JPH03284695A - 新規なテトラペプチド、その中間体、それらの製造法並びに抗アレルギー剤、血管拡張剤もしくは免疫調節剤 - Google Patents

新規なテトラペプチド、その中間体、それらの製造法並びに抗アレルギー剤、血管拡張剤もしくは免疫調節剤

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JPH03284695A
JPH03284695A JP2248089A JP24808990A JPH03284695A JP H03284695 A JPH03284695 A JP H03284695A JP 2248089 A JP2248089 A JP 2248089A JP 24808990 A JP24808990 A JP 24808990A JP H03284695 A JPH03284695 A JP H03284695A
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lys
obzl
gly
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Keiichi Noguchi
野口 桂一
Norichika Ota
憲哉 大田
Kohei Hirano
平野 耕平
Daisuke Irie
入江 大祐
Katsuro Matsuo
松尾 克郎
Asako Tokunaga
麻子 徳永
Fumio Ishikawa
文雄 石川
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は、新規なテトラペプチド、その中間体、それら
の製造法並びに抗アレルギー剤、血管拡張剤もしくは免
疫調節剤に関する。
[従来の技術] 各種アレルギー疾患の予防及び治療のために種々の薬物
が提案され、開発が行われ、既にいくつかが市販に供さ
れている。
アレルギー症状のうち、即時型アレルギー反応である気
管支喘息、じんWi疹、アレルギー性鼻炎などは■型ア
レルギー反応として分類される。このI型アレルギー反
応は、発症機序および抗アレルギー剤の作用機序から一
般に次の三段階から成るものと考えられている。すなわ
ち、最初体内に侵入した外来性抗原に対して、マクロフ
ァージ、T細胞及びB細胞の相互作用によってIgE抗
体が産生され、このIgE抗体が組織の肥満細胞や血中
d好塩基球のFcレセプターに固着して感作が成立する
ことになる。この過程が第1段階である。つぎに、再び
外来抗原が体内に侵入すると、細胞のFeレセプターに
固着したIgE抗体と外来性抗原が結合し、抗原抗体反
応が引き金となって細胞膜酵素の活性化、細胞内へのカ
ルシウムイオンの流入などが起こり、それによって酵素
反応などの生化学的変化、脱顆粒などの組織学的変化が
引き起こされる。その結果、ヒスタミンや5RS−Aな
どのケミカルメデイエータ−(化学伝達物質)が細胞外
へ遊離される。この過程が第2段階である。第2段階で
細胞外に遊離したケミカルメデイエータ−は、平滑筋の
収縮、毛細血管透過性の亢進及び粘液の分泌を促進し、
種々のアレルギー症状を惹起する。この過程が第3段階
である。
従来から知られている抗アレルギー剤のうち、非特異的
減感作療法剤及び抗体産生抑制剤は第1段階に作用する
薬物である。この第1段階のろに特異的に作用する薬物
は市販されていない。第2段階に作用する薬物としては
、タロモグリク酸ナトリウム(以下、DSCGと略す)
、トラニラストなどのケミカルメデイエータ−抑制剤か
ある。第3段階に作用する薬物としては抗ヒスタミン剤
及び気管支拡張剤がある。
更に特公昭60−2318号公報には抗アレルギー性ペ
プチドについての開示がなされている。上記公報によれ
ばこのペプチドは下記の一次構造式%式% によって示されるように、IgE抗体のFc領域のアミ
ノ酸残基5個から成るrgE抗体由来のペンタベブチド
である。
このペプチドは第1段階のIgE抗体産生を抑制する作
用は確認されていないが、第2段階の最初に起こる肥満
細胞へのIgE抗体の結合を阻止すると共に、第2段階
の既に結合したIgE抗体をこのペプチドで置換するこ
とによって、アレルギー反応を遮断するものと考えられ
る。
[発明が解決しようとする課題] 従来の抗アレルギー剤の開発は、上記のアレルギー症状
発症の3つの段階のうちの1つの段階に作用する薬物の
開発に向けられ、この3つの段階の連鎖をいずれかの段
階で遮断することによってアレルギー症状発症を予防し
、又は治療しようとしてきた。そしてこのような方法に
よって一応の効果が期待される療法が開発されてきた。
しかしながら、既知のこうした化学療法剤は上記の3つ
の段階の連鎖を完全に遮断するものではない。そのため
、3つの段階の1つに作用する薬剤と他の1つに作用す
る薬剤とを組み合わせて用いることによって、連鎖の遮
断を完全なものとする発想のものに複数個の薬剤を組み
合わせて使用することも行われているが、その効果は必
ずしも期待通りのものではない。
そこで、単一の薬剤で上記のアレルギー症状発症の3つ
の段階のうちの複数の段階に作用しうる薬剤が開発され
た場合には、抗アレルギー剤としての効果が一層高まる
ことが期待され、このような薬剤の開発が望まれている
のである。
また上記のアレルギー症状発症のメカニズムから、Ig
E抗体のFc領域由来のペプチド又はそれと類似するペ
プチドを開発することによって優れたアレルギー剤が入
手できる可能性も考えられ、このようなアプローチから
の新規なペプチドの開発も期待されていたのである。
本発明は、IgE抗体のFc領域のペプチド部分又はそ
の類似ペプチドを種々合成し、優れた薬理活性をもつ抗
アレルギー性ペプチドを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明者らはIgE抗体のF
c領域にみられるペプチドに着目し、従来液相法では困
難とされた一Asp−Gly−を有すペプチド又はその
誘導体を副反応を抑えながら収率良く合成する方法を見
出し、種々の−Asp−Gly−結合を含むオリゴペプ
チドを合成して、その抗アレルギー活性を検討した結果
、H−Ser−Asp−Gly−Lys−OHで表わさ
れるテトラペプチドがヒスタミン遊離を抑制するととも
にIgE抗体産生を抑制することを見出した。
すなわち本発明は、 (1)次の式〔I〕 H−Ser−Asp−Gly−Lys−OH(I )(
ただし、SerはL−セリン残基、AspはL−アスパ
ラギン酸残基、Glyはグリシン残基、LysはL−リ
ジン残基を示す)で表されるテトラペプチド又はその薬
学的に許容される塩。
(2)次の式〔■〕 Z−Ser−Asp(OBzl)−Gly−Lys(Z
)−OBzl   〔II〕(ただし、SerはL−セ
リン残基、AspはL−アスパラギン酸残基、Glyは
グリシン残基、LysはL−リジン残基、2はベンジル
オキシカルボニル基、Bzlはベンジル基を示す)で表
されるL−セリンーL−アスパラギン酸−グリシン−L
−リジン誘導体。
(3)次の式 [I[I) Boc−Asp (OBzl)−Gly−Lys (Z
)−OBzl    (III )(ただし、Aspは
L−アスパラギン酸残基、Glyはグリシン残基、Ly
sはL−リジン残基、Bocはt−ブチルオキシカルボ
ニル基、Bzlはベンジル基、2はベンジルオキシカル
ボニル基を示す)で表されるL−アスパラギン酸−グリ
シン−L−リジン誘導体。
(4) Boc−Gly−OH(ただし、Glyはグリ
シン残基、Bocはt−ブチルオキシカルボニル基を示
す)で表されるグリシン誘導体とH−Lys(Z)−O
Bzl (ただし、LysはL−リジン残基、Zはベン
ジルオキシカルボニル基、Bzlはベンジル基を示す)
で表されるL−リジン誘導体を、脱水縮合させて、Bo
c−Gly−Lys (Z)−OBzlとし、次いで酸
でBoc基を外し、これにBoc−Asp(OBzl)
−OHで表されるL−アスパラギン酸誘導体を加え、脱
水縮合させてBoc−Asp(OBzl)−Gly−L
ys(Z)−OBzlとし、次いで酸でBoc基を外し
、これにZ−8et−OHで表されるL−セリン誘導体
を加え、脱水縮合させたのち、接触還元することを特徴
とする上記(])の]H−Ser−Asp−Gly−L
ysOHの製造法。
(5) Boc−Gly−OH(ただし、ciyはグリ
シン残基、Bocはt−ブチルオキシカルボニル基を示
す)で表されるグリシン誘導体とH−Lys(Z)−O
Bzl (ただし、LysはL−リジン残基、Zはベン
ジルオキシカルボニル基、Bzlはベンジル基を示す)
で表されるL−リジン誘導体を、脱水縮合させてBoc
−Gly−Lys (Z)OBzlとし、次いで酸でB
oa基を外し、これにBoc−Asp(OBzl)−O
Hで表されるL−アスパラギン酸誘導体を加え、脱水縮
合させてBoc−Asp(OBzl)−Gly−Lys
(Z)−OBzlとし、酸でBoa基を外し、これにZ
−Ser−OHで表されるI5−セリン誘導体を加え、
脱水縮合させることを特徴とする上記(2)のZ−Se
r−Asp(OBzl)−Giy−Lys(Z)−OB
zlの製造法。
(6) Boc−Guy−OH(ただし、G2)+はグ
リシン残基、Boaはt−ブチルオキシカルボニル基を
示す)で表されるグリシン誘導体とH−Lys(Z)−
OBzl (ただし、LysはL−リジン残基、Zはベ
ンジルオキシカルボニル基、Bzlはベンジル基を示す
)で表されるL−リジン誘導体を、脱水縮合させてBo
c−Guy−Lys (Z) −0Ezlとし、次いで
酸でBoa基を外し、これにEoeAsp(OBzl)
−OHで表されるL−アスパラギン酸誘導体を加え、脱
水縮合させることを特徴とする」−記(3)のBoc−
Asp(OBzl)−Gly−Lys(Z)−OBzl
の製造法。
(7)上記(1)のテトラペプチド又はその薬学的に許
容される塩を有効成分として含有する抗アレルギー剤。
に関するものである。
更に、本発明者らは、式[I]で表されるテトラペプチ
ドの薬理作用を鋭意検討したところ、意外にもこれが血
管拡張作用や免疫調節作用をも有することを見出し、本
発明を完成した。
すなわち、本発明は、 (8)上記(1)のテトラペプチド又はその薬学的に許
容される塩を有効成分として含有する血管拡張剤。
(9)上記(1)のテトラペプチド又はその薬学的に許
容される塩を有効成分と17で含有する免疫調節剤。
に関するものでもある。
本発明のH−Ser−Asp−Gly−Lys−OHで
表されるテトラペプチドの薬学的に許容される塩として
は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及び
カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩
のような金属塩、アンモニウム塩、有機塩基類、有機酸
塩、無機酸塩等が挙げられる。
本発明のZ−3et−Asp(OBzl)−Gly−L
ys(Z)−OBzlで表されるI、−セリン−L−ア
スパラギン酸−グリシン−L−リジン誘導体はH−Se
r−Asp−Gly−Lys−OHで表されるテトラペ
プチドの中間体である。
本発明のBoc−Asp (OBzl)−Guy−Ly
s (Z)−OBzlで表されるL−アスパラギン酸−
グリシン−L−リジン誘導体はZ−Ser−Asp−(
OBzl)−Gly−Lys(Z)−OBzlで表され
るL−セリンーL−アスパラギン酸−グリシン−1、−
リジン誘導体の中間体である。
本発明の式〔I〕で表されるテトラペプチドH−Ser
−Asp−Gly−Lys−OHは下記の第1〜6の工
程を経て製造することができる。
第1の工程: 第2の工程: Boc−Gly−Lys(Z)−OBzl−H−Gly
−Lys(Z)−OBzl第3の工程: 第4の工程: Boc−Asp(OBzl)−Gly−Lys(Z)−
OBzl−”H−Asp (OBzl )−G 1y−
Lys (Z)−0Bz 1第5の工程ニ ーZ−Ser−Asp(OBzl)−Guy−Lys(
Z)−OBzl第6の工程: Z−Set−Asp (OBzl )−Gly−Lys
 (Z)−OBzl−H−8er−Asp−Gly−L
ys−OHただしSer、 Asp、 Gly、 Ly
s、 Boa、 Z及びBzlは上記と同じで次の意味
を表わす。
Ser:L−セリン残基 Asp:L−アスパラギン酸残基 Guy ニゲリシン残基 Lys:L−リジン残基 Boc: t−ブチルオキシカルボニルZ:ベンジルオ
キシ力ルボニル Bzl :ベンジル 第1の工程で用いるα−アミノ基をBoa基で保護した
グリシン誘導体Boc−Gly−OH,及びα−カルボ
キシル基はBzl基で保護し、β−カルボキシル基はZ
基で保護したリジン誘導体H−Lys (Z)−OBz
lはL体のものを用いる。これらは遊離形又は塩の形の
ものが市販されており、容易に入手できる。
Boc−Gly−OHとH−Lys (Z)−0Bz 
1の脱水縮合反応は次のようにして行なうことができる
。Boc−Gly−OHをジメチルホルムアミド、テト
ラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリル等から
選ばれる溶媒(混合溶媒でもよい)に溶かし、0℃以下
、好ましくは一8℃以下、Boc−Gly−OHに対し
モル比で1.0〜1.4倍量のジシクロへキシルカルボ
ジイミド(以下DCCと略す)及び1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾール(以下HOBtと略す)を加えて攪拌し
、Boc−Gly−OHに対して等モルのH−Lys 
(Z)−OBzlを加え、0℃以下、好ましくは一8℃
以下、1〜10時間、好ましくは4〜6時間攪拌する。
引き続き室温で1〜lO時間、好ましくは4〜6時間攪
拌する。この段階で温度を初めに0℃以下とするのは副
生物(アシル尿素)の生成を抑えるためであり、次いで
温度を室温とするのはペプチド結合の形成を促進させる
ためである。
反応により生成する副生物及び未反応の原料は濾過、ア
ルカリ洗浄等の適当な方法で除き、溶媒は減圧蒸発等の
方法で除いたのち、再結晶等により、Boc−Gly−
Lys(Z)−OBzlを得る。
第2の工程で、Boc−Gly−Lys (Z)−OB
zlから、Boa基を外すために用いる酸としてはトリ
フルオロ酢酸(以下、TFAと略す)、塩酸、臭化水素
酸、ギ酸等がある。これらの酸と共に、アニソール、チ
オアニソール、フェノール、メタクレゾール等のカチオ
ン除去剤を加えてもよい。Boc−Gly−L)’S 
(Z)−OBzlの10〜30倍量(モル比)のTFA
等の酸と1〜1.3倍量(モル比)のアニソール等のカ
チオン除去剤を加え、Boa基が外れるまで攪拌する。
反応後、酸及びカチオン除去剤を除くためエーテル、石
油エーテル等の溶媒を加える。沈殿物をとり、真空乾燥
等の適当な方法で乾燥し、H−Gly−Lys (Z)
−OBzlを得る。
第3の工程で、反応に用いる原料の一つ、α−アミノ基
をBoaで保護し、β−カルボキシル基をBzlで保護
したアスパラギン酸誘導体Boc−Asp(OBzl)
−OHはL体のものを用いる。これらは遊離形又は塩ρ
形のものが市販されており、容易に入手できる。
Boc−Asp(OBzl)−OHとH−Gly−Ly
s (Z)−OBzlの脱水縮合反応は次のようにして
行なうことができる。
Boc−Asp(OBzl)−OHをジメチルホルムア
ミド等の極性の大きい溶媒に溶かし、0℃以下、好まし
くは一8℃以下、Boc−Asp(OBzl)−OHに
対しモル比で1.0〜14倍量17)DCC及びHOB
tを加え、1〜lo時間、好ましくは4〜6時間攪拌す
る。次いで、第2の工程で得たH−Gly−Lys(Z
)−OBzlをBoc−Asp(OBzl)−OHに対
して等モルとり、ジメチルホルムアミド等の溶媒に溶か
して加え、更に10℃以下で1〜24時間攪拌する。こ
の反応を10℃以下で行うのはAsp−Glyのあいだ
で起こる副反応(イミド体の生成)を抑えるためである
反応終了後、副生物及び未反応の原料の除去は第1の工
程と同様に行い、再結晶等によりBoc−Asp(OB
zl)−Gly−Lys(Z)−OBzlを得る。
第4の工程では、第3の工程で得たBoc−Asp(O
Bzl)−Gly−Lys (Z)−OBzlを、第2
の工程と同様な条件で、酸によりBoa基を外す。
第5の工程で、反応に用いる原料の一つ、α−アミノ基
をZ基で保護したセリン誘導体、Z−Ser−OHはL
体のものを用いる。これらは、遊離形のものが市販され
ており3、容易に入手できる。
Z−8er−OBとH−Asp(OBzl)−Gly−
L3’5(Z)−OBzlの脱水縮合反応は第2の工程
の脱水縮合反応の場合と同材に行なう。
第6の工程では、第5の工程で得たZ−Ser−Asp
(OBzり−Gly−Lys(Z)−OBzlを接触還
元により、保護基を外I7て、目的とするテトラペプチ
ドH−Ser−Asp−Gly−Lys−OHを得る。
触媒として、Pd黒や炭素粉末を担体としたPd炭素触
媒等を用い、Z−SerAsp(OBzl)−Gly−
Lsy(Z)−OBzlを、例えばメタノール、酢酸、
水の混液等の溶媒に溶かし、水素ガスを通じ攪拌すれば
よい。
反応終了後、触媒をろ過により除く。ろ液は液が少量に
なるまで減圧濃縮し、エーテル等の有機溶媒を加えて振
り混ぜ、未反応の原料及び不純物等を除く。水層から、
ゲルクロマトグラフィー等の通常の精製手段により、精
製されたH−8er−Asp−Gly−Lys−OHを
得る。
弐[)で表されるテトラペプチドの薬学的に許容される
塩は、上記第6の工程において保護基を外したのちに、
水酸化すトリウム、水酸化カリウム等の塩基又は塩酸、
酢酸等の酸を加え、相当する塩どすることもできる(2
、式(I)で表されるテトラペプチドを1l13離した
のぢ、上記と同様に塩基又は酸を加えて塩とすることも
できる。
本発明物質の構造、純度の確認は高速液体り[yマドグ
ラフィー、元素分析、アミノ酸分析等により行う。
本発明の抗アレルギー剤、血管拡張剤又は免疫調節剤は
製薬的に許容される担体又は希釈剤と本化合物又は医薬
品と1.で許容されるその塩からなる製剤を包含する。
塩の好ましい例はす(・リウム塩、カリウム塩等のアル
カリ金属塩及びカルシウム塩、マグネシウム塩等のアル
カリ土類金属塩のような金属塩、アンモニウム塩、有機
塩基類、6機酸塩、無機酸塩等が挙げられる。本製剤は
、患者への投薬後、活性成分が迅速に、持続的に又は遅
延的に遊離するように製剤化することかできる。
本発明の抗アレルギー剤、血管拡張剤又は免疫調節剤は
経口的又は非経口的に投与するための形態を適宜に採り
得る。代表的な投与方法としては経口、直腸、皮膚透過
、皮下、静脈内、筋肉内、吸入または奔腔内紅路を含む
種々の紅路により投与することができる。
これらの投与方法では、本発明の抗アレルギー剤、血管
拡張剤又は免疫調節剤は種々の薬学的製剤の形態で投与
されうる。これらの薬学的製剤の形態とL2ては、錠剤
、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、l・ロ
ーチ剤、平削、シロラフ剤、クリーム剤、軟膏剤、ハツ
ブ剤、注射剤、懸濁剤、吸入剤、エアロゾール剤などが
ある。また他の抗アレルギー剤、血管拡張剤、免疫調節
剤又はその他の医薬と共に二重層錠、多重層錠などとす
ることもできる。さらに錠剤の場合には必要に応じて通
常の剤皮を施し、例えば糖衣錠、腸溶被錠とすることも
できる。
錠剤、顆粒剤、散剤などの固体製剤とする場合は、製剤
化に当って公知の添加剤、例えば乳糖、ショ糖、ブドウ
糖、結晶セルロース、コーンスターチ、リン酸カルシウ
ム、ソルビトール、グリシン、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシフロビルセルロース、アラビアゴム、
ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ステ
アリン酸マグネシウム、タルク等を添加することかでき
る。
半固体製剤とする場合は、植物性ワックス、ミクロクリ
スタリンワックス、脂肪例えばタローラノリンなどの材
料を添加することができる。
液体製剤とする場合は、添加剤、例えば塩化すl・リウ
ム、ソルビトール、グリセリン、オリーブ油、アーモン
ド油、プロピレングリコール、エチレングリコール、エ
チルアルコール 添加することができる。
式〔■〕で表されるペプチドの投与量は、患者の年令、
体重、症状などにより適宜増減することができるが、経
口投与の場合の投−’4mは1[1当/こり0.01 
〜10mg/kg,鼻腔内では1回の投与nは01〜1
00rngである。非経り投与の場合の量は1日当たり
10〜1,000μg/kgである。
[実施例] 以下に記載する実施例によって本発明を具体的に説明す
る。
(実施例1) Boc−As (OBzl)−Gl −L s(Z −
OBzlのH−Lys(Z)−OBzl−HCI (国
産化学製) 20.35gをジメチルホルムアミド(以
下、DMFと略す) 35m1に溶解し、水冷下トリエ
チルアミン7mlを加え中和したのち、Boc−Gly
−OH(国産化学製) 8.76g。
HOBt (国産化学製) 7.43g及びDCC(国
産化学製)11.35gを加えて3時間、更に4℃で1
6時間攪拌した。副生物のジシクロヘキシル尿素をろ過
により除去後、酢酸エチル300m1を加え、順次飽和
食塩水、8wt%炭酸ナトリウム、飽和食塩水、8wt
%クエン酸、そして飽和食塩水で洗浄した。酢酸エチル
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、再び
少量の酢酸エチルに溶かし、ろ過したのち、溶媒を完全
に留去し、オイル状物質(Boc−Gly−Lys(Z
)−OBzl) 21.1g (収率80%)を得た。
上記のBoc−Gly−Lys(Z)−0Bz113.
98gにアニソール2ml及びTFA20mlを加えて
溶かし、室温で1時間攪拌しBoc基を切断した。エー
テル/石油エーテル混合溶液(容量比1 : 1) 8
0m1を加え沈澱させたのち、残渣[H−Gly−Ly
s(Z)−0Bz14FA、]を水酸化ナトリウムを含
むデシケータ−で吸引乾燥した。
別にBoc−Asp(OBzl)−OH(国産化学製)
 8.41g。
HOBt 3.92g及びDCC5,98gをとり、D
MF20mlに溶解し、水冷下3時間攪拌し、次いで先
のH−Gly−Lys(Z)−0Bz14FAのトリエ
チルアミン3.64m1を含むDMF (15ml)溶
液を加え、4℃で一晩攪拌した。
ジシクロヘキシル尿素をろ過で除去後、酢酸エチル40
0m1を加え、次いで飽和食塩水、8wt%Na2CO
3、飽和食塩水、8wt%クエン酸、飽和食塩水及び水
で順次洗浄した。酢酸エチル層を無水流酸ナトリウムで
乾燥し、溶媒を留去した。石油エーテルで沈澱させ、更
に酢酸エチル/石油エーテルで再沈澱させBoc−As
p (OBzl) −Gly−Lys (Z) −0B
z114.75g (収率76.9%)を得た。
融点=70〜72℃ [αコ2  :  −19,0′″ (c=1.o、D
MF)薄層クロマトグラフィーのRf値: 0.80元
素分析値;  (C39H2S N4010・1/2H
20として)(%) HN 理論値:  63.14  6,66  7.55実測
値:  63.13  6.64  7.72酸分解後
のアミノ酸分析値: (モル比)アスパラギン酸  0
.8 グリシン     0.8 リジン      1.0 なお、薄層クロマトグラフィーctプレートとしてシリ
カゲル60(メルク社製)を用(X1展開溶媒はクロロ
ホルム/メタノール/水(容量比で8:3:1)混液で
行った。
(実施例2) Z−Ser−As (OBzl)−C1−L s(Z 
−OBzlの実施例I T: 得りBoc−Asp(O
Bzl)−Gly−Lys(Z)−OBzl 2.40
gにアニソール0.43m1及びTFA4 、24m1
を加えて溶かし、室温で1時間攪拌しBoc基を切断し
た。エーテル/石油エーテル混合溶液(容量比1 : 
1) 80m1を加え沈澱させたのち、残渣[H−As
p(OBzl)−Gly−Lys(Z)−0Bz14F
Aコを水酸化ナトリウムを含むデシケータ−で吸引乾燥
した。
別にZ−Ser(OBzl)−OH(国産化学製) 0
.84g。
HOBt O,54g及びDCC0,83gをとり、D
MFlomlに溶解し、水冷下3時間攪拌し、次いで先
のH−Asp(OBzl)−Gly−Lys(Z)−0
Bz14FAのトリエチルアミン0.49m1を含むD
MF (10ml)溶液を加え、4℃で一晩攪拌した。
ジシクロヘキシル尿素をろ過で除去後、酢酸エチル20
0m1を加え、次いで飽和食塩水、8wt%Na2CO
3、飽和食塩水、0.1N HCI及び飽和食塩水で順
次洗浄した。酢酸エチル層を無水流酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を留去した。石油エーテルで沈澱させ、更に酢
酸エチル/石油エーテルで再沈澱させZ−Ser−As
p(OBzl)−Gly−Lys(Z)−0Bz11.
20g (収率43%)を得た。
融点ニア0〜72℃ [α]2D6:−16.8°(c=0 、75、DMF
)薄層クロマトグラフィーのRf値+0.83元素分析
値:  (C45H51N5012・H2Oとして)(
%) HN 理論値:  61.99  6.12  8.03実測
値:  61.99  5.99  8.30酸分解後
のアミノ酸分析値: (モル比)アスパラギン酸  0
.9 セリン     1,1 グリシン     0.8 リジン      1.0 (実施例3) 七と二匙二皿り打と郊p14 実施例2で得たZ−Ser−Asp(OBzl)−Gl
y−Lys (Z)−OBzl 400mgにメタノー
ル20m1、酢酸8ml及び水12m1を加えて溶かし
、5%Pd−炭素800mgを加え、水素ガスを4時間
通じ、すべての保護基を切断した。Pd−炭素をろ過に
より除去し、ろ液に水を加え、溶媒を減圧下で留去し、
エーテルで洗浄した。
再び水を加え、約2mlに減圧濃縮したのち、セファデ
ックスG−10(ファルマシア社製、2.5X42cm
)カラムにかけ、0.5wt%酢酸水溶液で展開し、フ
ラクション4mlずつ分取した。24〜29番目のフラ
クションに単一性のピークを認め、この部分を集め凍結
乾燥し、テトラペプチドH−Ser−Asp−Gly−
Lys−OH60,8mg (収率32%)を得た。
[α]v:  8.6° (c=0.16、)120)
薄層クロマトグラフィーのRf値、 0.53高速液体
クロマトグラフィー:第1図 元素分析値: (C15HI3 N50B・1/2 CH3COOH・
3H20として)(%) H 理論値:  38.71  7.31 実測値:  38.80  7.13 酸分解後のアミノ酸分析値: アスパラギン酸  0,9 セリン     0.9 グリシン     0.8 リジン      10 なお、薄層クロマトグラフィ 14.14 14.12 (モル比) −は、展開溶媒を n−ブタノール/ピリジン/酢酸/水(容量比で1:1
 : 1 : 1)混液としたほかは実施例1と同様に
行った。また高速液体クロマトグラフィーはウォーター
ズ社の高速液体クロマトグラフィー装置M600型で、
カラムとしてYMCバックA−3020DS(山村化学
研究断裂、4.6X150mm)を用い、溶媒は0.0
5%TFAを含む水溶液と0,05%TFAを含むアセ
トニトリルの95:5 (容量比)混合液、続いて70
30(容量比)混合液を段階的に用い、流速は0 、5
m17m1n 、検出波長220mmで行った。
[実験例] 以下の薬理実験例で、式(I)で表されるペプチドがヒ
スタミン遊離抑制作用とともにIgE抗体産生抑制作用
を有するため、抗アレルギー剤として利用しうろこと、
また、このペプチドが血管拡張作用を有するため、心不
全、高血圧症等の疾患の治療に利用しうろこと、更にほ
このペプチドがマイト−ジエンで刺激したリンパ球の活
性化反応を抑制し、インターロイキン(IL)−1、I
L−6、TNF等の液性因子の産生能を高める作用を有
するため、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス
等の自己免疫疾患の治療に有用な免疫調節剤として利用
しうろことを説明する。
(実験例1) 体重300〜350gの雄性ウィスター系ラットを受動
感作し、その腹腔内肥満細胞を用いて試験を行った。受
動感作に用いるラット抗血清はMotaの方法[1mm
unology、  ?、 p、681  (1964
)コおよびHamaokaの方法 [J 、 Immu
nology 、川、 p、958 (1974)コに
準じて作製した。すなわち、卵白アルブミン(10mg
/kg)をウィスター系雄ラット(体重200〜250
g)の両大腿部筋肉内に5ml/kgを注射し、同時に
2X1010個の百日咳死菌(Killed Bord
etellaPertussis)を腹腔内に投与して
免疫した。初回感作から12日目にエーテル麻酔下に腹
部大動脈から採血し、抗血清を分離し7た。抗血清は一
20℃で凍結保存した。抗血清の力価は48hrラット
PCA反応により測定し、その力価が128〜256倍
のものを実験に供した。得られた卵白アルブミンラット
IgE血清を2倍希釈し、その1mlを腹腔内に投与し
て感作した。感作48hr後にラットを出血致死させ、
腹腔内にリン酸緩衝化液(NaC18g、 MCI 0
.2g、 NazHPO442HzO2,88g、 K
H2PO40,2g、 EDTA・2Na 0.2g及
びウシ血清アルブミンIgを精製水に溶かして1リツト
ルとした溶液、pH7,4、以下PBS(−)と略記す
る)15mlを注入し、約2分間軽く腹部をマツサージ
後、開腹して腹腔内細胞を採取した。この細胞浮遊液を
遠心分離(1,00Orpm、 10分間)シ、更にP
BS(−)で再懸濁し、アラビアゴム比重液(比重1.
075)で重層し、遠心分離(2、50Orpm。
10分間)した。沈殿した細胞をPBS(−)で2回洗
浄し、新たにPBS(+)[PBS(−)のうちEDT
A・2Naに代えてCaCl20.1gを添加した溶液
、PBS(+)と略記するコに浮遊させ、lX105個
/mlに調整した後、シリコンで処理した試験管にその
細胞浮遊液を0.8mlずつ分注し、37℃で10分間
プレインキユベートシた。細胞浮遊液を入れた試験管に
PBS(+)で希釈した種々の溶液の検体溶液を0.1
ml添加し、37℃で15分間インキュベート後、肥満
細胞からヒスタミンを浮遊させるために抗原である卵白
アルブミン(最終濃度1mg/ml)とフォスフアジチ
ル−し−セリン(最終濃度100μg/mg)の混合溶
液0 、1mlを加え、さらに15分間インキュベート
してヒスタミンを遊離させた。ただし、比較薬剤の一つ
のDSCGは抗原添加30秒前に加え、抗原添加後更に
15分間インキュベートした。氷冷したPBS(十)1
加1を加え反応を停止させ、2.50Orpmで10分
間遠心分離した。上清2mlをとり、4wt%過塩素酸
溶液1mlを加え、遊離ヒスタミン量を定量する試料と
した。全ヒスタミン量を定量する試料は無処置の肥満細
胞浮遊液(IX105個/ml) 0.8mlを10分
間沸騰水中に置き、次いで4wt%過塩素酸を添加して
、試料とした。
各試料のヒスタミン量は蛍光法により測定し、次式によ
り、ヒスタミン遊離率(%)を算出した。
ヒスタミン遊離率(%)= (遊離ヒスタミン量/全ヒスタミンJi) X100式
[IEで表わされるペプチドと比較薬剤のヒスタミン遊
離率(%)を第2図に示した。第2図から明らかなよう
に、式[IEで表わされるペプチドは1叶5M以上の濃
度で明らかにヒスタミン遊離抑制作用を示し、その作用
は比較薬剤のH−Asp−Set−Asp−Pro−A
rg−OHより強<、DSCGと同程度又はそれ以上の
強さであった。
(実験例2) [■ のペプチドのIE   産生 免疫動物は、1群5匹のBALB/c雄マウス(6週令
)とし、抗原のジニトロフェニルアスカリス(DNP−
Ascaris) 10 μgを免疫増強剤の水酸化ア
ルミニウムゲル4mgに吸着させて、下記に示す2通り
の実験を行った。
一方の実験では式[1]のペプチド1mgを腹腔内に投
与し、30分間後にDNP−Ascarisと水酸化ア
ルミニウムゲルを腹腔内に投与し、その後144日目採
血して血清を得た。
他方の実験ではDNP−Ascarisと水酸化アルミ
ニウムゲルを腹腔内に投与し、7日目、144日目び2
11日目計3回、式[IEのペプチド1mgを腹腔内に
投与し、288日目採血して血清を得た。
両実験で得られた血清はラットの48時間PCA反応を
行い、抗体価を測定した。
すなわち、Wistar系雄ラット(200〜250g
)の背部の皮内に血清を感作し、48時間後に0.5w
t%エバンスブルーを含むDNP−Ascaris溶液
を尾静脈内に注射し、現われる色素斑を30分後に測定
してIgE抗体価を求めた。なお、PCA反応で得られ
た抗体価がIgE抗体であることを確認するために、血
清をあらかじめ56°Cで3時間加熱処置したもので感
作し、同様に操作して、PCA反応によって抗体価を測
定した。
式[IEのペプチドを1mg/kg投与したときのIg
E抗体産生量をPCA反応で求めた抗体価で表わしたも
のが第3図及び第4図である。第3図及び第4図から明
らかなように、式[1]のペプチドはIgE抗体産生を
強く抑制した。なお、加熱処理血清の抗体価は一方の実
験(第3図の斜線部分)ではほとんどOであったが、他
方の実験(第4図の斜線部分)では、わずかではあるが
抗体価を示した。
(実験例3) ■ のペプチドの血 体重2,5〜3Kgの雄の家兎の胸部大動脈を摘出し、
幅4mm、長さ25〜30mmの大動脈ラセン条片標本
を作成した。Tyrode液10m1中、37±1℃で
95容量%酸素及び5容量%炭酸ガスの混合ガスを通気
しながら大動脈ラセン条標本を2g重の負荷をかけて懸
垂し、lh保って安定させた。次いで塩化カリウムを最
終濃度が104mMとなるように、又はノルエピネフリ
ンを最終濃度が10−6Mとなるよう加えて血管収縮を
惹起させ、それぞれに式(1)のベブチドトSer−A
sp−Gly−Lys−OHを累積投与して、血管の弛
緩反応を観察した。なお、比較薬剤としてはニトロプル
シド(ナトリウム塩)及びベラパミルを用いた。
第1表及び第2表は、それぞれ塩化カリウムで収縮させ
た血管及びノルエピネフリンで収縮させた血管を用いた
ときの、式〔I〕のペプチド及び比較薬剤の血管拡張作
用を弛緩率で表した結果である。
第1表及び第2表の結果から、式[1)のペプチドはカ
リウムで引き起こした血管収縮に対してほとんど弛緩作
用を示さないが、ノルエピネフリンで引き起こした血管
収縮に対しては用量依存的に弛緩作用を示し、その作用
はベラパミルよりもニトロプルシドに類似していること
がわかった。
第1表 カリウムで惹起した血管収縮に対する式〔I〕
のペプチド及び比較薬剤の作用式[1)の  % % 
%  % ペプチド   0 0 0 7゜2 18.6ベラバミ
ル  7,1 68,3 97.1100 100第2
表 ノルエピネフリンで惹起した血管収縮に対する式(
1)のペプチド及び比較薬剤の作用 ニトロプル シド     16.1 59.4 86.0 93.
8 98.8(実験例4) ■ のペプチドの 環 、へ ぼ 式(1)で表されるペプチドの循環器系へ及ばず影響を
調べるため、本ペプチドをラットの静脈内に投与して血
圧、心拍数及び心電図を観察した。
体重300〜350gのウィスタ系雄ラットをウレタン
(1,5g重Kg静注)で麻酔したのち、左側大腿動脈
に挿入したカニユーレからトランスジューサを介して動
脈圧を測定し、また心拍数は心電図(第■誘導)のR波
をトリが−として心拍数量針により測定した。
なお、本ペプチドはラットの体重IKg当り30mgを
生理食塩水に溶かし大腿静脈から投与した。第5図は本
ペプチドを投与したのちのラットの血圧(平均血圧)及
び心拍数を示したグラフである。
投与直後から血圧の降下か起こり、1分後で血圧は最小
値(投与前の平均血圧に比へ8%減少)を示した。しか
し投与3分後には投与前の血圧を回復した。いっぽう、
心拍数は投!Ej直後に6%減少し、その減少は60分
間持続した。また心電図では、投与直後にQT間に軽度
の延長が認められたものの、QR8の幅は変化がなかっ
た。
(実験例5) ヘパリン存在下採血した健常人から、フィコール−ハイ
パキュー (Ficoll−Hypaque)比重遠心
法にて単核細胞を採取し、ウシ胎児血清(F B Sと
略す、大日本製薬製)を10容囲%添加したRPMl−
1640培養液(ギブコ社製)にこれを浮遊した。細胞
数の濃度をlX106個/mlに調整し、これを96穴
マイクロプレート(ファルコン社製)の各ウェルに10
0μmずつ分注した。
次いでP HA (Phytohemagglutin
in) 1 u g / m 15Con−A(Con
canavalin A) 10 p g / m l
もしくはP WM(Pokeweed mitogen
) 15 μg / m Iの各レクチン(いずれも第
−化学薬品源)、及び所定濃度のペプチド〔I〕を添加
し、10%FBS添加RPMI−1640培地を加えて
最終液量を200μmとしたのち、5容量%CO2イン
キュベータ内、37℃で72時間培養した。培養終了2
4時間前に3H−チミジン0.5μCiを加え、セル−
ハーベスタ−(Bio−Lab社製)にて細胞を回収し
、液体シンチレーションカウンターで3H−チミジン取
込量を測定した。第3表はその測定結果を示し、表中の
数字は平均カウント数(cpm)士標準誤差を示す。
第3表の結果から、式〔I〕のペプチドは、マイトーゲ
ンを添加しない場合、リンパ球の3H−チミジン取込量
にあまり影響を及ぼさないが、各レクチン、特にCon
−Aで刺激したリンパ球の3H−チミジン取込量を強く
抑制することがわかる。
第3表 各種レフDで刺激した斡バ球の3H−チミジン
取込量 以下余白 第3表(つづき) (実験例6) ヘパリン存在下採血した健常人から、フィコール−ハイ
パキュー比重遠心法で分離した単核細胞を、FBSIO
容量%を容量口たRPMI−1640培養液に浮遊した
。これを培養チューブ(ファルコン2054チューブ)
にI X 106個/mlずつ分注し、式〔I〕で表さ
れるペプチドを添加して、インキュベータにて一週間培
養を行った。
培養終了後、遠心して(1,500rpm、 10分間
)、上清を採取し、培養上清中の液性因子を測定した。
インターロイキン1 (IL−1)及び腫瘍壊死因子(
TNF)はそれぞれアマジャム社及びメドジニックス社
のラジオイムノアッセイキットで測定した。インターロ
イキン6 (IL−6)は抗IL−6抗体(ジェンザイ
ム社製)を用いた酵素免疫測定法(ELISA)で行っ
た。測定結果を第4表に示した。なお数値は平均値士標
準誤差を表す。
第4表 リンパ球の液性因子産生能 第4表の結果から、式〔I〕のペプチドはIL−1、I
 L−6及びTNFの産生を促進することかわかる。
[発明の効果コ 本発明により、抗アレルギー剤として優れた性質をもつ
ほかに、血管拡張剤及び免疫調節剤としても有用な新規
ペプチドを提供することができた。
また、式[n)及び式〔■〕で表されるペプチド誘導体
は、式〔I〕で表されるペプチドを製造する際の中間体
として重要で、この化合物を経由することにより、式〔
I〕で表されるペプチドを容易に製造することができた
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のH−Ser−Asp−Gly−Lys
−OHの高速液体クロマトグラムを示す。縦軸は220
nmの紫外線吸収の強度、横軸は溶出時間(分)である
。 第2図は、本発明のH−Ser−Asp−Gly−Ly
s−OH及び比較薬剤(H−Asp−Ser−Asp−
Pro−Arg−OH及びDSCG)のヒスタミン遊離
率(%)を示したグラフである。 縦軸はヒスタミン遊離率(%)、横軸は化合物及び濃度
(M)である。 第3図は、本発明のH−Ser−Asp−Gly−Ly
s−OHの前投与によって産生されたIgE抗体価を示
したグラフで、斜線の部分は加熱処理した血清の抗体価
である。 第4図は、IgE抗体産生の持続期に本発明のH−8e
r−Asp−Gly−Lys−OHを投与した場合に産
生されたIgE抗体価を示したグラフで、斜線の部分は
加熱処理した血清の抗体価である。第3図及び第4図は
それぞれ縦軸に抗体価、横軸に化合物及びその投与:j
l(mg/kg)を示している。 第5図はH−Ser−Asp−Guy−Lys−OHの
循環器系(血圧及び心拍数)へ及ばず影響を示すグラフ
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、次の式〔 I 〕 H−Ser−Asp−Gly−Lys−OH〔 I 〕(
    ただし、SerはL−セリン残基、AspはL−アスパ
    ラギン酸残基、Glyはグリシン残基、LysはL−リ
    ジン残基を示す)で表されるテトラペプチド又はその薬
    学的に許容される塩。 2、次の式〔II〕 Z−Ser−Asp(OBzl)−Gly−Lys(Z
    )−OBzl〔II〕(ただし、SerはL−セリン残基
    、AspはL−アスパラギン酸残基、Glyはグリシン
    残基、LysはL−リジン残基、Zはベンジルオキシカ
    ルボニル基、Bzlはベンジル基を示す)で表されるL
    −セリン−L−アスパラギン酸−グリシン−L−リジン
    誘導体。 3、次の式〔III〕 Boc−Asp(OBzl)−GIy−Lys(Z)−
    OBzl〔III〕(ただし、AspはL−アスパラギン
    酸残基、Glyはグリシン残基、LysはL−リジン残
    基、Bocはt−ブチルオキシカルボニル基、Bzlは
    ベンジル基、Zはベンジルオキシカルボニル基を示す)
    で表されるL−アスパラギン酸−グリシン−L−リジン
    誘導体。 4、Boc−Gly−OH(ただし、Glyはグリシン
    残基、Bocはt−ブチルオキシカルボニル基を示す)
    で表されるグリシン誘導体とH−Lys(Z)−OBz
    l(ただし、LysはL−リジン残基、Zはベンジルオ
    キシカルボニル基、Bzlはベンジル基を示す)で表さ
    れるL−リジン誘導体を、脱水縮合させてBoc−Gl
    y−Lys(Z)−OBzlとし、次いで酸でBoc基
    を外し、これにBoc−Asp(OBzl)−OHで表
    されるL−アスパラギン酸誘導体を加え、脱水縮合させ
    てBoc−Asp(OBzl)−Gly−Lys(Z)
    −OBzlとし、次いで酸でBoc基を外し、これにZ
    −Ser−OHで表されるL−セリン誘導体を加え、脱
    水縮合させたのち、接触還元することを特徴とする請求
    項1記載のH−Ser−Asp−Gly−Lys−OH
    の製造法。 5、Boc−Gly−OH(ただし、Glyはグリシン
    残基、Bocはt−ブチルオキシカルボニル基を示す)
    で表されるグリシン誘導体とH−Lys(Z)−OBz
    l(ただし、LysはL−リジン残基、Zはベンジルオ
    キシカルボニル基、Bzlはベンジル基を示す)で表さ
    れるL−リジン誘導体を、脱水縮合させてBoc−Gl
    y−Lys(Z)−OBzlとし、次いで酸でBoc基
    を外し、これにBoc−Asp(OBzl)−OHで表
    されるL−アスパラギン酸誘導体を加え、脱水縮合させ
    てBoc−Asp(OBzl)−Gly−Lys(Z)
    −OBzlとし、酸でBoc基を外し、これにZ−Se
    r−OHで表されるL−セリン誘導体を加え、脱水縮合
    させることを特徴とする請求項2記載のZ−Ser−A
    sp(OBzl)−GIy−Lys(Z)−OBzlの
    製造法。 6、Boc−Gly−OH(ただし、Glyはグリシン
    残基、Bocはt−ブチルオキシカルボニル基を示す)
    で表されるグリシン誘導体とH−Lys(Z)−OBz
    l(ただし、LysはL−リジン残基、Zはベンジルオ
    キシカルボニル基、Bzlはベンジル基を示す)で表さ
    れるL−リジン誘導体を、脱水縮合させてBoc−Gl
    y−Lys(Z)−OBzlとし、次いで酸でBoc基
    を外し、これにBoc−Asp(OBzl)−OHで表
    されるL−アスパラギン酸誘導体を加え、脱水縮合させ
    ることを特徴とする請求項3記載のBoc−Asp(O
    Bzl)−Gly−Lys(Z)−OBzlの製造法。 7、請求項1記載のテトラペプチド又はその薬学的に許
    容される塩を有効成分として含有する抗アレルギー剤。 8、請求項1記載のテトラペプチド又はその薬学的に許
    容される塩を有効成分として含有する血管拡張剤。 9、請求項1記載のテトラペプチド又はその薬学的に許
    容される塩を有効成分として含有する免疫調節剤。
JP2248089A 1989-09-30 1990-09-18 新規なテトラペプチド、その中間体、それらの製造法並びに抗アレルギー剤、血管拡張剤もしくは免疫調節剤 Expired - Lifetime JP2897381B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004004753A1 (fr) * 2002-07-09 2004-01-15 Terentiev Alexandr Alexandrovi Peptide possedant une propriete immunoregulatrice et composition dudit peptide

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WO2004004753A1 (fr) * 2002-07-09 2004-01-15 Terentiev Alexandr Alexandrovi Peptide possedant une propriete immunoregulatrice et composition dudit peptide

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