JPH0328382A - 高合金再溶融カムの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、高合金再溶融カムの製造方法に関するもので
ある。

（従来の技術） 近年、自動車用エンジンにおける高出力化の傾向はます
ます大きくなってきており、それに伴って、例えば、エ
ンジンの動弁機構を構或するカムシャフトにおける摺動
部位であるカム面には、より高い面圧がかかることとな
ってきている。従って、当該摺動部位における耐摩耗特
性の向上が不可欠となってきつつある。このため、カム
シャフト等の摺動部材における摺動部位に表面硬化層を
形成させることが行なわれてきている。

上記の如き表面硬化層を形成する方法の一つとして、鋳
鉄製カムの表面を高密度エネルギー照射装置（例えば、
ＴＩＧアークトーチ等）で照射することにより再溶融し
、この時の鋳鉄材料内部への熱伝導によって急冷させ、
高硬度なチル層を形成するようにしたものが知られてい
る。さらに、前記再溶融時に、鋳鉄製カムの所望部位に
Ｃｒ，Ｍｏ等の炭化物生戊元素を供給すると、母材の組
成と異なる高硬度な高合金再溶融層を得ることができる
ことも良く知られており、炭化物生成元素を鋳鉄製カム
の所望部位に供給する方法として、高合金粉末を含むシ
ート材を用いるものが提案されている。例えＩｆ，特開
昭６０−２３０９８６号公報にも開示されているように
、高合金粉末にアクリル樹脂を添加し、アセトン等の溶
剤で希釈、混練して厚さ０．１〜ｌ．　Ｏｍｍのシート
状に戊形したものを鋳鉄製カムの表面に接着し、脱ロウ
処理後、ＴＩＧアークトーチ等を用いて粉末シート材と
カム表面とを同時に再溶融することにより高合金化する
方法がある。

（発明が解決しようとする課題） 上記の如き公知方法による場合、再溶融時において飛散
した合金粉末や金属蒸気の影響をＴＴＧアークトーチの
電極が受けて、電極の異常摩耗を起こすおそれがある。

例えば、金属蒸気の影響により電極が酸化消耗するおそ
れがあるし、飛散合金粉末が電極に付着すると、電極の
溶損を来すおそれがある。

ところで、上記した如く、合金粉末や金属蒸気が電極側
へ飛散するという現象が起きる原因の一つとして、ＴＩ
Ｇアークトーチから噴出されるシールドガスが未再溶融
の粉末シート材で反射せしめられるに際して、合金粉末
や金属蒸気を伴って電極に衝突することによる場合があ
る。

本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、再溶融処
理時においてＴＩＧアークトーチから噴出されるシール
ドガスが反射せしめられないようにし、以って、電極の
異常摩耗を防止し得るようにすることを目的とするもの
である。

（課題を解決するための手段） 本発明では、上記課題を解決するための手段として、対
象加工部品であるカムシャフト素材のカム表面に、耐摩
耗性の高合金粉末と樹脂バインダとからなる２枚のシー
ト材を両者の中央部において周方向に延びる所定の隙間
を介して接着し、その後、前記シート材およびカム表面
に対してＴＩＧアークトーチを用いた高合金再溶融処理
を施すようにしている。

（作　用） 本発明では、上記手段により次のような作用が得られる
。

即ち、カム表面に接着される２枚のシート材間に隙間を
保持させたことにより、再溶融処理時にＴＩＧアークト
ーチから噴出されるシ．−ルドガスが前記隙間に沿って
逃がされ、電極方向へ反射しなくなるところから、再溶
融時において発生する合金粉末の飛散および金属蒸気に
よる電極への悪影響が抑制されることとなる。

（発明の効果） 本発明によれば、対象加工部品であるカムシャフト素材
のカム表面に、耐摩耗性の高合金粉末と樹脂バインダと
からなる２枚のシート材を両者の中央部において周方向
に延びる所定の隙間を介して接着し、その後、前記シー
ト材およびカム表面に対してＴＩＧアークトーチを用い
た高合金再溶融処理を施すようにしたので、再溶融処理
時にＴＩＧアークトーチから噴出されるシールドガスが
前記隙間に沿って逃がされ、電極方向へ反射しなくなる
ところから、再溶融時において発生する合金粉末の飛散
および金属蒸気による電極への悪影響が抑制されること
となり、ＴＩＧアークトーチの電極の損耗を可及的に少
なくすることができるという優れた効果がある。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を説明する
。

まず、Ｍｏ：２．　５　〜１５．　０重量％、Ｃ　ｒ：
１０．　０重量％以下、Ｐ：０．５〜３．０重量％、Ｃ
：１．５〜５．０重量％、Ｆｅ：残部の組成を有し、粉
末粒度：２００メノシュ以下の共晶合金粉末に、アクリ
ル系樹脂＝１．０〜６０重量％を添加し、アセトンで希
釈、混練した後、厚さ＋０．　８ｍｍのシート状に戊形
したシート材２を用意する。

一方、鋳鉄製のカムシャフト素材Ｗにおけるカムｌ表面
を研削して黒皮を除去する。しかる後、前記カム１の幅
の約半分より若干狭い幅（即ち、７ａｍ）に裁断された
２枚のンート材２，２を用意し、前記カム１の表面に、
前記シート材２，２を両者の中央部において周方向に延
びる所定（約４ｍｍ）の隙間３を介してアクリル系樹脂
の接着テープ（図示省略）を用いて接着する（第１図参
照）。しかる後、前記カムシャフト素材Ｗに対して窒素
ガス雰囲気中で３０９’Ｃ　Ｘ　ｌｈｒの脱ロウ処理を
行った後、ＴＴＧアークトーチ４を用いて高合金再溶融
処理を行った。符号５はＴＩＧアークトーチ４の電極４
ａから照射される放電アーク、６はシールドガスである
。なお、この時の高合金再溶融処理条件は、ビーム電流
：１００Ａ、カム回転数：０．　６ｒｐｍ、オシレート
巾：ｌ１１、オシレート回数：３０回／分、シールドガ
ス（Ａｒガス）の圧力：２．　Ｏｋｇ／　ａｍ″、シー
ルドガス（Ａ．ｒガス）の流量：２０　＆　／分、電極
：φ３．　２＋ｎ＋ｎのタングステン電極、ワーク間距
離：３．０ｍｍであった。

上記の如き手法により再溶融処理を行うと、第２図図示
の如く、ＴＩＧアークトーチ４から噴出されるシールド
ガス６は、２枚のシート材２，２間の隙間３に沿って流
れて、電極４ａの方向へ反射しなくなるため、電極４ａ
に合金粉末や金属蒸気が飛散しなくなる。その結果、本
実施例の方法により再溶融処理を行った場合、２０カム
処理しても電極４ａは全く損耗しなかった。

ちなみに、比較例１として、カム全面にシート材を接着
したものに対して、上記実施例と同様な手法により再溶
融処理を施したところ、再溶融処理時に電極に向って合
金粉末が激しく飛散し、ｌカム処理しただけで、電極が
異常摩耗し、使用不能となった。また、比較例２として
、比較例ｌに比べてンールドガス流量のみを５２／分に
低減して、再溶融処理を行ったところ、合金粉末の飛散
はなくなったものの、シールド不良となって電極の酸化
が早まり、３カム処理しただけで、使用不能となった。

上記した如く、本実施例の方法による場合、再溶融処理
時にＴＩＧアークトーチから噴出されるシールドガスを
２枚のシート材間の間隔に沿って逃がすことにより、電
極方向への反射を防止し得るようにした結果として、’
Ｉｌｉ［の損耗あるいは酸化が防止されることとなるの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の高合金再溶融カムの製造方法において
カム表面にシート材を接着した状態を示す正面図、第２
図は第１図図示のカムに対して再溶融処理を施している
状態を示す正面図である。 １・・・・・・カム ２・・・・・・シート材 ３　・ Ａ　・ ４ａ ５　・ ６　・ Ｗ・ ・間隔 ・ＴＩＧアークトーチ ・電極 ・放電アーク ・シールドガス ・対象加工部品（カムシャフ ト素材） カム ノート材 間隔 ＴＩＧアークトーチ 電極 放電アーク ンールドガス 対象加工部品（カムシャフト素材） 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １．対象加工部品であるカムシャフト素材のカム表面に
   、耐摩耗性の高合金粉末と樹脂バインダとからなる２枚
   のシート材を両者の中央部において周方向に延びる所定
   の隙間を隔てて接着し、その後、前記シート材およびカ
   ム表面に対してＴＩＧアークトーチを用いた高合金再溶
   融処理を施すことを特徴とする高合金再溶融カムの製造
   方法。