JPH03285072A - 導電性材料製パイプの製造方法 - Google Patents
導電性材料製パイプの製造方法Info
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- JPH03285072A JPH03285072A JP8374890A JP8374890A JPH03285072A JP H03285072 A JPH03285072 A JP H03285072A JP 8374890 A JP8374890 A JP 8374890A JP 8374890 A JP8374890 A JP 8374890A JP H03285072 A JPH03285072 A JP H03285072A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、高温炉用ヒータ、電子管材料、高温耐熱部品
等として広範な分野で使用されるタングステン等の導電
性材料製パイプの製造方法に関する。 [従来の技術] タングステン等の耐熱性に優れた導電性材料は、板、棒
、細線等に加工されて高温炉用ヒータ、電子管材料、高
温耐熱部品等の耐熱性が必要とされる部分の構成材料と
して従来から使用されている。ところが、この種の耐熱
金属材料は成形性が極めて悪く、たとえば細線を製造す
る場合には粉末冶金法によって製造した丸棒に対して何
段階もの鍛造、引抜き等の工程が採用されている。 特にパイプへの加工は、非常に困難であり、従来の粉末
冶金をベースにした方法ではほとんど実用化されていな
い。 この加工性の悪さを克服するため、WF、及びH2を含
有する原料ガスを使用して気相成長法(CVD法)によ
ってタングステンパイプを製造することが、1960年
代に提案され、一部実用化されている。 このCVD法においては、WF、とH2とを混合した原
料ガスを、所定の雰囲気圧力下で所定温度に加熱された
銅、ステンレス鋼等のパイプの内側に導入し、WF、を
水素還元することによって金属タングステンを銅又はス
テンレス鋼製パイプの内側表面に析出させる。次いで、
タングステンが析出しているパイプを酸に浸漬して銅又
はステンレス鋼を溶解する。そして、析出したタングス
テンをパイプ状の製品として得る。 [発明が解決しようとする課題] このCVD法によって、はぼ実用に耐えるタングステン
パイプを製造することが可能となった。 しかし、銅又はステンレス鋼製パイプの内側表面に、特
にパイプの軸方向に関して不均一な肉厚でタングステン
が析出しがちである。この肉厚の変動は、パイプが長尺
なものほど顕著に現れる。そのため、従来のCVD法は
、均一な肉厚をもつ長いパイプを製造することに適した
方法であるとはいえない。 他方、短尺ものにあっては、CVD法で得られたタング
ステンパイプに対して放電加工等の切削加工を施すこと
によって、肉厚一定のパイプを製造することができる。 しかし、この放電加工等による肉厚の均一化は、軸長5
0cm程度が限度である。軸長が1m或いはそれ以上の
長尺パイプに対しては、放電加工等で肉厚を均一にする
ことは非常に困難、実操業的には不可能である。 このため、CVD法自体の改良によって、析出したタン
グステン層の肉厚を均一化する試みが種々性われている
。たとえば、タングステンの析出速度を制御して肉厚を
一定にするため、反応炉を一定速度で移動させるたり(
F、 J、 HUEGEL他、 Pro−ceedin
gs of the 2nd Int、 Conf、
on CVD (19711p、 1711、反応ガス
を導入した後、真空引き及び反応ガスの導入繰返しによ
ってパルス的に反応ガスを導入して反応を行わせる方法
(L A、 BRYANT 著J、 Cryatal
Growth 35(19761,2571等が提案
されている。しかし、これらの方法によるも、依然とし
て解決すべき問題が多く、実用化されるまでに至ってい
ない。 また、72M合金管、モリブデン管等の内側にタングス
テンを析出させた積層構造のパイプに熱間引抜き加工を
施して薄肉のタングステンパイプを製造することも、一
部で行われている(特開昭61−163201号公報参
照)。しかし、この場合には、得られたタングステン管
が著しく高価なものとなり、広範な分野で使用されるま
でに至っていない。 そこで、本発明は、これらの問題点を解消するために案
出されたものであり、析出基板を加熱状態に維持するこ
とによって、析出表面における導電性材料の析出速度を
自律的に調整させ、均一な肉厚をもつ導電性材料製パイ
プを得ることを目的とする。 [課題を解決するための手段] 本発明の導電性材料製パイプ製造方法は、その目的を達
成するため、導電性材料のハロゲン化物及び水素を含む
原料ガスから、通電加熱されたステンレス鋼製のパイプ
又は丸棒の表面に気相成長法で導電性材料を析出させ、
得られた導電性材料の析出層を前記ステンレス鋼製のパ
イプ又は丸棒から分離することを特徴とする。 ここで、ステンレス鋼製のパイプ又は丸棒は、直接通電
により加熱される。また、析出した導電性材枳層は、熱
膨張差を利用して加熱・冷却によってステンレス鋼製の
パイプ又は丸棒から引き抜くことができる。 [作用] 析出する導電性材料としてタングステンを例にとって、
本発明で析出反応が自律的に調整される作用を説明する
。 加熱したステンレス鋼製のパイプ又は丸棒の上に、WF
、及びH2を混合した原料ガスを導入しCVD法によっ
てタングステンを気相成長させるとき、タングステンが
析出した箇所では熱容量が大きくなる。そのため、その
箇所に加えられている熱量が不足ぎみとなり、表面温度
が降下する。 したがって、タングステンが多量に析出した箇所では、
それ以降の析出速度が低下する。他方、タングステンの
析出があまり盛んに行われなかった箇所では、供給され
た熱量が基板の昇温に消費され、析出反応を促進させる
。その結果、析出したタングステン層の肉厚が均一化さ
れる。 この点、直接的な通電加熱によってステンレス鋼製のバ
イブ又は丸棒を加熱するとき、タングステンが比較的多
量に析出した箇所では、その析出によって電気が通り得
る断面積が増大し、その析出箇所近傍の電気抵抗が低下
する。そのため、析出部近傍におけるジュール熱の発生
が減少し、その箇所の温度が低下する。すなわち、ある
時点でタングステンが厚く析出した部分では表面温度が
下がり、析出反応の速度が低下する。逆に、タングステ
ンの析出が比較的少量であった箇所では、相対的に温度
が上昇し、タングステンがより厚く析出される傾向とな
る。 このタングステンの析出厚みと析出速度との相関関係に
よって、基板であるステンレス鋼製バイブ又は丸棒の全
表面において、析出したタングステンがほぼ均一の肉厚
をもつものとなる。 このような析出反応の自律作用は、タングステンに限っ
たものに限らず、導電性をもった材料である限り同様に
生じるものである。この種の導電性材料としては、タン
グステンの外にモリブデン、ニオブ、ハフニウム、ジル
コニウム等の各種耐熱金属材料がある。また、原料ガス
としてこれら金属元素の複数を含有する混合ガスを使用
するとき、耐熱合金製のバイブを製造することも可能で
ある。 また、ステンレス鋼製のバイブ又は丸棒は、その表面に
酸化皮膜が形成されているので、析出したタングステン
等の導電材料の密着性が低い。しかも、ステンレス鋼は
、耐熱金属等の導電材料に比較して大きな熱膨張係数を
もっているので、表面に導電性材料を析出させたままで
ステンレス鋼製パイプ又は丸棒を冷却するとき、析出層
とステンレス鋼製基板との間に隙間が形成される。した
がって、冷却後には、ステンレス鋼製の基板を単に引き
抜(ことにより、′:析出層が剥離され、バイブ状の製
品が得られる。 [実施例] 以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。 本実施例においては、第1図に概略を示した構造を持つ
反応装置を使用した。 析出用基板としては、ステンレス鋼製のバイブ】を使用
した。バイブ1の両端に水冷銅継ぎ手2a、2bを接続
し、加熱用電流をバイブlに直接供給されるように水冷
銅継ぎ手2a、2bを直流電源3に接続した。 基板としてのバイブlは反応チャンバー4に収容されて
おり、反応チャンバー4の側面に設けられた覗き窓5に
臨むように光高温計6が配置されている。光高温計6で
検出された反応チャンバー4内の温度情報は、温度調節
器7に入力され、直流電源3からの出力電流を制御する
。これにより、反応チャンバー4内にあるバイブlの温
度が設定値に維持される。 原料ガス8としては、WF、及びH□の混合ガスを使用
した。この原料ガス8を反応チャンバー4の上部から導
入し、CVD法によってバイブ1の表面にタングステン
層9を析出させた後、排気ポンプlOで反応チャンバー
4の下部から排出させている。 外径9mm、肉厚0.8mm、長さ1200mmのステ
ンレス鋼製パイプlを#400に研磨した後、上部継ぎ
手2aと下部継ぎ手2bとの間の距離が80cmとなる
ように反応チャンバー4内に設置した。 反応チャンバー4内の雰囲気圧は、圧力自動制御装置で
25トールに保持した。そして、水素ガスを400cc
/分の流量で反応チャンバー4に導入しながら、電圧5
■で電流200Aをステンレス鋼製パイプ1に通電して
700℃まで昇温させた。バイブ1がこの温度に達した
後、WF、を流量100cc/分で反応チャンバー4に
導入し、CVD反応を開始した。 析出反応の進行にしたがって、タングステン9がバイブ
1の表面に析出した。その結果、バイブlの抵抗が下が
り、光高温計6で検出される温度が低下した。そこで、
この温度情報を温度調節器7に入力し、バイブ1の温度
が700℃に保たれるように直流電源3から供給される
電流を増加させた。 この条件下で析出反応を6時間継続した。このときの供
給電流は、300Aであった。そして、WF、の供給を
停止し、電源を切り、反応チャンバー4内を水素雰囲気
に維持したままでバイブエを室温まで冷却させた。 析出したタングステン層9は、ステンレス鋼製パイプ1
から引抜きによって簡単に分離することができた。これ
は、ステンレス鋼製バイブlとタングステン析出層9と
の間の密着性が低く、シかもステンレス鋼とタングステ
ンとの間の熱膨張差が大きいために、冷却過程でステン
レス鋼製バイブlとタングステン析出層9との間に剥離
が生じていることに起因するものと考えられる。引き抜
かれたタングステンは、ステンレス鋼製バイブ1の周面
形状を忠実に倣った内周面をもつ筒状体であった。 この点、従来の銅製パイプを析出用基板として使用した
場合、タングステン析出層は、銅基板に強固に付着して
いた。そのため、銅製パイプを溶解して基板から析出物
を分離することが必要であった。 得られた全長80cmのタングステンパイプを輪切りに
して、厚みを測定した。第2図は、その測定結果を示す
。 第2図から明らかなように、タングステンパイプの両端
は、若干薄肉になっている。これは、ステンレス鋼製バ
イブlの両端部が水冷銅継ぎ手2a、2bに接触し、低
温であったことに起因するものである。しかし、この両
端部を除くほぼ全長にわたり、タングステンパイプの肉
厚は、0.3±0.03mmの極めて均一なものであっ
た。 したがって、従来のCVD法では困難であった均一な肉
厚をもつタングステンパイプを簡単に製造することが可
能となることが判かる。 このように本発明においては、析出用基板として使用す
るステンレス鋼製のパイプ又は丸棒を加熱させて、その
上にタングステンを析出させている。そこで、均一な厚
みをもつ析出層を形成させるだめには、ステンレス鋼製
のパイプ又は丸棒を均一に加熱することが必要とされる
。この点で、ステンレス鋼製バイブを析出用基板として
使用するとき、パイプ自体の肉厚分布が均一であること
が必要である。このような均一な肉厚をもつパイプとし
ては、引抜き管を使用することが好ましい。また、冷却
後にタングステンパイプをステンレス鋼製バイブ又は丸
棒から引き抜くとき、パイプ又は丸棒の表面が滑らかな
ものほど、引抜き作業が容易なものとなる。この点から
、ステンレス鋼製のパイプ又は丸棒の表面に、1400
以上の研磨を施すことが好ましい。 [発明の効果J 以上に説明したように、本発明においては、析出用基板
として使用されるステンレス鋼製のパイプ又は丸棒を加
熱する方式を採用しているので、タングステンの析出反
応が自律的に調整され、均一な厚みをもった析出層が形
成される。しかも、この析出層の基板に対する密着性が
小さなものであるため、引抜き等の簡単な作業によって
析出物を基板から取り外し、基板の形状を正確に倣った
パイプが得られる。このように、本発明によるとき、C
VD法による導電性材料製パイプの製造が簡単なものと
なる。
等として広範な分野で使用されるタングステン等の導電
性材料製パイプの製造方法に関する。 [従来の技術] タングステン等の耐熱性に優れた導電性材料は、板、棒
、細線等に加工されて高温炉用ヒータ、電子管材料、高
温耐熱部品等の耐熱性が必要とされる部分の構成材料と
して従来から使用されている。ところが、この種の耐熱
金属材料は成形性が極めて悪く、たとえば細線を製造す
る場合には粉末冶金法によって製造した丸棒に対して何
段階もの鍛造、引抜き等の工程が採用されている。 特にパイプへの加工は、非常に困難であり、従来の粉末
冶金をベースにした方法ではほとんど実用化されていな
い。 この加工性の悪さを克服するため、WF、及びH2を含
有する原料ガスを使用して気相成長法(CVD法)によ
ってタングステンパイプを製造することが、1960年
代に提案され、一部実用化されている。 このCVD法においては、WF、とH2とを混合した原
料ガスを、所定の雰囲気圧力下で所定温度に加熱された
銅、ステンレス鋼等のパイプの内側に導入し、WF、を
水素還元することによって金属タングステンを銅又はス
テンレス鋼製パイプの内側表面に析出させる。次いで、
タングステンが析出しているパイプを酸に浸漬して銅又
はステンレス鋼を溶解する。そして、析出したタングス
テンをパイプ状の製品として得る。 [発明が解決しようとする課題] このCVD法によって、はぼ実用に耐えるタングステン
パイプを製造することが可能となった。 しかし、銅又はステンレス鋼製パイプの内側表面に、特
にパイプの軸方向に関して不均一な肉厚でタングステン
が析出しがちである。この肉厚の変動は、パイプが長尺
なものほど顕著に現れる。そのため、従来のCVD法は
、均一な肉厚をもつ長いパイプを製造することに適した
方法であるとはいえない。 他方、短尺ものにあっては、CVD法で得られたタング
ステンパイプに対して放電加工等の切削加工を施すこと
によって、肉厚一定のパイプを製造することができる。 しかし、この放電加工等による肉厚の均一化は、軸長5
0cm程度が限度である。軸長が1m或いはそれ以上の
長尺パイプに対しては、放電加工等で肉厚を均一にする
ことは非常に困難、実操業的には不可能である。 このため、CVD法自体の改良によって、析出したタン
グステン層の肉厚を均一化する試みが種々性われている
。たとえば、タングステンの析出速度を制御して肉厚を
一定にするため、反応炉を一定速度で移動させるたり(
F、 J、 HUEGEL他、 Pro−ceedin
gs of the 2nd Int、 Conf、
on CVD (19711p、 1711、反応ガス
を導入した後、真空引き及び反応ガスの導入繰返しによ
ってパルス的に反応ガスを導入して反応を行わせる方法
(L A、 BRYANT 著J、 Cryatal
Growth 35(19761,2571等が提案
されている。しかし、これらの方法によるも、依然とし
て解決すべき問題が多く、実用化されるまでに至ってい
ない。 また、72M合金管、モリブデン管等の内側にタングス
テンを析出させた積層構造のパイプに熱間引抜き加工を
施して薄肉のタングステンパイプを製造することも、一
部で行われている(特開昭61−163201号公報参
照)。しかし、この場合には、得られたタングステン管
が著しく高価なものとなり、広範な分野で使用されるま
でに至っていない。 そこで、本発明は、これらの問題点を解消するために案
出されたものであり、析出基板を加熱状態に維持するこ
とによって、析出表面における導電性材料の析出速度を
自律的に調整させ、均一な肉厚をもつ導電性材料製パイ
プを得ることを目的とする。 [課題を解決するための手段] 本発明の導電性材料製パイプ製造方法は、その目的を達
成するため、導電性材料のハロゲン化物及び水素を含む
原料ガスから、通電加熱されたステンレス鋼製のパイプ
又は丸棒の表面に気相成長法で導電性材料を析出させ、
得られた導電性材料の析出層を前記ステンレス鋼製のパ
イプ又は丸棒から分離することを特徴とする。 ここで、ステンレス鋼製のパイプ又は丸棒は、直接通電
により加熱される。また、析出した導電性材枳層は、熱
膨張差を利用して加熱・冷却によってステンレス鋼製の
パイプ又は丸棒から引き抜くことができる。 [作用] 析出する導電性材料としてタングステンを例にとって、
本発明で析出反応が自律的に調整される作用を説明する
。 加熱したステンレス鋼製のパイプ又は丸棒の上に、WF
、及びH2を混合した原料ガスを導入しCVD法によっ
てタングステンを気相成長させるとき、タングステンが
析出した箇所では熱容量が大きくなる。そのため、その
箇所に加えられている熱量が不足ぎみとなり、表面温度
が降下する。 したがって、タングステンが多量に析出した箇所では、
それ以降の析出速度が低下する。他方、タングステンの
析出があまり盛んに行われなかった箇所では、供給され
た熱量が基板の昇温に消費され、析出反応を促進させる
。その結果、析出したタングステン層の肉厚が均一化さ
れる。 この点、直接的な通電加熱によってステンレス鋼製のバ
イブ又は丸棒を加熱するとき、タングステンが比較的多
量に析出した箇所では、その析出によって電気が通り得
る断面積が増大し、その析出箇所近傍の電気抵抗が低下
する。そのため、析出部近傍におけるジュール熱の発生
が減少し、その箇所の温度が低下する。すなわち、ある
時点でタングステンが厚く析出した部分では表面温度が
下がり、析出反応の速度が低下する。逆に、タングステ
ンの析出が比較的少量であった箇所では、相対的に温度
が上昇し、タングステンがより厚く析出される傾向とな
る。 このタングステンの析出厚みと析出速度との相関関係に
よって、基板であるステンレス鋼製バイブ又は丸棒の全
表面において、析出したタングステンがほぼ均一の肉厚
をもつものとなる。 このような析出反応の自律作用は、タングステンに限っ
たものに限らず、導電性をもった材料である限り同様に
生じるものである。この種の導電性材料としては、タン
グステンの外にモリブデン、ニオブ、ハフニウム、ジル
コニウム等の各種耐熱金属材料がある。また、原料ガス
としてこれら金属元素の複数を含有する混合ガスを使用
するとき、耐熱合金製のバイブを製造することも可能で
ある。 また、ステンレス鋼製のバイブ又は丸棒は、その表面に
酸化皮膜が形成されているので、析出したタングステン
等の導電材料の密着性が低い。しかも、ステンレス鋼は
、耐熱金属等の導電材料に比較して大きな熱膨張係数を
もっているので、表面に導電性材料を析出させたままで
ステンレス鋼製パイプ又は丸棒を冷却するとき、析出層
とステンレス鋼製基板との間に隙間が形成される。した
がって、冷却後には、ステンレス鋼製の基板を単に引き
抜(ことにより、′:析出層が剥離され、バイブ状の製
品が得られる。 [実施例] 以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。 本実施例においては、第1図に概略を示した構造を持つ
反応装置を使用した。 析出用基板としては、ステンレス鋼製のバイブ】を使用
した。バイブ1の両端に水冷銅継ぎ手2a、2bを接続
し、加熱用電流をバイブlに直接供給されるように水冷
銅継ぎ手2a、2bを直流電源3に接続した。 基板としてのバイブlは反応チャンバー4に収容されて
おり、反応チャンバー4の側面に設けられた覗き窓5に
臨むように光高温計6が配置されている。光高温計6で
検出された反応チャンバー4内の温度情報は、温度調節
器7に入力され、直流電源3からの出力電流を制御する
。これにより、反応チャンバー4内にあるバイブlの温
度が設定値に維持される。 原料ガス8としては、WF、及びH□の混合ガスを使用
した。この原料ガス8を反応チャンバー4の上部から導
入し、CVD法によってバイブ1の表面にタングステン
層9を析出させた後、排気ポンプlOで反応チャンバー
4の下部から排出させている。 外径9mm、肉厚0.8mm、長さ1200mmのステ
ンレス鋼製パイプlを#400に研磨した後、上部継ぎ
手2aと下部継ぎ手2bとの間の距離が80cmとなる
ように反応チャンバー4内に設置した。 反応チャンバー4内の雰囲気圧は、圧力自動制御装置で
25トールに保持した。そして、水素ガスを400cc
/分の流量で反応チャンバー4に導入しながら、電圧5
■で電流200Aをステンレス鋼製パイプ1に通電して
700℃まで昇温させた。バイブ1がこの温度に達した
後、WF、を流量100cc/分で反応チャンバー4に
導入し、CVD反応を開始した。 析出反応の進行にしたがって、タングステン9がバイブ
1の表面に析出した。その結果、バイブlの抵抗が下が
り、光高温計6で検出される温度が低下した。そこで、
この温度情報を温度調節器7に入力し、バイブ1の温度
が700℃に保たれるように直流電源3から供給される
電流を増加させた。 この条件下で析出反応を6時間継続した。このときの供
給電流は、300Aであった。そして、WF、の供給を
停止し、電源を切り、反応チャンバー4内を水素雰囲気
に維持したままでバイブエを室温まで冷却させた。 析出したタングステン層9は、ステンレス鋼製パイプ1
から引抜きによって簡単に分離することができた。これ
は、ステンレス鋼製バイブlとタングステン析出層9と
の間の密着性が低く、シかもステンレス鋼とタングステ
ンとの間の熱膨張差が大きいために、冷却過程でステン
レス鋼製バイブlとタングステン析出層9との間に剥離
が生じていることに起因するものと考えられる。引き抜
かれたタングステンは、ステンレス鋼製バイブ1の周面
形状を忠実に倣った内周面をもつ筒状体であった。 この点、従来の銅製パイプを析出用基板として使用した
場合、タングステン析出層は、銅基板に強固に付着して
いた。そのため、銅製パイプを溶解して基板から析出物
を分離することが必要であった。 得られた全長80cmのタングステンパイプを輪切りに
して、厚みを測定した。第2図は、その測定結果を示す
。 第2図から明らかなように、タングステンパイプの両端
は、若干薄肉になっている。これは、ステンレス鋼製バ
イブlの両端部が水冷銅継ぎ手2a、2bに接触し、低
温であったことに起因するものである。しかし、この両
端部を除くほぼ全長にわたり、タングステンパイプの肉
厚は、0.3±0.03mmの極めて均一なものであっ
た。 したがって、従来のCVD法では困難であった均一な肉
厚をもつタングステンパイプを簡単に製造することが可
能となることが判かる。 このように本発明においては、析出用基板として使用す
るステンレス鋼製のパイプ又は丸棒を加熱させて、その
上にタングステンを析出させている。そこで、均一な厚
みをもつ析出層を形成させるだめには、ステンレス鋼製
のパイプ又は丸棒を均一に加熱することが必要とされる
。この点で、ステンレス鋼製バイブを析出用基板として
使用するとき、パイプ自体の肉厚分布が均一であること
が必要である。このような均一な肉厚をもつパイプとし
ては、引抜き管を使用することが好ましい。また、冷却
後にタングステンパイプをステンレス鋼製バイブ又は丸
棒から引き抜くとき、パイプ又は丸棒の表面が滑らかな
ものほど、引抜き作業が容易なものとなる。この点から
、ステンレス鋼製のパイプ又は丸棒の表面に、1400
以上の研磨を施すことが好ましい。 [発明の効果J 以上に説明したように、本発明においては、析出用基板
として使用されるステンレス鋼製のパイプ又は丸棒を加
熱する方式を採用しているので、タングステンの析出反
応が自律的に調整され、均一な厚みをもった析出層が形
成される。しかも、この析出層の基板に対する密着性が
小さなものであるため、引抜き等の簡単な作業によって
析出物を基板から取り外し、基板の形状を正確に倣った
パイプが得られる。このように、本発明によるとき、C
VD法による導電性材料製パイプの製造が簡単なものと
なる。
第1図は本発明実施例で使用した反応装置を示す該略図
、第2図は得られたタングステンパイプの肉厚分布を表
したグラフである。 1、ステンレス鋼製のパイプ 2a、2b:水冷銅継ぎ手
、第2図は得られたタングステンパイプの肉厚分布を表
したグラフである。 1、ステンレス鋼製のパイプ 2a、2b:水冷銅継ぎ手
Claims (2)
- (1)導電性材料のハロゲン化物及び水素を含む原料ガ
スから、通電加熱されたステンレス鋼製のパイプ又は丸
棒の表面に気相成長法で前記導電性材料を析出させ、得
られた導電性材料の析出層を前記ステンレス鋼製のパイ
プ又は丸棒から分離することを特徴とする導電性材料製
パイプの製造方法。 - (2)請求項1記載のステンレス鋼製のパイプ又は丸棒
から導電性材料の析出層の分離が、ステンレス鋼と前記
導電性材料との熱膨張差を利用して行われることを特徴
とする導電性材料製パイプの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8374890A JPH03285072A (ja) | 1990-03-30 | 1990-03-30 | 導電性材料製パイプの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8374890A JPH03285072A (ja) | 1990-03-30 | 1990-03-30 | 導電性材料製パイプの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03285072A true JPH03285072A (ja) | 1991-12-16 |
Family
ID=13811153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8374890A Pending JPH03285072A (ja) | 1990-03-30 | 1990-03-30 | 導電性材料製パイプの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH03285072A (ja) |
-
1990
- 1990-03-30 JP JP8374890A patent/JPH03285072A/ja active Pending
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