JPH0327922Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案はストレツチフイルムと称される自己粘着
性を有する長尺包装フイルムで、トレイに載置し
た商品をトレイと共にフイルムを筒状にしながら
包み込み、被包装物間の中間部分のフイルムを切
断し、切断耳部を被包装物（トレイ）の裏面に折
り返す包装機械に於て、特に耳部の折り返しを行
う装置に関するものである。

（従来の技術） 自己粘着性を有する長尺ストレツチフイルム
で、被包装物を包装する手段としては、フイルム
を筒状にして商品を載置したトレイを包み込み、
前後の耳部をトレイの裏面側に折り返してなるも
ので、このための自動機械としては、特公昭53−
48152号他で示されているように、長尺フイルム
Ｂを筒状にしながら被包装物Ａを間欠的に順次包
装し、一対のサイドベルトで筒状包装した被包装
物を搬送し、搬送途中前後する被包装物の中間部
分のフイルムを切断し、切断によつて生じた耳部
を被包装物の裏面に折り返すものが知られてい
る。特にこの折り返し装置の従来例としては、サ
イドベルトの進行速度より早いコンベア体を被包
装物進行路の下方に配設しておき、該コンベア体
に耳部を押し込み掛止したり（特公昭56−10256
号）、吸引掛止したり（実公昭60−20565号）して
コンベア体に耳部を保持せしめ、コンベア体とサ
イドベルトの速度差で耳部を被包装物Ａ（トレイ）
の裏面に折り返すものが存在する。

（考案が解決しようとする問題点） 前述の様に従来の包装機に於ける折り返し装置
は、サイドベルトの他に折り返し用コンベア体を
設けたものであり、且つ両者の速度差が異なるよ
うに設定しなければならなく、而かも吸収機構も
備える必要もあり、単純な作業を行うにしては非
常に構造が複雑となつているものである。

（問題点を解決するための手段） そこで本案はより簡単な構造で切断耳部の折り
返しを行うようにしたものである。即ち本案折り
返し装置は、フイルムで被包装物を間欠的に筒状
に包み込みながら、一対のサイドベルトで被包装
物を挾持しながら搬送し、搬送途中の前後の被包
装物間の中間部に位置する部分のフイルムを切断
し、切断によつて生じた耳部を被包装物の裏面側
に折り返してなるフイルム包装機に於て、フイル
ム進行方向に直交して作動するフイルム切断刃
と、このフイルム切断刃の前後にフイルム切断刃
と一緒に動作する差込み板とを設け、対向当接す
る二個のローラを備え、且つ一方のローラの軸部
の当接部が開口可能となるように軸支すると共
に、対向ローラ側に付勢せしめてなるローラ挾持
体を二個形成し、一方のローラ挾持体をフイルム
切断時の移動差込み板の進出位置に固定して設
け、他方のローラ挾持体は前部差し込み板進出位
置に設けると共に、当該ローラ挾持体を被包装物
の搬送方向に動作せしめるシリンダー移動機構に
連結してなるものである。

（作用） 被包装物がフイルムで筒状に包装された状態で
サイドベルトで搬送されている際に、被包装物間
の中間に位置する部分を切断刃で切断すると共
に、前記の差込み板によつて切断耳部が各ローラ
挾持体に差込まれ挾持される。これによつて被包
装物の前方耳部は固定したローラ挾持体に挾持さ
れることになり、被包装物の進行に併つて自動的
に被包装物裏面に折り返される。また被包装物の
後方耳部は、次回（後部）の切断の際にシリンダ
ー移動機構に連結したローラ挾持体に差込まれて
挾持され、シリンダーの作動でローラ挾持体が搬
送方向に移動して、挾持された耳部が被包装物の
裏面に折り返されるものである。

（実施例） 次に本案の実施例について説明する。

第１図及び第２図は包装機全体を示し、第３
図、第４図及び第５図は本案折り返し装置を示す
ものである。

包装機は駆動部、送出部、搬送部、絞り部及び
本案装置たるフイルム切断折り返し部から構成さ
れており、駆動部は基台１上に設置された一本の
エアシリンダー２を駆動源としたもので、シリン
ダーの一行程が送出部、搬送部、絞り部の一回の
動作を行うようにし、且つ切断折り返し部もこれ
と対応して動作するようにしたものである。送出
部は前記シリンダー２のピストン３と連結した送
出爪４よりなり、シリンダー２の作動で被包装物
を搬送部へ送り出すものである。搬送部は被包装
物Ａの巾と等しい間隔で張設した二本のサイドベ
ルト５よりなり、エアシリンダー２のピストン３
に連結したラツク６に噛み合わせたピニオン７の
回転を、適宜伝達機構を介してサイドベルト５に
伝達し作動するようにしたものである。包装機構
は前述の送出部と絞り部からなり、絞り部のサイ
ドベルト５の入口側に載台８を形成し、載台８の
上方にフイルム巻物B´を載せローラ９上に載置
し、長尺フイルムＢの両側を挾持する端部挾持ロ
ーラ１０をサイドベルト５の入口側に設けると共
に、サイドベルト５の少し進行した個所の中央下
部に絞りベルト１１を捲回した絞りローラ１２を
相対向して設けてなる。而して包装用フイルムＢ
は巻物B′より端部挾持ローラ１０でガイドされ
その先方のフイルム両サイド部適当個所が絞りロ
ーラ１２で挾持され、フイルムが筒状に形成され
る状態で、送出爪４によつて載台８上の被包装物
Ａが該筒状フイルム内に押入されると共に、サイ
ドベルト５で挾持され前進せしめられるものであ
る。この際、絞りベルト１１でフイルムＢの側端
部を徐々に中央に引つ張り込むことになるので、
フイルムＢは被包装物に密着することになる。次
に被包装物Ａを筒状のフイルムで適当間隔毎に包
装し、前記被包装物Ａの中間に位置する部分のフ
イルムを切断し、フイルムの切断端部（耳部）を
被包装物Ａの裏面側に折り返すもので、本案は前
記の包装機に於ける耳部の折り返し装置に関する
ものである。

耳部の折り返し装置は前記包装機の切断折り返
し部に該当するもので、筒状に形成されたフイル
ムＢで適当間隔毎に包装された被包装物Ａが一工
程毎進行してサイドベルト５で挾持された状態で
停止した個所に於ける被包装物Ａ間の中間に位置
する個所の上方に、切断駆動シリンダー１３で上
下動せしめられる切断刃１４を設けると共に、切
断刃１４の前後に切断刃１４と一緒に上下動をな
す差込み板１５，１５′を付設する。また適宜な
保持部材に二個の対向当接したローラ１６，１
６′を設けると共に、一方のローラ１６′の軸部は
他方の保持部材に固定して軸支し、他方のローラ
１６の軸部は当接部が開口可能に保持部材に軸支
し、且つ発条１７で対向ローラ１６側に付勢せし
めたローラ挾持体ｂ，b′を二個形成し、それぞれ
被包装物Ａの搬送路下方に於ける前記差込み板１
５，１５′の進出位置に配設すると共に、後部ロ
ーラ挾持体ｂの保持部材は固定され、先部ローラ
挾持体b′の保持部材は、ローラ挾持体b′が被包装
物Ａの搬送方向へ動作するように折り返しシリン
ダー１８のピストン部に連結してなるものであ
る。

而して筒状にされたフイルムＢで包装された被
包装物が進行してサイドベルト５で挾持され所定
の切断工程の所に位置すると、切断駆動シリンダ
ー１３が作動して切断刃１４及び差込み板１５，
１５′を下降せしめ、切断刃１４及びフイルムＢ
を切断すると共に切断耳部ａ，a′に差込み板１
５，１５′で各々ローラ挾持体ｂ，b′に差し入れ
る。即ち後行する被包装物Ａ２の前部切断耳部ａ
が後部固定ローラ挾持体ｂに挾持され、先行する
被包装物Ａ１の後部切断耳部a′が先部作動ローラ
挾持体ｂに挾持されることになり、前部切断耳部
ａは第４図に示すように被包装物Ａ２の進行によ
つて被包装物Ａ２の裏面側に引つ張られて且つ粘
着し、後部切断耳部a′は第５図に示すように折り
返しシリンダー１８の動作によつて被包装物Ａ１
の裏面側に折り返し粘着されるものである。

（考案の効果） 以上のように本案はストレツチフイルムと称さ
れる自己粘着性の長尺フイルムで、トレイ上に商
品を載置してなる被包装物を包装する包装機に於
て、フイルムの切断と同時に各切断耳部を固定及
びシリンダー付設の各ローラ挾持体に挾持せし
め、シリンダー移動機構を動作せしめるのみで両
耳部の折り返しを行うようにしたもので、従来の
折り返し用コンベアを別装する手段に比して、構
造が簡単であり特に包装機の全駆動を主シリンダ
ーの一動作で行う簡易包装機械においては最適で
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本案の実施例を示すもので、第１図は本案
を実施した包装機の簡略化した正面図、第２図は
同平面図、第３図は本案装置部分の正面図、第４
図及び第５図は同動作状態を示すものである。 １は基台、２はエアシリンダー、３はピスト
ン、４は送出爪、５はサイドベルト、６はラツ
ク、７はピニオン、８は載台、９は載せローラ、
１０は端部挾持ローラ、１１は絞りベルト、１２
は絞りローラ、１３は切断駆動シリンダー、１４
は切断刃、１５，１５′は差込み板、１６，１
６′はローラ、１７は発条、１８は折り返しシリ
ンダー、Ａは被包装物、Ｂはフイルム、ａ，a′は
切断耳部、ｂ，b′はローラ挾持体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイルムで被包装物を間欠的に筒状に包み込み
   ながら、一対のサイドベルトで被包装物を挾持し
   ながら搬送し、搬送途中の前後の被包装物間の中
   間部に位置する部分のフイルムを切断し、切断に
   よつて生じた耳部を被包装物の裏面側に折り返し
   てなるフイルム包装機に於て、フイルム進行方向
   に直交して作動するフイルム切断刃と、このフイ
   ルム切断刃の前後に、フイルム切断刃と一緒に動
   作する差込み板とを設け、対向当接する二個のロ
   ーラを備え、且つ一方のローラの軸部の当接部は
   開口可能に軸支すると共に、対向ローラ側に付勢
   せしめてなるローラ挾持体を二個形成し、一方の
   ローラ挾持体をフイルム切断時の後部差込み板の
   進出位置に固定して設け、他方のローラ挾持体は
   前部差し込み板進出位置に設けると共に、当該ロ
   ーラ挾持体を被包装物の搬送方向に動作せしめる
   シリンダー移動機構に連結してなるフイルム包装
   機に於ける耳部折り返し装置。