JPH03285881A - 超速硬セメントコンクリートの被膜養生剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、超速硬セメントコンクリートの初期の乾燥ひ
び割れを防止する被膜養生剤に関する。

〔従来の技術〕

一般に超速硬セメントコンクリートは初期の水利発熱量
が大きく、コンクリート打設後の水分の蒸発が激しい。

そのため、例えば道路床板の打ち替え工事などで超速硬
セメントコンクリートを使用した場合、初期乾燥による
ひび割れを発生し易いという問題がある。

そこで、従来から初期乾燥によるひび割れを防止するた
めに、エチレン酢酸ビニルやビニリデンクロライドなど
を主成分とする被膜養生剤を使用し、コンクリート打設
後にこれをコンクリート表面に散布し、又は散布後にコ
テ仕上げをして保護被膜を形成するようにしていた。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来の被膜養生剤にあっては、被膜
形成能力が弱いためにコンクリート表面の乾燥を抑えき
れず、ひび割れを充分に防止することができない他、コ
ンクリートとの馴染みが悪く接着性に欠けるため、被膜
が剥離するなど耐摩耗性の点でも問題があった。

そこで、本発明の技術的課題は強靭な被膜を形成するこ
とにより初期乾燥時のひび割れを確実に防止すると共に
、被膜の剥離を防止できるようにした被膜養生剤を提供
することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは、種々の研究をした結果、ポリウレタン樹
脂が超速硬セメントコンクリートのひび割れ抵抗性及び
耐摩耗性に優れていることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明はポリウレタン樹脂を主剤と
しこれを分散剤により水中に安定に乳化分散させた被膜
養生剤、又はこの被膜養生剤に有機酸、有機酸塩、多価
アルコール、無機ポリマ及び有機ポリマから選ばれた少
なくとも一種を混合してなる被膜養生剤、あるいはこれ
ら被膜養生剤を更に水で希釈してなる被膜養生剤を手段
としている。

ポリウレタン樹脂は単独で被膜養生剤の主剤となり得る
が、これに有機酸、有機酸塩、多価アルコール、無機ポ
リマ及び有機ポリマなどの添加物を混合することで、よ
り強靭な被膜を作ることができる。各添加物の混合割合
は内側配合で、有機酸、有機酸塩、多価アルコールがそ
れぞれ１重量％以下、無機ポリマ、有機ポリマがそれぞ
れ５０重量％以下の範囲で可能であり、また２種以上の
添加物を加える場合には全体で５０重量％前後を添加す
るのが望ましい。

有機酸としてはクエン酸、グルコン酸などを、有機酸塩
としてはクエン酸ソーダ、グルコン酸カルシウムなどを
、多価アルコールとしてはＤ−ソルビトールなどを、無
機ポリマとしてはシリカゾルなどを、有機ポリマとして
はアクリル樹脂。

エチレン酢酸ビニル、パラフィンワックスなどを使用す
ることができる。

本発明に係る被膜養生剤は、通常水に希釈して使用する
が、場合によっては分散剤により水に乳化分散させただ
けの原液を使用することもできる。尚、分散剤としては
、例えばアニオン系界面活性剤が適当である。また、水
への希釈割合は、主成分１重量部に対して、水１〜４重
量部が適当である。希釈し過ぎるとひび割れ防止が充分
に図られす、また希釈割合が少ない場合には被膜養生剤
が濃すぎて散布器の目詰まりが起こり作業が中断してし
まうことになる。

被膜の形成は、散布器を用いて行う超速硬セメントコン
クリート表面への散布が適当であり、さらにコテ仕上げ
によりその表面を平滑にする。

散布量は被膜養生剤の主成分１リツトル当たり１０ｍ２
が標準である。なお、上記被膜養生剤は最低造膜温度が
低く、０℃以上で膜を形成する。

（作用） コンクリートの表面に散布された被膜養生剤からは、時
間の経過と共に水が蒸発し、強固なウレタン結合によっ
て形成されたポリウレタンの被膜または添加剤との組合
わせによるポリウレタンの被膜がコンクリートの表面に
形成される。この被膜は耐水性および耐薬品性に優れ、
また柔軟で高弾性の強靭なものである。

（実施例） 以下本発明の実施例について説明する。

実施例−１ 芳香族ポリエーテル系の疎水性ポリウレタンエラストマ
を主成分とし、これをアニオン系界面活性剤と共に水中
に乳化分散させて本試料を得た。

表１にこの本試料の性状を示す。

次に、この本試料を用いてひび割れ抵抗試験およびすり
へり試験を行った。比較例として用いたのは、表２に示
した市販の被膜養生剤である。

ひび割れ抵抗試験では、Ｌ８００ｘ　Ｗ８００Ｘ　Ｈ２
ＳＯ（ｍｍ）の型枠を組み、高さ１０ｃｍまで基盤コン
クリートを打ちブラストをかけて付着を良くし、φ１３
の異形鉄筋を２０ｃｍピッチで格子状に組み、スペーサ
として４ｃｍのモルタルを用いてかぶり厚さを約１．５
ｃｍとした。そこに超速硬セメントコンクリートを打設
したのち、その表面に３倍液に希釈した被膜養主剤を３
００ｃｃ／ｍ２の割合で散布し、又は散布後にコテ仕上
げを行った。

表３はひび割れ抵抗性を、材令１日でのひび割れ面積で
評価したものであり、試料Ｎ００１は本実施例を、試料
ＮＯ，２，３は比較例を示したものである。

一方、すりへり試験では、上記各試料を回転盤上にセッ
トし、この回転盤上で８０Ｋｇ／ｃｍ”の荷重を加えた
スパイクタイヤを回転させた。４０Ｋｍ／ｈの速度を保
ち、全村１日における試料の上を散水下で５時間スパイ
クタイヤを回転させた。その後、各試料のすりへり深さ
をダイヤルゲージで測定した。その結果を表３に示した
。

上記試験の結果、本発明の被膜養生剤を用いた試料は、
ひび割れが発生しておらず、またすりへり深さも小さく
、耐摩耗性に優れていることが分った。

実施例−２ ポリウレタン樹脂に種々の添加剤を混合し、これらを被
膜養生剤の主成分とした時のひび割れ抵抗性および耐摩
耗性を試験した。

各種添加剤の性状を表４に示す。

表−４無機及び有機ポリマーの性状 し、これを被膜養生剤の主成分としてひび割れ抵抗試験
およびすりへり試験を行った時の評価を表５に示す。試
験方法は実施例１と同じである。

表−５各種被膜養生剤の試験結果 側れの試料とも、ひび割れ抵抗性についてはポリウレタ
ン樹脂単独の場合と殆ど変わらないが、耐摩耗性の改善
はシリカゾル及びアクリル樹脂の添加剤とした場合に効
果が見られた。シリカゾルの場合は、無水珪酸がセメン
トの水利を助長しコンクリート表面をより強靭にするた
めと思われる。

エチレン酢酸ビニルを添加剤として混合した場合は、ポ
リウレタン樹脂単独の場合と性能的には同等であるが、
ポリウレタン樹脂より価格が安いためコスト的に有利と
なる。

また、クエン酸水溶液は遅延効果が有るため、超速硬セ
メントコンクリートの大量打設を行った場合、被膜養生
剤散布後のコテ仕上げが容易となる。

パラフィンワックスの場合は、上述の添加剤の場合より
希釈率を大きくとることができるというコスト的に大き
なメリットがある。

〔効果〕

以上説明したように、本発明に係る被膜養生剤によれば
、超速硬セメントコンクリートの表面にポリウレタン樹
脂による柔軟で高弾性の強靭な被膜が形成されるために
、超速硬セメントコンクリートの初期乾燥のひび割れを
確実に防止することができ、また耐摩耗性を向上させる
ことができる。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）ポリウレタン樹脂を主剤とし、これを分散剤によ
   り水中に安定に乳化分散させてなる超速硬セメントコン
   クリートの被膜養生剤。
2. （２）請求項１に記載の被膜養生剤に、有機酸，有機酸
   塩，多価アルコール，無機ポリマ及び有機ポリマの中か
   ら選択された少なくとも一種を添加してなる超速硬セメ
   ントコンクリートの被膜養生剤。
3. （３）請求項１又は請求項２に記載の被膜養生剤を、水
   に対し１：１〜１：４の重量割合で希釈してなる超速硬
   セメントコンクリートの被膜養生剤。