JP2762165B2 - チタン合金製エンジンバルブの肉盛溶接方法 - Google Patents

チタン合金製エンジンバルブの肉盛溶接方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、チタン合金製エンジンバルブのフェース面
の肉盛溶接において、直流正極性プラズマアーク溶接法
を用い、希釈による合金量低下を極力抑えることのでき
るプラズマアーク肉盛溶接法に関するものである。
[従来の技術] チタン合金材料は鉄に対し比重が約50%と軽く、耐熱
性、耐食性も優れていることから、自動車等のエンジン
の吸気・排気バルブへの適用が検討されている。しか
し、チタン合金材料は鉄に比べ軟かいため、エンジンバ
ルブに適用するには、高温雰囲気下での耐摩耗性を向上
させることが必要である。そこで、チタン合金製エンジ
ンバルブのフェース面に耐摩耗性、耐熱性等の諸特性に
優れた異種材料を肉盛する方法が考えられている。
これらチタン合金材料への肉盛方法として、TIGアー
ク、プラズマアークおよびレーザ光を利用した肉盛方法
等が提案されている。
かかる素材の硬化肉盛溶接方法として、特開昭61−23
574号公報に記載されているように、チタン基合金材料
からなるエンジンバルブのフェース面に、チタンと金属
炭化物とからなる混合粉末を用いて、プラズマアーク溶
接法により肉盛する方法が提案されている。この提案で
は、プラズマアーク肉盛溶接方法として常用されてい
る、直流正極性プラズマアーク肉盛溶接方法が用いられ
ている。正極性プラズマアーク肉盛溶接法は、逆極性プ
ラズマアーク肉盛溶接法に比べ、母材への希釈が大きい
ことは一般に知られていることである。
これらバルブフェース面の肉盛材は、高価な合金であ
ることから、その使用量が少ない方が好ましく、母材へ
の希釈が小さい方法として、既に本発明者らは、交流プ
ラズマアーク肉盛溶接法を特開平1−262077号公報に開
示している。しかしながら、この方法はアーク安定性に
やや欠け、ブローホール等の溶接欠陥が発生し易いとい
う問題があった。
また、逆極性プラズマアーク肉盛溶接法では、母材か
ら発生した電子が絶えず電極に衝突し、電極が加熱され
損傷されるため、W電極に代えて一般に太径の水冷銅電
極が用いられる。そのため、逆極性プラズマアーク溶接
トーチは大型となり、バルブ・フェースのような小物の
肉盛溶接には不適である。
レーザー光による肉盛溶接は、高エネルギー密度の熱
源を用い、低希釈な肉盛溶接が可能である。しかし、高
価なレンズ等を用いるため、イニシャルコストおよびラ
ンニングコストが高く、バルブの製造コストが高くなる
などの問題がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、チタン合金製バルブ・フェース面への肉盛
溶接において、母材への希釈率を小さくして、アークの
安定性に優れ、ブローホール等の溶接欠陥を生じない安
価な肉盛溶接法を提供することを目的とするものであ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記の問題点を解決するためのものであ
り、その要旨とするところは、軸芯を回転軸として回転
しているチタン合金製エンジンバルブのフェース面へ、
直流正極性プラズマアーク溶接法を用いて溶接する肉盛
溶接方法において、10〜200Hzの振動数で溶接方向に溶
接トーチを揺動させることを特徴とするチタン合金製エ
ンジンバルブの肉盛溶接方法にある。
[作用] 本発明において、溶接方向に溶接トーチを揺動させる
のは、プラズマアークが常に母材上にあると母材への希
釈が大きくなるため、アークを半溶融金属上へも揺動さ
せることにより、母材への希釈を抑制でき、又、アーク
を揺動させることで溶融金属を撹はんし、ブローホール
等の溶接欠陥を生じさせないためである。
なお、この目的に適用可能な揺動条件としては相当許
容範囲が広いことが判明した。すなわち、揺動回数は10
Hz以上200Hz以下の範囲に限定する。その理由は10Hz未
満では、母材への希釈率の抑制効果が十分でなく、ま
た、ブローホール等の溶接欠陥が生じ易く、200Hzを超
えると装置が非常に大型化し、コスト高となるからであ
る。
[実施例] 次に本実施例の肉盛溶接方法を第1図に基づいて説明
する。第1図はチタン合金製エンジンバルブのフェース
面に粉体肉盛材料を肉盛溶接するのに適した、直流正極
性プラズマアーク肉盛溶接装置の一例を示す説明図であ
る。
第1図において、1はプラズマアーク肉盛溶接トーチ
の先端部を示し、該プラズマアーク肉盛溶接トーチ1に
は、中心部にタングステン電極2を配備してあり、この
電極2の外側には、トーチ内筒3およびトーチ外筒4が
配設されている。そして、タングステン電極2とトーチ
内筒3との間にプラズマ作動ガス通路14が配置され、ト
ーチ内筒3とトーチ外筒4との間にシールドガス通路15
および粉体肉盛材料10を供給する粉体送給パイプ5が配
設されている。プラズマ作動ガス通路14にはアルゴンガ
スなどの不活性ガスがプラズマ作動ガスとして供給され
る。シールドガス通路15にはアルゴンガスなどの不活性
ガスが供給されるようになっており、肉盛金属13を大気
からシールドするようになっている。
以上のように構成された、プラズマアーク肉盛溶接ト
ーチ1の下方に、被肉盛溶接材料のチタン合金製バルブ
12が設置されている。そして、プラズマアーク11の中
に、粉体肉盛材料10が粉体送給パイプ5を通じて、アル
ゴンガスなどの不活性ガスを送給ガスとして供給され、
チタン合金製バルブ12のフェース面上に順次肉盛金属13
が形成される。
なお、タングステン電極2とトーチ内筒3との間に
は、パイロット電源6から所定のパイロット電流が供給
されるようになっている。また、タングステン電極2と
チタン合金製バルブ12との間には、メイン直流電源7か
ら、所定の溶接電流が供給できるようになっている。更
には、タングステン電極2とトーチ内筒3との間にはプ
ラズマアーク点火用の高周波発生器8が配設されてい
る。
9は溶接トーチ1に取付けた溶接トーチ揺動調整装置
で、アークを溶接線に平行に往復運動させて、アークを
形成されたビートの半溶融状態の金属上へも揺動させる
ためのものである。なお、溶接トーチ揺動調整装置9は
下記仕様のものを用いて肉盛溶接を行った。
揺動幅 ;1〜30mm 揺動速度;2〜500Hz 揺動方向;0〜90゜可変 本発明の直流正極性プラズマアーク溶接によるビード
断面形状を第2図に示す。この場合の希釈率は、後述の
(1)式で求めることができる。
但し、φ;希釈率 C;溶融した粉末のビードに占める断面積 D;溶融したチタン合金母材の断面積 次に、本発明に基づく効果を確認するために、Ti−6
%Al−4%V合金製バルブ(バルブ径:30mm)に、第1
表に示した粉体肉盛材料を組合せて、第1図に示した本
発明の一実施態様の直流正極性プラズマアーク肉盛溶接
装置を用いて肉盛溶接を行った。下記の溶接条件で肉盛
溶接して得られた肉盛部について、母材への希釈および
ブローホール等の溶接欠陥の発生状況等を調査した結果
を第2表に示す。
溶接条件:溶接電流 70A エンジンバルブ回転数 5rpm プラズマ作動ガス(Ar) 2.5/min シールドガス流量(Ar) 25/min 粉体送給ガス流量(Ar) 3/min 第2表におけるNo.1〜No.7は第1図に示した直流正極
性プラズマアーク肉盛溶接装置を用いて、肉盛溶接を行
ったものである。No.8,No.9は直流逆極性プラズマアー
ク肉盛溶接法で、No.10〜No.12は交流プラズマアーク肉
盛溶接法で比較のため行ったものである。なお、No.8〜
No.12の逆極性プラズマアーク肉盛溶接法および交流プ
ラズマアーク肉盛溶接法とも、上記直流正極性プラズマ
アーク肉盛法と同一の溶接条件で行った。
No.1〜No.4は本発明の要件を満たし、母材への希釈率
は小さく、ブローホール等の溶接欠陥の発生もなく、良
好なビード形状が得られた。また、アーク切れの発生も
なく、安定した溶接が行われた。
No.5〜No.7は、直流正極性プラズマアーク肉盛溶接法
で行ったものであるが、揺動振動数が本発明の範囲を外
れている例である。No.5は揺動振動数が本発明範囲の上
限より高く、母材への希釈率が小さく、ブローホールの
発生もなく、健全な肉盛金属が得られたが、揺動装置が
コスト高となるため、バルブ製造コストが高くなる。N
o.6は揺動振動数が本発明範囲の下限より低く、No.7は
揺動なしの場合で、いずれも母材への希釈率が大きく、
ブローホールの発生も認められ、健全な肉盛金属が得ら
れなかった。
No.8,No.9は直流逆極性プラズマアーク肉盛溶接法に
よるものである。No.8は、ブローホール等の溶接欠陥は
認められないが、溶接トーチの大型化により、肉盛金属
がバルブマージン側へ流出し、良好なビード形状が得ら
れなかった。No.9は、揺動なしの例で、ブローホールが
多数発生するとともに、No.8と同様バルブマージン側へ
肉盛金属が流出し、良好なビード形状が得られなかっ
た。No.10〜No.12は、交流プラズマアーク肉盛溶接によ
るもので、アーク切れが時々発生し、肉盛金属中にブロ
ーホールが認められ、健全な肉盛金属が得られなかっ
た。
[発明の効果] 以上のことより、本発明のチタン合金製エンジンバル
ブの肉盛溶接方法によれば、母材への希釈が小さく、ブ
ローホール等の溶接欠陥の発生もなく、健全な肉盛金属
が得られる。従って、安価なチタン合金製エンジンバル
ブを得ることができ、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、直流正極性電源を用いた、本発明のチタン合
金製エンジンバルブのフェース面に対して肉盛溶接して
いる状況を示す説明図、第2図は溶接ビードの断面図で
ある。 1……溶接トーチ、2……タングステン電極、3……ト
ーチ内筒、4……トーチ外筒、5……粉体送給パイプ、
6……パイロット電極、7……メイン直流電源、8……
高周波発生器、9……溶接トーチ揺動調整装置、10……
粉体肉盛材料、11……プラズマアーク、12……チタン合
金製バルブ、13……肉盛金属、14……プラズマ作動ガス
通路、15……シールドガス通路、16……バルブフェー
ス、17……バルブマージン、A……バルブ回転方向、B
……溶接トーチ揺動方向、C……溶融した粉体のビード
に占める断面積、D……溶融したチタン合金母材の断面
積。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸芯を回転軸として回転しているチタン合
    金製エンジンバルブのフェース面へ、直流正極性プラズ
    マアーク溶接法を用いて溶接する肉盛溶接方法におい
    て、10〜200Hzの振動数で溶接方向に溶接トーチを揺動
    させることを特徴とするチタン合金製エンジンバルブの
    肉盛溶接方法。
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