると共に巻
   芯に巻取られるウエブにエアを吹付けるノズルを
   有するエアチヤンバと、 エアチヤンバに取付けられて巻芯に巻き取られ
   るウエブの巻取量を検出するセンサと、 第２フレームの駆動機構を駆動する駆動源と、 センサからの検出信号を受けて駆動源を駆動し
   ノズルをウエブから所定間隔を保つように移動さ
   せる第１の制御部と、 ノズルから吹出されるエアの圧力をウエブの速
   度に応じてコントロールする第２の制御部と、か
   らなるウエブの巻取装置。 ２ ウエブの種類に応じてノズルから吹出される
   エアの温度、湿度をコントロールする第３の制御
   部を有する特許請求の範囲１のウエブの巻取装
   置。