JPH0328442Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、加熱手段により加熱される定着ロー
ラと、該定着ローラにオイルを塗布するオイル塗
布手段と、塗布されたオイルを定着ローラの表面
に均一にならすためのブレードとを有する定着装
置に関するものである。

従来技術 上記形式の定着装置は周知であり、電子写真複
写装置、その他の記録装置に用いられている。こ
の種の定着装置にあつては、紙の剥離性向上のた
め、シリコンオイルを定着ローラに塗布してお
り、この場合オイルはローラ表面に均一でかつ薄
く塗布させることが望ましく、このため従来より
板状のブレードが用られていた。

ところが、ブレードを有する定着装置にあつて
は、通紙時に定着ローラを介して運ばれる紙粉、
紙繊維、クレイ分等の異物をブレードで保持する
結果となり、ブレードにこれら物が除々にたま
る。このため、ブレードのオイル保持が悪くな
り、定着ローラに傷を生じたり塗布効率が悪化す
る等の弊害を招いた。特に、近年の定着ローラは
ソフトな画像を得るように軟いシリコンゴムで作
られており、また紙のクレイ分は所謂粘土質で非
常に固いものもあるため、このような異物がブレ
ードにたまるとローラに傷が付いてしまつた。ま
た、オイル供給手段にフエルト等を用いている定
着装置にあつては、上記異物がフエルト塗布部ま
で侵入し、オイル供給を止めてしまい、その結果
定着ローラに傷を付けることもあつた。

目 的 本考案は、上述した従来の不具合を解消し、ブ
レードで止められる異物をブレード上、更には外
部に導くことのできる定着装置を提供することを
目的とする。

構 成 本考案の構成について、以下、添付図面の実施
例に基いて説明する。

第１図において、符号１は定着装置であり、定
着装置１はヒータ２として構成された加熱手段に
よつて加熱される定着ローラ３と、一部をオイル
に浸漬されたフエルト４として構成されたオイル
供給手段と、定着ローラ３に当接するブレード５
とを有している。また、符号６は加圧ローラであ
り、定着ローラ３の下部に所定圧力で当接してい
る。上記フエルト４は、定着ローラ３の上部に定
着ローラ３の上部領域で、かつそのローラのほぼ
頂部からその回転方向下流側で接し、毛細管現象
を利用して定着ローラ３にオイルを塗布してい
る。

上記ブレードは、板状ブレードであつて、フエ
ルト４の接触部に対し、定着ローラ３の回転方向
下流側で、かつ定着ローラ３の上部領域に配置さ
れている。そして、第２図に示すようにブレード
５の下面５Ａと定着ローラの対向面５Ｂ、即ち第
２図の左側面のエツジ７が定着ローラ３の幅方向
ほぼ全域に亘つて当接されている。この場合、エ
ツジ７における定着ローラ３の接続Ｐとブレード
５の対向面５Ｂとでなす角度が鋭角になるように
ブレード５が定着ローラ３に当接され、第３図に
示すように定着ローラ３との後述する角部５Ｅま
での対向面５Ｂとでオイルだまり１０が形成され
ている。

かく配置されたブレード５には、その対向面５
Ｂと上面５Ｃとの間に斜面部分５Ｄが形成されて
いる。この斜面部分５Ｄは、対向面５Ｂの角部５
Ｅから上面５Ｃまで連続し、ブレード５の斜面部
分５Ｄは定着ローラ３から離れる方向に向つてそ
の厚味が除々に厚くなるように形成されている。
そして、斜面部分５Ｄは水平線に対し、45゜以下
であることが望ましい。

本考案に係る定着装置は、上述の如く構成さ
れ、その作動態様は下記の如くである。

第３図において、定着ローラ３が矢印方向に回
転する作動時にあつてはフエルト４によつて定着
ローラ３の表面に塗布されたオイルがブレード５
の対向面５Ｂと定着ローラ３の表面との間にたま
り、かつブレード５を通過した定着ローラの表面
に薄く均一に塗られる。このときブレード５の先
端にたまつたオイル中には小さな渦が発生すると
ともにブレード５に斜面部分５Ｄが形成されてい
ることにより、この斜面部分５Ｄ上を通る流れ８
が発生する。そして、この流れ８が生ずることに
より、定着ローラ３の表面等に付着した紙粉、紙
繊維、クレイ分等がブレード５の当接位置に運ば
れてきても、これら異物はブレード５の斜面部分
５Ｄ上へ流され、その部分で堆積する。

かくして、本考案に係る定着装置１は、ブレー
ド５の先端に異物がたまることがないため、塗布
効率の悪化、定着ローラ３の表面が傷付くこと等
を防止できる。なお、従来の定着装置では第５図
に示すようにブレード５′の断面形状が矩形であ
るため、定着ローラ３′とブレード５′との間に深
い谷間が形成される。従つて、オイル中には大き
な渦が生ずるだけであり、異物はその谷間に堆積
し、上述した不具合を生じせしめる。この場合、
ブレード５′の厚味を薄くすることが考えられる
が、ブレード５′の厚味が薄いと硬度の低い、弾
性体等のブレードでは、その腰が弱くなり、ブレ
ード５′が波打つ等して均一なオイル塗布が得ら
れない。また、ブレード５′の硬度の高いものを
用いれば、薄くともブレード５′の波打ちを防止
できるが、上述の如く定着ローラ３の表面が軟い
シリコンゴム等で作られているため、当接力が強
いと定着ローラに傷が付き、弱くするとオイル塗
布を均一にできなかつた。そして、このようなブ
レードの強度面の問題は本考案に係る定着装置で
はブレード５の先端側に斜面部分５Ｄを形成した
だけであるから発生する恐れがない。

なお本考案は上記実施例にてオイル供給手段を
フエルトのもので説明したが、オイル供給手段は
第４図に示すようにポンプ９によりオイル滴下す
る形式のものでもよく、この場合ブレード斜面部
分５Ｄへの流れ８をより作り易いという利点を有
している。また、オイル供給手段の種類を問わ
ず、オイル流の流量を多くすることによつてブレ
ード５上の異物をブレード５の外部へ排出させる
こともできる。

更に、本考案は、ブレード５の斜面部分５Ｄの
水平線に対する角度を45゜の範囲内で適宜変える
ことにより、ブレード５の先端部の腰の強さを変
えられ、オイル塗布量の増減をブレードで調整で
きるという２次的効果が得られる。

効 果 本考案に係る定着装置は、上述の如く構成さ
れ、定着ローラのブレード当接部に運ばれる異物
をブレード上、更には外部へ排出でき、上述した
異物により発生する種々の不具合を解消できた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に傾る定着装置の一実施例を
示す正面図、第２図は第１図のブレード部分の構
成を示す拡大説明図、第３図は第１図のブレード
部分における作動時の一態様を示す部分拡大説明
図、第４図はオイル滴下型定着装置の説明図、第
５図は従来の定着装置のブレード部分を示す説明
図である。 １……定着装置、２……加熱手段、３……定着
ローラ、５……ブレード、５Ｂ……定着ローラ対
向面、５Ｄ……斜面部分、７……エツジ、１０…
…オイルだまり、Ｐ……接線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 加熱手段により加熱され、回転する定着ローラ
   と、 該定着ローラのほぼ頂部からその回転方向にお
   ける下流側の上部領域で定着ローラの表面にオイ
   ルを塗布するオイル塗布手段と、 定着ローラの回転方向におけるオイル塗布手段
   の下流側において定着ローラと当接し、塗布され
   たオイルを定着ローラの表面に均一にならすため
   のブレードとを有し、 該ブレードは、オイル塗布手段側が上面、先端
   側が定着ローラ対向面である板状であつて、下面
   と定着ローラ対向面のエツジが定着ローラの上部
   領域の表面に当接している定着装置において、 前記ブレードの上面からその定着ローラ対向面
   まで連続し、かつ定着ローラから離れる方向に向
   つてブレートの厚味が除々に厚くなる斜面部分
   と、 ブレードの定着ローラ対向面と定着ローラの表
   面とでなすオイルだまりと、 を形成したことを特徴とする定着装置。