JPH0329482B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は横積みされたコイル材を次工程のプレ
ス加工ラインに自動供給する横型旋回式アンコイ
ラに関する。

〔従来技術〕

プレス機にコイル材を供給するプレス加工ライ
ンにおける装置の一例として、横型旋回式アンコ
イラが知られている。このアンコイラは、第６図
に示されるように、ターンテーブル２上にコイル
材１が横積みされており、リミツトスイツチ等を
介してターンテーブル２が間欠的に回転し、これ
によつてコイル材１が矢印Ａ方向に間欠的に繰り
出され、フイードロール等の送出装置を介してプ
レス機に送出されるようになつている。またター
ンテーブル２が間欠回転するため、繰り出された
コイル材１に弛みが生じるおそれがあるが、ター
ンテーブル２の近傍位置には繰り出されたコイル
材１を掛架するコイル材ガイド部４が設けられ、
このガイド部４によつてコイル材１を矢印Ｂ方向
に引つ張るようにして、繰り出されたコイル材の
弛みをなくすようになつている。なお符号６はコ
イル材ガイド部４の支持部で、ガイド部４は矢印
Ｃ方向に摺動できるように支持されており、ガイ
ド部４にはワイヤ８を介して錘部材７の重力が常
に作用するようになつている。なお符号９は滑車
である。

〔発明の解決しようとする課題〕

しかし前記した従来のアンコイラでは、特にコ
イル材１が薄板の場合に、コイル材ガイド部４に
よる掛架領域においてコイル材１が折曲されてし
まうという問題があつた。これは、コイル材ガイ
ド部４に掛架された領域では錘部材７の重力相当
の引張力が常に作用した状態となつており、ター
ンテーブル２の間欠的停止時や、プレス機側から
コイル材１が引つ張られた時等には、コイル材の
ガイド部４での掛架位置において衝撃引張力が作
用し、これが原因で折曲されるものと思われる。

本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされた
もので、その目的はコイル材がコイル材ガイド部
に掛架された位置において折曲されることのない
横型旋回式アンコイラを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、本発明に係る横型
旋回式アンコイラにおいては、ターンテーブル上
に横積みされたコイル材を、ターンテーブルの回
転によつて巻き解して次工程の加工ラインに繰り
出し供給する横型旋回式アンコイラにおいて、タ
ーンテーブル近傍位置に、ターンテーブルから繰
り出されたコイル材を掛架して、次工程に送出す
るコイル材の弛みをなくすためのガイドローラを
設けた横型旋回式アンコイラであつて、前記ガイ
ドローラを、次工程へのコイル材送り出し方向と
略平行な方向に延在する摺動ガイドに組付けられ
たスライダーに固定支持し、ばね部材によつてコ
イル材送出方向と逆方向に前記スライダーをばね
付勢して、コイル材の掛架部を前記ガイドローラ
により弾支するようにしたものである。

〔作用〕

ガイドローラを介してコイル材を弾支するばね
部材がコイル材の掛架領域に作用する衝撃力を吸
収する。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図〜第５図は横型旋回式アンコイラを示す
ものであつて、第１図は横型旋回式アンコイラの
正面図、第２図はその平面図、第３図はコイル材
ガイド機構の一部を断面で示す正面図、第４図は
その水平断面図、第５図は第３図に示す線Ｖ−Ｖ
に沿う断面図である。

これらの図において、符号１０はターンテーブ
ルで、このターンテーブル１０は床面に設置した
一対の脚部材１２を有するベース１４上に設置さ
れている。また、このターンテーブル１０の上部
中心部には円筒状の芯部１１が立設されており、
この芯部１１に空芯部を嵌入された複数個のコイ
ル材Ｗがターンテーブル１０上に積層状態に横積
みされている。なお、ターンテーブル１０内に
は、ターンテーブル１０を回転駆動させるサーボ
モータ１３ａを備えた駆動部１３が内設されてい
る。このサーボモータ１３ａは、後述する速度設
定ポリユーム２５ａからの信号に応じた回転速度
で回転して、コイル材Ｗを繰り出すようになつて
いる また、ベース１４の一端部には、支柱１６が立
設されており、この支柱１６によつて、コイル材
ガイド部であるガイドローラ３０を有するコイル
材ガイド機構２０が支持されている。支柱１６は
同心状内外筒構造とされるとともに、内筒部１６
ａは、外筒部１６ｂに対し圧縮コイルスプリング
１７によつて支柱１６が伸長する方向に付勢され
ており、図示しないロツク機構によつて、その伸
長量、即ち支柱１６の高さを調整でき、これによ
つてコイルガイド部であるガイドローラ３０の高
さ位置を調整できるようになつている。

符号２１はコイル材ガイド機構２０の矩形状の
ケーシングで、符号２１ａはカバー、符号２１ｂ
は側壁、符号２１ｃは底板である。ケーシング２
１内には、両端部が側壁２１ｂ，２１ｂに固定支
持され、上下に対向して水平方向に延びるメイン
レール２２Ａとサブレール２２Ｂとが配設されて
いる。レール２２Ａにはリニヤボールベアリング
２３Ａを介してスライダ２４が組付けられ、スラ
イダ２４に設けられたローラ２３Ｂがサブレール
２２Ｂに沿つて転動するようになつている。即
ち、メインレール２２Ａ及びサブレール２２Ｂが
スライダ２４の摺動ガイドとして機能している。
ケーシング２１の底板２１ｃにはレール２２と平
行に延びるラツク２６が配設され、スライダ２４
の側面に支承されたギヤ２５がこのラツク２６と
噛み合つて、スライダー２４がレール２２Ａに沿
つて滑らかに摺動できるようになつている。また
スライダ２４のギヤ２５支承部と反対の側面に
は、レール２２Ａと直交して下方に延びるＬ字形
状のシヤフト２８が突設されており、このシヤフ
ト２８の先端部にはコイル材Ｗを掛架するガイド
ローラ３０が回動可能に組付けられている。第３
図符号２８ａはシヤフト２８のスライダ２４への
固着部である。なお符号３２はガイドローラ３０
の両端部に形成されている円盤形状のワークガイ
ドで、コイル材Ｗを巾方向に位置決めするための
ものであり、符号３４はコイル材Ｗのガイドロー
ラ３０からの脱落を防ぐためのガイドバーであ
る。またシヤフト２８のＬ字屈曲部にはジヨイン
ト部２９が設けられており、このジヨイント部２
９位置においてガイドローラ３０の向きをコイル
材Ｗに対し最良位置となるようにシヤフト２８の
屈曲形状を調節できるようになつている。

また符号２５ａは、ギヤ２５の回動量を検出し
て、この回動量、換言すればスライダ２４の位置
に応じた信号を出力する速度設定ポリユームで、
ターンテーブルの駆動部１３のサーボモータ１３
ａはこの出力に応じた速度で回転する。即ち、タ
ーンテーブル１０の回転が遅く、コイル材Ｗの繰
り出し量が、例えばフイードロールのコイル材送
出速度に比べて不十分な場合には、コイル材Ｗが
緊張状態となつてガイドローラ３０が引張られ、
スライダ２４が第３図右方向に摺動する。このと
き速度設定ポリユーム２５ａがギヤ２５の回動量
に比例した信号を出力し、サーボモータ１３ａの
回転速度が速くなつて、ターンテーブル１０から
繰り出されるコイル材Ｗの繰り出し速度が増す。
一方、ターンテーブル１０の回転が速く、コイル
材Ｗが弛んだ場合には、ガイドローラ３０に作用
する張力が弱くなつて、スライダ２４は第３図左
方向に摺動する。そして速度設定ポリユーム２５
ａがギヤ２５の回動量に比例した信号を出力し、
サーボモータ１３ａの回転速度が遅くなつてター
ンテーブル１０から繰り出されるコイル材Ｗの繰
り出し速度が減る。

符号４０は内蔵されたぜんまいばね４１によつ
て回転付勢された滑車で、この滑車４０はワイヤ
ー４２を介して、スライダ２４に接続されてお
り、スライダ２４は第３図，第４図左方向に常に
引張られた状態となつている。このためスライダ
２４およびガイドローラ３０は、ぜんまいばね４
１のばね力によつて常に第３図左方向に付勢され
た状態となつている。なおぜんまいばね４１のば
ね力は調整ねじ４３によつて調整できる。そして
コイル材Ｗはこのガイドローラ３０に掛架されて
矢印Ａ方向に送り出されるようになつており、コ
イル材Ｗの掛架部には常にコイル材の次工程（例
えばフイードロール）への送出方向と逆方向（タ
ーンテーブル１０の回転によるコイル材繰り出し
方向と同方向）の力が作用して、コイル材Ｗの弛
みをなくすようになつている。

またコイル材にプレス機の引張力が作用した時
とか、ターンテーブル１０の回転が停止してコイ
ル材の繰り出しが止まつた瞬間等には、次工程
（例えばフイードロール）側からの引張力やガイ
ドローラ前方領域のコイル材の慣性力が、コイル
材を掛架しているガイドローラ３０に倍化されて
衝撃力として作用する。しかるにこれらの力がガ
イドローラ３０に作用すると、ぜんまいばね４１
が変形して、この衝撃力を吸収する。このためコ
イル材Ｗの掛架領域に作用する衝撃力は著しく軽
減されて、ガイドローラ３０側に伝達される。し
たがつて、コイル材Ｗとガイドローラ３０間には
大きな衝撃引張力が作用することはなく、コイル
材Ｗのガイドローラ３０での掛架領域においてコ
イル材Ｗが折曲されて折損する等という不具合が
あない 〔発明の効果〕 以上の説明から明かなように、本考案に係る横
型旋回式アンコイラにおいては、コイル材ガイド
部を支持するばね部材がコイル材のガイド部に掛
架された領域に作用する衝撃力を吸収するので、
コイル材のガイド部に掛架された領域での折曲が
なくなつて長期にわたり安定した使用が可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は横型旋回式アンコイラの正面図、第２
図はその平面図、第３図はコイル材ガイド機構の
一部を断面で示す正面図、第４図はその水平断面
図、第５図は第３図に示す線Ｖ−Ｖに沿う断面
図、第６図は従来の横型旋回式アンコイラの正面
図である。 １０……ターンテーブル、２０……コイル材ガ
イド機構、２２Ａ，２２Ｂ……スライダの摺動ガ
イドであるレール、２４……ガイドローラを支持
するスライダ、３０……コイル材ガイド部である
ガイドローラ、４１……ばね部材であるぜんまい
ばね、Ｗ……コイル材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ターンテーブル上に横積みされたコイル材
   を、ターンテーブルの回転によつて巻き解して次
   工程の加工ラインに繰り出し供給する横型旋回式
   アンコイラにおいて、ターンテーブル近傍位置
   に、ターンテーブルから繰り出されたコイル材を
   掛架して、次工程に送出するコイル材の弛みをな
   くすためのガイドローラを設けた横型旋回式アン
   コイラであつて、前記ガイドローラは、次工程へ
   のコイル材送り出し方向と略平行な方向に延在す
   る摺動ガイドに組付けられたスライダーに固定支
   持され、このスライダーはばね部材によつてコイ
   ル材送出方向と逆方向にばね付勢されて、コイル
   材の掛架部が前記ガイドローラにより弾支された
   ことを特徴とする横型旋回式アンコイラ。