JPH0328324Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は位置検出装置の改良に関し、検出精度
の向上と信頼性の向上を企図したものである。

運動する被検出体の位置を検出するため従来か
ら種々の位置検出装置が使用されており、第１図
に示すクロスフロー水車１においても入口管２か
らランナ３に流入する水量を調節するため設けら
れたガイドベーン４の位置を位置検出装置５によ
つて検出することが行なわれ、この位置検出値に
基づいて、油圧シリンダ６を介して操作アーム７
を作動させることが行なわれている。

この場合に使用される位置検出装置５は、操作
アーム７に連結されたロツド８を介して位置検出
装置５の検出アーム９を揺動させ、この揺動量
を、第２図にその断面構造を表わすように、検出
アーム９に連結した大歯車１０を介してこれと噛
み合う小歯車１１を具えたポテンシヨメータ１２
で検出するものであつた。

ところが、かような構造ではポテンシヨメータ
１２が故障してしまうと被検出体であるガイドベ
ーン４の位置、すなわち開度が検出できなくなつ
てしまう。また、検出器としてポテンシヨメータ
１２を用いてもこれを動かす駆動系が大歯車１０
と小歯車１１とで構成されるため、歯車の噛み合
せに必要不可欠なバツクラツシユが検出値に誤差
として含まれていまい、特に、大歯車１０と小歯
車１１との変速比を大きくして拡大して検出しよ
うとすると、誤差の割合も大きくなつていしま
う。

本考案はかかる従来の欠点を解消し、検出に対
する信頼性の向上および検出精度の向上を企図し
た位置検出装置の提供を目的とする。かかる目的
を達成する本考案の構成は、一端が被検出体に連
結され且つ大歯車が嵌着された回転軸と、前記大
歯車と噛み合う２つの小歯車と、該２つの小歯車
の回転状況をそれぞれ検知して前記被検出体の位
置を検出する２つの検出器と、該２つの検出器の
情報を取り出して角度情報として出力する情報出
力手段と、前記２つの小歯車の中心を結ぶ線の一
方側にみので両端が前記２つの小歯車に回転自在
に支持され該２つの小歯車を常に互いに逆方向に
回動付勢して前記大歯のバツクラツシユを除去す
るばねとで成ることを特徴とする。

以下、本考案の一実施例を図面に基づき詳細に
説明する。

本考案の位置検出装置はその一部を切欠いた斜
視外観を表わす第３図および歯車部分を抽出した
第４図に示すように、上蓋２０を具えた収納箱２
１に溶接等で取付フランジ２２が立設してあり、
この収納箱２１の前壁を貫通するとともに回転自
在に支持され、かつ基端部が取付フランジ２２に
回転自在に支持された回転軸２３が設けてある。
この回転軸２３の先端部に被検出体、例えばクロ
スフロー水車のガイドベーンと連結される回動範
囲が限られた（例えば55度）検出アーム２４が固
着してあり、収納箱２１内の回転軸２３には大歯
車２５が嵌着してある。そして、この大歯車２５
と噛み合う小歯車２６を具えた２つの検出器とし
てポテンシヨメータ２７とリミツトスイツチ２８
が取付フランジ２２に大歯車２５の中心線Ｌを挟
んで対称となるよう取付けてある。このリミツト
スイツチ２８としては複数の接点を有するものを
用い、小歯車２６の回転により順次接点が開閉さ
れるようにすることが好ましいが、検出アーム２
４の回動範囲の両端部等に対応する二接点を具え
たものを用いても良い。

ポテンシヨメータ２７をリミツトスイツチ２８
の検出情報は情報出力手段（図示省略）によつて
取り出され、情報出力手段によつて検出情報が比
較され、一方が故障した際に他方の値を角度情報
として出力する。

次に、この大歯車２５と２つの小歯車２６との
バツクラツシユを取り除くため、２つの小歯車２
６の側面に、偏心させてばね取付座２９が形成し
てあり、このばね取付座２９間に互いを引き寄せ
るよう付勢したばね３０の両端が回動自在に取付
けてある。ばね３０の両端は、２つの小歯車の中
心を結ぶ直線ｌの一方側にのみに位置するように
なつている。

このばね３０を取付けることによつて２つの小
歯車２６には常に、互いに逆方向の回転力が作用
し、各小歯車２６によつて一方ずつの大歯車２５
のバツクラツシユが除去されるとともにばね３０
が大歯車２５に及ぼす力は２つの小歯車２６で打
消され、ばねによるトルク増大はない。しかし、
２つの小歯車２６の中心Ｏを結ぶ直線ｌを挟んで
ばね取付座２９に取付けられたばね３０の小歯車
２６に対する付勢方向が逆となるので、バツクラ
ツシユの除去方向が変わらない範囲で使用する。
このため、ばね取付座２９の取付位置および大歯
車２５と小歯車２６の変速比を考慮し、小歯車２
６の回転範囲を180度以下とする。

従つて、大歯車２５が回転した際にはその回転
方向に係らず大歯車２５と各小歯車２６との噛み
合い関係（一方の小歯車２６は大歯車２５の一方
側の歯面につめられ、他方側の小歯車２６は大歯
車２５の他方側の歯面につめられ結果として大歯
車２５は両方向のバツクラツシユが除去されてい
る）は常に一定であり、大歯車の回転位置を正確
に測定できる。

かように構成することによつて変速比を適当に
選べば、限定された範囲を揺動する検出アーム２
４の位置をポテンシヨメータ２７とリミツトスイ
ツチ２８との両方で検出でき信頼性が向上する。
これとともにばね３０の作用によつて二つの小歯
車２６を介して大歯車２５のバツクラツシユを回
転方向に係らず取り除くことができるので検出精
度が格段に向上する。また、検出器としてポテン
シヨメータ２７とリミツトスイツチ２８とが設け
てあるので両検出値を情報出力手段で比較するこ
とで較正を行なうこともできる。

尚、上記実施例では、検出器としてポテンシヨ
メータとリミツトスイツチを１台づつ用いたのも
で説明したが、それぞれを２台とすることもでき
るが、経済的な面や検出値の精度等を考慮すれば
ポテンシヨメータとリミツトスイツチとを一台づ
つ設けることが好適である。また、検出アームに
は、少なくとも限定された範囲を揺動するものを
連結すれば良く、往復動する被検出体をリンク機
構で揺動運動に変えたのち、本考案装置に連結す
ることもできる。

以上、実施例とともに具体的に説明したように
本考案によれば、２つの検出器で位置の検出を行
なうようにしたので検出装置の信頼性が向上す
る。

また、被検出体側の大歯車に２つの小歯車を噛
み合わせ、ばねによつて小歯車を互いに逆方向に
回転付勢するようにしたので、各小歯車によつて
一方向ずつの大歯車のバツクラツシユを除去して
大歯車の両方向のバツクラツシユが除去され、大
歯車の回転位置を回転方向に係らず正確に測定で
きる。この結果、被検出体の検出精度向上を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の適用対象のひとつであるクロ
スフロー水車の概要図、第２図は従来の位置検出
装置の断面図、第３図および第４図は本考案の位
置検出装置の一実施例にかかり、第３図は一部を
切欠いて示す斜視外観図、第４図は歯車部分を抽
出して示す正面図である。 図面中、１はクロスフロー水車、２は入口管、
３はランナ、４はガイドベーン、５は位置検出装
置、６は油圧シリンダ、７は操作アーム、８はロ
ツド、２０は上蓋、２１は収納箱、２２は取付フ
ランジ、２３は回転軸、２４は検出アーム、２５
は大歯車、２６は小歯車、２７はポテンシヨメー
タ、２８はリミツトスイツチ、２９はばね取付
座、３０はばねである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が被検出体に連結され且つ大歯車が嵌着さ
   れた回転軸と、前記大歯車と噛み合う２つの小歯
   車と、該２つの小歯車の回転状況をそれぞれ検知
   して前記被検出体の位置を検出する２つの検出器
   と、該２つの検出器の情報を取り出して角度情報
   として出力する情報出力手段と、前記２つの小歯
   車の中心を結ぶ線の一方側にみので両端が前記２
   つの小歯車に回転自在に支持され該２つの小歯車
   を常に互いに逆方向に回動付勢して前記大歯のバ
   ツクラツシユを除去するばねとで成ることを特徴
   とする位置検出装置。