JPH03280842A - 反芻動物用飼料添加剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、反芻動物用飼料添加剤に係り、さらに詳しく
は、生物学的活性物質を反芻動物の第１胃をバイパスさ
せ第４胃以降の消化器官で吸収させるべく、生物学的活
性物質を脂肪酸金属塩を主成分とする保護マトリックス
中に分散し被覆保護した反芻動物用飼料添加剤に関する
。

本発明の反芻動物用飼料添加剤は、濃厚飼料、ペレット
等の飼料に添加混合して牛、羊等の反芻動物に経口投与
することができ、アミノ酸、蛋白質、獣医薬等の生物学
的活性物質を反芻動物に高効率で吸収させる製剤として
好適に使用される。

〔従来の技術〕

アミノ酸、蛋白質、獣医薬等の生物学的活性物質を反芻
動物に直接経口投与した場合、反芻動物の第１胃の胃液
中に存在する微生物により分解されるため、そのまま吸
収されることはほとんどない。したがって、これらの生
物学的活性物質を反御動物に経口投与して効率よく吸収
させることを目的として、生物学的活性物質を油脂等の
第１胃胃液に対して安定な物質で被覆保護した製剤が種
々提案されている（特開昭５６−１５４９５６号公報、
（特開昭６１）５１）３３号公報等参照）。また本発明
の出願人も、生物学的活性物質を硬化油等にキトサンを
加えた保護物質で被覆保護し、製剤の第４胃以降の消化
器官における崩壊性を向上させた生物学的活性物質の吸
収性の良好な製剤を提案しく特開昭５８−１７５４４９
号公報、特開昭５９−１９８９４６号公報等参照）、ラ
フチット■の名称で上布している。

一方、反芻動物の第１胃をバイパスし、第４胃以降の消
化器官において高効率で吸収されるエネルギー源として
、炭素数１４．１６および／または工８の脂肪酸のカル
シウム、マグネシウム等の２価金属塩が提案され（ＵＳ
Ｐ　４，８２６，６９４号明細書参照）、天然油脂から
製造された混合脂肪酸のカルシウム塩（以下「バイパス
油脂」と称す）が市販されている。

またこれらのバイパス油脂を、その融点以上に加熱して
軟化し、その中に生物学的活性物質を添加混合した後、
冷却固化して粉砕する反芻動物用飼料添加剤の製造法が
、特開昭６３−３１３５４６号公報に開示されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

前記引用した硬化油等で生物学的活性物質を被覆保護し
た製剤においては、生物学的活性物質の第１胃バイパス
性は優れるものの、第４胃以降の消化器官における生物
学的活性物質の放出性が劣ることから、十分に吸収され
ないまま排泄される。

硬化油等にキトサンを加えた保護物質で生物学的活性物
質を被覆保護した製剤においては、キトサシが第４胃以
降の消化器官における保護物質の崩壊剤として作用し、
生物学的活性物質の第４胃以降の消化器官における放出
性に優れることから、生物学的活性物質は効率よく反芻
動物に吸収される。しかしながら、硬化油の軟化点が低
いことから、貯蔵安定性、特に４０℃以上における熱安
定性の改良が要求されている。

一方、バイパス油脂は、硬化油に比較して融点が高く、
熱安定性に優れている。したがって、バイパス油脂を用
いて生物学的活性物質を被覆保護した製剤は、生物学的
活性物質の第１胃バイパス性、第４胃以降の消化器官に
おける放出性および熱安定性に優れることが期待される
。しかしながら、この製剤性能、特に第４胃での速やか
な放出性については、製剤の製造法や製造条件によって
大きく異なり、わずかな製造条件の違いにより第４胃で
の放出性は全く達成されない。

本発明は、製剤の熱安定性に優れ、かつ常に生物学的活
性物質の第１胃バイパス性および第４以降の消化器官に
おける放出性の優れた反芻動物用飼料添加剤を提供する
ことを、その目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、生物学的活性物質を、遊離の金属水酸化物含
量が５重量％以下の脂肪酸金属塩を主成分とする保護マ
トリックス中に分散し被覆保護したことを特徴とする反
芻動物用飼料添加剤である。

本発明において、生物学的活性物質は、動物に供与して
肥育促進、疾病予防、疾病治療等の活性を示す物質であ
り、特に反芻動物に直接経口投与した場合、反芻動物の
第１胃中の微生物により分解され、その投与効果が発現
し難い物質である。

たとえばメチオニン、リジン、トリプトファン等のアミ
ノ酸類、Ｎ−ステアロイルメチオニン。

Ｎ−オレイルメチオニン等のＮ−アシルアミノ酸類、Ｎ
−ヒドロキシメチルメチオニンのカルシウム塩、リジン
塩酸塩等のアミノ酸の塩類、２−ヒドロキシ−４−メチ
ルメルカプト酪酸およびそのカルシウム塩等のアミノ酸
のヒドロキシ同族化合物類、無粉末、カゼイン、馬鈴薯
蛋白、大豆蛋白等の蛋白質類、ビタミンＡ、ビタミンＡ
酢酸エステル、ビタミンＡパルミチン酸エステル、ビタ
ミンｋ　　ビタミンＥ、ニコチン酸およびニコチン酸ア
ミド、パントテン酸カルシウム、β−カロチン等のビタ
ミン類、酸性プロテアーゼ等の酵素類、ぶどう糖等の炭
水化物類、ペニシリン、テトラサイクリン等の抗生物質
類、ネグフオン等の駆虫薬などの獣医薬類等が挙げられ
る。これらの生物学的活性物質は、１種の単独または２
種以上を混合して製剤に配合される。

脂肪酸金属塩は、たとえば炭素数８〜２２の直鎖または
分枝を有する飽和または不飽和の脂肪酸の金属塩、好ま
しくは２価の金属塩であり、さらに好ましくはカルシウ
ム塩である。また前記引用した天然油脂から製造される
炭素数１４．１６および／または１８の混合脂肪酸の金
属塩等も使用できる。そして、これらの脂肪酸金属塩は
、通常製造過程由来の不純物としての遊離の金属水酸化
物を含有しているが、本発明で使用する脂肪酸金属塩は
この遊離の金属水酸化物含有量が５重量％以下のもので
ある。この範囲のとき生物学的活性物質の第４胃以降の
消化器官における放出性の優れた製剤となる。

そして、好ましくは融点が３０〜５０℃、さらに好まし
くは３５〜４５℃の混合脂肪酸の金属塩を使用する。

また、第１胃バイパス性をさらに向上させるために、炭
素数８〜２２の飽和または不飽和の直鎖または分岐を有
する脂肪酸類、高級アルコール類、グリセリン脂肪酸エ
ステル類、硬化した動植物油、ワックス等を添加するこ
とができる。これらの添加割合については特に制限はな
いが、保護物質としての融点が、６０℃以上であること
が好ましく、特に８０℃以上が好ましい。

本発明の製剤は、生物学的活性物質の第４胃における溶
出性をさらに向上させるために、中性域では不溶性であ
り、酸性域において膨潤、溶解または分解性を示す崩壊
付与剤を添加することができる。　このような崩壊付与
剤として、たとえばキトサンが挙げられる。

さらに製剤の比重を調節する目的で、炭酸カルシウムの
ような無機フィラーを添加することもできる。

生物学的活性物質は、製剤の投与目的により各種含有量
のものが調製されるが、過少な場合製剤の給与量が非常
に多くなり、不都合が生じる。−方、過大な場合保護マ
トリックスによる生物学的活性物質の十分な被覆効果が
得られず、従って第１胃バイパス性か達成されない。従
って生物学的活性物質含量は２〜４０重量％が好ましく
、更に好ましくは５〜３０重量％である。

本製剤は、前記脂肪酸金属塩および生物学的活性物質、
場合によりその他の添加物を混合し、加熱軟化して混練
後、成形することにより容易に製造できる。

本製剤の成形法には、押し出し造粒法等を採用すること
ができ、製造装置として、通常の熱可塑性樹脂用の押し
出し機等が好適に使用される。

〔実　施　例〕

本発明を、実施例および比較例によりさらに詳細に説明
する。

ただし、本発明の範囲は、以下の実施例により何等の制
限を受けるものではない。

なお、以下の別学において、「部Ｊおよび「％」は、特
に断りのない限り重量基準である。

（１）　　反芻動物用飼料添加剤の調製第１表記載の配
合割合で融点４３℃の混合脂肪酸（ミリスチン酸２Ｘ、
パルミチン酸３８．５Ｎ、ステアリン酸１７Ｘ、オレイ
ン酸３５．４Ｎ、リノール酸６Ｘ、　　リルン酸０．５
Ｘ、アラキン酸０．６％）のカルシウム塩粉末、生物学
的活性物質を混合し、１３０℃で溶融混練した。室温ま
で冷却固化した後、粉砕、篩別し、粒径ｌ〜５ｍｍの粒
状製剤を得た。

尚、脂肪酸カルシウム塩中の遊離水酸化カルシウム量は
室温で水に遊離水酸化カルシウムを抽出し、ＥＤＴＡ滴
定法により測定した。

（２）生物学的活性物質の溶出試験 前記第（１）項で調製した試料の各２ｇを、牛の第１胃
胃液に対応するＴｒｉｓ緩衝液２００ｃｃに浸漬し、３
７℃の温度下に２４時間振盪保持した後、Ｔｒｉｓ緩衝
液から取り出し牛の第４胃胃液に対応する０、　０５Ｍ
　（＝ｍｏ　１　・ｄｍ−”）塩酸２００ｃｃに浸漬し
、３７℃の温度下にさらに４時間振盪した。ついで０．
０５　Ｍ塩酸から取り出した製剤を、牛の小腸対応液２
００ｃｃに浸漬し、３７℃の温度下にさらに４時間振盪
した。

工ｒｉｓ　　＊旅 ＴｒｉＳ　〔トリス（ヒドロキシメチル）アミノメタン
１６．０６　ｇを、２９２ｍｌの０．１Ｍ塩酸に溶解し
、水で１０００ｍｆに希釈したｐＨ８，０の溶液 ついで、Ｔｒｉｓ緩衝液、０．０５　Ｍ塩酸および小腸
対応液に溶出したメチオニンおよびリジンを、ヨード滴
定法またはニンヒドリン発色法により定量した。

試験結果を、第１表中に示す。

〔発明の効果〕

本発明の反芻動物用飼料添加剤は、前記実施例にも示し
たように、反芻動物に経口投与した場合に、それに含ま
れる生物学的活性物質の第４以降の消化器官における放
出性が極めて安定でかつ優れており、また脂肪酸金属塩
は、硬化油に比較して融点が高く、高い耐熱性も有する
ことから、保存安定性にも極めて優れている。

本発明は、経口投与した場合に反芻動物の第１胃で分解
されやすい生物学的活性物質を、第１胃をバイパスさせ
第４胃以降の消化器官で高効率で吸収させるに好適な、
かつ保存安定性、特に熱安定性の優れた反芻動物用飼料
添加剤を提供するものであり、その産業上、特に畜産分
野における意義は極めて大きい。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）生物学的活性物質を、遊離の金属水酸化物含量が
   ５重量％以下の脂肪酸金属塩を主成分とする保護マトリ
   ックス中に分散し被覆保護したことを特徴とする反芻動
   物用飼料添加剤
2. （２）請求項第（１）項において、生物学的活性物質含
   有量が２〜４０重量％である反芻動物用飼料添加剤
3. （３）請求項第（１）項または第（２）項において、脂
   肪酸金属塩が、炭素数８〜２２の直鎖または分枝を有す
   る飽和または不飽和の脂肪酸の混合物の金属塩である反
   芻動物用飼料添加剤