JPH0433817Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、液状、ペースト状等流体からなる化
粧料を収納し、化粧料の適量吐出が可能な流体化
粧料容器に関する。

［従来の技術］ 従来、液状、ペースト状等流体からなる化粧料
は、大部分がキヤツプが螺合されたびん、チユー
ブ等からなる容器に収納されていた。しかし、こ
うした容器であると、化粧料を取り出すに際し、
びんを振つたり、チユーブ胴を押圧し、スポンジ
やパフ等適宜塗布具に付着させて行なうため、取
出し操作が煩わしく、また適量の取り出しが難し
いという欠点があつた。その上、密封維持が困難
であるので、酸化、雑菌の混入等による化粧料の
変質、衛生上の問題があつた。

そこで、最近、筒内に嵌挿された可動底壁を有
する筒状の容器の頂壁に通孔を穿設し、下方に切
欠部を有する柄桿と弾性帽体とを一体に設けた押
しボタンを形成し、押しボタンの柄桿を上下自在
に通孔に密挿させたクリーム等の注ぎ出し容器が
考案された。

しかし、かかるクリーム等の注ぎ出し容器は、
柄桿と通孔の密挿力を一定にすることが極めて困
難である。密挿力が弱いと、柄桿と通孔との間の
密閉性が低下するので、逆流したり吸入作用が弱
くなるおそれがある。反対に、密挿力が強いと、
通孔内で柄桿が円滑に昇降せず、押しボタンの押
圧操作が困難になり、かつ弾性帽体の弾性復帰が
困難になる。加えて、弾性帽体は不定形に変形す
るから、化粧料が必ず受皿にのみ注ぎ出されると
は限られず、弾性帽体の周縁より四方に滲出して
くる可能性がある等の欠点があつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は、上記欠点を解決し、簡単かつ円滑に
適量の化粧料を取り出すこと、密閉性維持による
化粧料の変質防止、雑菌の混入防止等を図るこ
と、構造簡単な流体化粧料容器とすること等を目
的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的達成のため、本考案は、流体化粧料を
収納する容器において、化粧料を押圧する押圧体
が摺動自在に内挿され、かつ一端部にキヤツプ嵌
合部が設けられた中空体からなる本体と、該キヤ
ツプ嵌合部に着脱可能に嵌着されキヤツプ嵌合部
との間に圧力室を形成するキヤツプとからなり、
上記キヤツプ嵌合部は仕切壁を介して該圧力室と
出入口とが区画されるとともに、上記出入口と圧
力室が連通部を介して連通され、上記圧力室に外
部に通ずる吐出孔が設けられ、上記キヤツプは上
記出入口を被覆する蓋部と、上記連通部を被覆す
る開閉自在の弁片部と、上記圧力室を被覆する押
圧部、ばね部及び上記弁片部と、上記吐出孔を被
覆する開閉自在の弁部とからなり、上記蓋部、弁
片部、押圧部、ばね部及び弁部が弾性物質により
一体に形成されたことを特徴とする流体化粧料容
器、とくに、押圧部と弁部との境界線に沿つて折
部が設けられた点及び上記吐出孔が本体の上面に
設けられた皿部に開孔される点に特徴がある流体
化粧料容器を供する。

［実施例］ 次に、本考案にかかる流体化粧料容器を図面に
示す実施例に基ずいて説明する。

本体１は中空の方形体からなり、内部に液状、
ペースト状等流体からなる化粧料を押圧する押圧
体２が摺動自在に嵌挿される。本体１の素材は、
収納される化粧料と反応しない樹脂、例えば、ス
チロール、高密度ポリエチレンが用いられる。本
体１の一端部には、キヤツプ嵌合部３が設けられ
る。該キヤツプ嵌合部３は、仕切壁４により、下
方に形成された出入口５と上方に形成された圧力
室６が区画される。上記仕切壁４の先端部は切欠
され、出入口５と圧力室６を連通する連通部７が
形成される。該圧力室６の上部には外部に通ずる
吐出孔８が設けられる。９は本体１の上面に設け
られた皿部である。吐出孔８は皿部９に開孔され
ると、吐出された化粧料の取出しに一層好適であ
る。圧力室６の内容積は、化粧料一回分の吐出量
となるよう設けられるのが望ましい。本体１の他
端部には、空気孔１０が開孔された蓋栓１１が溶
着、嵌着等により取り付けられている。

１２は上記キヤツプ嵌合部３に着脱可能に嵌着
されるキヤツプである。該キヤツプ１２は、上記
出入口５を被覆する蓋部１３と、上記連通部７を
被覆するとともに、連通部７と圧力室６との吐出
路を形成する開閉自在の弁片部１４と、上記圧力
室６を被覆する互いに連接された押圧部１５、ば
ね部１６及び上記弁片部１４と、上記吐出孔８を
被覆する開閉自在の弁部１７とからなり、低密度
直鎖状ポリエチレン等の弾性物質により一体成形
される。１８は、押圧部１５と弁部１７との境界
線に沿つて穿設された折部である。かかる折部１
８があると、押圧部１５の押圧が一層円滑とな
る。

［作用］ 本考案にかかる流体化粧料容器において、押圧
部１５が押圧されると、押圧部１５は折部１８に
沿つて下方に屈曲される。このとき、連通部７は
弁片部１４により閉塞されているので、圧力室６
の内圧が上昇する。このため、弁部１７が開とな
り、圧力室６内の空気が吐出される。空気が吐出
されると、弁部１７は元位置に弾性復帰する。こ
の状態で、押圧部１５の押圧力を解除すると、ば
ね部１６の付勢力により押圧部１５が元位置に復
帰するのに伴なつて、圧力室６の内圧が徐々に減
少され負圧となる。このため、一点鎖線で図示す
るように弁片部１４が開となり、化粧料が出入口
５より連通部７を通つて圧力室６内に吸入され
る。次に、押圧部１５が再度押圧されると、この
押圧力により、圧力室６内にある化粧料は吐出孔
８より皿部９内に吐出される。この吐出量は、圧
力室６の内容積が化粧料一回分の量となるよう設
計されているので、過不足がない。したがつて、
皿部９に吐出された化粧料をスポンジ等適宜塗布
具により取り、使用することができる。化粧料が
吐出されると、圧力室６は負圧となるので、化粧
料が上記経路により圧力室６内に吸入され、次回
の吐出に備えることになる。

本体１内に収容された化粧料が減少されるのに
伴ない、本体１内は負圧となる。しかし、空気孔
１０より外気が補充されるので、押圧体２はキヤ
ツプ嵌合部３方向に摺動する。したがつて、本体
１内は常に圧密とされ、上記操作を繰り返すこと
が可能となるのである。

［考案の効果］ このように、本考案にかかる流体化粧料容器に
よれば、本体の一端部に設けられたキヤツプ嵌合
部に嵌着されるキヤツプが弾性物質により一体に
形成された蓋部、弁片部、押圧部、ばね部及び弁
部からなるため、押圧部の押圧という単純な操作
のみで極めて簡単かつ円滑に適量の化粧料を取り
出すことが可能である。しかも、化粧料を押圧す
る押圧体が摺動自在に内挿され、かつキヤツプ嵌
合部の出入口がキヤツプの蓋部により、また圧力
室が押圧部、ばね部及び弁片部によりそれぞれ被
覆されており、出入口と圧力室を連通する連通部
が開閉自在の弁片部により、圧力室に通ずる吐出
孔が開閉自在の弁部により、それぞれ被覆されて
いるため、化粧料の円滑取出しができるにかかわ
らず、本体の密閉性は常に維持される効果があ
る。したがつて、化粧料の変質防止、雑菌の混入
防止等の効果がある。

また容器は本体の一端部に設けられたキヤツプ
嵌合部に、弾性物質により一体に形成された蓋
部、弁片部、押圧部、ばね部及び弁部からなるキ
ヤツプが嵌着されただけであるので、構造が極め
て簡単であり、故障の防止、コスト低下等に有利
であり、コンパクト容器に塗布具とともに収納す
ることが可能である。

さらに、化粧料は必ず吐出孔より取出されるか
ら、化粧料の取出しの際に不測の汚穢を防止する
効果がある。この場合、吐出孔が本体の上面に設
けられた皿部に開孔されれば、化粧料の取出しが
一層安定する効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかる流体化粧料容器の実施例
を示し、第１図はその正面断面図、第２図は同平
面図、第３図は同右側面一部断面図である。 １……本体、２……押圧体、３……キヤツプ嵌
合部、４……仕切壁、５……出入口、６……圧力
室、７……連通部、８……吐出孔、９……皿部、
１０……空気孔、１１……蓋栓、１２……キヤツ
プ、１３……蓋部、１４……弁片部、１５……押
圧部、１６……ばね部、１７……弁部、１８……
折部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 流体化粧料を収納する容器において、化粧料
   を押圧する押圧体が摺動自在に内挿され、かつ
   一端部にキヤツプ嵌合部が設けられた中空体か
   らなる本体と、該キヤツプ嵌合部に着脱可能に
   嵌着されキヤツプ嵌合部との間に圧力室を形成
   するキヤツプとからなり、上記キヤツプ嵌合部
   は仕切壁を介して該圧力室と出入口とが区画さ
   れるとともに、上記出入口と圧力室が連通部を
   介して連通され、上記圧力室に外部に通ずる吐
   出孔が設けられ、上記キヤツプは上記出入口を
   被覆する蓋部と、上記連通部を被覆する開閉自
   在の弁片部と、上記圧力室を被覆する押圧部、
   ばね部及び弁片部と、上記吐出孔を被覆する開
   閉自在の弁部とからなり、上記蓋部、弁片部、
   押圧部、ばね部及び弁部が弾性物質により一体
   に形成されたことを特徴とする流体化粧料容
   器。 押圧部と弁部との境界線に沿つて折部が設け
   られた実用新案登録請求の範囲第１項記載の流
   体化粧料容器。 上記吐出孔が本体の上面に設けられた皿部に
   開孔される実用新案登録請求の範囲第１項又は
   第２項記載の流体化粧料容器。