JPH0326397B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁性トナーを用いた静電式画像記録
装置において、像支持体上に残留するトナーの除
去および搬送回収を行なうことができるようにし
たクリーニング装置に関する。

電子写真複写機やフアクシミリに代表される静
電式画像記録装置においては、原稿を露光走査し
て得られる反射光または電気情報信号により感光
体または誘電体上に原稿または電気情報の静電潜
像を形成し、静電潜像を現像して可視像とし、こ
の可視像を記録紙に転写した後定着して記録像を
形成している。第１図は従来の電子写真複写機の
概略構成を示しており、矢印（実線）方向に移動
する原稿台１上に載置した原稿Ｇを照明ランプ２
で照写し、原稿Ｇからの反射光を矢印方向に回転
する回転ドラム３の感光体３ａ上に投射して感光
体３ａ上に原稿Ｇの静電潜像を形成する。回転ド
ラム３の周辺には感光体３ａを一様に帯電する帯
電極４と、現像装置５と、転写装置６と、分離電
極７と、除電電極８と、クリーニング装置９（フ
アーブラシ方式）とが順次に配置されている。静
電潜像は現像装置５により現像され、可視像はカ
セツトなどの給紙装置１０から搬送装置１１によ
り給紙された記録紙Ｐに転写電極６により転写さ
れる。転写後記録紙Ｐは分離電極７により感光体
３ａから分離され、搬送装置１２により定着装置
１３に搬送され、そこで定着されて排紙皿１４に
排紙される。

上記装置において、感光体３ａを繰り返し使用
できるようにするために、上記一連の電子写真の
プロセス処理のうち転写処理後感光体３ａの表面
に残留する電荷およびトナーを除去する必要があ
り、残留電荷は除電電極８により、また残留トナ
ーはクリーニング装置９によりそれぞれ除去して
いる。

この種の静電式画像記録装置に使用されるクリ
ーニング装置としては、フアーブラシ式、ブレー
ド式、磁気ブラシ式など種々知られている。フア
ーブラシ式は兎などの動物の毛または合成繊維な
どで作つたフアーブラシを連続回転させ、感光体
表面に残留するトナーを除去し、フアーブラシに
付着したトナーはフアーブラシに接触するように
設けたトナー払い落し板（フリツカーバーと呼ば
れている）で払い落し、払い落されたトナーを真
空吸引するかフアンで吸引してフイルタで回収す
る方法である。ブレード式は感光体表面に弾性の
ある合成樹脂で作つてブレードを押し当てて残留
トナーを除去する方法である。一方、磁気ブラシ
式は磁性トナーに対してのみ用いることができる
ものであり、内部に極性の異なる磁石群を交互に
配置した非磁性円筒スリーブを感光体表面に近接
して設け、上記円筒上スリーブ上にキヤリヤを吸
着して回転するか磁石群を回転することにより感
光体表面上に残留するトナーを吸着して除去し、
スリーブ表面のトナーはブレードなどで掻き落し
て回収する方法である。

近年複写機が高速化し感光体の移動速度が増加
するに伴ないブレード方式では充分なクリーニン
グが行なえないこともあり、高速複写機において
フアーブラシ方式が施されてきた。また特にフア
ーブラシは感光体、特にセレンドラムの表面をブ
レードのように押圧しないため傷が付かずまた細
かな固形物がブレードに付着して傷をつけること
もなく、感光体の長寿命化が可能であるなどの特
徴があるため最近注目されている。

第２図は従来用いられている磁気ブラシ式クリ
ーニング装置の概略構成を示しており、クリーニ
ング装置９は、ハウジング９１の内部に感光体３
ａに接触しながら回転し得るように設けられたフ
アーブラシユニツト９２と、このフアーブラシユ
ニツト９２に近接して設けられた磁気回収ユニツ
ト９３と、掻き取り板９４とを配置したものであ
る。フアーブラシユニツト９２は、ブラシ芯９２
ａの周囲に動物の毛または合成繊維などで作られ
たブラシ繊維９２ｂを植設したものから成り、ハ
ウジング９１の内部に形成された突起６１ａの先
端がブラシ繊維９２ｂに触れる位置まで伸びてい
る。磁気回収ユニツト９３は、非磁性円筒スリー
ブ９３ａの内部に異なる磁極を交互に配置して成
るマグネツトロール９３ｂを円筒スリーブ３ａの
内面からわずかな間隙隔てて配置したもので、円
筒スリーブ３ａは矢印方向に回転し得るようにな
つている。掻き取り板９４は円筒スリーブ９３ａ
の表面に密着するように設けられている。

さて、上記クリーニング装置において、フアー
ブラシ９２と円筒スリーブ９３ａとをそれぞれ矢
印方向に回転すると、感光体３ａ上に残留する磁
性トナーＴはブラシ繊維９２ｂの摩擦帯電により
静電吸引され感光体３ａから除去される。ブラシ
繊維９２ｂに付着した磁性トナーはハウジング９
１の突起９１ｂによりたたき落とされ、マグネツ
トロール９３ｂの磁気吸引作用により円筒スリー
ブ９３ｂ上に吸引されて搬送される。円筒スリー
ブ９３ｂ上のトナーは掻き取り板９４により掻き
取られ、ハウジング９１の一部に設けられた収納
部９１ｂに収納される。

ところでトナーの回収を良好にするために円筒
スリーブ９３ａに対する掻き取り板９４の密着性
を高めると円筒スリーブ９３ａに対する負荷が増
すとともにトナーにもストレスがかかるので密着
性の調整は比較的困難である。また、掻き取つた
トナーを再利用する場合には別にトナーを現像装
置まで搬送する手段が必要となる。さらに、フア
ーブラシのブラシ繊維は長い間に削れてその削り
屑がトナーに混入するために特別の工夫がすれば
ともかく何の対策も構じないと再利用には不向き
である。さらに、フアーブラシや円筒スリーブが
高速回転するとトナーが煙霧状に舞い上りハウジ
ング内が汚れ易いという問題もある。

本発明は上記の点にかんがみてなされたもの
で、像支持体表に形成された静電潜像を磁性トナ
ーにより現像して記録画像を形成する静電画像記
録装置において、フアーブラシに付着したトナー
をフアーブラシから遊離せしめる位置に向つて開
口する円筒部をクリーニング装置のハウジングの
一部により形成し、該円筒部の内壁に密着して螺
旋状部材を回転可能に設け、該円筒部の外側に同
極どうしが対向するように磁界発生手段を設け、
円筒部の一端において該磁界発生手段を切欠き、
その切欠かれた端部にトナー収納部を設けたもの
である。

以下本発明を図面に基づいて説明する。

第３図は本発明によるクリーニング装置の一実
施例の概略構成を示しており、第２図と同じ参照
番号は同じ構成部分を示す。この実施例が第２図
に示した従来例と異なる点は、磁気回収ユニツト
の構造である。すなわち磁気回収ユニツト９３
は、ハウジング９１の後部９１ｂを円筒状とし、
この円筒部９１ｂの内面に沿つてピアノ線で作つ
たコイル９３ｃを矢印方向に回転し得るように設
け、円筒部９１ｂの外側には上下方向にそれぞれ
Ｎ極と、Ｓ極とを有する磁界発生装置９３ｄと９
３ｅとを配置したものである。この実施例では、
感光体３ａには、たとえばセレンドラム、磁性ト
ナーとしてカーボンをマグネタイト50部とスチレ
ン−アクリル樹脂と混合したもの、フアーブラシ
９２のブラシ繊維９２ｂには毛長５mmのテフロン
繊維、磁界発生装置９３ｄ，９３ｅの磁界の強さ
を1200ガウス、コイル９３ｃとしてピアノ線、ハ
ウジングにはABS樹脂を用い、フアーブラシユ
ニツト９２は300rpm、コイル９３ａは100rpmで
回転させる。

さて、上記実施例において、フアーブラシユニ
ツト９２とコイル９３ａとを回転すると、感光体
３ａ上の残留トナーＴはブラシ繊維９２ｂにより
静電気的に吸引される。ブラシ繊維９２ｂに付着
したトナーはハウジング９１の突起９１ａにより
ブラシ繊維９２ｂからは遊離され、磁界発生装置
９３ｄおよび９３ｅの磁気作用により円筒部９１
ｂの内壁上側と下側とに磁気吸引される。円筒部
９１ｂの内壁に付着したトナーは、その内部で回
転するコイル９３ｃにより内壁に吸引されたまま
軸方向に搬送される。磁界発生装置９３ｄ，９３
ｅをハウジング９１の円筒部９１ｂの軸方向に一
端まで伸ばさずに、第４図に示すように、一端で
切り欠いておき、その端部にトナー収納部９１ｄ
を設ければ、円筒部９１ｂの端部まで搬送されて
きたトナーはこのトナー収納部９１ｄに落下しそ
こに溜まる。

第５図は本発明によるクリーニング装置の他の
実施例の概略構成を示しており、この実施例では
磁気回収ユニツト９３のコイル９３ｃをフアーブ
ラシユニツト９２のブラシ繊維９２ｂにくい込む
ような位置に設け、そこに近接してブラシ繊維９
２ｂに接触する位置にしごき部材（フリツカーバ
ーともいう）９５を設けてある。

このようにすれば、フアーブラシユニツト９２
のブラシ繊維９２ｂと磁気回収ユニツト９３とが
近接するので強力な磁気吸引力が得られ、トナー
回収が有効に行なわれる。また磁界発生装置９３
ｄ，９３ｅの磁極を図示したようにハウジングの
円筒部９１ｂをはさんで同極（図示した例ではＮ
極）どうしが対向するように配置すれば、反発磁
界のためにトナーが円筒部９１ｂの内壁に吸引さ
れる際、高く穂立ちしないのでコイル９３ｃによ
るトナーの搬送性が向上する。

上記実施例において、トナー搬送手段を構成す
るコイルはピアノ線に限らず金属または樹脂でも
よい。また第６図に示すように、円筒部９１ｂを
ハウジングとは別体に回転可能に形成しておきそ
の突起２０をらせん状に一体成形しておき、円筒
部９１ｂを回転させるようにしてもよい。

以上説明したように、本発明はフアーブラシに
近接して円柱状中空部を設け、この中空部の内壁
に密着して螺旋状のトナー搬送部材を回転可能に
設けるとともに中空部の外側に磁界発生手段を設
けたので、トナーの搬送回収機構がコンパクトに
できるとともに所望の位置に搬送することができ
トナーのリサイクルが容易になる。また、回収時
に生ずるトナーの飛散が減少し、回収時にトナー
に圧力が加わることがなく、トナーの凝集も起こ
りにくく、この点からもトナーのリサイクルに好
適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は電子写真複写機の概略構成図、第２図
は従来のクリーニング装置の概略構成図、第３図
は本発明によるクリーニング装置の一実施例の概
略構成図、第４図は第３図に示したクリーニング
装置の磁気回収ユニツトの端部の構成を示す断面
図、第５図は本発明によるクリーニング装置の磁
気回収ユニツトの変形例の部分斜視図、第６図は
本発明によるクリーニング装置の磁気回収ユニツ
トの他の実施例の要部の概略構成図である。 １……原稿台、２……照明ランプ、３……回転
ドラム、３ａ……感光体、４……帯電極、５……
現像装置、６……転写電極、７……分離電極、８
…除電電極、９……クリーニング装置、９１……
ハウジング、９１ａ……突起、９１ｂ……収納
部、９２……フアーブラシユニツト、９２ａ……
ブラシ芯、９２ｂ……ブラシ繊維、９３……磁気
回収ユニツト、９３ａ……非磁性円筒スリーブ、
９３ｂ……マグネツトロール、９３ｃ……コイ
ル、９３ｄ，９３ｅ……磁界発生装置、９４……
掻き取り板、９５……しごき部材、１０……給紙
装置、１１……搬送装置、１２……搬送装置、１
３……定着装置、１４……排紙皿。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 静電潜像形成用像支持体表面に接触して回転
   し得るように配置されたフアーブラシにより前記
   像支持体表面に付着したトナーを除去するクリー
   ニング装置において、前記フアーブラシに付着し
   たトナーをフアーブラシから遊離せしめるトナー
   遊離手段と、クリーニング装置のハウジングの一
   部から成り前記フアーブラシのトナー遊離位置に
   向つて開口する円筒部と、該円筒部の内壁に密着
   して回転する螺旋状部材と、前記円筒部の外側に
   同極どうしが対向するように配置され且つ前記円
   筒部の長手方向一端において切欠かれた磁界発生
   手段と、前記磁界発生手段が切欠かれた円筒部の
   端部に設けられたトナー収納部とを有することを
   特徴とするクリーニング装置。