JPH0328231Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はソケツトとソケツトに挿入するスピゴ
ツトとを包含する管継手に関し、特にスピゴツト
の外面に周囲リブを設けることにより形成した、
概して半径方向へ延びる壁面によつて継手の軸方
向への移動を阻止されたシール環をソケツトとス
ピゴツトとの間に設け、その上にスピゴツトの挿
入方向にそつて見てシール環の後方に軸方向へ延
びる２個の環状面をソケツトの内面に設けたタイ
プの管継手に関する。

（従来技術と考案が解決しようとする問題点） 滑らかな外面を有するパイプ用の管継手はドイ
ツ国特許第DE2150831号によつて公知であり、該
特許によればソケツトの内面には異なる直径の２
個の環状面が設けられていて、かかる環状面によ
つてソケツトとスピゴツトを或る相対角度で取付
けることが可能になる。この種の構造をもつ継手
を、パイプの曲がる場所において使用されるアン
グルピースの１部に代えて使用することができ
る。

また、スピゴツトの外面に周囲リブの設けられ
ているような管継手が従来周知である。この種の
継手では、スピゴツトの自由端にごく近く配設し
た２個のリブの間にシール環を挟設することによ
つてスピゴツトがシール環を支持するようにして
シール環を所定位置に配置するのが普通である。
この継手の場合、スピゴツトをソケツトに挿入す
ると、通常はスピゴツトの自由端がソケツトの背
壁に当たることになる。この自由端の切削面は傾
斜していることがよくあるので、スピゴツトの端
縁が総ての点においてソケツトの背壁に接触して
配置されることは普通にはなく、隙間がスピゴツ
トとソケツトとの間に形成され、この隙間にごみ
が容易に集まることになる。スピゴツトの切削端
面は鋭く、かつ粗く仕上げられていることがよく
あるので、破片などがかかる隙間に容易に粘着す
ることがある。さらに注目すべきことに、スピゴ
ツトの切削先端の形状によつては、ソケツトの背
面のすみとスピゴツトの最先端フランジとの間に
空洞がスピゴツトとソケツトとによつて形成され
ることがあり、そのため上記隙間を通つてごみが
この空洞の中に浸入するかも知れない。

（考案の目的） そこで、本考案の目的はごみを集める空洞や隙
間の絶対に形成されることのない管継手であつ
て、スピゴツトをソケツトに挿入して軸合わせす
るとき上記諸欠点を免ぬかれているような管継手
を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案の管継手は、ソケツトと、外側面に周囲
リブを有していて上記ソケツトに挿入されるスピ
ゴツトと、ほぼ半径方向の壁によつて管継手の軸
線方向の位置を固定されて上記ソケツトとスピゴ
ツトとの間に配置されたシール環とを有し、上記
ソケツトの内面がスピゴツトの挿入方向から見て
上記シール環の前側に二つの軸線方向環状面を設
けている環継手において、シール環に近い第１環
状面の直径はスピゴツトのリブの最大直径にほぼ
等しく、他の第２環状面の直径はスピゴツトの壁
の外径にほぼ等しく、さらに、上記スピゴツトの
周囲リブのない部分の長さは管継手の軸線方向に
おけるソケツトの上記第２環状面の長さにほぼ等
しく構成したことを特徴とする管継手である。

（作用） ソケツトの上記構造のおかげでソケツトとスピ
ゴツトとの間には少なくとも深い空洞や隙間の形
成されることはないが、それはスピゴツトがソケ
ツトに同軸に挿入されている時スピゴツトはソケ
ツトに絶えず押しつけられていることによる。ま
た、ソケツトはソケツトに対して傾斜した位置に
パイプがくるようにパイプをソケツトに挿入する
ことを許容するが、それはパイプの全長の１部分
にわたつてだけスピゴツトのリブを設けるように
するか、それともスピゴツトのリブであつて、ソ
ケツトの開口部によつて挿入位置の定められるこ
とになるリブを他のリブよりも低くすることによ
つて可能である。

能う限り完全なシール効果をソケツトとスピゴ
ツトとの間で得るためには、スピゴツトがその自
由端から或る距離にわたつてリブを備えていない
ようにするのが望ましい。この距離は継手の軸線
方向での、ソケツトの第２の環状面の長さに概ね
対応した大きさに選択するものとする。こうする
ことによつて、スピゴツトの自由端がソケツトの
第２の環状面に押しつけられると共に、スピゴツ
トのいちばん外のリブはソケツトの初めの部分の
背面に押しつけることになるので、ソケツトとス
ピゴツトとの間に空洞の形成されるようなことは
ない。

（実施例） 以下に本考案に係る管継手の実施例を図面に基
づいて説明する。

第１図はプラスチツクのパイプ１に取付けられ
たソケツト２と、該ソケツト２に挿入されたスピ
ゴツト３とを示す。スピゴツトの内径はパイプ１
の内径に概ね対応した大きさを有するものとす
る。スピゴツト３の外面には周囲リブ４が設けら
れている。いちばん外側の２個のリブに挟まれた
空所はたとえばゴム製のシール環を嵌入させる封
止溝として使用される。

ソケツトの内面には、封止溝５とパイプ１との
間に、第１の環状面７と第２の環状面８とから成
る２個の環状面が相次いで軸方向に形成されてい
る。上記２個の環状面の間に肩部９が形成されて
いる。

本考案によれば、第１の環状面７の直径はリブ
４の最大直径に概ね対応した長さか、これを僅か
に超えた長さを有しているのに、第２の環状面８
の直径はスピゴツトの外径に等しい長さを有して
いる。スピゴツトの自由端の部分１０にはリブが
なにも形成されていなくて、該部分の軸方向にそ
つた長さは同じ方向における、第２の環状面の長
さに概ね対応している。

図を見れば明らかなように、スピゴツトの上記
部分１０が環状面８によつて形成された凹みをよ
く充たすのに、いちばん外側のリブ４は肩面９と
第１の環状面とに接触する。その結果として、ス
ピゴツトの自由端はソケツトにしつかり押しつけ
られて比較的長い距離にわたつてソケツトと接触
するに至るので、かかる接触点に最近接し、しか
もソケツトとスピゴツトとの間に位置する大きな
空洞が封止溝５を形成する。従つて、パイプ１の
内部空間は目立つような段差を伴わずに連続して
スピゴツトの内部空間に移行するが、それは第２
の環状面の直径が部分１０の外径に相当した長さ
をもつていることによる。

第２図からわかるように、ソケツトの開口の近
くに位置を占めることになるリブを他のリブより
も低い高さにするようにしてスピゴツトをソケツ
トに対して或る角度をなして配置させることが必
要に応じて可能である。この場合にも又、スピゴ
ツトとソケツトとの間に空洞や空隙の形成される
のを阻止するようにすることが可能である。

以上述べたところから明らかなように、相互に
高さに関して間隔を置き配設した２個の環状面に
よつて第２の環状面が形成されるようにしてある
ので、第１の環状面が第２の環状面を超えて延
び、そのため唯１個の肩面のみがソケツトの外面
にそつて配置されることになるが、これは外観に
関する限り有利なことと思われる。スピゴツトの
部分１０を環状面８よりも長さが短くなるように
することもできるが、そうすれば流れと接触する
面の滑らかさが損なわれることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の管継手の縦断面図、第２図は
ソケツトとスピゴツトが或る角度をなすように相
対位置に配置した本考案の管継手を示す図であ
る。 ２……ソケツト、３……スピゴツト、４……リ
ブ、６……シール環、７……第１の環状面、８…
…第２の環状面、１０……スピゴツトの、リブの
設けられてない部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ソケツト２と、外側面に周囲リブ４を有してい
   て上記ソケツト２に挿入されるスピゴツト３と、
   ほぼ半径方向の壁によつて管継手の軸線方向の位
   置を固定されて上記ソケツト２とスピゴツト３と
   の間に配置されたシール環６とを有し、上記ソケ
   ツト２の内面がスピゴツトの挿入方向から見て上
   記シール環６の前側に二つの軸線方向環状面７，
   ８を設けている環継手において、 シール環６に近い第１環状面７の直径はスピゴ
   ツト３のリブ４の最大直径にほぼ等しく、他の第
   ２環状面８の直径はスピゴツト３の壁の外径にほ
   ぼ等しく、さらに、上記スピゴツト３の周囲リブ
   のない部分の長さは管継手の軸線方向におけるソ
   ケツト２の上記第２環状面８の長さにほぼ等しい
   ことを特徴とする管継手。