JPH02274885A

JPH02274885A - 高合金再溶融カムの製造方法

Info

Publication number: JPH02274885A
Application number: JP1097756A
Authority: JP
Inventors: Yoshifumi Yamamoto; 義史山本; Shigezo Osaki; 茂三大崎; Norio Mochishina; 用品　典雄; Katsuya Ouchi; 大内　勝哉
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1989-04-17
Filing date: 1989-04-17
Publication date: 1990-11-09

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、エンジンの動弁カムとして用いられる高合金
再溶融カムの製造方法に関するものである。

〔従来の技術〕

ロッカアームやタペット等に摺接して回転するエンジン
の動弁カムは、高い耐摩性が要求される。

このカムの耐摩性を＾めるために、カム表面を高エネル
ギー密度熱源で再１ｍして硬化させることは知られてい
る。つまり、鋳鉄−カムの表面を高エネルギー密度の熱
源で再溶融すると、内部への熱伝導により急冷されて微
細でＩ％ＩＩＩのチル層が形成され、さらに再ｒｓｌ！
１時にＣｒ、ＭＯ等の炭化物生成元素を供給すると、母
材の組成と異なる高硬度の高合金再溶融層を得ることが
１きる。

従来、このような耐摩性が要求されるカム等の金属部材
の表面硬化処理として、例えば特開昭６０−２３０９８
６１！公報に示されるように、合金粉末にアクリル系樹
脂を混合してシート状としたものを母材に接着する等に
より金属部材表面に合金粉末シート層を形成し、脱ろう
処理を行なった後、高エネルギー密度の熱源でこの合金
勅末シート層と母材表面を同時に再溶融することにより
、高合金化するようにした方法が知られている。

〔発明が解決しようとするＩＩＩ）上記の方法において、合金粉末シート層の再溶融のため
の＾エネルギー密度の熱源としては、レーザビーム、電
子ビーム、ティグアーク（ＴＩＧアークータングステン
不活性ガスアーク）等が考えられている。これらの熱源
のうちで、とくにティグアークは他のものと比べて安価
である等の利点があるため、これを用いて再ＩＭを行な
いたいという要望がある。ところが、ティグアークを用
いて再溶融を行なう場合に、次のような問題が残されて
いた。

すなわち、従来のこのような方法において再溶融される
合金粉末シートは、Ｊ１５１点の粒子と低融点の粒子が
混在した不均質な状態となっており、この状態では再溶
融時に融点の高い粒子が飛散し易くなる。そして、ティ
グアークの装置はその電極が合金粉末シートに近接して
いるため、飛散した粒子がこの電極に付着し、電極が損
耗するという事態が生じる。

本発明はこのような事情に鑑み、合金粉末シートと母材
表面を再溶融してカム表面に高合金化した高硬度の耐摩
性表面層を形成し、とくにコスト面等で有利なティグア
ークを用いて上記再溶融を行なうようにしつつ、合金粉
末の飛散を抑えてティグ電極の損耗を防止することがで
きる高合金再溶融カムの製造方法を提供するものである
。

ＣＲＭを解決するための手段）本発明は上記のような目的を達成するため、カム表面に
高合金再溶融による表面硬化処理を施して高合金再溶融
カムを製造する方法であって、２゜５〜１５．０ｗｔ％
のＭＯ１１Ｑｗｔ％以下のＱｒｌｏ、５〜３．□ｗｔ％
のＰｌｌ、５〜５．Ｑｗｔ％のＣ１残部の鉄を成分とし
て、アトマイズ法により合金粉末を作成し、この合金粉
末にアクリル樹脂を混合して厚さ０．６〜１．０ＪＩＩ
Ｉ、密度３．０〜５、ＯＱ／ａｌの合金粉末シートを作
成し、この合金粉末シートをカム母材表面に接着した後
、脱ろう処理を行なってから、ティグアークにより合金
粉末シート′およびカム母材表面をＮＷＩ融して高合金
層を形、成するようにしたものである。

（作用）上記構成によると、上記の成分としてアトマイズ法で合
金粉末を作成することによりその融点が均一となり、こ
のように融点が均一となることと合金粉末シートの厚さ
、密度を上記１囲としたこととにより、合金粉末シート
および母材表面をティグアークで再溶融する時の合金粉
末の飛散が小さく抑えられるとともに、硬度低下、ブロ
ーホールの発生、シートの剥離等が避けられる。

（実施例）本発明の方法の具体例を図面を参照しつつ説明する。

カム母材表面に接着される合金粉末シートを作成するた
めに、先ず、Ｍｏ　：　２．５〜１５．　Ｑｗｔ％、Ｃ
ｒ：１０ｗｔ％以下、Ｐ　：　０．５〜３．０ｆｔ％、
Ｃ：　１．５〜５．０ｗｔ％、Ｆｅ：残部、を成分とし
て、アトマイズ法で合金粉末を作成する。

上１成分について説明すると、ＭＯはＦｅ、Ｃと結合し
、基地の強化および硬質相の形成に寄与するとともに、
融点を下げる役割をするものである。このＭｏが２，５
ｗｔ％未満であると、硬質相が少なくなるとともに、液
相量が少なくなって合金化しにくく、また１５ｗｔ％を
越えると、液相量が多くなりすぎて脆くなり、靭性が著
しく低下するため、Ｍｏは２．５〜１５．０ｗｔ％の斃
囲が良い。Ｃｒは、その炭化物による耐摩性の向上およ
び焼き入れ性の向上に寄与するものである。このＯｒが
１ｏｗｔ％を越えると飽和してしまうため、ｃｒは１０
ｗｔ％以下が良く、炭化物による耐摩性の向上および焼
き入れ性の向上の役割を果すためには０．５育ｔ％以上
、従って０．５〜１０ｖｔ％の範囲が好ましい。ＰはＦ
ｅ、Ｃと結合し、耐摩性を向上させるとともに、融点を
下げる役割をするものである。このＰが０，５ｗｔ％未
満であると液相量が少なくなって合金化に寄与せず、ま
た３゜０ｗｔ％を越えると液相過多となりて形状を確保
しにくくなるため、Ｐは０．５〜ａ、ｏｗｔ％の輪囲が
良い、Ｃは基地の強化および硬質相の形成を行なうとと
もに、合金化に役立つものである。このＣが１．５ｗｔ
％未満であると低融点化が阻害さ、れ、また５、０ｗｔ
％を越えると液相量が多くなりすぎて形状を確保しにく
くなるため、１．５〜５．ＯＷ【％の範囲が良い。

また、合金粉末を作る方法としては、後述の比較例に示
すような粉砕法と、アトマイズ法とがある。このうちの
アトマイズ法は、合金の溶湯をるつぼの小孔から流出さ
せ、これに水、空気等を吹き付けることにより、溶湯を
飛散、急冷凝固させて粉末とするものである。本発明で
はこのアトマイズ法を用いており、この方法によると、
成分の偏析が抑えられ、非晶質化した合金粉末が得られ
て、その融点が均一化される。実際に、上記成分の合金
粉末を水アトマイズ法で作成した場合について、この粉
末の状態を調べると、Ｍｏ、Ｃｒ。

Ｃ，Ｐ、Ｆｅの非晶質の表面に、Ｍｏ３　ｃＳＣｒ３　
Ｃ，Ｆｅ３Ｐが微細品質した均質粉となっていた。ここ
で均質粉とは、８０％以上非晶質のものをいう。

このような合金粉末の作成の次には、この粉末を２００
メツシユアンダーでふるい、１．０〜６゜Ｑｗｔ％のア
クリル樹脂を添加し、さらにアセトンで希釈し、混線し
た後、この混線物により、厚さが０．６〜１．０踊、密
度が３．０〜５．ＯＱ／ｄの合金粉末シートを成形する
。そして、第１図に示すようにこの合金粉末シート１を
カムの母材２の表面に接着した後、脱ろう処理を行ない
、例えばＮ２ガス中で３００’　Ｃの温度に１時間保持
することにより脱ろうする。それから、第２図に示すよ
うに、ティグトーチ３をカム表面に臨ませて、ティグア
ークにより合金粉末シート１を母材２表面とともに再溶
融する。

合金粉末シート１の厚さおよび密度を上記範囲としてい
るのは、次のような理由による。すなわち、上記合金粉
末シート１の厚さは、０．６ｍ＋未満であると、再溶融
処理時に粉末の飛散が多くなるとともに、上記組成によ
る場合に合金不足となって、再溶融処理後の硬さが）ｌ
ｖ６００以下に低くなり、また１、０ａｇを越えると高
合金再溶融部に多量のブローホールが発生する。よって
、合金粉末シートの厚さは０．６〜１．０謔が良い。合
金粉末シートの密度は、３．ＯＱ／ｍ未満だと粉末の飛
散が多く、また５、ＯＱ／ａｉを越えると、脱ろう処理
後にシートにクラックが発生したり剥離したりして接着
性が悪くなり、再溶融時に粉末の飛散やシートの脱落が
生じ易くなる。よって、合金粉末シートの密度は３．０
〜５．ＯＱ／ｄが良い。

また、再溶融の手段として用いているティグアークは、
不活性ガス中でティグトーチ３の電極４をワーク（カム
）の表面に近接させて、両者間にアークを発生させるこ
とにより高エネルギーを与えるものである。このティグ
アークによる場合に、シート１の合金粉末がアトマイズ
法で作成された均質粉となっており、つまり第３図に示
すように合金粉末の各粒子がこの図に「中」と記入した
均一な融点となっているので、高融点の粒子と低融点の
粒子とが混在する場合と比べ、再溶融時の合金粉末の飛
散が抑制される。さらに合金粉末シート１の厚さおよび
密度が上記範囲とされていることも、粉末の飛散の抑制
に寄与する。従って、合金粉末の付着による電極４の損
耗が避けられることとなる。

そして、この再溶融により、合金粉末が母材に溶は込み
、高合金化された高強度の耐庫性表面相が得られる。

〈実験例〉合金粉末成分をＭｏ：９．０ｗｔ％、Ｃｒ：４゜Ｑ１％
、Ｐ：２．０ｗｔ％、Ｃ：４，０ｗｔ％、Ｆｅ：残部と
し、前述のように水アトマイズ法で作成した合金粉末を
２００メツシユアンダーでふるい、アクリル樹脂の添加
、アセトンでの希釈、混線を経て成形した合金粉末シー
トをカムの母材表面に接着した。合金粉末シートの厚さ
は０．８Ｍ、密度は４．ＯＱ／ｃｉとした。そして前記
の脱ろう処理の後、表１に示すティグ条件でティグアー
クによる再溶融処理を行なった。なお、このティグアー
クによる再溶融処理は、カムシャフトを一定の回転速度
で回転させつつ、電極４をカムの幅方向にオシレート（
往復移動）させて行なった。

表１．ティグ処理条件このようにした場合、再溶融時に合金粉末はほとんど飛
散しないため、４０個のカムを処理しても電極は全く損
耗しなかった。また、こうして形成された耐摩性表面層
の硬さはＨｖ８００であった。

く比較例〉上記実験例と同じ成分よりなるインゴットから、粉砕法
（粉砕を繰返して粉末とする方法）により合金粉末を作
成した。この合金粉末は、ＭＯ，Ｃｒ、Ｐ、Ｃを固溶し
たα相と、Ｆｅ３　Ｐ、ＭＯ３Ｃ，Ｃｒｓ　Ｃ，Ｍｏａ
　Ｃ，Ｃｒｅ　Ｃの炭化物の偏析粉となっていた。そし
て、合金粉未作成後は、上記実験例と同様に２００メツ
シユアンダーでふるい、アクリル樹脂の添加、アセトン
での希釈、混線を経て厚さ０．８ａｍ、密度４．ＯＱ／
ａｉの合金粉末シートを形成し、これをカムの母材表面
に接着した後、脱ろう処理を行なってから、表１に示す
条件でティグアークによる再溶融処理を行なった。

この場合、第４図に示すように、上記粉砕法によって作
成された合金粉末は偏析粉となって、高融点の粒子（図
中に「高」と記入）と低融点の粒子（図中に「低」と記
入）とが混在するため、再ｙｓｍ時に粉末が多量に飛散
してティグトーチ３の電極４に激しく付着する。このた
め、３個のカムを処理したところで電極４が損耗して使
用不可能となった。

〔発明の効果〕

以上のように本発明は、カム母材表面に合金粉末シート
を接着した部分の再溶融を、コスト百害で有利なティグ
アークにより行なうようにしている。しかも、合金粉末
シートの成分を２．５〜１５、□ｗｔ％のＭＯ１１Ｑｗ
ｔ％以下のＣｒ、０．５〜３．０ｗｔ％のＰ、１．５〜
５．０ｗｔ％のＣ１残部の鉄とし、合金粉末の作成をア
トマイズ法によって行ない、この合金粉末にアクリル樹
脂を混合して形成される合金粉末シートを厚さ０．６〜
１゜０Ｉｌ１１密１３．０〜５．０ＣＪ／ｄとしティる
ため、再溶融時のティグアークの電極の損耗を防止する
ことができる。また、耐摩性等にすぐれた＾合金再溶融
カムを得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法の具体例におけるカム母材表面へ
の合金粉末シート接着段階を示す概略斜視図、第２図同
具体例における再溶融段階を示す概略断面図、第３図は
本発明の方法による場合の合金粉末シート中の合金粉末
の状態を示す説明図、第４図は比較例による場合の合金
粉末シート中の合金粉末の状態および粉末飛散状態を示
す説明図である。１・・・合金粉末シート、２・・・カム母材、３・・・
ティグトーチ、４・・・電極。

Claims

【特許請求の範囲】

１、カム表面に高合金再溶融による表面硬化処理を施し
て高合金再溶融カムを製造する方法であつて、２．５〜
１５．０ｗｔ％のＭｏ、１０ｗｔ％以下のＣｒ、０．５
〜３．０ｗｔ％のＰ、１．５〜５．０ｗｔ％のＣ、残部
の鉄を成分として、アトマイズ法により合金粉末を作成
し、この合金粉末にアクリル樹脂を混合して厚さ０．６
〜１．０ｍｍ、密度３．９〜５．０ｇ／ｃｍ＾３の合金
粉末シートを作成し、この合金粉末シートをカム母材表
面に接着した後、脱ろう処理を行なってから、ティグア
ークにより合金粉末シートおよびカム母材表面を再溶融
して高合金層を形成することを特徴とする高合金再溶融
カムの製造方法。