JPH0328824Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、乳液・フアンデーシヨン等の液状、
或は、ペースト状の化粧料を収納すると共に、該
化粧料の適量吐出が可能な化粧料収納容器に関す
るものである。

［従来の技術］ 従来、液状、或いは、ペースト状の化粧料はそ
の製品の用途に応じて壜体、チユーブ体等の容器
に収納されていた。

これらの容器は、通常、キヤツプ体が螺合され
ており、該キヤツプ体を回動して開蓋した後、適
量の化粧料をスポンジやパフ等の塗布具に付着さ
せて使用するが、その操作としては壜体を軽く振
つたり、チユーブ体の胴部を押圧して化粧料を取
り出していた。

又、実開昭59−153875に見られる様な筒内に嵌
挿した可動底壁をもつ筒状の容器の頂壁に通孔を
穿設し、下方に切欠部を有する柄桿と弾性帽体と
を一体設した押しボタンを形成し、該押しボタン
の前記柄桿を上下自在に前記通孔に密挿させて成
るクリーム等の注ぎ出し容器も考案されている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、従来の壜体やチユーブ体等の容
器では、ハンドバツグや化粧用ポーチ等に収容し
て携帯する際、収容し辛かつたり、嵩ばるなど、
使用上極めて不都合な形態であつた。

又、化粧料を容器から塗布具に取り出す操作が
非常に煩しいばかりか、適量の化粧料を抽出させ
る事が困難な場合が多く、不便であり、結果的に
消費者の不利益に結びつく欠点も有していた。

更に、使用時や保存時に雑菌が入り込んで化粧
料を変質させてしまうという衛生上の問題点も含
んでいた。

一方、実開昭59−153875に見られるクリーム等
の注ぎ出し容器は、柄桿と通孔の加工に於いて、
前記柄桿と前記通孔の密挿力を一定にする事が極
めて困難である。従つて、密挿力が弱いと柄桿と
通孔との間の密閉性が低下するので、逆流したり
吸入作用が弱くなる恐れがあり、逆に、密挿力が
強いと通孔内で柄桿が円滑に昇降せず、押ボタン
の押圧操作が非常に煩しくなると共に、弾性帽体
の弾性復帰が困難になる。

加えて弾性帽体を押圧する際、内容物は必ず受
皿にのみ注ぎ出されるとは限らず、構造上、弾性
帽体の周縁より四方に吐出して来る可能性もあ
る。

又、内容物は押ボタンの弾性帽体内部にまで充
填されている為、消費者の手に渡るまでの流通過
程に於いて、温度・圧力等の環境変化並びに落下
等の衝撃に依つて弾性帽体から流出してしまう恐
れがあつた。

尚、内容物を押ボタンの弾性帽体内部には充填
しない場合は、内容物の粘度や性状の具合や、内
容物に混入した気泡により弾性帽体からの内容物
が吐出しなかつたり、スムーズに吐出しなかつ
た。

［問題点を解決する為の手段］ 本考案は前記欠点を解消する為に改良されたも
ので、周壁の一部に充填口部を有し、上面に凹部
を形成した本体と、内部を圧力室とする押圧片、
及び、前記上面に自身の弾性力によつて弾密接
し、且つ、前記圧力室が負圧の時閉じている弁片
を一体設した後、前記凹部へ覆設して成る弾性を
有する作用体と、前記凹部内での吸入開口部上に
位置し、前記作用体の内圧の上昇により閉じ負圧
により開く弁体と、前記圧力室と外部との間に前
記弁片を介して形設した吐出路と、前記本体内を
二室に密に区画して前後に摺動し得る区画板と、
該区画板を押圧し得る押圧部材とで構成した事を
特徴とするものである。

［実施例］ 以下に図面を参照しながら詳細に説明する。

第１図並びに第２図を参照して、本考案の一実
施例を説明する。１は液状、或いは、ペースト状
の化粧料２を収納する扁平筒状の本体で、該本体
１の周壁の一部に充填口部３を穿設し、該充填口
部３より前記化粧料２を充填した後、栓体４を嵌
入固定して前記充填口部３を閉塞する。次いで、
前記本体１の上面５には凹部６と皿部７を形成
し、内部を圧力室８とする押圧片９、及び、前記
上面５に自身の弾性力によつて弾密接し、且つ、
前記圧力室８が負圧の時閉じている弁片１０を外
鍔状に一体設した弾性を有する作用体１１を前記
凹部６へ覆設するが、前記凹部６内での吸入開口
部１２上に、予め、前記作用体１１の内圧の上昇
により閉じ負圧により開く弁体１３を設けると共
に、前記圧力室８と外部との間に前記弁片１０を
介してリーク通路としての吐出路１４を形設して
おく。

一方、前記本体１内には該本体１の内壁１５と
密接する区画板１６を底壁１７に対して立設し、
化粧料収納室１８と空気室１９の二室に区画する
が、前記区画板１６は前記内壁１５との密接状態
を保ちつつ、前記本体１内の前記吸入開口部１２
側の前端壁２０と該前端壁２０と対向する後端部
２１の間を前後に摺動し得る様に構成してあり、
前記化粧料２の充填前は前記吸入開口部１２下
に、予め位置させる。尚、前記区画板１６の形状
は、前記内壁１５に対して密に接する様に形成し
た板状体であり、その厚みについては特に限定す
るものではないが、より厚く成型すれば、前記区
画板１６は前記本体１内で傾きにくくなるので該
区画板１６を円滑に摺動させる手段として有効で
ある。

更に、前記区画板１６を前記本体１外から押圧
し得る押圧部材２２を形設するが、その形設位置
は前記空気室１９側に設けるものであるが、その
手段はノツク式・スライド式・螺子式等が利用出
来、化粧料の種類や化粧料収納容器の使用条件等
に依存し、適宜検討して選定すれば良い。

第１図並びに第２図に示す一実施例に於いて
は、押圧部材２２はノツク式の構成を利用してお
り、本体１内に装置した側部蓋体２５ａと、該側
部蓋体２５ａにスプリング２４を介して取り付け
た押し出し部２３ａとからなり、前記押し出し部
２３ａの後端２６を指で押圧する事に依り前記区
画板１６を押圧し得る様に構成されている。

第３図並びに第４図に示す他の一実施例に於い
ては、押圧部材２２はスライド式の構成を利用し
ており、押し出し部２３ｂと該押し出し部２３ｂ
に横設した操作突子２７とからなつており、該操
作突子２７に係止し得る係止孔２８が本体１に形
設されている。而して、前記操作突子２７を前記
係止孔２８に沿つてスライドさせる事に依り前記
区画板１６を押圧し得る様に構成されている。
尚、前記押圧部材２２の本体１内からの脱落を防
止する目的で側部蓋体２５ｂを形設しても良い。

第５図並びに第６図に示す一実施例に於いて
は、押圧部材２２は螺子式の構成を利用してお
り、螺子杆２９を基部に有する押し出し部２３ｃ
と該押し出し部２３ｃの基部の螺子桿２９に螺装
させる回転体３０と前記押し出し部２３ｃ並びに
回転体３０を本体１に係合させる側部蓋体２５ｃ
とからなつており、前記回転体３０を定位置回転
可能に抱持する切欠窓孔３１が本体１に形設され
ている。而して、前記回転体３０を指で回転する
事に依り前記区画板１６を押圧し得る様に構成さ
れている。

一方、前記区画板１６の摺動に伴う前記空気室
１９の容積の増減による内圧変化を防ぎ、外圧と
常に等しく一定に保つ為、空気抜きの為の通気孔
３２が、前記空気室１９の一部に必要である。第
１図並びに第２図に示す実施例に於いては、前記
押し出し部２３ａに通気孔３２を穿設している。
又、第３図並びに第４図に示す実施例に於いて
は、前記係子孔２８が通気孔３２の役割を兼ねて
いる。尚、第５図並びに第６図に示す実施例に於
いては、前記切欠窓孔３１が通気孔３２の役割を
兼ねている。このように通気孔３２は、空気室１
９のいずれの部位にも形設し得る。

前記構成に依つて成型した化粧料収納容器３３
はそのまま単独でも使用可能であるが、第７図に
示す如くコンパクト容器３４に於ける収納部３５
へ、スポンジ・パフ等の塗布体３６と共に収納し
て使用する事も可能であり、実用上、特に有効な
手段である。尚、３７はコンパクト容器３４の蓋
体である。

又、化粧料収納容器３３を第１図並びに第２図
に示す実施例の如く構成した場合、即ち前記押し
出し部２３ａの後端２６を本体１と同一面まで押
圧し、第７図に示す様にコンパクト容器３４の蓋
面に穿設した嵌合孔３８に押し出し部２３ａの後
端２６を嵌合し、化粧料収納容器３３をコンパク
ト容器３４に収納する事が出来る。この場合は、
接着剤等を必要とせず、ワンタツチで化粧料収納
容器３３をコンパクト容器３４に収納、脱着する
ことが出来、便利である。

［作用］ 本考案は以上の如く構成したので、第１図、第
２図並びに第７図に示す例に於いてこれを使用す
る際は、先ずコンパクト容器３４の蓋体３７を開
蓋した後、指先にて押圧部材２２の押し出し部２
３ａに於ける後端２６を押圧する。前記押し出し
部２３ａの移動により、区画板１６は押圧されて
前端壁２０に向つて摺動する為、化粧料２は吸入
開口部１２及び弁体１３を通過して凹部６並びに
圧力室８内にも進入する。ここで、手指又は塗布
体３６で化粧料収納容器３３の作用体１１に於け
る押圧片９を軽く押圧する。前記押圧片９が押圧
されると前記弁体１３が前記吸入開口部１２を封
止して前記圧力室８の内圧を上昇させる。内圧を
上昇させた後に押圧力を解除すると、前記押圧片
９が原形状を復元するのに伴つて、前記圧力室８
の内圧は徐々に減少して負圧になるので、前記弁
体１３が開き、前記吸入開口部１２より化粧料２
を前記凹部６内、及び、前記圧力室８内へ吸入す
る。この時、前記凹部６及び前記圧力室８内に進
入していた化粧料２は、吐出路１４を通過して上
面５に自身の弾性力によつて弾密接する弁片１０
を押し上げて吐出し皿部７へ広がるのである。こ
の時、弁片１０は化粧料２が皿部７へ吐出される
と同時に、自身の弾性力によつて元の様に上面５
に弾密接する。再び、前記操作を繰り返す事に依
り、適量の化粧料２を皿部７へ吐出させる事が出
来る。従つて、この押し出された化粧料２を前記
塗布体３６で擦取した後、直ちに化粧操作に移れ
ば良い。

前記押し出し操作を繰り返す事に依り、化粧料
収納室１８内に残存する化粧料２が徐々に減つて
いく為、区画板１６は前端壁２０に向つて摺動し
ていく。

一方、空気室１９はそのままでは膨張して減圧
されていくので、前記押し出し部２３ａに穿設し
た通気孔３２を通して外気を補充する事に依り、
常に外圧と等しい状態を保つている。

他の実施例のものについて述べる。第３図並び
に第４図に示す例に於いてこれを使用する際は、
指頭にて押圧部材２２の操作突子２７を係止孔２
８に沿つてスライドさせる。押し出し部２３ｂの
移動により、区画板１６は押圧されて前端部２０
に向つて摺動する為、化粧料２は吸入開口部１２
及び弁体１３を通過して凹部６並びに圧力室８内
にも進入する。以下は最初に述べた実施例のもの
と同様に使用でき、尚、空気抜きの為の通気孔３
２として前記係子孔２８がその役割を果たしてい
る。

次に、第５図並びに第６図に示す例に於いてこ
れを使用する際は、指頭にて押圧部材２２の回転
体３０を回転させて該回転体３０に螺装された螺
子杆を基部に有する押し出し部２３ｃを移動させ
る。而して区画板１６は押圧されて前端部２０に
向つて摺動する為、化粧料２は吸入開口部１２及
び弁体１３を通過して凹部６並びに圧力室８内に
も進入する。以下は最初に述べた実施例のものと
同様に使用できる。尚、空気抜きの為の通気孔３
２として、この場合は切欠窓孔３１がその役割を
果たしている。

［考案の効果］ 以上詳述せる如く、本考案は液状、或いは、ペ
ースト状の化粧料２を収納する容器でありながら
押圧片９を塗布体３６等で軽く押圧する単純な操
作のみで極めて簡便に化粧料２を吐出させる事が
可能であるから非常に便利である。しかも、押し
出し操作が簡単で、一回に使用するのに適当な量
のみを取り出す事が容易に行える上に、皿部７に
吐出する迄に外気に触れる事なく密封を維持でき
るので無駄なく衛生的に使用する事が可能であ
り、消費者にとつては非常に安心して使えるとい
う利点も有する。

又、本考案は押圧部材２２により区画板１６を
押圧し得る様に構成した事により、化粧料２を圧
力室８内にまで充填する必要がないので、商品と
して消費者の手に渡るまでの流通過程に於いて、
温度・圧力等の環境変化並びに落下等の衝撃に依
つて、内容物である化粧料２が化粧料収納容器３
３から流出してしまう恐れも無い。

更に、使用当初にあつては、押圧部材２２の操
作により、内容物である化粧料２を充分に圧力室
８内に送り込む事が出来るので、次いで行なう化
粧料２の化粧料収納容器３３からの押し出し操作
がスムーズに行ない得る。即ち、化粧料２の粘度
や性状の具合や、化粧料２に混入した気泡に左右
される事無く、使用する事が出来る。

又、コンパクト容器３４に塗布体３６等と共に
収納する事も可能であり、携帯性に極めて優れ便
利である。

而して、本考案は多くの優れた利点を有し、且
つ、構造簡単にして成型容易であるから、便利で
しかも安価な製品を大量に消費者へ提供する事が
出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解組立斜視
図、第２図は同組立後の縦断面図、第３図は他の
一実施例を示す分解組立斜視図、第４図は同組立
後の縦断面図、第５図は更に他の実施例を示す分
解組立斜視図、第６図は同組立後の縦断面図、第
７図はコンパクト容器へ塗布体と共に収納した実
施例を示す斜視図である。 １……本体、２……化粧料、３……充填口部、
５……上面、６……凹部、８……圧力室、９……
押圧片、１０……弁片、１１……作用体、１２…
…吸入開口部、１３……弁体、１４……吐出路、
１６……区画板、２２……押圧部材、２３ａ，２
３ｂ，２３ｃ……押し出し部、２４……スプリン
グ、２５ａ，２５ｃ……側部蓋体、２７……操作
突子、２８……係止孔、２９……螺子杆、３０…
…回転体、３１……切欠窓孔、３３……化粧料収
入容器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) (i) 周壁の一部に充填口部３を有し、上面５
   に凹部６を形成した本体１と、 (ii) 内部を圧力室８とする押圧片９、及び、
   前記上面５に自身の弾性力によつて弾密接
   し、且つ、前記圧力室８が負圧の時閉じてい
   る弁片１０を一体設した後、前記凹部６へ覆
   設して成る弾性を有する作用体１１と、 (iii) 前記凹部６内での吸入開口部１２上に位置
   し、前記作用体１１の内圧の上昇により閉じ
   負圧により開く弁体１３と、 (iv) 前記圧力室８と外部との間に前記弁片１０
   を介して形設した吐出路１４と、 (v) 前記本体１内を二室に密に区画して前後に
   摺動し得る区画板１６と、 (vi) 前記区画板１６を押圧し得る押圧部材２２
   で構成した事を特徴とする化粧料収納容器３
   ３。 (2) 押圧部材２２が、本体１内に装着した側部蓋
   体２５ａ、該側部蓋体２５ａにスプリング２４
   を介して前記区画板１６を押圧し得る様に取り
   付けた押し出し部２３ａとからなる事を特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の化粧
   料収納容器３３。 (3) 押圧部材２２が、区画板１６を押圧し得る押
   し出し部２３ｂと、該押し出し部２３ｂに横設
   した操作突子２７とからなり、且つ、該操作突
   子２７が係止し得る係止孔２８を本体１に形設
   した事を特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の化粧料収納容器３３。 (4) 押圧部材２２が、螺子杆２９を基部に有し区
   画板１６を押圧し得る押し出し部２３ｃと、該
   押し出し部２３ｃの基部の螺子杆２９に螺装さ
   れる回転体３０と、前記押し出し部２３ｃ並び
   に回転体３０を本体１に係合させる側部蓋体２
   ５ｃとからなり、且つ、前記回転体３０を定位
   値回転可能に抱持する切欠窓孔３１を本体１に
   形設した事を特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の化粧料収納容器３３。